2021/11/01 のログ
神代理央 >  
「そういう仕事だからな。気分を落ち着けて、仕事に集中するには非常に助かっている。
君の調香師としての腕前には、感服する限りだよ」

早いね、という言葉には。そういう仕事だからと頷きつつ。
――習慣化して欲しくない、という少女の言葉には、若干苦い顔をするだけで言葉を濁した。
自分でも、自覚はあるのだから。

…と、そこで。
不思議そうに首を傾げた少女を、此方も同じような色の視線を向ける事になる。

「…どうかしたか?今日は、別に火薬だのなんだのといった匂いはしていない…と思うんだが…」

思わず、くん、と自分の裾に鼻を当てて。
匂いを嗅いでしまう。何か不快な思いをさせてしまったかな、と。

『調香師』 > 「ううん、気のせいかな?あなたは大丈夫だよ
 気のせいじゃなくっても...また来てくれた時でいいのかな?」

『孤独な英雄様』、そんな言葉が過る
あの言葉にどんな意図があったのだろうか。機会があれば、尋ねてみるのも悪くは無いのだろう、と

今は自分の仕事に集中するとしよう。彼は今、自分の事を求めてくれている
ならば、応えない訳にもいくまい

「お店に来たい日はあるのかな?
 最近はお休みしてたけど...再開の準備も出来たからね

 日記帳も買いなおせたんだ。記録を取るのもばっちり、いつでもいいからね」

彼女が久しぶりに『表』へと出歩いた理由
バスケットの中から、質の良い皮装丁の本を一冊取り出す
愛用していたものと同じ種類を探すとなると、そこそこ時間がかかったのです

神代理央 >  
「…そうか?それなら良いんだが。
身形には気を遣っているつもりだが、不快な事があったら言ってくれると助かる」

少女の言葉に首を傾げながらも――理由が分からない以上、それ以上追及するつもりもない。
落第街で受け取ったあの香り。焼いたバターと、朝食と、優しい香り。
部屋や執務室で多用するその香りは、自分には優しくて――優しいから、辛い。
だから、無意識のうちに少女との話題に上げるのを躊躇ったのかもしれない。

「…そうだな。休んでいたのは知らなかったが、再開したというのなら近いうちに訪れたいものだ。
明日…は駄目だな。仕事が立て込んでいる。明後日なら彼方に顔を出せると思うが…」

取り出された日記帳。
そう言えば、少女は造った香りに名前をつけたり、と拘っている面があった。
記録、というのもそういう類のものだろうと納得。
店に来たい日は、と尋ねられれば。少し思案する様な表情の後で予定を告げてみようか。
店が空いているなら、近いうちに訪れたいのだ、と。
ひいてはそれだけ――少女が生み出す香りに飢えている、とも言う事なのだが。

『調香師』 > 「本当に大丈夫だよ?」

ソレを意識して彼に指摘した所で
覇道の歩みを止められる訳でもなく

『この本も香りが良いんだよ』、鼻もとに寄せてすぅ、と
重厚感のある皮の香りに収まる紙束は、造られた場所の特徴故か少しスモーキーさも纏って自身を主張してくれる

「明後日。うん、分かった
 忙しそうな中で予定を汲んできてくれるんだもん
 一番満足できるものを用意したいな。うん、ふふひ

 その時に私が眠ってたら。あなたの匂いで起きると思うから
 そんな事が無いように気を付けるけど、覚えててね?」

神代理央 >  
顔の近くに寄せられた日記帳。
確かに、その香りは良いものだ。なめした革の匂い。新品の紙の匂い。
そして、仄かに漂う燻した様な、燻製めいた香り。
それはまるで――父親の書庫を、思い出させる。

「…そうだな。とても良い香りだ。私も好きだよ、こういう香りは」

にこり、と微笑んで少女に頷く。
この香りは嫌いじゃない。寧ろ好きだ。好きだけど、嫌い。

「有難う。此方も急な予定が入ったら行けない事もある。
余り気負わず、待っていてくれると助かるよ。
……寝ている時は、素直に店を閉めていて欲しいものだが。
店の中とはいえ、歓楽街で無防備に眠りに落ちるというのはどうかと思うがね?」

来店予定を合わせつつ、やはりちょっとだけお小言めいた言葉。
どうにも、年下に見える――実際の年齢は知る由も無いが――には、甘く…というか、世話を焼いてしまいたくなる。
その結果が小言なのは、我ながらどうかとも思うのだが。

『調香師』 > 「んー...眠くなったら努力する?」

曖昧な返事と表情
大抵の場合、意識がすとんと、電源を切る様に落ちてしまうので努力目標であるのはどうしようもないが

故に、あの環境で張り巡らされた『香り』は機能する
或いは機能しなくなった時、自身の全てはふとした瞬間に、掌握されうる

どれ程危うい立場となってきたのか。最近やっと、分かってきたつもりではあるのだけれどね

「それじゃ。今日はありがとう、かな?
 また後日来てくれる事を期待してる、程々よりももうちょっとね

 あなたも2回目になるんだから。大事なお客様なんだから」

神代理央 >  
「…まあ、それで構わない。もう少し自分の身に気を遣って欲しいとは思うがね」

小さな溜息。だがまあ、これ以上小言を言うのは流石に憚られる。
曖昧とはいえ、取り敢えず返事はしてくれたのだから良しとしよう。
幼い妹を持つ兄というのは、皆こういう気分になるんだろうか…とちょっとだけ思いを馳せる。

「礼はいらないさ。その分、次に店を訪れる時は私も期待している…とだけ言っておこう。ああ、それと……」

小さく頷けば、それで御互い用事は終わり。
此方も少女に次回の来店を約束しつつ、立ち去ろうとして――その足を止めて、少女へと歩み寄る。

「ハッピーハロウィン、というやつだ。甘いものが、好きだったら良いんだが」

ポケットに手を入れて、何かを掴んで。
少女が抱えるバスケットの上で手を離す。
バスケットの上に転がるのは、小綺麗な包装紙の飴玉。仄かに梨の香りが漂う、果実の飴玉。

「ではな。また君の店で会える日を楽しみにしているよ」

それだけ言い残して…というより、一方的に言うだけ言って。
少年は、尊大な態度を崩さずに。少女から離れて、委員会街の方向へと歩いていくのだろう。

『調香師』 > 「その言葉をお返しする人ばっかりだね?」

首を傾け。仕事柄、『頑張っている人』が誘われやすいお仕事でもあるのだけれど
心配して、されて。そんなサイクルが中心になってるねと、笑みは変わらずとも苦笑気味

離れていた距離は、彼の踏み込みで破られる。バスケットの中に転がったのは飴1個

「まぁ。...むふふ
 やっぱり、こういう物も好きなんじゃないの?」

拾い上げ、手の中で転がしてみる
可愛らしい丸い粒は愛用するには丁度いい大きさ

いつの間にか遠ざかっていた彼の背中を見つめて、彼女も歓楽街の方へ踵を返す


『トリックオアトリート!』

歩みを進めようとした所で、女の子の声
背丈の低い貴女は...幽霊の格好?

「お菓子はいかが?」

飴玉を委ね、子供の歓声を背に
彼女も夜に消えていきましたとさ

ご案内:「商店街」から『調香師』さんが去りました。
ご案内:「商店街」から神代理央さんが去りました。
ご案内:「商店街」に幣美奈穂さんが現れました。
幣美奈穂 >  
美奈穂の出立の時間は早い。
ですが、今日はいつもより30分ほどさらに早いのです。
朝の6時半。
戦いに赴く気概できりりとしている美奈穂です。

右手にはマジックハンド。
ぎゅっと握ると先のCが挟まるものです。
高いところにも意外に便利、伸ばせば2mぐらいになるのに片手で楽々な軽量なのです。

左手にはビニール袋、それも分別タイプの小型ごみ袋でマチ付きです。
ペールタイプでないのは持ちやすさで、中型大型でないのは、通学の道のりですので、
大荷物にせす、道すがらに都度、ごみ収集場所に置いていくから。
替えのごみ袋は背負ったうさぎさんリュックの中に詰め込んであります。

両手にビニールな長手袋装備。

ちたぱたと歩き、ごみを回収、ごみ袋に。
串を拾い、空きトレーを拾い、串を拾い、ドリンクカップを拾い・・。
中身のまだ入っているのは、なかなかに大変。
ごみ袋を置きまして、拾ってから流していい場所を思い出して。
そこまで行って流してから、戻ってくることになります。
ストローも、プラスチックや紙と分けましたり。
容器も本体は紙のものだったりもしますので、きちんと分けて。

幣美奈穂 >  
起きだしてきている主店街の方々。
見かけますと「おはようございます!」と元気なお声な美奈穂です。
元気ですけど、大きな声ではないのですが。
どちらかというと、鈴が転がるようなお声です。

串を拾い、ペットボトルを拾い、串を拾い、空き缶を拾います。
空き缶用の袋と、ペットボトル用の袋は嵩張るので、既に袋5つめ。
中を洗ってからごみ捨て場に置きたいのですが、ごめんなさい。

うなぁうなぁご、と顔見知りなにゃんこさんたちが、挨拶とおねだりに顔を見せます。
おやつの、出汁取りに使いました小魚を、乾煎りして天日で干したものを差し出します。
・・が、覚えているにゃんこさん、ごみを咥えて美奈穂の前にぽとりっ。

「あっ、ありがとうございます!」

お礼にお魚をもう1尾です。
それを見ていたにゃんこさん、そういえば、や。そうすればいいの?、と。
たまにごみを持ってきてくださる。
そのたびに、小魚です。今日は小魚多めに用意してあるのです。

少女と猫が商店街掃除をしているのを見て、少し早いけどと掃除に参加する方も。
もともと、8時ぐらいから2時間ほど、お店が開く時間までの間は商店街で掃除予定。
住んでいるのも商売しているのも自分だからと。
あと、今は11月――そう、常世祭の時期。
片付けてから、常世祭に向けて飾り付けを替えないといけないのです。
主に商店街や町内会の方々が。

幣美奈穂 >  
学園の門まで、まだ道半ば。
まだ先は長いのです。
ごみの集積場で、人が倒れておりました。
にゃんだろにゃんだろ、にゃんこさんが先に気付き、足元を嗅いでフレーメン反応。
ぶさ可愛いお顔です。
美奈穂も覗いてみます。
埋もれるようにいたのは、ゾンビさんと幽霊さん。
・・お胸が動いているようだから寝ているようです。
幽霊さんは半透明で判りやすく、朝日の下だとちょっと見難い。
まあ、霊的な視野をもつ美奈穂にはしっかり見えているのですが。
その方と一緒に寝ているゾンビさんは、死者っぽい感じはなくまるで人の生気のよう。
最近は速かったりいきいきしていたり、ゾンビさんも色々な様々です。
生物の多様性・・あっ、死んでおりますから死者の多様性というやつでしょうか。

ただ、美奈穂にはぴぴんっと判ることがあります。
それは――これは、ダメな大人の見本、ということです。

「これは、ダメなやつだから。あんまり見ちゃだめですわよ?」

にゃんこさんに指導です。
町内会の方に伝えておくことにします。
美奈穂はお掃除に忙しいですし、風紀委員会に連れて行くにしても起きて頂かないといけないので。
お掃除再開です。

お散歩している、わんこさんのベスとの出会い。
急にわんわんっ、と大きく吠えられるのがびっくりっ!
にゃんこさんたちもびっくりして、みなさん、さぁ~っと隠れたり登ったり。
飼い主さんと一緒の散歩で、尻尾を盛大に激しく振り、リードをぴんと張って。
後ろ足で立ち上がっているので。
飼い主さんがいなければ飛び掛かってきたことでしょう、何度もあったように。
美奈穂は涙目です。
嫌われているのではないようなのですが、吠えられるのにはびっくりして弱いのです。
『いつもごめんなさいね~。ほら、ベス。』
と飼い主さんが抱っこすると、啼き止むのですが、きらきらした期待の目をこちらに向けるわんこさんです。
落ち着いてくださったので、そろりと近づき手を伸ばせば、
首を伸ばしてお鼻を近づけて、ぴすぴす美奈穂の手を嗅ぎます。
頭を撫でてあげると、とても嬉しそうなご様子。

「あの、あんまり吠えないでくださいませ・・」

へにょり眉が下がる美奈穂です。