2021/11/22 のログ
ご案内:「商店街」に霧島 孝介さんが現れました。
霧島 孝介 > 「………」

商店街のスーパーの中。
とあるコーナーで神妙な顔をした制服姿の青年がそこに居た。
学校では無口だったり、のんびりしていたり、楽観的な彼だが
模擬戦やゲームの時並みに真剣な面持ちで、とある選択を迫られていた。

「これ、"択"だな…」

その両の手には、それぞれ白基調の箱が収まっていた。
箱の表面には、明朝体でこのようなプリントとシールが貼られていた。


『低脂肪牛乳』  182円
『おいしい牛乳』 254円


「………」

それを真剣に眺める。
多分不審者と思われても仕方ない。

霧島 孝介 > 「いや、待て、いったん落ち着こう」

何をそんなに悩んでいるかと言えば、どちらの牛乳を飲むかというもの
誰も彼の周りにいない中で一人でそんなことを言う。
誰も急かしていないのだが、それは言わない約束だろう。
一旦両手のパックをそれぞれ所定の場所に戻しつつ、顎に手を添える。

「70円か…」

この青年、毎朝牛乳を飲む。
その牛乳はこれまで低脂肪牛乳を飲んでいたのだが
ふと気になって前回は『おいしい牛乳』を飲んでみた。
すると味の良さに驚き、その週は毎朝シャキッと目覚めて活動出来たとか。

しかし、その代償は大きい。低脂肪牛乳よりも値段の高いそれに手を出すのに少し渋っていて
幸せを70円上乗せして確保するべきか悩んでいたのだ。

霧島 孝介 > こうがいい、いややっぱりこっちの方が
でもあっちの問題が…などと、考えていて、結局どっちかに決めきれず

「両方買っちゃった…」

ま、まぁ、気分の飲み変えればいいし!などと考えて
ビニール袋に入った二つの牛乳を見て、帰路に着いたという――――

ご案内:「商店街」から霧島 孝介さんが去りました。