2021/11/30 のログ
ご案内:「商店街」にアリスさんが現れました。
アリス >  
私、アリス・アンダーソン!
今日はアルバイトに精を出す三年生!!

元気な方、犬を散歩に連れて行ってあげてください。
そんなバイトの募集に飛び込んでみたわけで。

でも………まさか……

シベリアンハスキーが3匹とは思わなかったなー!!

知らなかった!!
元気っていうのはCONの話じゃなくて!!
STRとVITとSIZの話なんだね!!
日本語って難しいなぁ!!

アリス >  
「のぎゃああああああああぁぁぁ!!」

全くカワイくない悲鳴を上げて私は大型の犬三匹に引きずられています。
ああ、道行く商店街の方が振り返ってらっしゃる。

ご案内:「商店街」に園刃華霧さんが現れました。
アリス >  
ああ、待ってジョン(犬)。
落ち着いてケリィ(犬)。
リードが絡まっているわ、アラン(犬)。

犬ってのは元気なんだなぁ!!

私は引きずられながら必死に変な方向に行かないように踏みとどまっています。
あっ待って……そっちは常世渋谷方面だから…
オシャンティの街に犬に引きずられる陰キャが行ったら石を投げられる。

そんな益体もない妄想は目の前の現実に吹き飛んでいく。

園刃華霧 >  
「……アん?」

やたらと騒がしい声と、周りの妙にざわつく気配がする。
厄介事だったらめんどくさいなー、ちょっと見てアレな案件だったらトンズラしようかなー。
そんな事を思いつつ、チラ見


「……うン?」


見えたのは、三匹の犬に引きずられる小娘一人。
ああ、あれって犬ぞりってやつ?

ただまあ、なんかどう見ても暴走特急だよなあ、アレ。
見せモンとしては面白いけど……って


「うォっ!?」

面白がってみてたら、こっちに突進して来やがった。
ご丁寧に周りの奴ら、アタシを盾にするつもりだなこの野郎。

アリス >  
ギャア。
前方に風紀の女の子がいる。
どう考えてもぶつかるコース。

「避ーーけーーてぇーーー!!!」

半泣きで叫びながら犬に引きずられていく。
何がバイトだ。
何が元気だ。
アリス・アンダーソン、お前に人生は重荷ッ!!

ジョン(犬)とケリィ(犬)とアラン(犬)は風紀のお姉さんにじゃれつきにかかる!!

園刃華霧 >  
避けて―って言われてもなぁ
いや、此処から避けるのちっと無理だろこれ

……そりゃまあ、手段を選ばなきゃって話はあるがソイツは却下で


というわけで


「おー、やルか犬コロども!!」


あえて、堂々と立ちふさがる。
わずか、両腕を広げ。
なんなら受け止めてやろうとでも言うように。

小柄な体躯に、獣の気配を宿し。
その目も、わずかに獣の光を宿し。

不敵な笑いとともに待ち受ける。

アリス >  
────ッ!?
なに、あの気配は!?

あの風紀のお姉さんから出ているのは。
山で化け狸に化かされた時みたいな……野生の、気配。
ってなんだこの経験。自分のことながら引くわ!?

ジョン(犬)とケリィ(犬)とアラン(犬)は急ブレーキ。
彼女の前でお座りすらして従順スタイル。

「あ、あ、」

ありがとうございました、と言いたかったんだけど。
酸欠でハギィッという腐った金魚みたいな声しか出なかった。

漆器を思わせる美しい黒い髪。
美人だが挑戦的に、いや…獰猛に笑う黒の瞳。
ど、どういう……どういう?

園刃華霧 >  
「……なーンだ、犬コロ。
 意外と弱気じゃネーの?」

目の前でぴたりと止まった犬たち。
なんならちょっと遊んでやろうかと思ったが、どうもそういうのとは違ったらしい。

まあそれならそれでいいか、と。
とりあえず、一匹ずつ笑顔でなでてやる。

元気なのはいいけど、調子乗りすぎんなよ?


「……で、ト。」

意識を切り替えて、犬ぞり犯……というか、最早犬のオマケ、みたいな少女に目を向ける。


「ハギィッ……?」


なんか妙な言語で鳴いたぞ、こいつ?
見たトコ人間っぽいけど、実は異邦人とかか?


「アー……よシ。オマエ、ナニモンだ?
 言葉わカっか? オマエにハ……エーっと、なんダ。
 そう、アレだ。弁護士を呼ブ権利は、多分あル。かもシれなイ。」

本気で呼ばれたらめんどくさいし、適当にごまかしていってみた。

アリス >  
すごい……あんなにヤンチャだったシベリアンハスキーたちがこんなに。
こんなに従順になっている。
何者……凄腕のアニマルテイマー美少女風紀委員とか…?

「あぐ………ぐ、ぅ………」

ゼェゼェと必死に肺に空気を送り込む。
喋れ。喋れ。なんか喋れ。

「ありがとう。私、三年のアリス・ア弁護士ィィィィィィィィ!?」

なんでぇぇぇぇ!?
あ、そういう!? シベリアンハスキー暴走罪で裁判なの!?

やばい。やばいやばいやばい。
一気に汗が冷える。
そうだ、こういう時、どうするべきかを私は知っている。

「……私がやりました」

両手首を揃えて差し出した。

園刃華霧 >  
「ふムふむ、アリス、と……ホーほー。
 ン? なンだ、言葉は通じルのカ。」

よく見りゃまあ、多分整った顔って部類のヤツなんだろうな。
そんな少女だった。
まあ……ちょっと今は色々無惨になってるが、見なかったことにしておいてやろう。


「へー、素直じゃン。
 みンなソうなら、仕事が早くテ楽デいいンだけドなー。」

両手を素直に差し出してくる相手に、けたけたと笑う。
やば、素直すぎて笑える。

「ンで? なンでコんなコトやラかシたの?
 素直に吐いテおキな?」

まあ、座れよ、と犬を背もたれ代わりにさせてみる。

アリス >  
「日本語チョトわかるアルヨ?」

小首を傾げて言ってみる。
あ、私のことをよく知らない人に言っても本当に日本語わからない外人としか思われないか。
というか私、自分がコーカソイドであることを結構な頻度で忘れる。

「し、死刑ですかっ」
「最期にパパとママに会いたいんですがっ」

アアアア………ごめん、パパ、ママ、アガサ、アイノ、クロロ、あとあと。
私、シベリアンハスキーを暴走させた咎で死刑になります。

「遊ぶ金欲しさですっ」
「あ、でもアガサとアイノとクロロにクリスマスプレゼントが買いたいってのもちょっと……」

「でも基本遊ぶ金欲しさでしたぁぁぁぁごめんなさぁぁぁぁぁい」

犬が私を心配して近づいてきてくれた。
ああ、犬っていいなぁ。
来世があったら犬を飼おう。

園刃華霧 >  
「そッカー……パパとママが居るカー……」

ふと、家族ってどんなもんなんだろうなー、と思う。
少なくとも、死ぬ前に会いたい相手では有るらしい。
そんな、良いもんなのかな。

おっとと

「なニ?死刑?
 ナりタい?」

ギパッと歯を剥いてみせる。
とても良い笑顔で。

「金欲しサ、ねェ……?」

いやまあ、罪状とか割と冗談で言ってたけれど。
こりゃ本気で謎だな。
マジで犯罪だったか?

「犬を走らセんのト、金と、ド―ユー関係がアんのサ?
 誰かノ命(たま)取るトか?」

アリス >  
「や、やっぱりなしで……パパとママに違反学生になった私を見られたくない…」

ああ。このまま死刑執行まで私は地下施設に入れられちゃうんだ。
そして刑務作業と称して穴を掘っては埋め直す拷問『閻魔落とし』をさせられるんだ。
そこで出会った同じ死刑囚のキレイな女の人と仲良くなるんだ。
そのことでやっかまれた嫌な囚人たちにその人がボコられるんだ。
なんだかんだで大立ち回りした私はその勢いで囚人たちを煽動して横暴な看守たちと戦うんだ。
ラストだけカンフー映画なんだ。
ってこれじゃ女囚キャンサーじゃん。

「なりたくないっ死刑ノーサンキューです!!」

ガクガク震える私をペロペロ舐める犬。
ちょっと唾液が臭い。

「あの……アルバイトで…………犬の散歩の…」
「そしたら、犬が暴走しちゃって………」

園刃華霧 >  
「ひひっ……」

ああ、ダメだもう。
我慢できない。

「ひひ、ははは、ふひひひ!」

げらげらと、思わず笑いだしてしまう。
いや、ホント面白いヤツだな。

「いヤー、悪ィ悪い。
 なラ、悪いノはこノ犬コロか?」

じっと、心配そうにしている犬を見る、

「なーンてナ。
 ソんナこったラ、誰か轢いテでモいナきゃ犯罪ニもナらんヨ。
 安心シなって」

けらけらと笑う。

「イや、ビビらセチまっテ悪いナ。
 たダまー、気をツけんトな?」

アリス >  
笑い出す風紀委員のお姉さん。
ああ……このヒトも看守なんだ…………
縛り付けられて水をぶっかけられて電気が出るあの……あれ…
……棒?
あれでシビれさせられるんだ……
悲しい。私の人生はこれで終わってしまった!!

「へ?」

犯罪には、ならない?
ナッタギルティ?
リアリィ?

「はぁ…………」

へなへなと脱力してその場にへたり込む。
死ぬかと思った。
いや十分前に犬に引きずられた時も思ったけど。

死ぬかと思った………

園刃華霧 >  
「シっかしナ―。
 この犬三匹トか……無理だロ?」

じっと三匹を見る。
一瞬、びくり、と震えたようにも見えたが気のせいだよな?


「無理じゃナいにシても、ダ。
 最初に仕込みシとカんと危ないゾ?
 どッチが上かワからセるでモ、仲良くスるデも。」

そんな事を言いながら、両者を見やる。
なんかもうなついてる感はある、が。

「なンなら、此処で調教スるか?」

にたり、と笑う


「にしテも、プレゼントか。
 いいナ。トモダチ?」

遊ぶ金欲しさ、とは言っていたけど。そちらも本命だろう。
なんとなく、いいな、と思った。

アリス >  
「無理だったね………」

それは確かにそうなんです。
今のこの子たちなら確かに散歩させられそうだけど。
信用してないされてない関係で散歩は無理でしたね。

「ああ、いや、その! 可哀想なのはナシで!!」

やばい、敬語が全く思いつかない。
日本語は難しすぎる……

「うん、親友二人と、お兄ちゃんみたいなヒト…」

照れながらウェットティッシュを錬成して顔を拭った。

園刃華霧 >  
「ま、イーや。
 金稼ギ自体は健全ナんじゃネ?
 ちとミスっちマったケど、そいツもまタ人生ってナ?」

ケタケタ笑う。
実に楽しそうである。


「ソっか、じゃあ過激ナのはやメとくカ」

やれやれ、と肩をすくめ。


「ふむフむ、親友と、お兄ちゃんミたいナ、ね?」


親友、か……そうだなあ、アタシもプレゼントくらいしようか。


「ト。バイトだッケ。歩きナがら話す?」

アリス >  
「健全かぁ………」
「健全にお金を稼ぐのって大変だなぁ………」

バイトは大失敗というわけなのだ。
なにがわけなのだ、だ。
アリス・アンダーソン、お前に人生は重荷。

「うん、散歩しながら話そう」
「あ、敬語苦手でごめん」

「私、アリス・アンダーソン。あなたは……」

話しながら散歩をして。
ああ、やっぱり犬は良いなぁって思ったり。
キレイなヒトだなって思ったり。

色々。そう、色々あったんだ。

園刃華霧 >  
「そりゃオマエ……って、アリスちんだったナ。
 アリスちんサー。金もらウんだシ、大変なノはしゃーナいさ。
 むしろ、楽シて稼ぐ、ナんてムシの良い話、だぜ?
 大体、ソーゆーのッテ裏がアること多いシな」

たった数日で数十万稼げます、とか確実に罠だ。
だいたいろくなことはない。
それでも稼ぎたいやつはツッコんでいくから、そういうのがなくならないのも現実である。

っても、そんなの切羽詰まったやつがやればいいこった。


「ま。とりあえず散歩さセりゃイいんダろ、多分?
 今かラでも続きスりゃへーきダろ。」

そう言いながら、ついて歩く。


「アタシ? あァ。アタシは、園刃華霧。
 しがない風紀委員ダけド。ま、コまったコトあったラ声かけテみてモいいヨ。
 さシあたッテは、バイト完遂のサせ方ってトこかナ?」

ひひひ、と笑う。

ご案内:「商店街」からアリスさんが去りました。
ご案内:「商店街」から園刃華霧さんが去りました。