2021/12/03 のログ
ご案内:「商店街」にアリスさんが現れました。
■アリス >
私、アリス・アンダーソン!!
年末に向けて各種バイトを頑張ってる三年生!
今日はチョコレートショップ『スマイル・スマイル』でバイト中!
年末。そう、クリスマスが近い。
そういう時、ショコラティエでは何をするのか?
店の前でテーブルを並べて予約を取っているのです。
「クリスマスにスマイル・スマイルのケーキはいかがですかー」
声を張る。喉が痛い。
外で制服。可愛いけど寒い。
とまぁ、結構過酷なバイトなのである。
ここでバイトするのも二年十ヶ月ぶりくらいだろうか。
面接時にあの頃は年を誤魔化してたんですよーエヘヘって言ったら軽く注意を受けた。
ですよねー。
■アリス >
というわけで私はまだマイナスなんだッ!!
ここでバイトを頑張って雇ってくれた方々の気持ちにプラスで報いたいんだッ!!
やる気はある。
仕事もそこそこやれている。
でも……でも…
寒い………………
脳内では今、エベレスト南西壁無酸素単独登頂という感じ。
「まだケーキが決まっていないご家庭、家族の方にカタログを持って帰って相談しませんかー」
ああ……寒風が身に染みるなぁ。
両手の間に暖かい空気を錬成する。
すぐに外気に散っていった。
■アリス >
ここで焦ってホッカイロとか錬成すると私は失敗する。
温かくて、発火の危険がなくて。
それでいてショコラティエの制服姿の女の子が持っていても不自然でないものはないかな……
店のマスコットぬいぐるみとかあるなら作っちゃうんだけどな……
残念ながら普通のチョコレートショップにマスコットキャラなどいない。
「いっぴし!!」
全くカワイくないくしゃみ。
さ、寒い!! さっき休憩したばかりなのにもう死ぬほど寒い!!
交代で外に出ている先輩たちはこの苦境をどうやって乗り切っているの!?
気迫? 熱血? 根性? 勇気?
とにかく12月の外、しかも夕方ともなればメチャクチャに寒い。
ご案内:「商店街」に霧島 孝介さんが現れました。
■霧島 孝介 > どうも、霧島 孝介です。
勉強方面に力を入れている二年生です。
今日は自主勉強を終えて校舎から帰る途中、商店街に買い物に来ました。
「今日は葱納豆ご飯、葱味噌汁にでもするか…」
スマートフォンの画面に映っている買い物リストを片手に、そんなことを呟く
料理の方向性が葱に傾いている気がしなくもないが、健康にいいからね。問題ないよね。
寒風に耐えつつ、通っているスーパーの方面を歩いていけば、チョコレートショップを通りがかる
(…寒そう)
可愛らしくないクシャミが聞こえて、そちらの方を向く
そこでは金髪碧眼の少女がチョコレートショップの制服を纏い、健気に客引きを行っていた。
にしても、この寒さで制服だけってきつくない??ダウンジャケットくらい着ても文句言われないと思います。はい。
そんなことを考えながら通り過ぎようとしたものの
今年はもしかしたらケーキを大切な人と一緒に食べることがありそうだし
ポケットには余ったカイロもある。
客引きしてる女の子に渡しても良いか、と考えて、テーブルの方へと歩を進めて
「あの、すいません。ケーキの予約できますか?」
そのように声をかけた。
■アリス >
我慢……我慢だアリス・アンダーソン…………
ここで我慢してお金を稼いで…………
アガサとアイノにクリスマスプレゼントを……
あと、最近妙につるんでるクロロにも何か………
「クリスマスのプレゼントに、家族と囲むパーティに」
「スマイル・スマイルのチョコレートケーキはいかがですか」
そんなこんなで声を張っていると。
ちょっとくせっ毛な茶色い瞳が特徴的な男子に声をかけられた。
なんと、なんと!!
ケーキの予約の希望ッ!! ヤッター!!
「はい、もちろん!」
「ケーキはこちらのカタログから種類とサイズを選べます!」
「当店おすすめはフォンダンショコラとなっております」
「それで………えっ……」
くしゃみが出そう。あ、出ない。
お客様の前で変な顔晒しただけだこれ。
「……失礼しました」
赤面。全くもってカワイくない。
■霧島 孝介 > 自分が声を掛けた途端、少女の表情が滅茶苦茶良くなった気がする。
うん。気持ちはわかる。
声出してもスルーされるのって辛いよね。
こういう仕事って大変だよね…多分、明日か明後日あたりにウチのコンビニでもやらされそう。
それこそサンタさんの衣装でも着させられそう。
「あ、は、はい。だ、大丈夫…です」
クシャミが出そうで出なく、赤面している少女。
多分、一部の層の人は歓喜する表情だろう。
しかし、この男。
未だに陰キャコミュ障の領域から完全には脱せられておらず、こういう時の対応マニュアルが頭の中に存在しなかった。
表情を気にする余裕はなく、気まずい空気になる。
「…あの、良ければこれ使って下さい」
ケーキを注文するより、先にカイロを渡した方が良いか。
刹那の時間でそう思考して、ポケットの中から未開封のカイロを二つ取り出し、少女に差し出す。
未だに陰キャコミュ障、だがこういう部分は一応成長しているようだ
■アリス >
即フォロー即気まずい空気。
うん、やってしまったねぇアリスさん!!
「大丈夫でしたか……」
思わず変な日本語が出てしまう。かつ無表情。
陰キャインパルスが迸る。
日本語でこういう時、どんなことを言ったらいいかわからないの。
英語なら小粋なジョークが言えるかというとそうでもないけど。
常世学園の男子生徒と思しきお客様はホッカイロを差し出してくれる。
なんという気遣い……神々しい!!
後光が差して見える!!
「ありがとうございます、寒いですよね」
「本当助かります」
笑顔で感謝の言葉を述べて。
早速目の前で開封して上下に振った。
いやもらったものを断りなく即使うなー!?
どんだけだ!! 私!! どんだけだ!?
「し、失礼しました………」
だって寒いんだもの!! 限界!! 限界!!
■霧島 孝介 > 「…はい」
相手が無表情となり、固唾を飲む、
え、怒ってる?『寒いよねー!お嬢ちゃーん!チーッス☆』とか言えばよかった!?
いやぁ……無理っすねぇ……はい
お互いに陰キャインパルスを走らせていたが
ホッカイロを先に出すという機転が功を奏し、少女が笑顔になる
とりあえず、バッドコミュニケーションは回避できたようだ。
「そうですよねぇ…本当、お疲れ様です」
見た目だけの印象ではあるが、自分より年下と思わしき少女。
その子が健気に働いている姿に少しでもエールを送りたいと思っていて
感謝されれば、こっちも微笑もうとしたが…
「あ、あはは…いえ、もう、受け取った時点で貴女のものなので
自由に使っちゃってください」
いや、速攻使うやん!?
ま、まぁ、嬉しいんだけどね。頼ってくれてるみたいで。
でもそのスピードの速さには流石に苦笑いを浮かべる。
「えっと、その、フォンダンショコラって奴で良いんですけど…
2~3人で食べるのにちょうどいいサイズとかあります?」
と、とりあえず動揺を隠して、ケーキの話に戻るが
オススメされたフォンダンショコラを選びつつ、サイズの事を聞いてみる。
■アリス >
私、アリス・アンダーソンは。
今でこそ親友に恵まれ、青春を謳歌しているが。
友達いない歴が14年ほどあった凄まじい陰キャだった。
そのことを思い出して、沈痛な面持ちになってしまった。
ち、違……スマイル! スマイル! 笑顔で応対、それが基本!!
「良いこともありますよ、お客様が笑顔で予約していただいた時とか嬉しいですし」
嗚呼、敬語が怪しくなってくる。
そもそも日本語は難しすぎる。
日本語のテストを受けてるだけで私はえらい。
ノーベル偉いでしょうほしい。
「ありがとうございます、うぅぅぅ」
ホッカイロが温かくなってきた!!
ああ、助かる!! 命を拾える!!
「それなら4号が2人から4人向けのサイズとなっております」
「ちょっとアバウトなのが申し訳ないです」
苦笑しながら言う。
この手のサイズは、大きすぎるとか小さすぎるとか
後からクレームが来ないようにアバウトな基準が設けられている。
■霧島 孝介 > 恐らく、目の前の少女の友達いない歴を聞いたら
壮絶な人生を歩んだことを憐れむ…ことはせずに
友達いない歴16年ということを告白し、ドヤ顔をしつつ仲間意識を持つだろうか。
何はともあれ、今が楽しければ良い。今、青春を謳歌出来ていればいいのだ。
沈痛な面持ちに眉間に皺を寄せて、少し心配そうな視線を送るが
「あ、貴女は…仕事人だぁ…」
敬語が怪しいなどとは感じずに、笑顔で応対する少女に感動する。
自分より年下(多分)の女の子がこんなに頑張っているなんて…ヤバい…泣きそうだよ
と、年齢不相応に関心する。オッサンかこいつは。
「もう、存分に使っちゃってください、ええ」
何なら異能で何か暖まれるものを作り出したいが
良いものが思い浮かばない。
会話している間に思い浮かばなければ、カフェオレでも買ってこよう…などと考えて
「なるほど…それじゃ、4号をお願いしてもいいですか?
ま、あれですよね…食べる量とかわかんないっすもんね…」
苦笑いする少女に、納得したように頷く。
個人の食べる量なんて、店側が知ったこっちゃない。
多少アバウトでも、こちらは気にしないで4号を注文してみる。
■アリス >
「仕事人だと時代劇が想起されますです」
敬語、崩壊。
ああ、こんなのでバイトを最後までやり通せるのか!!
アリス・アンダーソン!! お前に人生は重荷ッ!!
「いやー……本当はみんな、最新の薄手防寒具とか」
「暖かい空気に守られる魔道具とか使っているのかもしれませんが」
「そういうのの情報ってどこで得られるのでしょう」
笑顔のまま背景に宇宙が広がる。
ネット? ネットなの?
「かしこまりました!」
笑顔で頷く。
やった! 今日はトントン拍子に予約が取れてる!!
グフフ、店長様! この四天王の一人、怪力のアリスが功績を上げてみせます!!
いや何が怪力だ低STRだよ。
「ここのケーキ、美味しいんですよ」
「クリスマス、楽しみにしててくださいね!」
■霧島 孝介 > 「はっ、確かに」
時代劇は専門外だが、その仕事人は知っている。
少女に突っ込まれて目が覚めたようにハッとする。
というか『はっ』って言っちゃってる。
なお敬語の崩壊には敢えてツッコミを入れない模様。
色んな人がこの島に居るからね。多様性大事。
「暖かい空気に守られている魔道具……なるほど」
少女の言葉を聞き、顎に手を添えて考える。
薄手防寒具は未だしも、後者の魔道具は今、作れる。
その手の魔術の術式は簡単だ。授業でも習った。それを布に編み込んで、形にすれば…
「あの、『こういうの』、本当はやっちゃいけないんで拾ったことにしてください」
そうして、手元から蒼い光の粒子を出現させる。
煌めく光はイルミネーションのようで、それを集中させてマフラーの形を作り、実体化させる。
作り出したモノを少女に渡しながら、人差し指を立てて、『秘密』といった具合に口元に持ってくる。
マフラーはほんのり温かく、巻けば体全体が暖気に包まれるだろうか。
「えぇ、勿論!楽しみにしておきます」
ケーキが美味しいという言葉を信じて、こちらも笑顔を向ける。
少女が四天王とか怪力とか、そんなことを考えているなんて想像はできずに、ケーキを純粋に楽しみにしよう。
というか想像出来たら凄い。
■アリス >
「カッコいいとは思うけど今の時代の若者に馴染みはないかもなので」
「通じたお客様とはシンパシーを感じざるを得ませんですです」
ああ、もうめちゃくちゃになってきた。
敬語を使うと日常会話が成り立たない!!
日本語ってムッズかしいなぁ!!
蒼い光、瞬いて。
まるでその場で何らかの奇跡が起こったかのように。
彼の手の中にマフラーが作り出される。
えっ……これ、まさか。
差し出されたマフラーは。
確かに暖かな空気に守られていた。
「えっ……ひょっとして…」
掌に異能でペットボトルのミネラルウォーターを錬成し、それを一回転させるとピザカッターになる。
ピザカッターを足元に落とすと、地面に落ちる途中で雪だるまに変わって地面に当たって砕け散った。
「……同じ異能の方、でしょうか」
まさか。まさかまさか。
世界でもかなり珍しい。創造異能。
さすが異能学園都市、常世学園。
自分以外に初めて見た……!
■霧島 孝介 > 「し、しんぱしー…ど、どうも
でも、アレですよ。俺時代劇全然知りませんよ?」
何だか金髪の美少女にシンパシーを感じられてしまった。
恐らく、日本語の件については本人も自覚しているようなので、ツッコミは相変わらずに入れずに。
というか、外国人から見たら日本語が難しいというのはSNSで知ったし…
その点で言えば、目の前の少女は寧ろ上手に話せているだろう。
そう考えるとセレネさんって凄いんだな…流石天使。
いや、ワンチャン神様疑惑あるからなあの人…
そんなことを考えた後に、マフラーを作り出せば中々受け取られずに
(あっ、流石にマフラー作り出して渡すのはキモかったか!?)
と考えていたら…
「?…うおっ!?」
突如、少女の掌に出現するペットボトルのミネラルウォーター、そして瞬きの間にピザカッターに
最後には雪だるまに変わって、砕け散る。
「お、おぉーーー!まさか、創造系ですか!?初めて会った!
俺以外の創造系異能に、あれ、異能ですよね!?」
少女よりも先にテンションがMAXになる青年。
まさか、こんな所で会えるとは、創造系の異能を持っている人は中々おらず
『資料で持っている人が他に居る』、ぐらいしか知らなかった。
しかし、もしかしたら錬金術の類かもしれない。テンション爆上がりのまま、確認を取ってみる。
いきなり大声を出したせいで、周囲の視線を集めてしまって、少女も驚かせてしまうだろうか。
■アリス >
「私も知らないんですが」
「多分、名前とタイトルだけはパッと浮かんでいる同盟的な?」
胡散臭い概念がぱぱっと出てくる。
特技妄想、趣味妄想。
「創造系異能の空論の獣(ジャバウォック)です」
「でも魔術的な機能を持ったものは錬成できないんですよね」
暖かい、と嬉しそうにマフラーを巻いて。
これでバイトも乗り切れる!
「この系統の異能、ものすごく珍しいですよねー」
「あ、私…アリス・アンダーソンって言います」
自分の名前と空論の獣の上に小さなカタカナでジャバウォックと書いてあるボードを錬成して見せる。
ああ、嬉しい! この広い世界で仲間を見つける喜び!!