2021/12/04 のログ
霧島 孝介 > 「単なるうる覚え同盟じゃないですか…
 ファンから怒られますよ」

少女の言葉にジト目を返す。
ってか一応、店員と客という立場だよな?
ま、まぁ…打ち解けることは悪いことではないけど…うん、厄介客と思われそうだからこれは黙っておこう。

「異能の名前も滅茶苦茶かっこいいじゃないすか…
 あ、あぁ、俺の異能は『蒼装(ソウソウ)』。

 俺の場合は科学・魔術どっちも行けますが…武器や道具とかに限定されますし
 大きすぎる物は無理って感じですかね」

少女の紹介に合わせて、自分も異能と一応弱点を紹介しておく。

少女の異能を初見で見た感想だが。
正直、少女の補足が無ければ自分より上位の異能であると感じた。
自分の場合、何かを作るには武器や道具という工程を挟むのに対し、少女は即座に雪だるまを作ってた。
それに錬成したものを変化させてたよな?幅が広そうだ。
もしかしたら…

っとバイトを乗り切れると嬉しそうな少女とは反対に
そんなことを考察していれば、次なる言葉が飛んできて

「確かに、俺達以外だと…風紀委員の…いや、アレは召喚か

 っ!お、俺は霧島孝介です。
 よろしくお願いしますね」

目を離したらボードが!
錬成する時間も早い。自分はそんな便利なボードを作り出せないので
                      ソウソウ
メモ帳とペンを出して、名前と異能の名前である蒼装と書いた紙を渡す。

アリス >  
「ファンがいたら貝のように押し黙りますます」

思わず喋りすぎてしまっている。
ああ、楽しい。世の中のお客様がみんなこんな人だったらいいのに。

「なるほど……お互い、同じ系統の異能でも方向性が違う感じですね」
「こういうの、結構面白いですよねー。蒼装! カッコいいですよー」

彼の異能を見た感じ。
どうやら私よりガジェットの創造に長けた異能らしい。
即応性が高く、それでいてマフラーの感じがすごい精緻。
創造異能は本人のイメージ能力に左右されるけど、
彼はそれも高いのだろうなぁ。

「……? 風紀? 神代先輩のことですか?」
「よろしくお願いします、霧島さん」

メモ帳を恭しく受け取って。
次の瞬間、店内から店長の刺さるような視線が見えた。
ピャッと錬成したものを消す。

「えー、ご予約ありがとうございました?」

あれだけ騒いだ後に言うのはもう手遅れですね。
そんなこんなでバイト後にちょっぴり注意を受けたのでした。

霧島 孝介 > 「ん~…ファンの人、近くにいないでくれ」

頭を抱えて、神妙な顔をしながらそのように願う。
まぁ、確かに。こういうお客さんばかりなら労働者もハッピーだろう。
自分も接客業をやってるので痛いほど分かります。

「創造系でもやっぱり、微妙に違ったりするんですね…
 えぇ、色々作れるって自由度高いですよね。へへへ~」

顎に手を添えて考える。
完璧な創造系の異能っていうのはやっぱりレア中のレアなのだろう。
そして、名前をカッコいいと言われれば、頭を後ろにもっていって嬉しそうに笑う。
友達が付けてくれた異能の名前を認められたようで、上機嫌になり

「あ、知ってるんですね…やっぱり有名人なんですね…
 はい。アリスさん!」

メモを渡せば、錬成したものを消す様子にビックリして
店内をチラッと見れば、店長がこちらを見ていて納得して
そそくさと予約の手続きを済ませて

「はは、こちらこそ、ありがとうございました。
 それじゃ、風邪引かないでくださいね!」

笑顔でそう言いながら歩き出す。
自分と同系の異能。流石に興味を抱かずにはいられずに
また会えればいいな、などと考えながら葱を買いに行ったという―――

ご案内:「商店街」からアリスさんが去りました。
ご案内:「商店街」から霧島 孝介さんが去りました。