2021/12/07 のログ
■雪城 氷架 >
「あ…?」
周りにまだいた生徒を散らしてくれている、女生徒
どうやら声をかけてきてくれたのは風紀委員だったようだ
さすがに風紀の人間に言われれば言うことを聞く生徒は多い
…一安心、というわけにはいかない
「へ、平気って…!」
あちこち凍りついている現状、とても平気には思えない
…とはいえ、落ち着けと言われればそれもその通りで…
収まれ収まれと必死になるよりも、言われたとおりに深呼吸をして、心を落ち着けようとする
少しだけ、冷気が弱まった…ような気がする。本当に、心持ち程度
「……ありがと。よ、よし…これで…」
あとは───
「うわっ!?」
一転、冷気をもっと収めようと手を翳すと炎が巻き上がる
凍りついた範囲に比べれば、焚き火程度のものだが、氷架の足元にめらめらと人頭大の炎が燃え上がっていた
■園刃華霧 >
「オイオイオイ、マジかー」
氷のお次は、火と来た。
なんか上手いこと打ち消し合ってくんないかな、とも思うが、さてそんな美味しい話があるかどうか。
それよりなにより、まずは目先の話。
どうも能力は見えないが、おそらくは目の前の相手の異能が暴走してるっぽい、か?
アタシ自身、そんな経験はないからどうしたもんかなあ……
しゃーない
「ホいっとナ」
勢いをつけて、近くにジャンプして飛び込む。
一応、着地点がヤバいことになって……なさそうな、ところを選んだつもり、だけど。
さて、実際はどうかなー……うー、やだなあ
「はイ、おジョーさンや。学年、お名前、言エるカい?
慌てンな? 焦んナ? こーユーの、初メてカ?」
現在進行形で事態は動いているわけだが、もう知ったことか。
そんなわけで、マイペースに声をかけた。
■雪城 氷架 >
異能の振れ幅、というよりは制御が全くできていない
まるで、ハンドルを少し右に切っただけでスピンする車のような──
おかしい、今までこんなことなかったのに…と
落ち着きはじめていた精神が再び揺らぎ、異能の力が…
…、と
風紀委員が飛び込んできた…ホいっとナ、ではない
「わっ…! バカ!危ないって……!」
彼女の着地点に炎こそはなかったが、まだ白く凍りついていて氷架の近くはとても寒い
「いや、それどころじゃ……あ、焦るなって言われたって…」
自分にとっては非常事態
そんな中にあって妙にゆるくかけられた言葉はなんだか不思議と、安心するような…妙な感じだった
すー、はー、と深呼吸して…
「ゆ、雪城氷架…、2年…
あの、わざとじゃないからな?きゅ、急になんか、こうなって……」
しょぴかれたらどうしよう、不安である
異能の力と影響は未だ少女から漏れ出すように収まりを見せず
炎は勢いを増し、冷気は少しずつ、落ち着いていた
■園刃華霧 >
「あンなー、危ナいのなンてドーせ日常茶飯事ダってノ。
犬ダって歩ケば棒に当タるってナ?」
なにかどこかピントがずれたことを言って、けたけたと笑う。
まあまだこの規模の異能であれば、そこまで慌てることもない。
見慣れている。暴走っぽいのが続いてもっとヤバくなったらちと不味そうだけど……
「マ―、わザとダってンなら『逃げろ』なンて言わンわな?
そコは信じルよ、ヒョウカたん」
わざとやったら暴走しすぎて大慌てって線もまあ、なくはないが。
そんなのは今は些細なことだし、どっちにしても目くじらを立てる気もない。
「ンー……冷っコいの、少し収マったカ?
火がマだっポいけド。まあ、ナんとカなるっシよ。」
やっぱりのんびりと口にする。
いや、内心は割とやべーなって思ってはいるんだけど。
「だカら、へーキだシ。怖くナいゾ?
少しズつ、少シずつ、ダ。」
少しでもコントロールできてきた、のであれば。
まあなんとかなるだろうと楽観的に考えてみる。
ダメなら……いや、考えるのやめよう
■雪城 氷架 >
「いやいやそういう問題じゃないだろって…!」
なんでこんな状況に妙に落ち着いてるんだ、と思ったが
そうか風紀委員にとってはこれくらい日常茶飯事…
風紀委員ってスゴい、素直にそう思った
──炎は、冷気を収めようと意識をプラスに働かせたことで発生した
異能の力の振り幅がおかしくなっているんだ、と落ち着いて考えてみれば、見えてくる
「よ、よし…なんとかなる…と、いいな……」
力をどうにかする、ではなく、使わないように…出さないように
「………」
目を閉じて、集中する
異能を普段使いしすぎていて、力を使わないことに集中しないといけなかったのだ
……しばらくすると、炎は揺らめいて消え、少女の身体付近から漏れていた冷気も、落ち着き…
後には、少し焦げた路面と、凍ったままの商店街
少しずつ陽の光に当たって溶け出してきていたが、すぐにというわけにはいかないようだった
「………っはー、…ビビったぁ」
どさー、とベンチに座り込む少女
お尻が冷たくて少し驚いた、そりゃそうだ凍ってる
「…ありがと。助かった」
自分を落ち着けてくれた女生徒へと、目線を向けてお礼を言った
■園刃華霧 >
「な?なンとかナったロ?」
けたけたと笑う。
落第街じゃ、暴れる違反部活と遊んだし。
表の方じゃ、うっかり異能を暴走させる連中と遊んだし。
大体のことには慣れている。
概ね、なんとかなったからまだ此処に居るわけだ。
「ひひ。まあアタシの手柄じゃナくて、ヒョウカたんの力だケどナ?
アタシは高みの見物ッテわけサ」
やー、らくちんらくちん。大変ありがたいことで。
少なくとも労力はだいぶかからなかった。
「考エてミりゃー、アのマまだト、アタシもヒョウカたんも燃えルか凍るカ、だったカもだシ。
助かッタのはアタシの方かネ?」
あんがとさん、と笑う。
「……デ。大丈夫ソう?」
改めて顔を覗き込んで見る。
改めて見ると、結構顔整ってんな
■雪城 氷架 >
「…わかってたの?」
けたけた笑う彼女にお礼は言ったけれどそれはそれとして怪訝な目
あの状況で飛び込んできたり、なんというか肝が座ってる
高みの見物、というなら近くまで来る必要はなかったのだし
「おっかしいな…なんでだろ…
今までこんな風になったこと一度もなかったんだけどな…」
辺り一面凍りついた商店街を見渡して、大きな溜息
少しずつ溶け出してぱたぱたと雫が雨のように路面を濡らしてゆく
「……多分、異能を抑えるじゃなくて、全く使わないようには、ちゃんと出来たから…」
大丈夫そう?という問いかけには、こくんと頷いてそう答え…
「…ところで、呼ばれ方気になるんだけど、誰にでもそう呼んでんの?」
たん付けで呼ばれたことなかったな、なんて思いつつ
そういえば
「えっと、アンタ…じゃない、風紀委員サンの名前は?」
助けてもらった相手の名前を知らずにお礼だけ、なんて釈然としない
ちゃんと聞いておこうとそう問いかける
■園刃華霧 >
「うンにゃ、わッカるワけなイじゃーン?
なンとナくだヨ。」
変わらず、けたけた笑う。
上手くいかなかったらそのときはその時。
くたばるなら、まあ其処までのお話。
上手くいけば儲けものというやつである。
「ふーン? 心当たリとかモなシ?
アレ……とか、デもなイよナぁ……」
女子なら色々と不安定になる時期というものは在る。
とはいえ、それなら今までにあってもおかしくないわけで。
まあ深く突っ込むこともデないのかねえ
「ン―……まァ、だいたい?
愛称トかのガ、堅苦シくないジャん?」
その場のノリでだいたいみんな適当な呼び名を付けたりする。
もはや癖に近い。
「ん、アタシ? アタシは園刃華霧。
別に覚えナくてモいーヨ。」
へらへらと笑いながら応える。
わざわざ好き好んで風紀委員の名前なんざ覚える必要もなかろう、なんて思ったり。
「ま、落ち着イたンなら、ナんか飲む?」
虚空から適当に缶ジュースを何本か取り出す。
■雪城 氷架 >
「…うそだろー…うまくいかずに凍ったり燃えたりしちゃったらどうするつもりだったんだ…」
結果的になんとかなかったから良かったようなものの…
ヘタをうったらこの人まで氷像になっていたとか、笑えない
「…アレ?…あぁ、アレの時はそもそも表に出ない…」
重いので
「そのばかぎり?本名?
…ま、いっか… ありがと、華霧」
改めてお礼を言いつつ、はーっと大きく溜息、ようやく色々な意味で落ち着いた
騒動が落ち着いたようだと店の人や、通りに人も少しずつ戻ってくる
迷惑かけたところにはあとで謝りにいかなければ
「…ん、いいの?おごり?」
虚空から出てくるジュース
魔術か異能の類だろうか
今更疑うこともするつもりがないので、普通にいただくことにする
「っていうか、寒っ……」
異能オフにしたので普通に肌に感じる気温が寒い
■園刃華霧 >
「ひひ。ソん時ゃ、そん時だヨ。
少しクらいナら、捌くヤリ方も知ってルしナ?」
ダメ元、やるだけやってみる、まあそんな精神だ。
なにより
「大体、一人でドーにかシよーッタって上手くイかんカったッシょ?
ま、少しハ成功率、上げレたンなら儲けモンってコと。
少なイ労力で大きナ成果バンザイってネ?」
放っておいて騒ぎが拡大するよりはよほどマシなわけだ。
ソレはお互いに。
アタシは、サボりで怒られないよう。
ヒョウカたんは、やらかしで怒られないよう。
「ま、一応本名ダよ。
色々あンのサ」
その場でつけた、そのばかぎりな名前だったけれど。
まあそれなりに長い付き合いにはなったか。
「おゴりダよ。
ま、コンくらイなら、ネ」
そして、寒がるのを聞いて
「あン? 寒いノなんテ今更デしょ?
さっきノ氷ぬキにしテもサ。
ま、寒いナら温かイ飲み物ノがいいカ?」
そういいながら、温かい缶を差し出す。
「ニ、しテも災難ダったナ。
理由もわカらンなら、まタ同じコト起こルかもッテ気持ちダけは持っテおいテもいーカもネ?」
本当は病院とか検査とか、そういうのが必要かもしれないが。
それをわざわざ強要する気はしない。
行きたければいけばいいし、嫌なら行かなきゃ良い。
考えるのも決めるのも、本人だ。
■雪城 氷架 >
この短い時間のやりとりだけでなんだかこの人がどういう人だかわかった気がするぞ
いやもちろん深いところまではわからないけど…普段は、なんというかこんな感じなんだな?と
温かい缶が冷えた手に気持ち良い
この時期には嬉しいスープ缶だ
奢りとのことなので早速プルタブをかしゅっと開けて、いただく
程よい甘さと香ばしさが口内に拡がり、身体が内側から暖かくなってゆく感じがした
「色々、ね」
一応本名、まぁ事情くらいそれこそ誰にでもある
名前一つとったってそうだ、深く聞くつもりもなく
「いや…普段から異能でこう、自分の周りいい感じの温度にしてたりしたから…」
温かい缶スープでそれなり暖かくなったけど、冬風はやっぱりスカートには堪えるんだなとしみじみ思う
「また同じこと……そう、だな…。
近いうちに研究区にも行く用事あるし…色々聞いてみるよ」
しばらくは無意識的に異能を使わないように気をはらなきゃいけない
開けた場所で、マイナスのほうに力が傾いたおかげでこれだけで済んだけれど、一歩間違えたら大火事だ
自分のもってる力、異能はこういうものだった、と改めて実感することになった
■園刃華霧 >
「アー……なルほど、ナー」
異能でいい感じの温度に、ということは異能はそういう感じなんだろう。
つまり、火や氷が出たのも……ま、いっかそれは。
「気にシすギんのモ、アレだケどな。
ま、ウまいコト、付き合エるンならソレが一番ダよ。」
生まれ持ったもの、とはいえ。
ソイツを持て余すのは、割とつらそうな気はする。
だからといって、ナニカ言えるようなものでもないのだが。
「落ち着イたら、ドーすル?
家……ってイうか部屋カ? 戻る?
どッカで、少し時間ツぶす?」
とりあえず、次に向けてのことを考えよう。
ということで、質問をした。
「アタシが付きアってつイていッテもいーケど。
そコは、好きにシて。」
からからと笑いながら、続けた。
■雪城 氷架 >
うまいこと、付き合える…
そう、そうするためにこの島に、家族で越してきたんだ
勉強して、練習して、それなりに上手くいってるつもりだったから、少しだけショックが大きい
「ん…買い物にきたんだけどそれどころじゃなくなっちゃったしなぁ」
苦笑する
大事に至らなかったとは言え、一騒動あった後だ、今日はもうやめておこうという気持ちになる
「今日は帰るよ。女子寮住みなんだ。
…心配だったら、送ってってくれるか?」
自分にしては珍しいセリフだな、と氷架自身が思う
やっぱり少しだけ、自分と自分の異能が心配なのかもしれない
ベンチから立ち上がると、ぶるっと身震い。やっぱ風が冷たい
「…ていうかこのまま帰っていいのかな…。
なんかこう、学校に怒られるとかない…?」
からから笑う少女に、ほんのり不安げな視線を向けて
■園刃華霧 >
「ソっか。
ま、そンならソレでいーカね。」
帰ることを少女は選んだ。
それなら、それでよい。
それを尊重するだけだ。
「しーンぱいスんなって!
別に、犯罪ヤったワけでモないダろー?
こンくらイ、へーきヘーき。」
少女の心配に笑って応える。
少なくとも、現時点では。
ちょっと冷えたのと、ちょっと火がついたくらいだ。
まあ、お叱りくらいはあるかもだけど
「最悪、アタシがなンかうマいコト言っとクよ。
少なくとも、今すぐしょっピいてお説教、トはなラんだろ」
幸いというかなんというか、変な辻斬りが居るおかげで風紀もざわついている。
些末なことは、悪くても後で事情徴収、くらいで済む……はずだ。
ダメなら、まあアタシが泥かぶりつつ誤魔化せばいいだろう。多分?
「ンじゃ、お姫サマ?お嬢サマ?のお見送リでもシまスか。
女子寮ダっけ。じゃ、行こッカ」
そういって、のんびりと歩き出すだろう。
■雪城 氷架 >
「うーん……そう、か…?」
小火、あとまだちょっと、商店街の路面とお店の外壁が少し凍ってる
まぁ犯罪じゃないって風紀委員が断言してくれてるんだから、多分いいんだ、きっと、おそらく、めいびー…
「さんきゅー…まぁ、実を言うとちょっと心細かったからさ」
また突然異能が、みたいなことになったら、一人では…と
メンタルの凄い強い大人びた生徒もたくさんいるけど、自分はまだまだ、真似できない
「じゃ、その時は頼りにしてる。
華霧ならなんかうまく誤魔化してくれそーだし…」
鞄を抱えて、先を歩き出した華霧の後に続く
商店街から学生街へのそんなには長くない帰路
幸いというかなんというか、その道中にまた異能が、なんてことはなく
今日のトコロは平穏無事に
商店街にちょっとした騒動があった…というだけのお話で終わるのだった
「なんかあったらさー、助けてもらうから連絡先とか聞いていい?
風紀委員の友達とかいると、なんかちょっといいじゃん」
そして、氷架のほうといえばショックを受けつつもちゃっかりそういうコトは逃さないのだった
■園刃華霧 >
「なァに、ソうサ。
少なクとモ。悪いコとしヨうとシてやったコとでもナいなら、サ」
へらり、と笑う。
雑でいい加減だが、ある意味本質はついて。
「イーけど。アタシなンて、大シて役二たたンぞ?
ほイ、これナ」
請われるままに連絡先を交換し。
あとは、他愛ない話をしながら女子寮まで歩いていったのだった。
ご案内:「商店街」から雪城 氷架さんが去りました。
ご案内:「商店街」から園刃華霧さんが去りました。