2023/06/19 のログ
ご案内:「商店街」に崩志埜 朔月さんが現れました。
■崩志埜 朔月 >
「ふぅ」
六月半ば、夏至目前。
日中に高く昇った陽は遅くなった帰途すら明るく照らしていて。
自然と洩れる吐息はその日の疲れの現れだったのかもしれません。
「あ、暑い……」
湿度と温度、年々増していくばかりで落ち着きそうにも無くて。
クールビズ、とは言いますがジャケットも着ずに出歩くと落ち着かない自分の性分が恨めしいばかり。
性分、というよりも習性。
だらしがない、と窘める声は脳裏に色濃くついたまま。
■崩志埜 朔月 >
生真面目にルールを守り、規律正しく生きて。
それがいつかの私にとっての当たり前で、それしか知らない狭い世間に生きていて。
買い食いひとつ、寄り道ひとつ。
そんな些細な事すら、酷く良くない事をしているように思えてしまって。
今となってはそれら全部が懐かしい思い出話になるのですが。
そう、それは思い出話、昔の話です。
気の向くままに、足の向くままに、ぶらぶらと。
用も無く、いっそ涼む為と割り切って向かった先はコンビニ。
■崩志埜 朔月 >
ご機嫌な入店音。
いらっしゃいませ、の迎え言葉も無い無人の店舗に立ち入ります。
夜間営業のセルフ化、というものです。
賛否両論あるとは思いますが、私としてはありがたい限り。
涼しい店内を当て所も無く歩く時間をゆっくり取りたい日には、店員さんと目が合うと少し気まずいので。
昔よく食べたパンや季節の甘味、ペットボトルの蓋に付けられた小さなチャーム。
入浴剤と洗剤の棚を抜けた先にあるアイスの棚で、ようやく足が止まります。
アイスキャンディーにかき氷風のカップアイス、通年通して美味しい大福入りアイス。
――悩んで、悩んで数分間。
「別に今日だけで食べるわけではありませんし……」
ひとまず気になった物を全部。
疲労に火照った体が落ち着いてきた頃、セルフレジに6種ほどのアイスを通す一教師の姿がありました。
レジに人が居なくて良かったです。えぇ、本当に。
見られていたらどんなに恥ずかしかったでしょう。
ご案内:「商店街」から崩志埜 朔月さんが去りました。