2020/07/01 のログ
閃 天兎 > 「教師に奢れとは...よく言えますね...
そんな事を言える生徒は中々に珍しいので私は今びっくりしてます」

この風紀委員会(?)の前で三度目のため息が漏れる。
風紀委員会でなくともよくこんな事が出来ますね。

彼女は残念がってますが、私は甘い物は好きじゃないのでどうとも思いません。

「...早坂さんですよね。あなたの下着...威厳のために仕方ないので奢ってあげます。
ほら立ってください。さあ何が食べたいですか」

このままここで駄々をこねられて悪目立ちさせ続けるのはよくわかりませんしこの状態では私が何かしたみたいですから...
必要経費です。
致し方ない出費と割り切ればまあクレープ程度なら...はあ...

早坂 さらり > 「えー? むしろせんせぇーだから言えるんですよぉ。
 あまとせんせー優秀そうだからいっぱいお金とかもらってるんじゃないですか?
 可愛い生徒に奢ってくださいよぉ、ほらほら、カワイイでしょ? カワイイ?
 あっ、やった! 早坂あまとせんせー好き!
 クレープがいいです! 知ってますクレープ? せんせー甘い物とか食べなそう!
 せんせーってクレープとか食べたことあるんですか?」

奢ってもらえると知ってくるんと後ろに回ると座り込み、立ち上がる。
スカートのすそをパンパンとはたいてからにっこり笑った。

「せんせー大変ですよね、生徒の威厳も学力も守っていかないといけないのに。
 あまとせんせぇーも何か見に来たんですか? 百貨店。
 なんでもありますもんねここ! 奢ってくれるせんせぇーもいるし!」

閃 天兎 > 「私は別に優秀なわけではないですよ。
効率的にやってるだけですからね...とそんな褒めても別に何も出ませんよ
そうですね私は甘い物は好きではないですね」

早坂さんは随分と...はあ...(5回目)
さっきまでやる気なさげにしてたのに一体どこからこんなマシンガントークが湧いてくるのでしょうか。
話しているだけでも疲れますがまあとりあえず立ってもらえて助かりました。
警備員を呼ばれたり彼女の威厳が損なわれる状態からは脱出できた。

「私は何かないか見にきてみただけです。
特に目的はないですが...ええ、そうですね。あなたにクレープを買う義務を売付けられましたしもう来ないかもしれません。」

はあ....(6回目

早坂 さらり > 「なんかせんせー溜息多いね? ダメですよ、幸せが逃げるらしいじゃないですか」

吐かれたため息を両手で集めて吐かせた原因の自分が吸って回る。
甘いものがあまり好きではないという天兎ににこっとピースをして。

「じゃあこれから好きになれるってことですね! 好きな物が一個増えますよ!
 早坂は甘い物好きなので、いつでも奢りに来ていいですよ、義務です義務義務!
 ええーっ、せんせーもう来ないなんて言わないで!
 あまとちゃんせんせぇーがクレープ好きになるまで付き合いますから!」

ニコニコと30cm以上高い男性の背中をぽんぽん叩く。
クレープ奢ってもらえるのなんか久しぶりだなーと上機嫌。
ふと顎に手をやり、

「でも風紀らしくないって言いますけど、早坂今日オフなので、
 あんまり風紀っぽくはしてないですが、せんせーはオフも風紀は風紀っぽくしたほうがいい系の人ですか?
 せんせーも休日までせんせーやってたりするんですか? うわーやってそー」

閃 天兎 > 「ええそうですね。
今まさにあなたのせいで私のお金が飛んでいきそうです」

なんだかよく分からない動きを繰り返す早坂に呆れたように再度ため息(7回目
私は笑えませんよ全く。

「善処しますが...
あなたがそんなこと言ってる間はきっと好きになれませんね」

何が義務ですか。いつ私がクレープを驕る義務を課せられたっていうんですか。
理不尽な話です。
それに、こんな騒がしい奴が隣にいる限り煩くてクレープも味がしません。
ああもう。叩くな叩くな...はあ...(8回目

「そんな風紀アピールしてるんですから変なことばっかりしてると他の風紀委員会に迷惑がかかりますよ
私も今日はオフですが...百貨店の真ん中で生徒が駄々をこねているのを見せつけられる気持ちがあなたにわかりますか?」

分からないでしょうけど(9回目

早坂 さらり > 「大丈夫です、自分でいうのもなんですけど優良投資物件です早坂♪
 数年後に、ああここで早坂にクレープ奢っておいて正解だったなあ、
 出来ればもっとデラックスでスイーツなやつ奢っておけばよかったなーってくらい思いますよ!」

大丈夫です大丈夫!と クレープ屋の前で手招きをしながら言う。

「えー、じゃあ初心者のせんせーは特別に甘くないクレープも選んでいいですよ。
 ほら、ハムとかサラダとかそういう系もあるんで、その辺から順番に好きになっていって、
 最終的に早坂のことも好きになっちゃいましょーよ。イェイェイ。
 早坂はこれがいいです、チョコストロベリーコンポ!イチゴ好きなので!」

天兎のため息に口を尖らせて、

「むー、じゃあ次から端の方で駄々こねるか、
 もしくは駄々こねる前に声かけてくださいよあまとせんせー。
 そしたら早坂いい子になりますので。駄々もこねません。
 あ、毎回クレープは奢らなくていいですよ、せんせーと話すの好きなんで早坂」

閃 天兎 > 「そうは見えませんでしたがそういうことにしておきます
...そうですね、じゃあ今日は奢らせてもらうってことにしておきます。」

何が大丈夫なんでしょうか。少なくとも私の気力はその真逆ですね。
っとまたため息が漏れそうになりました。
早坂さんと話していると疲れますがこういう生徒だっているのですから、慣れていかないといけません。
クレープ屋には随分と様々なクレープがありますが...私は正直食べる気はありませんが...

「...ではそのハムサラダクレープにしておきます。
ハムサラダと...チョコストロベリーコンボでお願いします」

いちいち全てに返事していてはこっちの体力が持たないのでため息だけ返しておきます(10回目
ああ...記念すべき10回目...
めでたくないですが。

「どこでこねても同じですし私はあなた専属の教師ではありませんよ...
そう言ってもらえるのは嬉しいですが少しぐらい自立するために努力してください。
たまに話してあげますから」

早坂 さらり > ため息ポイントが10つ溜まったので、あまとせんせーの顔の描かれたお皿とか貰えないかな。
色々苦労している顔をしているのでため息ポイントが溜まるのも早いのだろう。
早坂と一緒にいるときくらいは、色んな辛いことを忘れて楽しんでほしいと思いましたまる。

「わーい! クレープだ!
 他人に奢ってもらうとクレープって2.5倍くらい美味しくなりますよね! 知ってました?
 早坂歩きながら食べられるクレープがスイーツの中で一番好きかも」

言いながら早速口にしてあまーい、とご満悦だ。
頬に少しついたクリームを指で取りながら、

「やたっ、専属のせんせーでないのは残念だけど。あ、でも、今日くらいはいいですよね。
 展望台みたいなのがあるっていうので、これ持って行ってみませんか?
 ていうか行きましょう! 早坂と煙は高いところ好きなんで! 町を見て見たいです!
 あ、自分で決めて自分で動こうとしているのでこれって自立ってやつじゃないですか、せんせー」

言いながらぐいぐいと天兎の腕を掴んでエレベーターの方向に引っ張っていった。

ご案内:「扶桑百貨店 商店街支店エリア/催事場エリア(1~3F)」から早坂 さらりさんが去りました。
閃 天兎 > 「知らないですね。まずあまりクレープを食べません
ですが、わかるかもしれませんね」

こうしてクレープを奢らされて、ため息ばっかりつかされたが、クレープで喜ぶ姿をみて、また奢ってあげてもいいかもしれない、なんて。
数分前の私が呆れています。

「そうですね。私もみて回る予定だったので。
案内お願いしますよ...確かにそうですね。
その調子で自立して行ってください」

自立の形はいろいろありますから。
自立に限らず、彼女なりに成長してくれれば私は構いません...
甘くないクレープかと思いましたが、生地が少し甘いですね。
まあ、たまには甘いものも悪くないかもしれませんが...

....まあ...帰るときにはぐったりと疲れ果てる羽目になりましたけど。

ご案内:「扶桑百貨店 商店街支店エリア/催事場エリア(1~3F)」から閃 天兎さんが去りました。
ご案内:「扶桑百貨店 久延毘古書房(9F)」に三椏 ケイさんが現れました。
三椏 ケイ > 「うわ、広っ……」

ここが新しくできたっていう書店か、という言葉より先にそんな感想が口をついて出た。
校舎の図書館群と比べたら本棚の数じゃ劣るかもしれないが、ここにあるのは全て最新で新品の本。
よくもまぁ、これだけの数を集めたもんだと感心する。

何が目当てかと言えば、最近ハマった漫画の単行本。
商店街の老舗じゃ一週間経っても並ぶか怪しい新刊だって、どこよりも早く入荷される。それが久延毘古書房───
というクチコミを読んで、こうして足を運んだってわけだ。

三椏 ケイ > 脇に置かれた検索マシンを一瞥してから新刊コーナーを探す。
どんだけ広い店だって、新刊は入口の近くに目立つように置いてあるもんだ。
わざわざ機械に頼るまでもない。ほら、そこに……

「…………無いな」

おかしい、新刊コーナーらしきブースがない。
まさか検索できるからってコーナーを作らない書店があるのか?
そんなはずあるか。きっとどこかにあるはずだ。
店員に聞くなんてこっ恥ずかしい真似できるはずもなく、入口あたりをウロウロし続ける。

この時、俺は知らなかった。
久延毘古書房には入口が複数あって、新刊コーナーがあるのはこことは別の入口前だってことを。

ご案内:「扶桑百貨店 久延毘古書房(9F)」にソフィア=リベルタスさんが現れました。
ソフィア=リベルタス > 「(むふふふふ、また面白そうな子がいるなぁ)」
 
 いつもの散歩道、気まぐれに黒猫の姿で出歩いてみれば、見知った店に見知らぬ少年
 なにやらウロウロと困っている様子。
 人助けのついでにいたずらでもしてやろうか?
 さて、少年の探し物は何だろう、まずはそこから聞かねばなるまい。
 しかしこのまま聞いてみるというのも、聊か物足りないというもの。

「にゃぁん。」
 
 たまたま通りすがった黒猫を装って、少年の足元にすり寄ってみる。
 そのまま見上げながら周囲をくるくると回って、じぃっと見つめてやる。

三椏 ケイ > 「うおっ!?」

いきなり何かが足に擦り寄ってきて、思わず声を上げてしまう。
鳴き声と見下ろした姿は猫だった。こんな店の中まで入ってくるか普通?
足蹴にするわけにもいかず、これじゃ下手にその場から動けない。

「……んだよ。なんか用か?」

こっちを見つめてくる黒猫の瞳に底知れないものを感じて、通じるわけもないのに話しかけてしまった。
おいおい、誰かに見られてたら完全に痛い奴だろ俺。

ソフィア=リベルタス > このあたりの店には、もう其れなりに顔を出しているので、おそらく咎められることもないだろう。
毛が散るわけでもないし。
ま、ちょっと客の驚く声が響くかもしれないが、そこはご愛嬌ということにしておいて頂きたい。
なにせ私は化け物であって、人を化かすのが存在意義であるからして。

「何かお探し物ですかにゃ?」

わざとらしく、猫っぽく語尾をつけて、愛嬌たっぷりに人間の言語を放つ。
猫に話しかける酔狂者も、さすがに驚いてくれることだろう。

少年の膝に、前足をかける様に、よじ登るように体重を預けて
にんまりと笑うように口角を上げて、化け物らしく黒猫は微笑んだ。

三椏 ケイ > 「(喋ったあああああああ!?)」

今度は声を上げるのをぐっと堪えることができた。えらいぞ、三椏ケイ。
……なんて自分を褒めてる場合か! 猫が喋るってどういう事だ!?
いや待て、そういえば授業でなんか言ってた気がする。
『大変容』を境に姿を見せ始めた、漫画やゲームの存在だったモノ達。
そう、あれは確か───

「喋る猫の"怪異"……!」

あれ、でも怪異ってヤバい奴じゃなかったか?
そんな奴に足まで登ってこられてるって、実は滅茶苦茶ヤバい状況なのでは!?

ソフィア=リベルタス > 「んー! おしい、近いようで遠い!! 『猫』の怪異ではないんだなぁ。
 しかし、声あげてくれないのかぁ、我慢しちゃったのか―?
 偉いけど面白くないなぁ、実に残念だなぁ。
 驚き慌てふためく姿を期待したんだけどなぁ。」

黒猫はクスクスと人間の様に哂うと、するすると足から離れて

「ま、これ以上は流石に騒ぎになっちゃうからやめておこうか。」

言うな否や、黒猫の姿は黒い煙に巻かれ、瞬きするうちにその姿は
中世からやってきたような、フォンタジー小説から飛び出てきたような服装をした
1人の少女にとって代わる。
少女は二マリと微笑んで、足取り軽く、跳ぶ様に少年の眼下に躍り出ては
琥珀色に輝く瞳で覗き見る。

「やぁやぁ、少年。 この街は不慣れなのかな? 
 私は、妖怪、化け物、君達が怪異と呼ぶ存在の一端。
 名をソフィアという。
 こんにちわ少年。 もう一度聞いておこうか、何かお探しかにゃ?」
 
いたずらっぽく、かわいらしさを見せつける様に。
しかし子供ではない、幼さよりも老獪さを強調しながら、
もう一度、目の前の少年に質問を投げかける。

三椏 ケイ > 猫はけたけたと笑い、しなやかな動きで翻った。
すると目の前でぽん! と黒煙が上がり、たちまち女の子の姿に変わる。
そんな一連の出来事を、唖然とした顔で見つめることしかできずにいる俺。

「おわっ……!? ば、『化け猫』の怪異だったってことかよ!」

女の子に距離を詰められて思わず仰け反りつつ、悲鳴を我慢はしきれなかった。
見た目は妹よりやや年上くらいだが、雰囲気はまるで違うように感じる。
それにしても、さっきといい今といい、探し物を聞いてくるとは。
ソフィアと名乗ったこの怪異、実はここの店員だったりするのか?

「この街っつーか、この店が初めてなんだよ。
 『トョトョの珍妙な冒険』の最新刊を買いに来たんだ」

黙っていたら何をされるか分かったものじゃない。
得体の知れない存在に怪訝な目を向けつつ、ここに来た目的を答えた。
店員なら題名で通じるだろう。そうでなくても人気作だ。
主人公の愛称がタイトルにもなってるんだが、正しい発音は誰も知らない。早くアニメ化しろ。

ソフィア=リベルタス > 「化け猫とは失礼だなぁ君ぃ。
 ちゃんと『化け物』と呼んでほしいな、化ける者、化物。
 私は猫じゃなくて、化ける存在なんだからね。」

ヤレヤレと首を振って、またもやケタケタと笑って見せる。
笑いが一通り収まってから、もう一度、今度は少女の姿で
少年の周りを、少年を見上げながら、見つめながら、品定めするように
じぃっくりと回って、

「なるほどなるほど? ではこの街が初めて、というわけではないわけだ。
 ふふ、なるほど、さては私が危険な怪異じゃないかと思って怖がったわけだね?
 うんうん、だけれどここは異邦人街でもなければスラムでもない。
 治安の整った場所だ、安心するといいよ少年。
 それはそれとして、私は名乗ったんだ、君も名乗るべきじゃないのかな?
 しょーねん?」

反応から、あらかたの状況を推測する。
反応の初々しさからして、ここにきてそう長くはないのだろう。
生徒だとしても一年生や二年生といったところか。
相変わらず名前は憶えられていないらしい。

「『トョトョの珍妙な冒険』?
 ふむ、聞かない名前だねぇ、響からして文庫本ではなかろうし、漫画かな?
 最新刊、ふむ? きみ、ひょっとして入り口に最新刊があるだろうと思ってここを探している口かな?
 この店、広いから入り口はいくつかあるわけだが。」

彼の言葉の一片から、彼の望む言葉を探りよせる。
『マンガ』というのがこの世界の文化にはあるらしいというのは知っているが、見たことはない。

三椏 ケイ > 「何が違うのか分かんねぇよ」

化け猫だって立派な化け物だろうが。妙な拘りを持ってる奴だ。
それにしても口がよく回る。
こっちをジロジロ見ながら周りを回ってきて、鬱陶しいことこの上ない。

「……三椏 ケイ」

相手が名乗ってきたからって名乗らなきゃいけない決まりなんてないとは思うが、
こういう時は合わせた方が面倒が少なく済むってのが経験則。
化け物に治安を語られても不安しかないからな。藪は突かないに限る。

「そうだよ、新刊なんだから目立つところにあるだろ……って、マジかよ」

入口がいくつかあると言われて絶句した。
どうりでこの辺りを歩き回っても見つからないわけだ。
つーか普通に恥ずい……

ソフィア=リベルタス > 「ふふ、恥ずかしがることはないさ、だれにでも『初めて』の経験はあるわけだからね。
 うんうん、『初体験』とは良いものだ。
 よければご案内しようか?」

随分とつんけんする、反抗期? 怪異に対する偏見?
ついでに言えば私の第一印象?
うぅん、どれをとってもマイナス要因っぽい。
まぁまぁ、それはそれで面白い……が、一つだけ言っておかねばならないか。

「あぁ、言い忘れていたけれど。 私はこれでもこの学園で魔術学を教えている教師なんだ。
 今後とも、よろしく頼むよ? 三椏 ケイくん?
 できれば、吾人種や怪異にも、もう少し好意的な目を向けてほしいものだがね?」
 
この学園にいる以上は、おそらくは避けては通れない道。
いつかの生徒が、差別に苦しんでいたように
この学園にいる限りは、共に暮らしている種族なのだから。
まぁ、私個人に対する警戒かもしれないけどね!!

三椏 ケイ > 「教師ぃ……?」

このちんちくりんが? と思ったが、学園に年齢の制限はない。
AI教師なんてのもいるところだし、そもそも見た目通りの年齢かも分からない相手だ。
まぁ、店員と聞いても教師と聞いても目上に対する態度を取る気になれないのは、十割見た目のせいだが。

「なんか含みを感じる言い方だけど……頼めるなら」

にしても魔術学ときたか。
漫画に出てくるような魔術使いに憧れが無いわけじゃないが、なんとなく避けていた分野だな。
こうやって他人の活躍を眺めてるくらいが丁度いい。

「別に、亜人だからどうとかは思ってねぇよ。
 初対面でいきなり化かしてきたあんたを警戒してるだけだ」

あれで好意的な目で見ろって言う方が難しい注文だ。
イタズラ好きの子供ならともかく、人にものを教える立場だろうが。

ソフィア=リベルタス > 「うーん、これでも生徒受けはいい方なんだがねぇ?
 しらない? かわいくて優しいソフィアせんせーって、いや、私も聞かないけど。」

冗談めかして語らいながら、彼を『漫画の新刊』があるというスペースまで案内する。
そして、すごい警戒されてた、何なら嫌われてそう、先生ちょっと悲しい。
ついでに他の子と比べて先生らしく見てくれない、もっと悲しい。

「およよよ。」

ふだんここまで警戒されることもないのでついつい口に出る。
怪異だって感情はあるのだ、悲しいもんは悲しい。
いや、自業自得、というのは理解してはいるのだけれど、性質なのだから許してほしい。

「しょうがないじゃないかー、こうしてファーストコンタクトをとるのが一種のアイデンティティなんだよぉ。
 儀式的なものなんだから許しておくれよぉ。」

めそめそと、そこまでではないが目を潤ませておく。
別に本当にそこまで悲しいわけではない、何なら迫害にだってなれたものだ。
『化かす』という存在な以上、私は化かさなければいけないのだ。

三椏 ケイ > 「およよよ、なんて口に出して泣く奴がいるかよ」

わざとらしく涙を浮かべる様に溜息を吐きながら案内に従う。
警戒してるならついて行くなって話だが、あのまま迷ってるよりはマシだと判断したまでだ。
何かあったら、まぁ……異能で切り抜けられるだろう。多分。

「黙ってりゃ可愛いとは思うけどな」

それでも、口を開いても可愛いうちの妹の方が百倍かわいい。
ウケがいいってのは誇張か、それこそ化かしてるんじゃないのか?
そういう"怪異"だってんならまぁ仕方ないとは思うが、だからって持ち上げてやる気にはなれない。
もう少し教師らしいところを見せてくれたら話は別なんだが。

「つーか、そのソフィア先生こそこんな所に何しに来てたんだよ」

こうして俺の為に時間を割いてくれてる以上は聞いておくべきだろう。
まぁ、書店に来た目的なんて一つしかないだろうが。

ソフィア=リベルタス > 「うん? 見回りだよ?
 島の見回り、この島、結構危ないからね。
 もちろんスラムや、落第街とか、そっち系の危ないも含まれるけど、
 基本的にさっき言った通り、このあたりの治安は守られている。
 風紀委員にね。
 私が言う危ない、というのは、突発的な事象や、異邦人とこの世界の人間との衝突や、精神的摩耗した
 生徒たち、ひいては人間がいないかどうかの見回りだよ。
 年間何十人と人が居なくなるこの街だが、原因は一つでも少ないほうがいいだろう?」

別に、教師だからやらないといけない、という強制力は存在しない。
なんならこの島の治安は、風紀員と公安によって均衡を保っているともいえるだろう。
しかし、それだけでは足りない何か、があるのは確かだ。
これだけの超人社会、突然に異能を得てしまった人間たち。
突然異世界にやってきてしまった異邦人。
『精神』を守護してくれる存在は
残念ながらこの島にはいないのだ。

「ま、もちろん、君のように揶揄い甲斐のある若者に、
 ちょっかいをかける、というのも楽しみの一つではあるがね?」

ユーモアは大切だ、ユーモアは。
……私の場合度を過ぎていると怒られることもあるかもしれないが。
心臓が悪い少年少女には決してやってはいけないだろう。
うん、胸に刻んでおこう。

三椏 ケイ > 同じ客かと思ったら見回り。ああ、教師にはそれがあったか。

「(飄々としてるようで、意外としっかりしてるんだな)」

そういうところが人気の秘訣なのかもしれない。絶対に本人には言ってやらないが。

「……突発的に怪異に絡まれて精神的に摩耗した生徒ならここにいるんだが?」

摩耗なんてほど大したダメージは受けちゃいないが、からかわれた仕返しに軽く睨んでおいた。
本人がそれを楽しみにしてるって言うなら睨む権利くらいはあるだろう。

ソフィア=リベルタス > 「んっふっふっふ、精神的耐性を学ぶ良い機会になったんじゃないかな?」

責めは、ゆらりひらりと躱しておく、この程度の反撃なら日常茶飯事というものだ。

「きみ、その様子だと魔法学は受けていないんだろう?
 私のことも知らなかった様だしね。
 なにも魔法学は使うためだけにあるわけじゃない、さっきも言ったが。
 『耐性』を得ることも重要なファクターだ。
 異能の力があるから、なんにでも対応できる、というわけでもないからね。
 知っておけば対処できる。
 知識とは君を守ってくれるものでもあるからね。」

教師らしく、教鞭を垂らしておく、どんな経験でも、会話でも
生きている間に起こることはすべて勉強だ、というのは誰の弁だったか。
そうこう話している間に、目的の場所にたどり着いてしまった。
時間切れ、というやつだ。

「君が探していたものはこれだろう。 間違いないか確認してくれ。
 年寄りの趣味に付き合ってくれてすまないね。」

にしし、と哂う。 最後まで話を聞くあたり
何だかんだ言ってこの少年も、私を認めてくれてはいるのだろう。

三椏 ケイ > 「物は言いようだな、ったく……」

あっさりと流されてしまった。このくらい慣れっこなんだろう。
ここで意固地になるのも馬鹿らしい気がして、溜息混じりに視線を逸らした。
本当に黙ってれば顔はいいもんだから、あまりジロジロ見ているのも気恥ずかしくなってくる。

「耐性を得る……身を守るための知識、か」

確かに、知ってるのと知らないのとじゃ対応の幅が段違いだ。
俺の異能は特性上、自分の能力以上の動きはできない。
いざという時に対する備えは持っておくに越したことはないのかもしれない。

「……まぁ、気が向いたら顔出してみるよ」

なんて話していたら新刊コーナーが見えてきた。
目当ての『トョトョ』最新刊もばっちり陳列されている。
なんだかんだ言いつつ案内はしっかりしてくれた辺り、根が腐ってるってわけでもないらしい。

「ああ、これだよこれ。
 先生らしい事、やればできるもんだな」

なんとなく、この教師に対して素直に礼を言うのは負けた気がして。
ぶっきらぼうに言いつつ単行本を手に取った。
つーか、そのナリで年寄りとか言うな。脳がバグる。

ソフィア=リベルタス > 「もちろんだとも、教師だからね。」

ふふんと、胸を張る。

「では私はそろそろ行くよ、見回りの続きもしないといけないからね。
 あぁ、そうそう、くれぐれも未成年がR-18の暖簾をくぐっちゃいけないぜ?」

再度、ニシシと口を押えて笑みを浮かべ、黒い煙と共に黒猫になり替わる。

「用心したまえよ、三椏 ケイ、ここは存外に、危険な世界だ。
 せいぜい、平和な学園生活が送れるように努力するんだね。
 なに、質問があればいつでも尋ねるといい、昼間なら図書館にいるだろうからね。」

振り返って、黒猫は不気味に説いた。

三椏 ケイ > 「ばっ……行かねぇよ!」

抗議の声が聞こえてるのかいないのか、再び黒猫の姿に戻ったソフィア先生。
そのまま去っていくかと思えば、意味深な事を言ってきた。

「……言われなくても危ない事に首突っ込んだりはしねぇよ。
 俺に何かあったら、誰がそにあの面倒見るってんだ」

今頃どこかでピクニック中であろう妹の顔を思い浮かべながら、新刊を手にレジへ向かう。
そうだ、俺には守らなくちゃいけないものがあるんだ。
魔術学……悪くない選択肢かもしれないな。

ご案内:「扶桑百貨店 久延毘古書房(9F)」から三椏 ケイさんが去りました。
ご案内:「扶桑百貨店 久延毘古書房(9F)」からソフィア=リベルタスさんが去りました。