2020/07/13 のログ
彩紀 心湊 > 会計はさっくりと終わって、そちらの会計が終わるのを見ればベンチがある場所へと詠を手招きする。

手には先程購入したネックレスが既に握られていて、アナタを待っている様子。
少しばかり、先に待っている彼女の頰が再びやや赤くなっている事に鋭い人間は気づくかもしれない。

月神 詠 > やれ電子マネーだの、クレジットカードだのと、
持っていないものをあるか聞かれて存外に手間取ってしまった。
心湊を待たせる結果になり、申し訳なさそうに早足で歩み寄る。

「お待たせしま……あっ、先ほど購入された首飾りですね。
 早速お召しになられるのですか?」

それなら自分も、と髪飾りの入った紙袋を開けようとして。
あなたの頬が赤いことに気付き、またしても首を傾げた。

「心湊さん? 顔が赤いですが……どうされました?」

彩紀 心湊 > 「ん。」

やってきたかと顔を上げる。
顔が赤いと言われて思わず肩が跳ねるも、ここで日和ってもしょうがないと思ったのか小さく息を吐きだして。
意を決したようにそちらを向いた。

「……これ、プレゼント。」

やや強引か。
アナタの首元へと手を伸ばせば、そこへと先程のネックレスを飾り付ける。
つけてしまえば、ささっと軽く離れてその様子をうかがった。

月神 詠 >  
「へっ……?」

不意に手を伸ばされ、驚きのまま抵抗することもなく。
ネックレスのチェーンが心湊ではなく詠の首にかけられる。
突然のことに戸惑いの表情で硬直していたが、手が離れると目を瞬かせた。

「ぷ、プレゼントって……これを私に、ですか?」

てっきり自分用に買ったものだと思っていたため困惑を隠せない。
ちゃり、と首元に落ちた星型のチャームに視線を落とす。

彩紀 心湊 > 「…ええ。
思えば、世話ばかりなってるのにあまり返せるものも返せてなかったしね。
せめてもの形として……という名目かしら。」

駄目かしら?と様子をうかがうように。
とはいえ、和服では分からなかったが洋服の彼女には十分似合うものだろうと少し満足げにも近い笑みを漏らす。

月神 詠 >  
「そんな、お返しなんて……でも、嬉しいです。
 ありがとうございます、心湊さん」

見返り欲しさに色々と手を尽くしていたわけではない。
しかし、ここで突き返すのは彼女の厚意を無碍にするのと同じだ。
他人から贈り物をされたのも久しぶりで、相手が心湊なら喜びもひとしお。
戸惑いの表情は、次第に喜びの微笑へと移り変わっていく。

「どうでしょうか、似合っていますか?」

くるり、と軽く身を翻せばネックレスも揺れる。
飾り気の無かったハイネックの首元に添えられた小さな星が、店の照明を反射してキラリと輝いた。

彩紀 心湊 > 「ええ、口ではなんとでも言えるからこういう形でも残しておきたくって。」

素直な言葉であっても彼女は喜んでくれるとは思うが、それでは自分が甘えてばかりだという気持ちもあった。
それに、こうして自分の選んだものを彼女に身に着けてほしかった…という欲があったのも言うまでもなく。

「…ええ、似合ってるわ。今の洋服にはぴったりね。
すごく高いというわけでもないけれど、気に入ってくれたのなら幸いだわ。」

まいったな、とココロの中で苦笑を漏らす。
多分この感情はそういう事なんだと思ってしまう。だからこそ、現にそれにしたがって動いたわけだが…口に出してしまうかはやはり戸惑う。

月神 詠 >  
「物の価値などは些細なことです。もちろん気に入りましたが……
 こうして気持ちを込めて贈ってくれたことが、何より嬉しくて」

今日という日を記念日に定めてしまいたい程度には嬉しいのだ。
そんな子供っぽいこと、口に出しては言えないけれど。

「そうだ、これも……」

ふと思い立って、自ら選んだ青い和柄の髪飾りもこの場で身に着ける。
深い青色がグレーの髪によく映えるだろう。
あなたに贈られたネックレスと、あなたをイメージした色の髪飾り。
それは真っ白なキャンバスを染めていくように感じられるかもしれない。

「ですが、それならそうと言ってくだされば……
 私も心湊さんにアクセサリーを見繕って差し上げたかったです」

お礼をさらに返す形にはなってしまうが、自分だけというのも不釣り合いに感じて。
珍しく我が儘なことを口にした。

彩紀 心湊 > 「…そ。
…ふふ、ちょっと柄にもなく緊張して損したわ。
ええ…喜んでもらうのも、悪くはないわね。」

思えば、彼女に贈られてばかりだったなと振り返る。
ここまで大きく喜ばれるのは紛れもなく初めてだったからで。
また、そうしてあげたいと思う気持ちも湧き上がった。

「…綺麗ね。
…やっぱりお月さまはそうじゃなくてはね。」

ぼそりと、そう呟く。
彩られた彼女を見て、満足そうな笑みを向ければ改めてそちらを向いて。

「あら、それはまたの機会にお願いしようかしら?
アナタが私のために選んでくれるのなら、喜んで受け取るわ。」

そんな言葉にはいつもの調子でそう返す。
本心ではあるけど、ちょっとからかうような、そんな言葉。

月神 詠 >  
「ああ、顔が赤かったのは緊張していたからなのですね。
 ふふっ……そんなところも可愛らしいですから、損ではありませんよ」

照れ隠しも交えて悪戯っぽく笑う。
またしても綺麗と言われれば、より気恥ずかしそうに頬を染めるだろうか。
私服姿でこうしていると、ごく普通の少女となんら変わりない。

「またの機会……そうですね。
 これから先も、機会はいくらでもあるでしょうし……
 その時は張り切ってご用意させていただきますね」

からかうような言葉に、期待していてくださいねと笑顔で返して。
今は今で、このショッピングを目一杯楽しもうと気持ちを新たにした。

「それでは、次は何処へ参りましょうか」

次なる行き先を考えつつ、ごく自然に───あなたへと手を差し出す。

彩紀 心湊 > 「…だって、少々強引だったでしょう?
どう思われるか、少し不安ではあったのよ。」

む…とやや口先を尖らせる。
だがまあ、いじらしく照れるところを見ればお互い様かとクスリと笑った。

「…あんまり高いものはなしよ?
こう…躊躇われる的な意味で…。」

この張り切りよう、先に釘を差しておかねばと思わず冷や汗が流れる。
本当に、彼女が選んだときのように…良いなと思ったそんな細やかなものでよいのだ。

「…と、そうね。お昼にでもしましょうか。」

差し出された手に一瞬きょとんとするも、その手が引っ込められる前に握りしめれば再び先導するように歩き出すことだろう――

ご案内:「扶桑百貨店 商店街支店エリア/催事場エリア(1~3F)」から月神 詠さんが去りました。
ご案内:「扶桑百貨店 商店街支店エリア/催事場エリア(1~3F)」から彩紀 心湊さんが去りました。