2020/07/18 のログ
ご案内:「扶桑百貨店 異能・魔道具エリア(7・8F)」にフレイヤさんが現れました。
ご案内:「扶桑百貨店 異能・魔道具エリア(7・8F)」に水無月 沙羅さんが現れました。
フレイヤ >  
「ですから! 代金は後から家の者が持ってくると言っているでしょう!」

とある店の入り口辺りでぎゃんぎゃん騒ぐ女の子。
どうやら代金の支払いについて店員と揉めているようで、立ち去ろうとする女の子を店員が必死に掴んで逃すまいとしている。

「私財布なんて持ち歩きませんの! ――泥棒!? 貴方私を侮辱してますの!?」

財布も持たずに品物を持って帰ろうとしたら泥棒扱いされるのは当然である。
しかしそこは世間知らずのお貴族様。
母国ではそれが通用してしまっていただけに、この島でも同じ振る舞いが許されると思ってしまっている。
と言うか少女に取って買い物とはそう言うものなのだ。
ぎゃんぎゃん騒ぐ。

水無月 沙羅 > たまたま日用品を、引っ越しの為に補充しようと思った雑貨を買いに来たことを一瞬後悔しそうになった。
なんだあれは……時代を数世紀ほど間違えているのではないかと錯覚する服装に、言動。
そしてなにより……、如何にもなお嬢様気質。

「はぁ……。」

よりにもよって、風紀委員の腕章をつけているからには介入せざるを得なかった。
今日も忙しくなりそうだ。

「あの、どうかしましたか? 風紀委員のものですけど。」

仕方なく、自分の立場を明確にした上で接触を試みる。
店員には手に余るであろうから、とりあえず開放する様にお願いして。

フレイヤ >  
「ですから……なんですの、風紀委員?」

横合いから声。
そちらを見れば、なんとも気の弱そうな女の子が居た。
彼女の放った言葉と、腕の腕章。
たしか、警察みたいなものだったか。

「どうも何も、この店が私を泥棒扱いしますの。代金は後から持ってくると言っておりますのに」

ぷんすこ、と言った感じで腕を組む高慢お貴族様。
この言い草には店員も苦笑いを浮かべるしかない。

水無月 沙羅 > 「はぁ……後から、というのはこの島では通用しないんですミセス。
 せめて付き人が居る証明などがあればこちらも対処できなくはありませんが。
 ご連絡できるものはお持ちですか?」

泥棒ではないのであればそうでない証を見せろ、という至極当然のお願いを、恭しくしてみる。
機嫌を損ねるのは一番避けたい事態だ。
最悪異能を使った対処も念頭に入れなければいけない。

「次からは現金かカードの入ったお財布を持ち歩くことをお勧めします。」

ついでに、次からトラブルの起きないように助言も付け加えて。

フレイヤ >  
「はぁ? なんて不便な……」

不便とかどうとかいう話ではない。
そもそも買い物とはそう言うもので、自身の買い物の仕方の方がおかしいのだ。
不承不承ながらも風紀委員に言われては仕方がない。
スマホで家に電話を掛け、メイドに事情を離して店員に変わる。

「なんで私が財布なんて……」

店員の持つスマホの向こうからメイドが平謝りする声が僅かに聞こえる。
しばらく後にスマホを返してもらい、メイドと一言二言話して通話終了。
とりあえずメイドが後から支払いと買い物に来ることになったようだ。

「不便な島ね――ちょっと貴女。私の買い物に付いてきてくださらない?」

せっかく買い物に来たのに、これでは何も買えない。
なので風紀委員の彼女を一時的な財布代わりとして連れ回そうと声を掛ける。
何様のつもりだと言うのか。
お貴族様です。

水無月 沙羅 > 「……えーと……。 ゴホン。
 生憎ですがフロイライン、私も自分の用事でここに来ましたので長い時間お付き合いすることはできません。
 貴方の様な高貴な方の買うものでは、庶民の私では手が届かないでしょうから。
 では失礼しますね。」

時代錯誤の上に非常識と来た、このお嬢様は私を財布にするつもりなのだ。
冗談ではない、この試験期間中の貴重な時間を使って買い物に来てまで、他人の買い物を代理するほどお人よしにはなれない。

「メイドの方が来るまでしばしお待ちになられては?」

せめてもう少し待てばあなたの財布が来るのだからそれまで我慢してほしい。
切実に。

フレイヤ >  
「待ちなさい、何も無駄にとは言いませんわ。もちろん後から使った分の代金はお渡ししますわ。物取りや強盗じゃあるまいし」

彼女が去る前にがっしりとその手を掴む。
逃がしてなるものか。

「加えて手間賃もお渡ししましょう。ええと、こちらの通貨だと……面倒ね。十で足りるかしら? それとも二十?」

ちなみに単位は万である。

「それにそんな高額なものを買う予定はございませんわ、あぁ、庶民の感覚でも、ですわよ?」

そして余計な一言である。

水無月 沙羅 > 「はぁ……理央さんがこんな人じゃなくて良かったです。」

天井を見上げて目頭を押さえる。
面倒な人に捕まってしまった、とりあえずお金があれば解決できると思っているやつだ。
いや、理央にもそういう節が若干あるから、それが金持ちというものなのかもしれない。

「フロイライン、よろしいですか? お金の問題ではありません。
 これは個人の利権の問題です。
 確かに労働には対価として金品を支払うのは当たり前ですが
 それを受けるか受けないかは労働する側に選択肢があるのです。」

どうにもこの人には現代の常識というものが欠けているようなので、それとなく講釈を垂れる。
いくらお金を積まれても無駄なものは無駄なのだ。
私には彼とお揃いのカップを買うという重大な使命がある。

「それはそれは、その程度の買い物もできないとは、程度が知れますねフロイライン?」

あぁ、自分でいうならまだしもこの言い草、少々嫌味を言いたくもなる。

フレイヤ >  
「――りお?」

なんか今知り合いの名前が聞こえたような。

「利権、と言うことは理解しておりますわ。だからこそ貴女の時間を買いましょうと提案しているのです。庶民は自分の時間を売って生活しているのでしょう?」

言い方はアレだが、早い話が時給の事である。
数時間で二十万円とか時給いくらだろうか。
怪しい仕事かな?

「私に限らず貴族は財布なんて持ち歩くものは少数ですわ。程度ではなく文化の違いでしかありませんわよ」

ところが違えば習慣も違う。
なにを見当違いなことを、と言うように、不思議そうな顔で首を傾げて。

「それより貴女、さっきリオとおっしゃいましたわね? リオとはもしかしてリオ・カミシロの事ですの? あの方もこの島にいらっしゃいますの?」

それよりも気になることがある。
距離を詰めてぐいぐいと食いつく。

水無月 沙羅 > 「えぇ、ですからあなたに売る時間は無いとおっしゃっているのですよフロイライン。
 あぁ、日本語をマスター出来なかったのですね。
 この国の言語は他国に比べても難解ですから仕方ありません。」

にこにこした沙羅の、子犬の様な笑顔がだんだんと崩れてくる。

「えぇ、ですから、その程度の日本の文化すら学んでこられないのであれば、お里が知れるという事です。
 あぁ、フロイラインには難しかったのですね。
 申し訳ございません。」

旅行する前に、旅行先の知識は学んでおくものだろう。
移住するというのなら尚更、自分の常識を押し付けているのは自分だという事が理解できていないのかなこのお嬢様は。

「居るも何も、理央さんは風紀委員の一員で私の上司です。」

恋人とまで言うのは面倒そうになりそうな気配がするので避けておこう。
あの人の周りには女のにおいがやたらと多い。
浮気とかしてないよね……?

フレイヤ >  
「あら、そう。そうならそうと言ってくれればいいのに」

売る時間がないのなら仕方ない。
ちょっとしょぼんとしょぼくれた悲しそうな顔。

「オサトガ、シレル? それはどういう意味の言葉かしら?」

こてんと首を傾げる。
日常会話は出来るが、その辺の慣用句とかコトワザとかになると途端に怪しい。
年相応な仕草。

『ああ! リオがいるのね! いきなり異国の地で一人で暮らせと言われたときにはどうしようかと思ったけれど、リオが居るなら心強いわ!』

彼の名を聞いた途端、ぱあと明るい表情になる。
思わず母国語の早口で捲し立て、くるくると回って見せて。

「リオはどこ!? どこに行けば会えるかしら!?」

そうして彼女の手を握ってキラキラした瞳で見上げる。

水無月 沙羅 > 「あー……」

ドイツ語、英語、フランス語、大体の言語を任務の為に抑えているさらには、早口だと少々わかりずらいが、言っていることはなんとなくわかる。

あ、この人、理央が好きなんだね。 恋愛感情かどうかは知らないけど。

「……さぁ、貴方は知らなくても問題のない言葉ですよ。」

そこまで言ってやるのは流石にかわいそうかと、自分より幾分年下に見る彼女を見直して思い返す。

「……ぁー……、今は任務中じゃないですかね。 たぶん。」

自分が置いていかれるという事は大体危険な任務の時だ。
そろそろ連れて行ってくれてもいいのではないかと愚痴も零したくもなるが。

「危険な場所なので、連れてはいけませんよ。 正確な場所までは私も知りませんから。」

フレイヤ >  
「ニンム……あぁ、仕事のことね 大丈夫かしら。リオ、ひょろひょろしてるのに……」

風紀委員――警察の仕事と言うことならきっとそれなりに荒っぽいことだろう。
危険と言うなら、尚更。
しかしそれなら連れて行ってと言うわけにもいかない。
彼の負担になってしまうから。

「――ところで、貴女もしかしてリオの恋人?」

そう言えば。
彼女は言ったい彼とどんな関係なのだろうか。
歳も近そうだし、それなりに親密っぽい雰囲気もある。
きょとんと唇に指をあて、首を傾げて尋ねる。

水無月 沙羅 > 「大丈夫ですよ、彼、『鉄火の支配者』なんて異名があるぐらいには強いですから。
 まぁ、強いのは異能であって肉体レベルになると……あぁ、私にも負けるでしょうね多分。」

正直、異能に頼らないのであれば普段トレーニングを重ねている分、自分に軍配が上がる可能性は高いように思える。
彼女に勝てない男とはこれいかに。

「―――は?」

思いがけない言葉に思考が停止する。

「い、嫌だなぁ急に、ハハハ、ソンナワケナイジャナイデスカー。」

この人にばれると絶対面倒なことになる。
其れだけは避けなくては。

フレイヤ >  
「ふうん。まあリオだもの。有能なのは当然よ」

ふんす、となぜか自分が褒められたようにドヤ顔して見せる。
彼は自分に取ってもう一人の兄のような存在だ。
彼が褒められると自分も嬉しい。

「へぇ。リオ、こういう女の子が好みだったのね……へえぇ……」

もうその反応が「そうだ」と言っているようなもの。
かってに決めつけてまじまじと上から下まで嘗め回すように眺める。
ついでにゆっくりと眺めながら彼女の周りをも回って。

「――貴女、リオの恋人ならもうちょっとオシャレしたら? お化粧もちゃんとした方がいいわよ、元は悪くないんだから」

着ている服は、制服と言うやつだろうか。
質は悪くないが、彼女自身に優雅さが足りない。
彼の隣に立つならもっと格を意識するべきだと思う。

水無月 沙羅 > 「そ、そうですか……。」

なんというか、身内を褒められている妹みたいな。
まさか婚約者とか……、いや、恋人かどうかを聴いてくるのだからそういう事は無いだろう。
まさか知り合い? 友達とか……、ありえそうで困る。
いや別に困りはしないのだが、いやヤッパリ困るかもしれない。

「あ、あの……」

じろじろ見られるのは余り得意な方ではない、そういう目線で見られることが少ないとは言わないが。
それは仕事中の話であってプライベートとは覚悟が違う。
しかも値踏みされてるみたいで気分もよろしくはない。
犬のしっぽのように一部分だけ伸ばしている髪をくるくると指に丸める。
落ち着かないときはついこういった仕草が出る。

「こ、恋人じゃないって言ってるじゃないですか……、それに、今はこれでも見回り、えっと、一応オフではあっても仕事中なんです。
 後お化粧はまだ早いので……。」

正直化粧道具とかさわったこともない、ニキビとか日焼けが気になるので化粧水と日焼け止めだけは欠かさないが。

フレイヤ >  
「あら、駄目よ。女は着飾って自分を美しく見せるのが武器なんだから。庶民でも貴族でも同じよ」

女性の美しさは武器になる。
かく言う自分だって十二歳だがメイクしているのだ。
全然早くはない、むしろ遅いと思うくらいで。

「このヒャッカテン?の一階にお化粧道具が売っていたわ。あとから行って色々試しましょう」

ニッコリ笑顔で有無を言わせない感じ。
完全に彼女の話は聞いていない。
と言うかまるで自分がメイクしてあげる、と言いたげな感じだが、一切出来ない。
なんなら着替えも一人で出来ないレベルだ。

「お仕事もいいけど女性にとって一番の仕事は自分磨きよ。そんなんじゃリオに捨てられちゃうわよ?」

水無月 沙羅 > 「早い年代でのメイクは肌を悪くするって聞きますけどねぇ……」

確か日光を浴びないととか、化粧用品に含まれている成分が肌に良くないとか云々。
正直詳しくはないので自信もない。

「いや、待ってくださいフラウ。 だから私には買うものがあると……。」

あ、ダメだこの人話を聞いていない。
まったく自分の意見を曲げる気がない。
そんなところまで似ているのかおのれ金持ち共!!!

「え、絶対捨てないと思いますけど。」

謎の自信を言い放つものの、

「ぁ。」

肯定してしまったことに気が付く憐れな忠犬である。

フレイヤ >  
「ちゃんとお手入れしていればそんなことはないわ。私は毎晩かかさずやってるわよ?」

おつきのメイドが。

「じゃあそれを買ってからにしましょう。私も欲しいものがあるし――あ、お財布……」

そこまではしゃいでいたが、そう言えば財布は持っていなかった。
魔術関連の本や道具を買いたかったのだが。
しょんぼり。

「――ふふ。貴女面白いわ。私はアースガルズ家長女、フレイヤ・アースガルズよ。貴女、お名前は?」

墓穴を掘った彼女をきょとんと見つめるも、すぐにサディスティックな笑みを浮かべる。
そうして自分の名を名乗り、彼女の頬へ手を伸ばしながら名を尋ねて。

水無月 沙羅 > 「それ、どうせ自分じゃやってないんじゃないですか?」

買い物も碌にできない少女が化粧、ありえないだろう。
まず間違いなくメイドさんとかのお仕事だ。

「………。 はぁ、わかりました、わかりましたよ。 私のマグカップのついでですからね。
 そんなに沢山は買えませんからね。
 毎回買いなおす制服代だってバカにならないんですから。」

正直な話をすれば、年端もいかない小さい少女の落ち込む顔を見るのは好きではない。
風紀委員ともなればそんな顔をさしているのが自分だとすれば猶更困る。

「……。」

名乗られてしまった、理央の彼女という事実までばれてしまった以上、これ以上隠し通すのも無駄というもの。
彼女から逃げることはおそらく無理だ。
絶対お金使って探しに来るに決まってる。

「水無月沙羅です。  16歳。 よろしくお願いします、Ms,フレイヤ。」

触れられる頬に、やっぱり仕草まで理央に似てると思いつつ、天井を仰ぎ見る。
あぁ、厄介な人物に捕まったものだ。

フレイヤ >  
「人がしてくれることをわざわざ自分でやる必要がある?」

さも当然であるかのように首を傾げて。
価値観の違い。

『いいの!? ああよかった! ここ、面白いものがいっぱいあるんだもの、お金はあるのに買えないなんて、どうしようかと思っていたところだわ!』

思わず母国語が二回目。
彼女の手をとって満面の笑みでぴょんこぴょんこ飛び跳ねる。

「ミナヅキーーああ、サラ、ね。フレイヤで良いわよ。貴女の方が年上なんだし」

くすりと微笑みを向けて。

水無月 沙羅 > 「いつか自分でやらなくてはいけなくなった時のために練習はしておくべきでしょうね。
 今まさに、そういう感じじゃないですか?
 知っておけば、持っておけば困らなかったでしょう?」

しょうがない人だなと、頭をそっと撫でる。
理央が子供になったらこんな風なのだろうか。
子供……いや、考えないことにしよう。
産婦人科はちゃんと行ったのだし。

「……あー、できれば日本語でお願いします。 一応ある程度は分かりますが、早口だと聞き取れないこともあるので。
 スウェーデン王国ですかね……。」

満面の笑みが見れるならば、まぁそれを買う対価位は払ってあげるのもやぶさかではない。
……、妹が居たらこんな感覚かな。
こんな妹嫌だけど。

「ではフレイヤ、ご所望のお品物を教えていただけますかね。」

跪いて、手を取ってやる。
さながら王子様がお姫様にするように。
若干、スカートでなければボーイッシュに見える沙羅がやると
ともすれば本当に王子様に見えなくもないだろう。
顔はいいのだ、顔は。

フレイヤ >  
「んー……でも確かに――ええと、い、いち、いちみ?ある、だったかしら?」

一理ある、と言いたいらしい。
これから外出する時は財布、少なくともカードぐらいは持っておこうか。
頭を撫でられちょっとくすぐったそうに目を細め、首を引っ込める。
撫でられ慣れていない反応。

「あら、失礼。はしゃぐとつい、ね」

どうしても喋りやすい言葉が出てしまう。
くす、と上品な笑顔。

「あら、ありがとう。でもそう言うのはリオみたいな男の子に任せておけばいいのよ?」

慣れた手つきでその手を取り、笑顔向ける。
似合う、とは思うがやはり彼女は女の子だ。
そういうことをする側ではなくされる側だと思う。
彼女がバッチリメイクして着飾ってリオの隣に立てば、身分はともかく見た目ならばお似合いのカップルだろうに、と思う。

水無月 沙羅 > 「一理ある、ですかね? もう少し日本語のお勉強もしましょうか。
 私でよければお教えしますよ、フラウ。」

少しだけ子ども扱いして。

「理央さんがしてくれたら、良いんですけどねぇ。 あの人がすると思います?
 あの傲慢そうなこーんな眼つきした人が。」

「笑顔は可愛らしいんですね、フレイヤ。 ずっとそのままでいたらよろしいかと。」

若干彼氏の愚痴を零しながら、小さな貴婦人の手をとって進む。
さてはて、困ったお嬢さんになつかれてしまった様だが。
文房具に参考書はどこにあったかなと思考を巡らせた。

若干の通用しないであろう皮肉をのせて。
こういう平和も、悪くはない。

フレイヤ >  
「本当? こうした日常会話には困らないのだけれど、コトワザ?とかはなかなか難しくて」

国語の授業もあるし、勉強していかないと。
思わぬ先生を得て嬉しそうに笑う。

「あら、パーティなんかだと良くしてくれたわよ? 跪いて手にキスしてくれたりとか」

確かに目つきは悪いが、社交場での振る舞いはとても紳士だったと記憶している。
自分が貴族で彼女がそうでないからなのだろうけれど。

「ありがとう。サラもお化粧したらもっと美人になるわ」

ニッコリと最大限の笑みを向け、手を引かれて歩く。
母国では見なかった様々な商品に目を奪われ、あっちこっちと彼女の手を引いてウィンドウショッピングを楽しむだろう。
気になるものを見付けてはあれは何、これは何と彼女に無邪気に尋ねつつ、彼女がいる間にメイドが来れば、それまで買った分の代金はきちんと返して。
その後、彼女の時間があればお礼と言ってお茶か食事でもご馳走することだろう。

――その食事の味に対しての愚痴なんかを彼女に零すだろうけれど。

ご案内:「扶桑百貨店 異能・魔道具エリア(7・8F)」から水無月 沙羅さんが去りました。
ご案内:「扶桑百貨店 異能・魔道具エリア(7・8F)」からフレイヤさんが去りました。