2020/08/05 のログ
■フレイヤ >
「ありがとう、リオ。ふふ、やっぱりリオは優しいわ」
無邪気に笑い、彼の腕にしがみ付く。
仲の良い兄妹の様に。
「もう。そう言うのは男の子から言わなきゃダメよ。女の子は決める時にびしっと決めてくれる男の子が好きなんだから!」
びしり、と指を突き付けて。
そもそももう恋人なのだから想いもクソもないだろう。
そうでなければ愛想を――尽かされることは、なさそうだけれど。
とにかく、彼は男なのだから。
「私が最初に習ったのは自分の魔力を感じることだったわ――そうそう、こういうの使って」
そうして近くの店に並んでいる、魔術初心者のための魔力検知の道具を手に取る。
魔力を籠めればどの程度の量かとかどんな質かとかを計測するためのものだ。
■神代理央 >
「…私が優しくするのは、沙羅やフレイヤくらいだよ」
と、腕にしがみ付くフレイヤに微笑みながら溜息という器用な真似をしていたり。
少女を健やかに愛してくれるパートナーが現れる事を願うばかり。
まあ現れたら現れたで、中々認めない頑固な兄の様に振る舞ってしまうのだろうが。
「…うむ…善処…する…。最近は、沙羅の方が色々と逞しいからなあ…」
負けてられないよなあ、とちょっと気を引き締める。
指を突きつけられれば、この話題ばかりはどちらが年上か分からない。
何時の間にか少女も成長していたんだなあ、としみじみ思う。
「…へえ?こういうのもあるのか。魔力検知…へえ…」
魔術学とかちゃんと受講しておくべきだったな、と思いながら少女が手に取った道具を眺めてみる。
魔力量とか質とか気にした事なかったな、とでも言わんばかりの顔。
■フレイヤ >
「あら、私とサラは特別ってこと?」
無邪気に喜ぶ。
特別扱いされるのは、やはり悪い気はしない。
彼の心を知らずに笑う。
「サラに首輪を付けられるのは自分だけだ、ってリオが言ったのよ。ちゃんと首輪、付けてあげてね」
彼の言葉だと、首輪を付けられているのは彼の方な気はする。
ともかく彼が彼女は自分のものだと言ったのだ。
ならばちゃんと責任を取らないと、と。
「ちょっと試してみましょう」
言うが早いかさっさとそれを買ってしまう。
支払いをカードで済ませ、買ったばかりのそれの入った箱を持って彼を引っ張って。
「ほらリオ、あそこのベンチでやってみましょう!」
■神代理央 >
「当然だろう?恋人と可愛い妹分。此の二人が特別じゃなくて、何だって言うんだ」
それは紛れもない本心。
此の島にやってきて、友人と呼べる者達にも多く出会えたが、それでも己の中に優先順位というものはある。
無邪気に喜ぶ少女に、当然だと言わんばかりの自信すら伺わせる様な笑み。
「………むう。そうだな、その通りだ。何時までも悩んでいる訳にはいかないな」
風紀委員。年下の少女に諭される。
とはいえ、事実も事実。発破をかけて貰えるのは有難い事だ。
よし、と気合を入れるかの様に、少女に頷いてみせるだろう。
「…試す、って今から……と、フレイヤ。慌てると怪我するぞ」
会計から移動まで、流れる様に済ませる少女。
そのまま引っ張られるが儘。傍から見れば、我儘な妹に付き合わされる兄……いや、その通りなのだが。
兎も角、少女に促される儘にベンチへとやってくれば、取り敢えず先に腰掛ける様に少女を促しながら、此方も少女の後に腰掛けて。
「……えーと。これに、魔力を込めればいい…のか?」
ふーむ、と首を傾げながら"先生"に尋ねるだろうか。
■フレイヤ >
「ふふ」
幸せそうに笑う。
誰かから愛されると言うことは、こんなにも嬉しい。
ぎゅう、と彼の腕を抱きしめながら。
「ちょうどいいから今日指輪買って言っちゃいましょう。サラ、びっくりするわよ」
くすくすと悪戯っ子の笑みを浮かべながら。
そうしてベンチに座り、買ったばかりのそれを箱から引っ張り出す。
「込めると言うか流す、ね。こう両手で持って、右手から左手へ、腕の輪っかをぐるぐる回すみたいに」
そうすれば道具の真ん中に付いている水車のようなものがぐるぐると回り出すだろう。
自分が使ったものは色とその濃さで判断するアナログなものだったが、これはデジタル液晶に数値として表示されるらしい。
試しに自分がやってみれば、属性は土と、量は平凡な数値が表示されるだろう。
■神代理央 >
「だから、フレイヤが恋人を連れてきたら妬いてしまうかもしれないな?ほら、あれだ。ドラマとかでよく見る…『お前にウチの妹はやらん!』みたいな?」
と、冗談めかして笑う。
流石に冗談である。七割…半分…二割くらいは冗談である。
「流石にサイズを測らないと。……そうか、サイズを聞かないといけないのか」
ハッ、とした様に今更気付く。
指輪を買ってサイズが違いましたなんて目も当てられない。
自然にサイズが合う魔術指輪とか無いのかな、などとちょっと思考が迷子になったり。
「流す……流す……回す……?」
ふむふむ?と少女が行う様を見学した後。
言葉通りのイメージで、見様見真似で道具へと魔力を流す。
結果としては、魔力量については平均より少し多いかな、程度のもの。属性は――
「…フレイヤ。文字が変なんだが、これで合っているのか?」
属性を示す画面は、何度か点滅して幾つかの単語を表示した。
直ぐに消えてしまったが、最後に浮かび上がったのは『空間』と『神』の文字。
それすらも直ぐに消えて『計測中』の文字が煌々と表示されているだけ。計測中というのが己の属性なのかと、不思議そうな顔をしながら少女に道具を渡すだろうか。
■フレイヤ >
「あら、駄目よ。その場合私が選んだ人なんだから。それは私を疑うってことよ?」
冗談だとはわかっているが、それはそう言うことだ、と。
「彼女の指のサイズぐらい知ってないと駄目じゃない……」
それなら買って帰ることは出来ないか。
残念。
魔術指輪、探せばありそうだが。
「どれどれ、見せて……ナニコレ、私日本語読めないわ」
チラリと見えた単語は、しかし漢字なので読めなかった。
と言うか計測中と言う単語すら読めない。
読んでくれ、と彼におねだり。
■神代理央 >
「う、むむむ…。いや、そうだな。そうだよな…。……挨拶に来る時は、数日前に連絡をくれ。心の準備がいる」
別に挨拶に来る必要は無いのだが。
彼女がパートナーを連れてくる未来をイメージして――やっぱりちょっと悔しい。
心の準備は、本当に必要そうだ。
「…そ、そんなものなのか…。でも、直接聞くのもあれだし…ううむ…」
悩む。
下手をすれば、風紀委員の会議の時より悩む。
取り敢えず、今度そういう手合いに詳しそうな奴に聞いてみよう。
……誰に聞くべきだ。小金井辺りは、モテそうだし詳しそうかな。
「「ああ、そうか。これは『けいそくちゅう』って書いてあってな。えーと…今調べています、みたいな意味だ。
さっきのフレイヤが使った時は「つち」所謂、大地だのガイアだの、そういう系統の属性がある、ってことじゃないのかな?」
書いてある文字をそのまま鵜呑みにすれば、だが。
と説明している間に道具の文字は消えた。
『計測中』から変わらぬ儘。
■フレイヤ >
「わかったわ、その時はちゃんと連絡するわね」
口ではそう言いつつ、その時はアポなしでいきなり行くのも楽しそうだな、なんて考えながら。
くすくすと笑う。
「直接聞けばいいのに。リオ、わかりやすいからどうせバレるわ」
情けない兄のような友人の様子に呆れて見せる。
変な小細工をしないで直球で聞けばいいのだ。
女の子はそう言うのも好きなのだから、とは自分の考えだが。
「ふうん……リオの属性は登録されてないのかも。私の使ったやつも、規格外の属性はひとまとめだったもの」
想定されていない属性を検知してバグっているのだろう、きっと。
そんな風に判断するも、しかし困った。
「でも、属性がわからないのは困るわ。次に進めないじゃない」
■神代理央 >
「そうしてくれ。茶菓子を用意するか、異能を使うかはその時の気分次第かな」
と、苦笑い。
異能を使う、というのは3割くらい冗談である。
「…う、ぐ。そんなに分かりやすいか…?
これでも、会議や夜会では鳴らした口なのだがなあ」
夜会や会議とは違う、ということが理解出来ていない辺りが、アレなのだろう。
女心と秋の空は、少年には未だ遠い存在である。
「……ふむ、そんなものなのか。まあ、レーヴェンタールの魔術は怨念が籠ってそうだし、道具の方が拒否したのかもしれないぞ?」
クスリ、と冗談めかして笑いつつ。
少女の言葉にはふむ、と思案して。
「…まあ、今日いきなり、という事もないだろう。また今度、フレイヤの家にお邪魔した時に、きちんと計測すれば出るんじゃないかな?」
連続で使用して道具の調子が悪かっただけかもしれない。
魔力量はきちんと出たのだから、数日置けばきちんと表示できるかもしれない。
そんな思考を巡らせながら、少女に首を傾げて尋ねる。
■フレイヤ >
「異能使ったら鞭で打つわ」
ふふん、と目を細めて。
やれるものならやってみろ、と言う様な。
「リオは普段カッコつけてるくせに、好きな女の子の前ではボロボロなのよ。これじゃサラのお尻に敷かれちゃうわね」
はぁー、と溜息。
もう既に敷かれかけているとは知らない少女であった。
「んー……これじゃリオに魔術を教えられないじゃない……」
ぷすーと頬を膨らませてぶーたれる。
とはいえ確かに今日の目的はそれじゃない。
「ま、いいわ。リオの言う通り今度またやりましょ。さ、お買い物の続きよ、リオ! ほら、はやくはやく」
ベンチから立ち上がり、彼の腕をぐいぐい引っ張る。
そうして二人でお買い物デートを楽しみ、アクセサリーショップで彼の恋人へのプレゼントなんかも探したり、レストランエリアで食事なんかも楽しんだだろう。
幸いここは扶桑だ、自身が納得するレベルの飲食店もあっただろう。
そうして久方ぶりに兄の様に慕う彼とのひと時を楽しんで――
■神代理央 >
「……む、最近生意気を言う様になったな。生意気を言う悪い口はこの口か?」
悪戯っ子の様なニンマリとした笑みを浮かべて。
柔らかな少女の頬を軽く抓る。
抓るというより、抓む程度のものではあるが。
「………自覚はある。自覚はあるんだがなあ。んー…余り目指したくは無いが、父様の様に家庭でも威厳のある様になりたいものだが…」
怜悧冷徹が人の姿をしている様な父親を思い浮かべ、小さな溜息。
あれくらい家庭内でもカッコつけたいものだが――多分、少年には無理だろう。
「…そうへこむな。時間はあるんだし、また遊びに行ってやるから」
ぶーたれる少女の頭をポンポンと撫でながら苦笑い。
さて、この御姫様のご機嫌を取らなければ。
「仰せの儘に。百貨店は逃げないから、余り慌てるんじゃないぞー?」
腕を引っ張られ、そんなこんなで再開されたお買い物。
恋愛事が絡まなければ、外面だけはいっちょ前な少年は、正しく令嬢をエスコートする執事の様に。或いは、面倒見の良い兄の様に。
ショッピングや食事を和やかに楽しんで、良き一日を過ごしたのだろう。
帰り道は、自分の運転する車に少女を乗せてあげたり――したのかもしれない。
ご案内:「扶桑百貨店 異能・魔道具エリア(7・8F)」からフレイヤさんが去りました。
ご案内:「扶桑百貨店 異能・魔道具エリア(7・8F)」から神代理央さんが去りました。
ご案内:「扶桑百貨店 映画館「キノトロープ」(12F)」に水無月 斬鬼丸さんが現れました。
ご案内:「扶桑百貨店 映画館「キノトロープ」(12F)」にマディファ=オルナさんが現れました。
■水無月 斬鬼丸 > 夜の映画館。
レイトショーではあるのだが、席はガラガラ、客はまばら。
よっぽどつまらないのか、人気がないのか…
そもそも、深夜帯に見る映画として不適切なのか。
おそらく全部だと思う。
自分はなんでこんなところにいるのかといえば…
昨日色々あったせいで、少し落ち着かない。
落ち着かないままに家で悶々とするものアレだと散歩にでかけ
気がついたらここで腰を落ち着けていたのだ。
映画の内容は…あまり覚えていない。
■マディファ=オルナ > 夜の映画館に似つかわしくない犬耳の少女が居た。
「妙な映像じゃったのう」
ポスターの微妙さに何故か興味を惹かれてなんとなく来てみたが。
やはり内容も微妙で何とも言えない顔をしている。
「突き抜けても居なければ山場もなしオチも弱し。
実に如何とも言い難く……微妙なまま記憶から消える作品ではなかろうか」
なお、元の世界ではこういったものはなかったが。
こちらの世界に来てからある程度学んだのだ。
最初のうちは『馬鹿な、この薄い幕の中に人が!?どうなっておるんじゃ!?』とか言ってたが。
■水無月 斬鬼丸 > ポップコーンを貪りコーラを飲んでるうちに終わった。
席を立つ客は…ほぼほぼいない。
いや、違う今まで座ってる客がほぼいなかったのだ。
そのため、作品に苦言を呈する少女の姿と声はよく目立つ。
小さな少女だが、古風な喋りに獣っぽい耳。
異世界人かな?
とりあえず…まだ余ってるポップコーンをもぐもぐしつつ
少女の一人感想戦に耳を傾けることにした。
どっちにしても何をしようって決めているわけではないのだから。
「……(しゃくしゃくもぐもぐ)」
■マディファ=オルナ > 「と言うかこれ、なんじゃったかな……風菜がやっておった、なんじゃったか……
映画のミニゲームに出てきそうな作品じゃったな」
人間なら眠気まみれになっていたかもしれない。
マディファは機械竜だから問題ないのだけれども。
「いや、この不人気様ではそれ以上の微妙な作品かや……?」
■水無月 斬鬼丸 > 「うぇ…?」
風菜…風菜?
思わず知り合いの名前が出てきて声が漏れる。
あわてて口をふさぐが…まぁ意味はないだろう。
犬耳の少女に変な目で見られなければいいが。
というか、さっさとでたほうがいいのだろうか、これは。
■マディファ=オルナ > 「む?
なんじゃ、そこな男子……風菜の名に反応したように見えるが。
あやつの友人かや?」
色々と出歩いている風菜なら友人関係くらい広いだろうと思い。
でもだったらなぜ風菜の部屋は隔離めいた場所になっているのだろうか。
■水無月 斬鬼丸 > 気づかれた。
まぁとうぜんだ。こんなに広い空間だというのに人はほぼいないし
逆にそういう場所に人が残ってると目立つものだ。
「あ、え…は、はい、まぁ。
貴女は…貴女も?ご友人かなんかで…?」
見た所女の子だし、いわゆるアレな関係ということはないだろう。
妙にかしこまっているのは、少女の喋り方からだ。
見た目に反して高齢というのは異世界人ならばよくあることらしい。
■マディファ=オルナ > 「うむ。
わしはマディファ=オルナ。
風菜とはこの百貨店を案内してもらってから仲良くしておる」
まあ、そのときに迷子になってしまったのだが。
あの後携帯端末を購入して(無論『なんじゃこの板は!?』と驚いたが)組み込んだので今は大丈夫……なはずだ。
■水無月 斬鬼丸 > 「あ、そうなんですか…。
あの人、なんだかんだで優しいな。
あ、えっと、俺は水無月…斬鬼丸です」
いつものことながら、初対面の人に名を名乗るのはどうも抵抗がある。
あまりの名前負けぶりに。
だが、少女は異世界人だから、多少はましかもしれない。
「えーと、失礼ですが、ご年齢の方は…」
ホント失礼極まるが、ここで聞いておくほうが、今後の発言で地雷を踏む確率が減る。
少しくらいの冷たい目は我慢しないと。
■マディファ=オルナ > 「なんだかんだで優しい……?
何を言っておるのじゃ、あやつのみてくれで優しくないなど想像つかんのじゃが」
マディファは風和の本性を知らない。
だから斬鬼丸がどんな目にあったのかも全く想像がつかない。
「ふむ、斬鬼丸じゃな。
……水無月、か」
同じ姓の者が"殺し屋に狙われている"だったかの噂があったなと一度思う。
だが、それも結構前のことだし関係者だと言うなら身の安全の確認はしているだろうと思い直す。
「む、年齢?
年齢、と言うか稼働年数なら百年。
製造からは二百年と言ったところかの」
別に年齢については頓着していない。
というか、人の子が己のようなロートルに打ち勝つのが一種の楽しみになっているのだが。
■水無月 斬鬼丸 > 「それはそうなんですが…え、ああ、なんというか…
少し特殊なところも見え隠れしてたり…と、ともかくそれはおいといて」
なんか掘り下げると良くないことになりそうだ。
彼女が優しいのは…まぁ、知っている。
今の自分があるのも、彼女の優しさに活かされたからというところがある。
性的な意味で。
「…あ…やっぱり異世界の……。
え?…み、水無月ですけど…どうかしましたか?」
百年、二百年…敬語使っといてよかった。
水無月になにか引っかかったような反応を見せたが…風菜からあの時の話でもされてでもいたのだろうか?
きになる。
■マディファ=オルナ > 「特殊……?
よくわからんのう」
本性を知る人間と本性を知らない人間が風和のことで会話すればこうもなる。
認識が食い違うのだ。
いや、どちらの面もまさしく風菜なのだが。
「うむ、わしは異世界の民じゃ。
む?"水無月沙羅が暗殺者に狙われておる"なる噂があったはずじゃが」
(無関係じゃろうか?
まあそもそもこちらの世界の人の子の数は底知れない多さじゃ、姓だけが同じということもあるじゃろうな)
■水無月 斬鬼丸 > 「お、俺も仲良くさせて頂いてるってことなんで…
まぁ、その、お気になさらず…」
見た目幼い少女に見える。
齢100を超えるにしても、これ以上彼女のことについて話すのは危険だ。
むしろここで詳しく説明などしてみろ。
誰かが聞いてたら事案で捕まっても仕方ない。
「あ、ぁー…それ有名なんっすね…結構。
俺も無関係ってわけじゃないっつーか…ちょっと先日知ったばかりなんっすけど
その子、俺の妹で…」
それを護ると誓ったところではあるが
だからといってあからさまに日常から離れないように
今はこうしているのだが…。
こう、他人から聞かされると改めて不安がます。
■マディファ=オルナ > 「気になるが、気にするなと言うなら仕方がないのう」
引き下がる。
食い下がっても良いのだが、彼が誤解されそうな確率が高いという予想が出た。
「なるほどのう。
まあ、最近の死者にそれらしい女子は居らぬようじゃから問題はなかろうが」
生きていた、なんていう噂も記録している。
所詮噂は噂、信じきれるようなものではないなと思考する。
■水無月 斬鬼丸 > 「マディファさんは…えーっと、風菜さんとどういう知り合いだったり…
あー、俺はアレです。二回ほど一緒に遊んだくらいのあれなんですが…
深い知り合いだったら、お世話になってますというか…」
初対面の少女。
話すにしても言葉選びが難しい。
陰キャであるがこそ色々と言葉に詰まってしまうのだ。
「大丈夫ですよ。
身内なんで、みすみす殺させるようなことはしないんで…」
先日誓ったのはそれだ。
というか、先日にあって話してるのだから、死んでいてたまるか。
■マディファ=オルナ > 「どういう?
質問の意図が……むむ?
分かったような分からんような」
"深い知り合い"でそういう意味だと分かったつもりだったが。
風菜がそんなことをするものか?という先入観に疑問符しか浮かばない。
多分直球で言われても信じられないだろう。
「うむ、頑張って守ってやるんじゃぞ」
家族を守る時の人の子の絆は身を持って知っている。
いざというときに、勇気が出せるよう、軽く焚き付けておく。
■水無月 斬鬼丸 > 「えあ、その、この島って結構環境が特殊っていうか…
ルームシェアとか、寮のルームメイトとか…
そういう感じの親しい中の人って結構いるもんで、つい…
だとしたら、ちゃんとご挨拶しなきゃー…的な…」
嘘はいっていないし、そういう意図もないわけじゃない。
別にあの少女の本性を言いふらしたいとかそういうわけではなく
友達の友達という立場の少女のことが少し気になったというだけのことだ。
「あ、はい。ありがとうございます。
まぁ、荒事ってのはあまりなれないんで…
そういうことに関わる覚悟ってのもいるとは思いますが…」
なんか小さな少女にペコペコと頭を下げて敬語で喋ってるあたり
頼りになりそうな印象はまったくないだろうが…。
■マディファ=オルナ > 「ふむ、そういう意味でならばわしは寮も違う、単なる通りすがりに仲良くなっただけじゃ。
遠慮するものでもあるまい」
けらけらと笑顔をみせて。
隔離部屋の噂は有れど、その住民が風菜だなんて実際訪れたマディファも結びついていないのであった。
「まあ、そうじゃろうな。
お主に必要なのは、覚悟じゃろうて」
じっと、斬鬼丸の瞳を見つめる。
データが不足しているが、覚悟を決めさえすれば何でもやりかねない予想。
それこそ己すらも打破する可能性を持っているだろう期待。
目の前の少年からは、それが感じられる。
■水無月 斬鬼丸 > 「あはは、そういうことなら俺と同じですね」
深い意味での身内ではない
というのならば少しホッとする。
友人の家族に会うというのは少なからず緊張するものだから。
とはいえ、初めてあったこの獣耳の少女との少ない接点であることも事実だ。
「え…そ、そうっすね。
え、え…な、なに…なんですか?」
真っ直ぐに見つめられると目をそらせない。
目…この少女のそれは特徴的だ。
左目の方、白い瞳とか始めてみた。
一瞬瞳がないのかとぎょっとしたものだが…。
■マディファ=オルナ > 「まあ、そういうもんじゃろう。
堅磐寮なら性別の垣根がないからともかく、女子寮に男子を連れ込むのは騒ぎになるじゃろうし」
風菜の本性がそれをしかねないと思われるものだとは思わず。
まあ知らないからしょうがないのだが。
「なに、お主を見定めていただけじゃ。
きっと他の者を凌駕する可能性があるんじゃろうとは思えたの」
知りたいことは知れた、と言わんばかりに目線を外す。
■水無月 斬鬼丸 > 「(あの人ならやりそうだ……)あ、そ、そっすね!
俺も流石に女子寮に行く度胸はないですはい!」
無論やりかねないとはおもう。
が、ここは少女にあわせておこう。
風菜さんの場合、むしろ男子寮に来たらきたで『趣味』に没頭しそうですらある。
「可能性…ですか?
この島んなかじゃ微々たるもんですよ。きっと。
俺はそんなだいそれたことしたいわけじゃないですし…」
今となっては沙羅に手を差し伸べ、彼女と彼女の愛する者たちを護るという目的があるが
すこしまえまでは普通の学生として生きてきた。
異能の強さ、身体能力、知性…他者を凌駕するものと言われてもピンとこない。
■マディファ=オルナ > 「わしは見てくれは女子じゃからな。
女子寮ならば問題はないが、男子寮に行く気はないものじゃ」
まあ、そもそも性別自体が存在もしなければ人間の裸になんて興味もないのだが。
ついでに言えば風菜自身そんな非常識なことはしないのだが別の話。
いや痴女やってるのに非常識なこともクソもないだろうが。
「謙遜するでない。
己を信じよ。
大切な人を守るものが大したことでないわけがあるまいよ」
確かに、今のままでは自分を倒すことは夢物語だろう。
だが、正しく育てば。
きっと、彼もまた己を打倒して先へと進む英雄足り得るだろう。
■水無月 斬鬼丸 > 見てくれは?
中身は違うのだろうか?
むしろ話し方からして、性別の区別があまりないような。
「そうっすね…見た目女の子なんで
こんな夜中で一人で映画館とか少し心配になりました」
そんな心配はいらないひとなんだろうなとは思いつつも
今はすでにレイトショーが上映している時間。
普通の女の子ならともかく、小さな少女となると心配にもなる。
「…そうっすね。
他人様からみたらともかく、俺にとっては、その、結構重要っていうか…
大切な子っていうか…命に変えてもとかは言い切れないんっすけど…
ともあれ、やれるだけやってみます」
初めてあった少女のようななにか…ではあるが、長く生きている人に
こういわれると、なんだかんだで気分的には楽になる。
■マディファ=オルナ > 「うむ。
みてくれはか弱い女子じゃが機械竜じゃしなわし」
右手を掲げて人化を部分的に解除すると、ゲームによくあるボーンドラゴンめいた機械の腕。
きちんと確認できるだろう時間を取ってもとに戻す。
「うむ、やれるとこまでやってみせよ。
お主なら案外やれるじゃろう」
才能が、可能性があるのだ。
今は自信がなくてもいいが、いざというときには勇気を出せるように元気づける。
■水無月 斬鬼丸 > 「うぉっ!?きかいりゅう!?…ぁー…人じゃないことは薄々…
でも…なんつーか…意外な…」
思った以上に厳しい種族名、そして骨竜めいた機械の腕。
人外であると予測していてもこれには面食らった。
それでも悲鳴を上げて思いっきり引かないだけ
自分もこの島に慣れてきたということだろう。
「え、映画はいまいちでしたけど…
なんか来てよかったっていうか…
少し自信がついたっていうか…」
機械竜であるからこそ、なんか読み取れるところがあったのだろうか?
センサーとかそういう。
詳しいことはよくわからないが少女の言葉を受け取れば小さくうなずく。
修行とか能力とかではないのだ、たぶん。
意思と行動。それにためらわない心。自分が信じるべきはそこなんだろう。
■マディファ=オルナ > 「完全に人化を解けば面影は目の色くらいしかないからのう」
わはは、と笑って。
「うむ、そう言われるのならば色々言うた甲斐があったものじゃ」
すべてが読み取れているわけではないが。
少なくとも、可能性は読み取れている。
それは、センサーと、己の経験から弾き出された予想だ。
■水無月 斬鬼丸 > そんな彼女がなんで少女の姿なのかとか
どうしてここにとか
色々好奇心をくすぐられるところはあるのだが
流石に初対面。そこまで突っ込むのは憚れる。
そもそも、自分の可能性の肯定、そして覚悟…
それを少女はくれたのだから、それを感謝すべきだろう。
わははと豪快に笑う少女につられて、控えめに笑った。
「まぁ、外れない程度に、それでも守りきれる程度に
頑張ってみます。頑張るの、苦手っすけど。
もう夜も遅いんで、気をつけてくださいね。マディファさん」
見た目以上に高齢な彼女、そして見せられたあの腕。
なにかあれば逆に一網打尽にしそうなのだが…それはそれとして
その姿の少女に何も言わずに立ち去るというのも気が引けて
「俺、そろそろ帰りますけど…
住んでるのって堅磐寮と女子寮どっちです?
帰るなら、送ってきますけど…」
■マディファ=オルナ > 「うむ、うむ。
やらねば、やったという結果は手繰り寄せれぬからな」
そう。
挑めば、挑んだという結果は残るのだ。
「む?堅磐寮じゃが。
心配要らぬよ、いざとなれば人化を解くだけじゃ」
生半な場所で解けば騒動になってしまうが。
緊急避難ということでなんとかなるだろう、きっと、メイビー。