2020/08/11 のログ
ご案内:「扶桑百貨店 ファッションエリア(4~6F)」に御白 夕花さんが現れました。
御白 夕花 >  
夏休みのある日、私は扶桑百貨店のファッションエリアに足を踏み入れた。
いつもは商店街の服屋さんか、下のフロアにある支店で事足りてる私がここに来たのは、あるものを求めて。
そう。裏切りの黒《ネロ・ディ・トラディメント》の一員として欠かせない───"衣装"を買いに来た。

「私も仮面(ああいうの)、着けないとなんだよね……」

活動内容的に身分を隠さなきゃいけないっていうのは分かる。すごい分かる。
私なんて一応は元風紀委員だし、それが違反部活に鞍替えしたなんて知れたら大変だ。
かと言って……《彼》のように黒装束に仮面姿でクールに振る舞うのは、なんていうか、こう……!

「(恥ずかしい!!!!!!!!!!!)」

……本当にやらないと、だめ?

御白 夕花 >  
ここまで来て尻込みしてても仕方ない。
とりあえず決めるだけ決めちゃえば楽になれるはず……そう信じて売り場を見て回る。
普段あまりお目にかかれないタイプのファッションがずらりと並んでいて、ざっと眺めるだけでも楽しい。
特に異世界系の服は珍しいから、思わず夢中になっちゃいそうだ。

「どうせなら名前に合った感じにしたいなぁ……」

私のヴィランコード《スピカ》は星の名前。まだ自己申請の段階だけれど。
まぁとにかく、星に関連したデザインがいい。

「でも、そんな都合よく見つかるわけ……」

───あった。
いかにも"星!"って感じのデザイン。これ以上ないってくらい星。
何も言わずに手に取って、スッと顔に装着して据え置きの鏡を見る。

川★ヮ★)「………………おぉ!」

そこには星型サングラスでばっちりキメる痛い子が映っていた。

ご案内:「扶桑百貨店 ファッションエリア(4~6F)」にさんが現れました。
> 「ゆーかおねえさん、目が星だ?どうしたの?」

じーと見つめてくる知り合いの幼女。

白ワンピースが清楚で無邪気感が出ている

御白 夕花 >  
流石にないわー、なんて自分で自分にツッコみながらサングラスを外そうとしたら。
そんな私を見つめている知った顔と目が合ってしまった。
黒いレンズ越しでも眩しいくらい真っ白なワンピースがよく似合う、無邪気な女の子。

川;★⊿★)「の、希ちゃん!? どうしてここに……!?」

思わずサングラス姿のまま反応してしまう。

> 「えと、買い物しに来たらゆーかおねえさんの目が星になってた」

手には本が持たれている。

中身は『イヌでもできる自由研究』著者は『羽柴哲也』である、蛇足

御白 夕花 >  
「こっ、これにはその……深い事情が……!」

慌ててサングラスを外そうとして思い止まる。
今ここで素顔になって、希ちゃんの純粋無垢な瞳で見つめられたら悶死しかねない。
対閃光防御……どちらかと言えば対ショック防御としてサングラスは必要だ。
そもそも売り物というのは一旦おいといて、かけたまま話題を逸らそうと思考を巡らせる。
ふと、希ちゃんの持っている本が目に留まった。

「自由研究……夏休みの宿題?」