2020/09/29 のログ
ご案内:「扶桑百貨店 地下食品市場(B1・2)」に柊真白さんが現れました。
■柊真白 >
いつもは商店街で買う食材。
今日はちょっと奮発、ではないけれど、扶桑百貨店で物色してみる。
流石に百貨店の食品売り場、商店街よりも良いものが揃っている。
商店街のものが悪いという訳ではないが。
「次は何作ろうかな」
最近弟子が増えた。
弟子と言っても料理の弟子。
うちに来たり家庭科室だったりで色々作って教えている。
普段食べる分にはあまり高いものは使えないけれど、人に教えるとなるとちょっと奮発しようという気分になってくる。
そんなわけでこうして扶桑百貨店の地下食品市場で半分冷やかし気分でウロウロ。
■柊真白 >
まず野菜をチェック。
確かに値段は高いが、それに見合った質のものが揃っている。
何より種類が豊富だ。
八百屋さんやスーパーには並ばないようなレアな食材が並んでいる。
「これは、なかなか……」
思わずテンションが上がる。
いや傍目にはただ野菜を眺めているだけにしか見えないだろうけれど、それでも確かにテンションは上がっているのだ。
普段見れない野菜を目の前に、これを使うなら何を作ろうか、と頭の中で色々メニューを組み立てながら。
ご案内:「扶桑百貨店 地下食品市場(B1・2)」に藤巳陽菜さんが現れました。
■藤巳陽菜 > 陽菜がこの扶桑百貨店を訪れるのは13階にある温泉に入るため。
そこの年間券を買うほどに温泉好きである陽菜。今も出てきたばかりでその髪はほんのりと湿り気を帯びている。
そんな、扶桑の地下の食品売り場。
そこで久しぶりにその姿を見かけた、陽菜が一度学園を辞めようとしていなくなって以降であってなかった友人の姿。
以前と何一つ変わっていないその姿。
「ひ……。」
名前を呼ぼうとして少しためらい、喉のところで言葉が止まる。
会わなくなってから結構時間が経ってしまっている、失踪するように急にいなくなってしまったのに今更……。
■柊真白 >
「……ん」
声が聞こえた。
一音だけだが、確かに聞き覚えのある声。
野菜をガン見していたから反応が遅れて、そちらをゆっくり振り向く。
「ん、陽菜。久しぶり」
しばらく姿を見ていなかった友人の姿。
どのぐらい見ていなかったかちょっと曖昧なくらい久しぶりだが、以前と変わらず表情の少ない顔で声をかける。
■藤巳陽菜 > 「……柊さん久しぶりね。」
止まっていた言葉を絞り出す。
全く変わらないその様子、一週間とかちょっと会わなかったぐらいの友人に向けるようなその言葉に思わず少し泣きそうになる。
陽菜の数少ない同級生の友人。
彼女に教えてもらった料理は今でも陽菜の生活を助けている。
「……えーと、最近どう?元気にしてた?」
いいたい事、伝えたい事が頭の中でグルグルしてるのに口から出るのはそんな無難な言葉。
■柊真白 >
蛇の下半身で悩んでいた彼女。
きっとしばらく見なかったのは何かあったのだろう。
「ん。弟子が増えた」
だからそのことは聞かない。
言われなかったのだから、言いたくないことなのだろうから。
「陽菜は? 元気だった?」
見た感じ割と元気そうだ。
ズッキーニを手に取りながら尋ねる。
■藤巳陽菜 > 「弟子?料理の?美味しいものね柊さんの料理。
どんな人?」
彼女の料理は基本がしっかりとしている。
初めて教わるのにはピッタリだと思う。
そんな幸運な妹弟子?弟弟子?に思いを馳せる。
「私はまあ……ボチボチね。
体は元気だけど。」
自分の下半身に視線をやる。
……期間が空いてもまだ戻っていない。
■柊真白 >
「どんな……七歳の、お母さん?」
どんな人と言われると、そうとしか言えない。
何を言っているかわからないと思うが大丈夫。
自分でも何を言っているのかわからないから。
「そう。結構慣れたみたいだね」
歩くのも苦労していた以前に比べて歩くのが上手くなったように見える。
彼女にとっていいかどうかはわからないが、とりあえず不便は減っただろう。
ズッキーニを棚に戻す。
■藤巳陽菜 > 「7歳の子のお母さんって事?色んな人に頼られてるのね…。」
そういう理解になる。
7歳の子供がいるという事は……
少なくとも陽菜よりは年上だろう……。
「慣れないままに戻ってくれたら良かったんだけどね…。」
既にこの身体には慣れきっていて。
本物のラミアのように、下手すれば本物のラミア以上に上手く扱える。
「今日はその弟子に教える料理を何にするか考えてたってところかしら?」
わざわざ、商店街ではなくこちらまで来るという事は少し珍しい料理でも作るのかもしれない。
■柊真白 >
「や、七歳でお母さん」
七歳でお母さん。
ちょっと自分で言っていて頭大丈夫かと言われないかとても心配。
あからさまに表情が歪む。
「慣れないよりは良い。良い方向に考えよう」
いつまで経っても慣れないよりは全然いい。
元の身体に戻ってから苦労するかもしれないけれど、それはまたその時悩めばいいのだから。
「ん。教えてると、色々作ってみたくなるから」
今度はエシャロットを拾いあげてみるながら。
■藤巳陽菜 > 「……???ああ!7歳で成人する種族とかの人ね!
いろんな世界の人がいるものね?」
虫系の種族の異邦人の人とかならかなり早い段階で成人を迎えて子供が出来たりするらしい。
陽菜も異邦人街の住人だそういったことにも慣れてきている。
「まあね、初めの頃は杖つきながら歩いてたもの……。」
そのころと比べれば確かにマシだ。
人間の足で歩くのもきっとこの経験があれば余裕だろう。
「へー……エシャロット。」
どう使うんだろう?
あまり見慣れないその野菜を持っている様子を見ながら考える。
らっきょみたい…。
■柊真白 >
「……、多分、人間。七歳は身体、だけど、たしか年齢的は十歳ぐらいだったはず」
それにしたってそれで母親とは。
思わず頭を抑える。
「エシャロット。玉ねぎの仲間」
微塵切りにしたり薄切りにしたり、ソテーしたりソースにしたり。
大体玉ねぎと同じような使い方だ。
いつも行く八百屋さんには売っていないので、試しに買うことにしよう。
カゴに放り込む。
■藤巳陽菜 > 「待って。ねえ、待って。
何?何?何が何があったの?10歳でも分からないんだけど?」
説明だけ聞くと意味が分からない。
7歳の子に子供産ませたって事?犯罪では?
目の前の少女も分かっていない様子なので少し安心する。
「へー…おしゃれな名前ね。」
こんならっきょみたいなみためなのに…名前負けを感じる。
陽菜は冒険しない。
この場所は商店街と比べて高すぎて陽菜の旺盛な食欲を財布が支えきれない!
「……そういえば柊さんはお菓子とかは得意?」
■柊真白 >
「私にもわからない」
どういうことなのか一切わからない。
こうして彼女にそう伝えるのすら申し訳ないほどにわからない。
「皮だけ向いてそのまま丸焼きにしても美味しい」
玉ねぎより小さいので、切らなくても中までしっかり火が通る。
グリルやトースター、オーブンなどで焼くと甘くておいしい。
「ん。部活の店で作ってる」
専門?はあくまで料理の方だが、お菓子作りもそれなりのものが作れると自負している。
棚を眺めればビーツがあった。
これでボルシチもいいかもしれない。
カゴにイン。
■藤巳陽菜 > 「……そう。」
……ここまで困って申し訳なさそうにしてる顔初めて見た。
これ以上聞くのは良くない。
「あー焼きネギみたいな感じね。それはおいしそう。」
長ネギを焼くやつのイメージ。
味のイメージもしやすい。
「部活でって?スイーツの店で働いてるの?
なんか意外かも……。」
本人は白くて服装もこんな感じではあるが彼女にスイーツのお店のイメージはない。
何でも作れるがどちらかと言えば和食とか得意だったイメージ。
■柊真白 >
「……ありがとう」
詳しく聞かないでくれる友人に感謝。
「長ネギよりは、タマネギ。玉ねぎより風味は少ないけど」
やはりタマネギの方が味は近いだろう。
切れ味の悪い包丁で切ると涙が出てくるし。
「ん。すぐそこのラ・ソレイユって店」
それなりに繁盛しているから、きっと彼女も名前くらいは知っているかもしれない。
一番得意なのが和食なのは間違いない。
洋菓子和菓子もそれなりに作れる、と言うだけ。
実際店ではどちらかと言えば経理をメインにやっているし、厨房には忙しい時に出る程度だ。
■藤巳陽菜 > 「……玉ねぎ。」
説明を聞けば聞くほど縁遠い野菜になっていく。
玉ねぎはかなリ便利に活用しているが……陽菜にはこれを上手く使える自信はない。
「あの最近できた所?……やっぱりあそこの店のケーキ美味しいの?」
以前、知り合いと行く前に色々なスイーツ店を下調べの為に回った時にその名前を見たことがある。
学生街に出来た比較的新しい店。
ちなみに陽菜は一度も訪れたことはない。
■柊真白 >
「タマネギ。小さいタマネギって考えればいい」
小さい分切るのが難しいかもしれないし、簡単かもしれない。
それは人によるかもしれない。
「ん。美味しいよ。凝り性の店長の趣味みたいな店だし、オーナーがすぐ無駄遣いするから、味は保証する」
ただし資金のやりくりがかなり難しい。
オーナーが金に糸目を付けない金持ちだから、尚更。
野菜コーナーを抜けて肉のコーナーに。
こちらには珍しいものはあまりないが、とにかくいい肉が揃っている。
霜降りがガッツリ入った百グラム五百円ぐらいする牛肉とか。
■藤巳陽菜 > 「普通の玉ねぎにしとくわ…。」
普通の玉ねぎ。
長持ちするし、おいしいし、何にでも入る万能食材。
……やはり玉ねぎは最強。
「絶対おいしい店ねそれ。そんな店、材料とかに妥協しないとこじゃない…。」
そう、材料から全部良いものを使ってるタイプの店。
無駄遣いするオーナーの存在だけは気がかりだけども……。
「高……。」
普段、陽菜が普段買っている常世産の魔術育ちの牛とはくらべものにならない価格の値札。
これだけの肉の量でどれだけの肉が食べられるのだろう……間違いなくおいしいのだろうけど…。
でも偶には……少しぐらいは…。
■柊真白 >
なんだかんだ言いつつ使い慣れた食材が一番だ。
彼女の選択もまた正しい。
「そう。だから、困る」
普段使っているものは普通に厳選した食材を丁寧に調理しているだけなのだ。
だけど、ちょっと油断するとオーナーがすぐ無駄に良い食材とか装飾品とか買ってくる。
もうちょっと健全な営業と言うものを学んで欲しい。
「ん。肉は手間とコストが値段にすぐ出るから」
美味しくない、わけではないが。
個人的にはちゃんと調理すれば安い肉でも美味しくなると思う。
でもたまにはお高い肉を食べてみるのもいいかもしれない。
普段買ってる特売品の三倍ぐらいの値段のする牛の肩ブロック肉を手に取ってみる。
四桁後半。
そっと戻す。
■藤巳陽菜 > 「ふふっ柊さんも色々苦労してるのね。」
いつも、おとなしくて何でも表情も変えずにそつなくこなしてしまう。
そんな彼女が困ったりする、前よりもなんというか感情豊かになったその様子を見て思わず少し笑みがこぼれる。
会っていなかった間に色んな事があったのだろう。
見た目は全然変わってないが中身はちょっとずつ変わっている。
「たまにはいい肉も食べたいと思ったけど……お肉屋さんで買う事にするわ。」
近所のお肉屋さんでは普段から大量の肉を買う陽菜に割とサービスしてくれる。
お金を落とすにしてもそっちの方が良いだろう。
■柊真白 >
「ん……特に、最近は」
関わる人が増えた。
だからそれだけ色々考えることも増えた。
ちょっと本気で頭を抱えることも、無くはない。
「うちで食べてく?」
久しぶりに会ったし、ご馳走しようか、と。
自分と同居人だけで食べるには高い肉だが、友人を持て成すためなら高くはない。
正直良い肉を扱ってみたい、という気持ちもある。