2021/11/18 のログ
■クロロ >
「そうかァ?」
随分と訝しげな声が出た。
一々他人の目なんて気にしてる訳もない。
第一、そう言う連中との付き合いじゃない(約二名位)
「当たり前だろ。店燃えるかもしンねーじゃねェか」
流石にそれ位は考えているが、やっぱりソッチのが嬉しいらしい。
抱きしめる腕はきちんと人間の暖かさを保っている。
女性と言うのは、触れ合うのが余程好きらしい。
今度、他の連中にも聞いてみる事にするか。
そうこう言って選ばれたのは儚げな白ワンピース。
清楚で、何処か儚げな感じ。
「ふぅン」
成る程、確かにこれは似合いそうだ。
ニィ、と口角を上げた。
「ンじゃ、それでいい。きッとアイツも気に入るぜ」
それじゃぁ早速購入決定。
ホラ、とワンピースを手で催促。
荷物持ちは男がやるものだが相場だと言うのは知っている。
「そンでまァもう一人の奴は見た目は文学だのッたけど、なンつーンだ?
スカート姿にロゴシャツみてーな。ガキッぽい感じ?」
「ンで、金髪のガキはなンつーか童話にいそーな感じッつーか。
不思議の国の?ッての?名前もまンまアリスだからそンな感じの…、…」
思わず周囲を見渡した。
辺りはカップルやら客やらで賑わっている。
クロロは思わず、訝しげに眉をひそめた。
「なァーンか誰かに見られてるよーな……」
■セレネ > 「えぇ。そうなのでしょう、私にもよく分かりませんけれど。」
他人の目を気にしない彼と別に、他人の目を気にする己。
その結果が現状見目もしっかりした風貌なのだけれど。
「そうですね。」
流石に火事は笑えない。
とはいえ、彼のその気遣いは己にとっても店側にとってもwin-winだ。
己は特に、スキンシップは好きな方。好いて居る相手なら猶更。
「ワンピースだけで良いのでしょうか。
どうせならアウターとか、せめてカーディガンも一緒に室内でも着れるものを…。」
一着だけだなんて、と思うも、金は有限だ。
催促されたその腕にそっとワンピースを預けて。
「スカートにロゴシャツ…。んー。
いっそパンツルックでも良いかもしれませんね。
…デニムじゃなく、チノパンなら…また違う印象になるかも…?」
冬のファッションとしてみるなら、それは何とも難しいものだけれど。
情報が彼から得られるものしかないから仕方ない。
「…え、アリス?
もしかして、アリス・アンダーソン…さんだったり?」
聞き覚えのある名前に蒼を瞬かせる。
彼女達の衣服を探す為、色々周りを見回していれば、
何やら不自然に小刻みに揺れているマネキンを見つけた。
「…あのマネキン、なんだか他と違うような…?」
■クロロ >
「あうたー?よくわからンし、お前に任せる。
ああ、金はオレ様が払うし気にすンな。糸目はつけねェよ」
綺麗な金とは言い難いが、人間の生活に馴染むために必要なものだ。
幾ら裏側に生きているとはいえ、別に表に排他的になった訳じゃない。
郷に入れば、の精神だ。それ位の道理は弁えている。
「…………」
しかしまぁ、彼女には悪いがやはりくっつくと余計に暑い。
今回は顔には出さないが、やっぱりくっつくのは女性にとって楽しいんだろうか。
「なァ、歩きづらくねェのか?楽しいのか、ソレ?」
なんて思わず、聞いてみた。
「要するにスカート止めるッて事か?よーわからンが、似合うンじゃね?」
女っぽくよりもちょっと男の子っぽく、という感じなんだろうか。
並ぶ衣服に目を向け乍ら、頭の中のイメージで着せ替え人形。
なんだか、イメージのくせにやたら煽り力高いなこのメスガキ。
でも、とりあえず似合いそうなのは確かだから余計にムカつく。
似合うならいいか。
「とりあえずまァ、アイツ一張羅ッぽいし。
オレ様も人の事言えねーけどとりあえず…なンだ?アリスと知り合いなンか」
それなら話は早い。
「おう、ソイツで間違いねェ。まァ、世話ンなッてるから礼としてな」
「…………」
それはそれとして、何だあのマネキン。
何か小刻みに揺れてる。九十九か?いやまさか。
「ほッとけ。マネキンぐれェ動くだろ」
動かないけどどうした???
■セレネ > 「アウターというのは上着の事です。
今貴方が着ているジャケットや、私が着ているコートの総称の事。
ついでに、インナーは上着の内側に着る衣服の総称です。
服の名前も覚えて行きましょうね。」
お金については彼が払ってくれるらしい。
それなら良かったと内心思いつつ。
「…?えぇ、私は楽しいですけれど?」
ちゃっかり繋ぐ指を絡ませたりしつつ、甘えたりなんかして。
彼が嫌がるのならそっと離れるだろう。
「スカートだけだと同じような系統になりがちですから、
偶には別のボトムも取り入れた方が良いと思いまして。」
勿論スカート一つとはいえ形も違ったりするし、スカートに見えるパンツもあるのだけれど。
選ぶのは己だ、己の好きなようにさせて頂こう。
文句は…人選をした彼に言って欲しい。
「…まぁ、まさかあの子と貴方が友人だなんて。
彼女可愛らしい方ですよね。また会えた時はゆっくりお話したいものです。」
彼の衣服については、金髪碧眼の少女の衣服が決まった後
選びに行くと心に決めつつ。
意外そうに蒼を瞬かせて。
「…いやマネキンは動きませんが?」
先程まで小刻みに揺れていたマネキンがピッタリと静止した。
…己の気のせいだろうか。首を傾げつつ衣服を選びに向かう。
「可愛らしい見目でしたからね…クラシックに纏めるのも良いかしら…。」
うーん、と衣服を眺めながら悩む。
■クロロ >
自分から誘っておいて女に払わせる真似なんてするはずもない。
そうでなくても、自分から頼んだ事だ。
そう言う所は、キッチリしてるつもりだ。
「お、おぉ……まァ楽しいンならいいンだけど」
楽しいらしい。
指を絡めたり、体をくっつけたり。
……なんか柔らかいの当たってないか?
思わず意識してしまうと、甘いローズの香りに"クラッ"とする。
余り意識するのは、此方はまずいかもしれない。
軽く首を振って、気を引き締める。
"その気"になられたらこちらに勝ち目はない。
とは言え、振りほどく理由も無いから好きにさせておく。
時折指先で、彼女の髪をなでたりしてみた。
ぎこちない手つきだが、多分男と女とはこういう感じじゃないだろうか。
「おう。次からテメェで買えるようにはしとくよ」
なんだかんだ丁寧に教えてくれるから優しいものだ。
彼女が選んでいく服を目で追いながら、良さげなものはとりあえず全部抱えておく。
「まァな。旅は道連れッつーのか?オレ様以外にもちゃンとダチがいるなら安心だ」
不思議な少女、クロロからしてみればまだまだ子どもだ。
それでもちゃんと子供らしく元気でしっかりしとしているらしい。
父性と言うものはわからないが、目線としてはそれに近い。
「ア?動くだろ。落だ……歓楽街のマネキンは動く」
何言ってんだコイツは。
因みに真偽は定かではない。
例のマネキンは店員に持っていかれてしまったし、最早確かめる術は無い。南無。
「そうだなァ、可愛げのあるやつがアリスには似合いそーだけど」
どれが似合うとかかわいいとかは、見ているだけではまだまだ今一わからない。
■セレネ > 「…貴方は楽しくないのです?」
むに、と己の尤も柔らかな箇所が当たるのは仕方ない。
相手を時折揺さぶりながら、己の香りに傾倒させるのは卑怯な手だろうか。
彼の武骨で大きな手が己の髪を撫でるのなら、心地良さそうに蒼を細め大人しく撫でられる。
「季節や年で着られる衣服も変わりますから、今買うのはあくまで
一時的なものと思って下されば。」
今で言うなら秋冬ものが主流だ。もう少ししたら冬本番になるから
流行りの色も衣服も其方に切り替わっていく。
全身一式じゃないだけ、まだマシなのかもしれないけれど。
「アリスさんは私の友人でもありますからね、そこは大丈夫でしょう。」
ふと気が付けば、マネキンは店員さんから撤去されてしまったようだ。
己が知らない裏の世界の話にはそうなのですかときょとんと首を傾げて。
それは兎も角、あの明るい少女は数少ない英語で話せる友人だし、
人見知りという感じでもなかったから恐らく大丈夫…という印象を受けた。
尤も、己より彼の方が彼女の事をよく知っているかもしれないが。
「可愛いものは恐らく持っているでしょうし、少し大人っぽいものも持ってても良いと思います。」
白のクラシカルブラウスに、黒のスカートを合わせたりとか。
リボンタイを合わせたら、可愛さもプラスされるだろうし。
二つ手に取って上下で合わせてみせて。
■クロロ >
「そーゆーのは余り考えた事がねェ。
そもそも触ッたり触らなかッたりなンて事はほとンどねェし」
触れれば全て燃えていく。
此方が加減をするか、或いは"例外"のあのメスガキ位だ。
そう言った人間同士のなれ合いとか触れ合いとは無縁だ。
楽しい、楽しくない以前に出来ない事に何かを抱く事は無い。
ただ、まぁ、そう。
「……悪くはねェ」
彼女がくっつく事自体は、悪くない。
照れ臭かったのだろうか、本心は本人にしかわからない。
ただ、それを言うとき視線は露骨に逸れていた。
「そう言うモンか?……そうかァ」
確かに、アリスもいっぱしの女(?)ではある。
よく考えれば、前者二人よりファッションには拘ってそうだ。
そう考えると、確かにそれ系統は一通り持ってそうな気もする。
ここは彼女のセンスに任せてみよう。
「白と黒の、なァ……確かに似合いそうだな」
よし、これで一通りは揃った。
後は行きがかりにスーツのジャケット、とりあえず高めの奴を選んでおくとしよう。
さて、残るは……。
「で、最後。お前は欲しい服とかねーの?」
■セレネ > 「…普段は炎の身体ですものね。それもそっか…。」
触れたくとも触れられないかもしれないし、
自然とそういった思いを失くすのも彼の体質を考えると仕方ない事なのだろう。
でも、だからこそ、わざわざ手間をかけてまで人間体になってくれる彼に触れたいと思う。
己は寂しがりだし、スキンシップは好きなのだ。
「――嫌ではない、という事にしておきますね?」
ぶっきらぼうなその言葉と露骨に逸れる顔に笑みを零しながら
プラスの方向に捉えておく。
仮に、彼が本当に嫌なのであれば腕を離すなりするだろうから。
「……あ、服を贈る時、彼女達には私が選んだなんて言わないで下さいね?
彼女達の趣味に合わなかったら嫌ですし、仮に良かったとしても
貴方が選んだとなれば株も多少は上がるでしょうから。」
金髪の少女なら兎も角、前者二人は己は知らぬ相手なのだし。
良い事も悪い事も、相手に全て受けて欲しいと。
行きがけにブランド物のジャケットを一枚選ぶ彼を眺めながら
「…え、私ですか?
ない訳ではないですけれど…個人的には私より貴方自身の服が気になると言いますか。」
つい最近、此処に買いに来たばかりだから、わざわざ買いたいとは思っていない。
強いて言うなら、彼の好みの異性の衣服は気になる…けれど。
相手の服装を眺めつつ、そう言葉を返し。
■クロロ >
「……そうしとけ」
何時でも触れるような体はしてないんだ。
彼女が好きと言うなら、それ位は好きにさせてあげたい所だ。
これが自分の気持ちか、香りの仕業かは判断しかねるが。
悪い気がしない以上は、そう言う事にしておく。
「ああ、わかッてるよ。その辺は上手く誤魔化す。ありがとよ」
勿論名前を出す気はない。
その辺りは上手く誤魔化すつもりだ。
しかしこれで、良い手土産が入った。
後は此方も彼女の服を選んで今日は─────…。
「…ア?オレ様の?」
…と、思ったが予想外。
よもや、自分の服のが気になると言い出した。
見ての通りの迷彩柄。少し派手なミリタリー系の衣装。
勿論これはファッションで選んだわけじゃない。
封じ込める為の機能であったから使い、自分好みに"調整"したもの。
服と言うより、一種のマジックアイテムに近いものだ。
少し声音も驚いてしまったが、すぐに気を取り直す。
「オレ様が着ても……や、まァ、そうだな。どうしてもッてなら選ンでくれや」
ただ燃えるだけの燃料に本来はなってしまうが
そう言うのであれば少し手は打ってみよう。
尤も、成功するかは買ってみなければわからないが。
■クロロ > 【一時中断】
ご案内:「扶桑百貨店 ファッションエリア(4~6F)」からクロロさんが去りました。
ご案内:「扶桑百貨店 ファッションエリア(4~6F)」からセレネさんが去りました。