2021/12/09 のログ
ご案内:「扶桑百貨店 展望台(20F)」に天月九郎さんが現れました。
天月九郎 > 時刻は午後20時を回りすっかりと夜のとばりが落ち、冬の寒さが肌をピリピリと張りつめさせる。
そんな中でもここから街を見下ろせば建物の中から灯りがこぼれ、そして車や電車といった動く灯りたちが街は未だ眠らないのだと教えてくれる。
もっとも夜が更けようが朝日が昇るまでこの島が眠るような事は無いのだろうけど。
こうして自分が夜の領域に足を踏み入れればそんな当たり前の事実を改めて理解させてくれる。

ほうっと吐息を吐けば視界が一瞬白くけむり、自分の熱が夜気に溶け込んでいく。

天月九郎 > ああ……それにしても……
「朝が、遠い……」

教室にパスケースを忘れたと気付いたのがついさっきの事。
友人たちと遊び、別れ、さて帰るかと駅に向かい……気付いてしまった。
定期券が無いのはまあ仕方ない、地味に痛いが切符を買えばいい。
問題は学生証だ。
うちの寮ではなにやら下着泥棒が発生したとかでセキュリティ強化中なのである。
学生証を提示しないと中に入れて貰えない。
再発行や仮証明は可能だがお金がかかる、詰みである。

今できる事は死んだ目でさっさと昇れよ朝日……と水平線の向こうを睨みつける事くらいである。
海が近いから寒いんだよなこの島……。

天月九郎 > そう、うちの寮で……なのだ。
当然だが住んでいるのは男子寮、そこで盗まれた下着も男子の物である。
どこ需要だよこれ、誰が必要としてるんだ。
「チクショウ……俺の根性を笑う者は根性に泣くトランクス……」
なにより俺のモノが必要とされたという事実が恐ろしい。
他にも何人か被害にあっているので俺ピンポイントじゃないというのがせめてもの救いだろうか。
何者かからロックオンシーカーが伸びているだなんて想像するだに恐ろしい。

いや、男だから怖いのであってエッチなお姉さんならどうだろうか。
エッチなお姉さん、この言葉にときめかない男子は居るまい。
でもパンツ集めるのが趣味だとエッチというかド変態すぎてちょっと辛いな……。

まあパンツの話はどうでもいい。
問題は朝までをどうやってしのぐかだ。
幸い財布は無事なので選択肢は多い、だがビジホに泊まるとなると一気に学生には辛い額が飛んでいくのでこれまた辛い。
一番楽なのは野宿だがこの季節は割とヤバい。
身体は異能で強化されてるので死にはしないだろうが死なないだけだ。
むしろ死ななきゃ安いみたいなバイタルパートだけギリ守ってくれる頑丈さであって雪山で全裸になっても平気みたいなやつではない。
今も普通に寒い。

天月九郎 > 友人たちと軽食は摘まんだので耐えがたいほどの空腹というわけでは無いが、いつもなら寮で夕飯を食べ終えているような時間なので普通に腹が減っている。
ファミレスで夜更かし……というのはちょっと憧れる物がある。
ファミレスなんて来るまで遠征するもの、という地元だと漫画の中でしか見ないようなシチュだった。
けど友達とやるならともかく一人はちょっと辛い。

ネカフェというのもありだ、漫画に囲まれてジュース飲み放題で食べ物なんかもパッと買える。
少々割高だがいっそのこと寝てしまえるというのも大きい、これはアリだろうか。
いや待て、ここで結論に飛びつくのは早い。

レイトショー、というのはどうだろうか?昔の映画をお安く映画館で楽しめる。
ちょっと大人な雰囲気ではないだろうか?
「今やってるのは……」

スタンドバイミーオブザデッドか、実録昭和の偉人高速鉄道を敷いた男達オブザデッドか、走れメロスオブザデッドか…。

「ゾンビ映画多くない?」

天月九郎 > 流石にゾンビ映画を見ながら夜を明かすという選択肢は無しだ。
途中で寝てしまったら嫌な夢を見かねない。
いやでも実録って言ってるのにオブザデッドついてんのはどうなってんだよという疑問は絶えないがとりあえず今度友人でも誘って見に来るとしよう。

「しゃーない……行くかネカフェ」
『行こう』
「行こう」

そういう事になった誰だ今の。

ご案内:「扶桑百貨店 展望台(20F)」から天月九郎さんが去りました。