2022/04/02 のログ
■園刃華霧 >
「……いヤ、服って着ルもんダろ?」
こちらも一瞬、不思議そうな顔
……お互い認識が違うらしい。いや、そりゃそうか。
だからこんな問答になったんだし
この辺り、服を普通に買うやつと買わないやつの違いなんだろうか
「ほーン……確カに、ちょット違う感じダな?」
あっちこっちを見回してみる
「スタイル、スタイル……なぁ。
まあ、しぃハなー……」
小さな体躯の抱っこしている相手を見つつ……
「……は?アタシ?」
思わず間抜けな声を上げてしまう
おっと、なんか雲行きがおかしいことになってきたぞ?
■神樹椎苗 >
「――ああ」
なるほど、と気づきを得た顔。
一般的にはどうやら、自分が着ないのにデザインが好みというだけで観賞用に買うのは珍しいのだろう。
「む、確かに小さいかもしれませんが、超絶美少女ロリなのは認めますが。
むうー」
言い返せないので、むくれるのだった。
「そうです、お前ですよ。
サイズも――合いますね。
試着してみたらどうですか」
思ってもいなかった、という頬に、左手の人差し指を押し付けて。
■園刃華霧 >
「マ、自分で買うブんにゃ、何シたっていイから何ダっていいケど。
こンだけ立派ナもんナら、飾りタいッテのもわかラんデもないシ。」
気づきを得たらしい、相手にそう付け加える
まあ仮に異常だと指摘されたとしても、そうそう曲げることもないだろうけれど
「ま、美少女なンも、ロリなンも、間違っチゃイないナ。
ちト口は悪いケど。」
ケラケラと笑う。
「イや、待っタ。しぃの買い物ダろ?
アタシが試着スる理由、ナくなイ?」
あんまり慌てると絶対喜んで勧めてきそうなので、
ここは落ち着いて答えてみる。
「マずはしぃ向けノを、だナ?
■神樹椎苗 >
「――ふむ、それもそうですね。
では、とりあえず展示してるものは一通り買って来ましょうか」
するり、と自分を抱える腕から抜け出して、軽い音を立てて着地する。
そのまま、さっさと店に入っていくと――少しして戻ってくるのだった。
そのままスタッフが付いてきて、展示していた服に片っ端から売約済みの札を置いていく。
ざっと六着ほど、しかも展示していたコーデのセットで買っている。
値札は下げられてしまったが、ざっと十数万と言った所だろうか。
「――さ、次の店に行きますよ」
そう言って、なんでもなさそうに彼女の前に戻ると。
まるで当然のように左手を差し出した。
■園刃華霧 >
「はー、景気よクいくネー」
自分もそこそこ金を持っている方ではあるが、概ね食費に消える
仮にそれを抜きにしても、ほいほいとこんな買い物はしないだろう
そんなしぃの買い物風景に思わず感嘆する
「ま、趣味は様々……ッテな。
悪いコっちゃナい」
ひひ、と笑う。
まあ、楽しめてるなら何よりだしね
「次。
あー、マー、そーカ。」
そりゃこんな買い物をするならあれこれを行くのは当然だろう
こうなりゃ最後まで付き合うってもんだろう
「いヤ、イイ感じニ買ったナ。
うン、じゃア次か。次はドこ?
どンな感じの店?」
ちょっとおもしろくなって聞く
そんなことを聞きながら、こちらも当然のようにまた抱き上げる
■神樹椎苗 >
「趣味――まあそうですね、服飾は趣味と言えば趣味ですか」
ひょい、と軽々と抱き上げられて、当たり前のようにすっぽりと腕の中に納まる。
すると、なんだかとても満足げな表情だった。
「んー、そうですね。
部屋着と外着と一通り選びたいですし――ここですね、『TokoyoPrincessAlice』」
端末でまたフロアマップを表示すると、どうやら一つ上のフロアのようで。
「どんな感じか、と言うとそうですね。
甘ロリ和ロリが中心で、頻繁にコラボレーションデザインを新作で出しています。
今年の春と夏は和ロリの気分ですから、新作が面白そうなのですよ」
なんて、抱き上げられたまま、随分と上機嫌そうに、饒舌に語り始める。
店はフロアが違うだけで、そうかからずたどり着けるだろう。
■園刃華霧 >
「アタシのこレみたイに、着たきり雀でモするンなら、別だけド。
色々こだワって買うナら、趣味って言っテいーと思うナ」
自分のことはさておいて、である
「はー……部屋着、ネぇ……」
外着、はわかるが……部屋着とか想定はなかった
ってことは、なにか?
このヒラヒラをわざわざ部屋用にも買うってことだろうか
……ちょっとイメージできない
「と、上か。行きマすヨー……と。
はー、甘、ロリ……ねえ?」
ロリータ・ファッション、なるものは一応聞いたことはあった
和ロリ、なるものはさっき見て知った
まあなんとなく、流れ的に想像はついた
ついた、が
甘ロリ
甘い?いや、まさか服に味はつけないだろう
……つけない、よな?
思わず首を傾げつつ移動する
■神樹椎苗 >
「お前もちゃんとすればいいんです。
素材がいいんだから、それなりのもんを身に付けろってんです」
わかってるのかーとばかりに、また頬に指が伸びるのだ。
「まあ色んな呼び方がありますから、覚えなくていいですよ。
今からいくトコプリは、クラシカルや白黒もありますし、大体の種類は見れますよ。
覚えておくといいのは、しいの好みです。
しいは、クラシカル、黒ロリ、華ロリ、和ロリが好みですからちゃんと覚えるのですよ」
と、指先を振り振り。
語ってるうちにあっという間に店の前である。
店の前に来てみれば、もうまさに『ロリータファッション』の展覧会。
色も白黒ピンク、デザインも和洋中、幅広いものが展示されていた。
■園刃華霧 >
「ん、ンー……」
実際、同居人にも散々言われて一応の服はある
あるんだけど、未だに自力だと買う気にならない
というより、何を買っていいかわからない
指摘は多分もっともなんだよな、と思うといつもの軽口もでない
ゆえに、うなるだけになった
「は。確かニな。しぃの好みヲ知ってリゃ十分ダ。
け、ど……」
そこで言葉を切る
「クラシカル、黒ロリ、華ロリ、和ロリ」
思わず復唱
多くない?なに、なんでロリータファッション、とやらはそんなに種類があるの?
というか、世の中の服ってそういうもんなの?
「はー……マジ、いっぱい、アんのナ……」
店の前に付けば……その色々な豊富さに、思わず毒気を抜かれる
■神樹椎苗 >
「――これくらいで多いと言われてもですね。
ロリータファッションとなれば、衣服のジャンルでも大きいですから。
他にもたくさんありますよ、姫、ミリタリ、それこそ有名なゴシックだとか、パンクだとか」
色もデザインも豊富な光景に圧倒されてるのだろうか。
唖然としてる様子に、こんな顔もするのかと。
「中、一緒に見て回りますか?
意外と楽しめるかもしれねーですよ」
さすがに抱かれたまま入るわけにもいかない。
とはいえ、上から下までコーディネートを考えて購入するのが基本である。
それだけ考えると、流石に待たせるには時間がかかり過ぎるだろう。
「まあしいとしても、迷った時に客観的意見を得られるのは悪くねーですから」
なんてまあ、色々と理由はつけているモノの。
ようは、構ってほしいだけである。
■園刃華霧 >
「うへー……こレで序の口ってコと?
マジかー……すッゲぇナ…
多いナんてモンじゃネーじゃン……」
更に唖然とする。奥深すぎない?
そっちに転ぶ気もないが、実にすごい世界だ
ちょっと感心してしまう
「ン、あー……ま、乗りカかった船だシ……
ま、なニよリ。手伝ウって話ダったシな。
付き合ウか。」
着飾ることそのものが嫌いなわけでもない。
自分で買うセンスとかはないから、あまり積極的でもないわけだが
付き合うことも嫌ではない
「ンじゃ、行くカ」
そんなわけで、ついて入っていく
■神樹椎苗 >
「そうですか、くるしゅーないです」
ぴょん、と降りて非常に満足そうな様子で入店していく。
もちろん、左手をしっかり繋ぐのも忘れない。
嫌がられなければ、本当に上から下まで、トータルでのコーディネートをしっかりと付き合わせる事だろう。
その上で、小物の名前や用途、来歴まで解説したりしつつ。
嫌な顔をされない程度に服飾知識を刷り込んでいくのである。
もちろん、
「――これと、これ、どっちがいいですかね?」
なんて、決めかねる度に訊いてみたりしつつ。
気づけばたっぷり数時間とかけて、トータルコーディネートで数セット選ぶと、店員に事細かに説明し、それぞれ、椎苗のサイズで製作するように依頼するのだ。
もちろん、基本的に椎苗のサイズは売られていないので、当然のごとくフルオーダーメイドになるのである。
会計の時の金額は――一般的な水準の生活をしていたら、卒倒するような金額になったことだろう。
「――ふう。
お前のおかげで、思った以上に捗りましたね。
流石に夏物は揃いませんでしたが、初夏頃までは十分楽しめそうです」
店から離れて、またフロアの休憩用ベンチまで戻って一息。
一応、お礼に甘くて爽やかなハチミツれもんジュースをごちそうしたりしつつ。
一組だけ、服の入った紙袋を自分のわきに置いて。
■園刃華霧 >
「はイよ、と」
そんなわけで一緒にお買い物
しっかり手を握りつつお手伝い
「はー、マジ、色々知ってンなあ、しぃ」
そして、説明などされれば
案外嫌な顔もせず、色々と感心しながら聞くのであった
「ン―……右の、そッチじゃネ?
うン。しぃには、そッチのがイイ、気がする」
別に、卓越したセンスがあるわけでもない
むしろ、下地はなにもない
批評を求められれば、素直に思った通りを告げるだけ
「いヤ、豪快に買ウなー」
目の玉の飛び出るような金額も、そこまで飛べば逆に面白くなってしまう
ケラケラ笑いながら見ていた
「今カら夏モンなンて、気が早いダろ。
いいジャん、まタ来れバ。そン時ゃ、言ってクれりゃ手伝うヨ」
今日みたいにな、と笑う
こういうのも悪くない。
特に、お姫様抱っことか……またさせてもらえるかはしらんけど
■神樹椎苗 >
「ふむー、そうですか。
じゃあその時はまた頼みましょう。
――それはそうと、ですね」
ジュースを持った左手を、膝の上に置いてもじもじ。
どことなく煮え切らない雰囲気である。
足もふらふらと落ち着かない。
「――むう」
やっぱり困って唸ってしまう。
とはいえ、そのままでは仕方ない。
ジュースを置いて、紙袋を手に取ると、ぐい、と彼女に突き出す。
「これ、お前にやります。
部屋着用のパーカーです。
デザインも大人しくて、シンプルですから。
えっと、着心地の良さは、保証してやります」
なんて、ぶっきらぼうに。
■園刃華霧 >
「うン?」
割とストレートな物言いをする相手にしては妙に煮え切らない、というか。
妙に勿体ぶった、というか。
そんな変な態度。
なんか突っ込んだほうがいいのかな、と思いながらしばらく様子を見ていると
「……あァ」
紙袋をが突き出された。
一瞬、妙な生返事になってしまったが、色々と納得するところはあった
「そッカ。しぃが保証スんなら、まあ間違いハないナ。
サンキュ」
からからと、爽やかに笑って受け取る
それ以上、余計なことは詮索しない
「あリがタく、使わセてモらうナ」
心からの言葉
貰えることは、嬉しい
■神樹椎苗 >
「――んふー」
受け取ってもらえると、満足そうにぷすーっと鼻息。
猫柄で丈の長いパーカーは、部屋着としてはゆったりとしていて心地いいだろう。
「今日は、楽しかったです。
久しぶりにお前とも会えましたし――」
そして、珍しく年相応に素直な笑みが浮かぶ。
「――また、付き合わせてやりますから、覚悟しとくのですよ」
そんな、穏やかな春の一日でした。
■園刃華霧 >
「あァ、アタシも楽しカったヨ。
息抜きに来て想わヌ収穫ッテやつだ」
カラカラと笑う
本当に楽しそうに
「ん、そウな。シッかり覚悟、決めテおくサ」
そうして、春の一日は終わっていった
ご案内:「扶桑百貨店 ファッションエリア(4~6F)」から神樹椎苗さんが去りました。
ご案内:「扶桑百貨店 ファッションエリア(4~6F)」から園刃華霧さんが去りました。