2022/03/09 のログ
ご案内:「扶桑百貨店 ファッションエリア(4~6F)」にセレネさんが現れました。
■セレネ > 悩む事、数十分。手にはレディースのライダースジャケット。
色は黒、形はシングル。素材はタグを見るにシープスキンらしい。
手触りはサラサラしていて気持ちが良いものだ。
だが、ここまで悩むのには理由がある。
…己は今までこういったクールカジュアル系は着た事がなかったから、購入まで踏み切れないのだ。
基本はシンプルなフェミニン系のファッションを好んで着る為、
元居た世界では着ようと思う事も無かった。
『…どちらかというと、こういうのはあの子の方が似合うのよね。』
思い浮かべるのは夜色の後輩。スラリと背も高く、細身な彼女はこういったものが似合う筈。
けれど、その彼女も最近は可愛らしい格好もするようになった。
だからかもしれない。己も別のファッションに挑戦してみようと思ったのは。
ご案内:「扶桑百貨店 ファッションエリア(4~6F)」に神樹椎苗さんが現れました。
■神樹椎苗 >
さて、この日、気まぐれに服を見に来た椎苗だったが。
それなりに厳しい目を持つ椎苗から見ても、美女に分類されるだろう女性が様々な服を手に悩んでいるのを見つけてしまった。
(アレならなんでも似合いそーなもんですが――悩むもんなんですね)
むしろ、なんでも似合ってしまうから悩むんだろうか。
などと思いつつ、眺め続ける事数十分――。
「――ようやく決まったのですか?」
と、ライダースジャケットを手にした女性に声を掛ける。
そんな椎苗は、バリバリのロリータファッション。
これもまた、女性からすると見慣れない、また着ないジャンルの衣服かもしれない。
■セレネ > 「――えっ?」
まさか声を掛けられるとは思っておらず、
ついでに言えばずーっと見られているとも思っていなかった。
蒼を大きく見開けば、其方に向く。
…随分と小柄な子だ。そして人形が動いているかと思う程のロリータファッション。
時折街中で見てはいたけれど、こうして間近で見たのは初めてだ。
フリフリのレースがふんだんに使われており、見目もあって彼女に似合っていると感じる。
「あ…えと、こんばんは?
もしかしてずっと見てたのです?」
彼女が小柄なのもあってか、腰を屈めて視線を合わせようとしながら。
なかなかみっともない所を見せてしまっていたかもしれないと思うと恥ずかしくなり、
苦笑を浮かべながらそう問いかけた。
■神樹椎苗 >
「ん、ええ」
声を聞けば、これまた鈴が鳴るようにきれいな音。
やはり同性から見ても文句のつけようがない。
「お前みたいなのは、なにを着ても似合いそうなもんですが、それでも服には悩むもんなんですね。
それなりに選り好みするタイプですか?」
わざわざ屈まれると、変化に乏しい表情で、満足そうに頷く。
これで見下ろされていたら不機嫌になっていた事請け合いである。
■セレネ > 己より見目が良い、声が綺麗な子などこの島にもザラに居そうなもの。
彼女も良く見れば可愛らしい子だ。…ただどうにも、包帯や絆創膏の後が気になるが。
…もしや日常的に暴力を振るわれていたりするのだろうかと、蒼に滲んだのは心配そうな感情。
「あら、似合いそうだなんて嬉しい事を言ってくれますね。
まぁ、その。実際に似合うかどうかは着てみないと分かりませんし。」
こういった幼い子の扱いは慣れている。見下ろされるのは嫌だものね。
微笑まし気に、表情を緩ませながら彼女の問いに答えた。
■神樹椎苗 >
「世辞じゃねーです。
男ウケしそうな見た目してますし、着れば大抵のもんは似合うでしょう」
言葉を選ばない子供は、男ウケとか言ってしまうのだった。
「――もしかして、あまり衣服に頓着しないタイプですか?
なんでも似合うし、服が私に合わせるから選ぶ必要なんてない――みたいなヤツですか。
これだから、容姿に恵まれてるヤツは嫌われるんです」
はぁ~、と勝手な事をのたまってため息を吐く。
とっても生意気な小娘であった。
小さいのに残念ながら可愛げがないのである。
■セレネ > 「…そ、そうでしょうか?」
世辞、やら男ウケしそうだなんて言う言葉やら。
随分と難しい事を知っている子だ。
流石に驚いて蒼を何度も瞬かせた。
「いいえ、頓着しないどころか色々選びますよ?
本当にどんな服でも似合う人が居るなら、羨ましいものです。」
容姿に恵まれている、という点では彼女の言う通りなのだろう。
己はどうやらそういった美人の類に含まれるらしいというのは何度も他者から言われてきたし。
目の前の彼女が生意気でも、あぁそういう子なのかなと思うのみ。
それはそれで微笑ましく感じてしまう。
■神樹椎苗 >
「むう――お前がまさにその、『どんな服でも似合うヤツ』だと思いますが。
似合わないと思うなら、それは好みの問題ですね」
はっきり言って、この店に彼女に似合わない衣服は恐らく存在しないだろう。
もちろん、着こなしが出来るかというのはあるが――。
「それで。
結局、ソレにするんですか?」
そうライダースの方を左手で指差した。
■セレネ > 「あぁ。そう、ですね。似合っていても好みじゃない服を着るのは本人には辛いですし。
貴女が今着ている服は、貴女の好みの服装ですか?」
フリフリのロリータ服。親や誰かに着せられている、という風には見えなかったので。
「……うーん。まぁ、アイテムの一つとして持っておくのも良いかなと。
他にも買わなきゃいけない物はありますが。
――そういえば、此処に来たという事は貴女も服が必要なのですよね?
もし良ければご一緒しても宜しいでしょうか。」
示されたライダースジャケット。
数瞬悩んだ後、購入に踏み切る事にした。
そして、彼女が嫌じゃなければ彼女が選ぶ衣服も見てみたいと申し出る。
■神樹椎苗 >
「ん、そうですね、好みと言えば好みです。
まあ、しぃくらいの美少女ロリともなれば、なにを着たって似合いますが」
自己評価がどこまでも高い幼女である。
「いいんじゃねーですか、そういうのもあると、コーデの幅が広がりますからね。
しいの方は――ただの暇つぶしだったんですが、ええ、丁度いい暇つぶしが見つかりそうです」
宜しいか、と問われれば頷くが。
「とはいえ、しいの服を選ぶならこの店じゃねーですし――お前の方は他はいいんですか?」
見たところ、貧乏学生という様子ではない。
ライダースを手に取ったなら、合わせた組み合わせで一式揃えそうなものだが、どうなのだろうか。
■セレネ > 「ふふ、確かに可愛らしいお顔立ちですものね。
もっと大きくなったらきっと沢山のお洋服が似合う人になるでしょうし。」
自己評価が高い彼女とは違い、真逆に自己評価が低い女神だ。
「えぇ。
――丁度良い暇つぶし?」
頷いてくれた相手に良かったと安堵しては、彼女の言葉に首を傾げて。
「あら、そうなのですね。このお店も良い品ぞろえをしていると思うのですが。
まぁすぐに着る予定ではないので、他のアイテムはまた後日に買う事にします。」
基本的には自分は後回し。他者を優先しがちな己。
それに急いで買う必要もないからゆっくりで良いのだと、彼女の言葉に微笑んで。
「そうだ。貴女のお名前、お伺いしても大丈夫でしょうか。
私はセレネと言います。」
そうして思い出したように自己紹介。
名前を知らないといつまでもお前呼ばわりされそうだったから。
■神樹椎苗 >
「当然です。
ま――大きくなれればの話ですが」
ふ、と自嘲するように息を漏らした。
「――そうですか。
でしたら、しいが良くオーダーする店があるので、そっちに行きましょう。
多分、お前には馴染みのない世界だと思いますが」
ロリータは恐らく、ジャンルもブランドも未知のエリアだろう。
そこでどんな反応を見れるかと思えば、少し面白そうだ。
「しいはしいです。
かみきしいな、呼びたいように呼べばいーですよ、『ピンぼけ女神』」
訊ねられれば、一応と言うように名乗り。
また妙なあだ名を勝手につける。
「ほら、向こうの店です。
案内しますからついて来やがれですよ」
と、早速彼女を案内して、連れて行こうとするだろう。