2019/02/10 のログ
ご案内:「古書店街「瀛洲」」に小鳥遊 日和さんが現れました。
小鳥遊 日和 > こんにちは。 今日もお邪魔しますね。
(入り口で店員さんらしき人にご挨拶をしてから、いざ店内へ。
 入り口にほど近い、うず高く詰まれた本の山…新しく店が買い取った
 まだ未分類であろう本の背をつらつらと眺めていく。
 その内容の殆どが、自分がほしいものとは関係ないものだ。
 何十冊か追っているうちに、自分の知っている異界の言葉で
 「植物」と書かれているものを見つけて手に取った。)

なる…程…。 うん、うん…。
(何ページかめくってみる。 見たことのない植物が描かれている。
 言語を翻訳してくれるルーペごしに見るに、この本は図鑑の一種のようだ。
 そっと足元に置いて、再び背を見て判別を始める。
 ここに通うようになって何百度目かもわからない、新しく入荷された本の確認だ。)

ご案内:「古書店街「瀛洲」」に玖弥瑞さんが現れました。
玖弥瑞 > 古書店の中、本棚の森の中を、ひとりの少女が歩いてくる。
頭頂には狐耳、お尻の上にはモフッとした獣の尻尾。そして身にまとうはスク水。
とてもTPOに合った装いとは言い難いが、水を滴らせてるわけではないので書店に入るには一応大丈夫(?)だ。

狐娘は何かを探すように、棚のあちこちに目配せきょろきょろ。
ちょうど日和の背後をすり抜けようとしたとき…。

「……っと。失礼、邪魔したね女子(おなご)さん」

平積みされていた本を数冊、尻尾で引っ掛けて落としてしまう。気をつけて歩いてたつもりだったが。
とっさにそれを拾って直しつつ、日和に向けてそっと声をかける。
なにやら集中してた様子だったし、邪魔してしまったようだ。

小鳥遊 日和 > (本は何冊買っても足りないけれど、だからといって読む時間には限りがある。
 たっぷりと時間を掛けて選別を続けた結果、足元に積み上がる本は腰のところにまで到達する程度で済んだ。
 ゆっくりと息を吐いてから、一息ついたところでぐっと伸びをして、左右に腰を捻って軽く運動。
 一息ついて、もう一度本の山に潜ろうとしたところで…。 物音の方を見る。
 何かを探していたらしい少女が、自分の積んでいた本にぶつかってしまったのだ。)

あ、っ、いえいえ、すみません、こちらこそ…。 足元に本を広げてしまっていたのがいけないんです。
(頭を下げて謝意を示す。 目の前の彼女は幼い女の子のようだけれど、口調や耳と尻尾からは、
 おそらく人間ではない…ということは見てとれた。) 

あー…その、おなごでは無いのですけれど…。なにかお探しでしょうか? 一緒に探しますよ。
(ちょっとだけしゃがんで目線を合わせてから、古風な狐さんに問いかける。
 別に書店員さんでは無いのだけれど、自分で力になれることがあればなってあげたいわけで。)

玖弥瑞 > 「いや、こっちの尻尾が大きすぎるのが悪いのじゃ。どうしようもないけどな。
 ……無理して目線合わせぬでもいいぞ。その姿勢は腰を痛めるじゃろ」

わざわざ屈んでこちらに目線を合わせてくる仕草に、玖弥瑞ははにかみの笑みを向けつつ謙譲する。
実のところ、こういう体勢で話しかけられると子供扱いされてる気がして歯がゆいのだ。不快ではないが。

「……ん? なんと? 女子ではないと? じゃが、その声、その体つき……いや、うん。
 そういう者もおるのじゃろう。常世島じゃからな。悪かったの」

見た目から『ほぼ女子』と判定して声をかけたが、外れた様子。己の勘が外れたことに、しばし唇を尖らせる。

「ああ、妾は玖弥瑞、新任教諭じゃ。
 妾の捜し物な……うん。漠然としたものじゃが、《大変容》直前~初期ごろの日本の様子が分かる書籍じゃ。
 雑誌でも新聞でもなんでもよい、と来てみたが……やはり戦乱の最中の紙媒体なぞそうそう見つからぬ。
 そういうお主は……ううん、なんじゃその本は。まったく見たことのない文字じゃが」

日和の手に取っている書物の表紙や背表紙を一瞥し、唸る。
一応世界の諸言語にある程度通じているつもりだったが、さすがに異世界の文字ははじめてだ。

小鳥遊 日和 > いえいえお店の通路にものを置いている方も悪いですから、お構いなく。
(彼女曰く、尻尾が大きすぎるのだという。確かに大きいけれど、すごく素敵だ。
 見ためにも鮮やかだし、なにより可愛らしい。 視線を合わせなくてもよい、と聞いて、
 少しだけ頭を下げてから立ち上がる。)

おっと、失礼しました…。 ええ、まあそうですよね、常世島ですからね。
くみずさん、とおっしゃるのですか。 教師…? あっ…!
(なんとなくだけれど、彼女の姿を見て思い出して声を上げる。
 コンピュータに強い新任の先生が来たとかなんとか、という話だった気がする。)

それなら職場仲間ですね。 小鳥遊日和といいます。「ひより」と書いて「あきかず」です。
《大変容》以前の書籍を探している、ですか…。 ここの奥の方に眠っているかもしれませんが、
少し危ないと思いますよ。 携行食と飲料水ぐらいは持っていったほうがいいかも…。
(店の奥…暗がりにずらっと、廊下のように広がっていく本棚を指し、彼女に注意を促した。
 蔵書は多い。 潜り込んだが最後、戻ってこない人もいるとの噂もあるくらいだ。)

ああ、これですか? 植物図鑑です。 このルーペが簡単な翻訳をしてくれるので、
これを使ってタイトルを見て、ほしい本のジャンルか確認しながら買おうとしてたんです。
(これです、と彼女にルーペを差し出す。 魔術が込められていて、ある程度の…
 ごく簡単な機械翻訳をこなしてくれる代物であることはすぐにわかるだろう。)

玖弥瑞 > 「ほう、お主も教師とな。そいつはよろしく頼むよ、日和。
 まだ教師になりたてでの、誰がどういう先公かもよぅ解っとらんのじゃ。お主は生物学あたりかね?」

向こうも教師とわかれば、にんまりと無邪気さを帯びた笑みで相手を見上げ、軽く会釈する。
実際、ひと目では年齢の程すらパッとは分からなかったのだ。年嵩でありながら生徒として通う者もいる。
玖弥瑞はあえて水着に『教師』と書いてみたりしてるが……さて、初見でそれを信じるものがどれほど居るか。

「……ふぅん、翻訳ルーペ。そいつは便利じゃの……お、おうっ! ホントじゃ、文字が変わっとる!
 今はこんなのがあるんじゃのー……ふん、ネットでいちいち調べて訳す時代はもう終わりなのかね…?」

差し出された魔術ルーペを覗いてみれば、レンズの書籍の文字が日本語に変わる。
その様に一瞬子供のようにはしゃぎそうになるも、すぐに皮肉めいた口調を取り戻す。

「異界の植物を調べとるというわけじゃな。おもしろそうじゃのぅ。
 妾の調べ物は……ま、職務には関係ないし、ぼちぼちじゃな。
 ……なぬ? ここにも危ない書架があるのかぇ? 携行食とは……。そいつはちょいと……気が進まぬの……」

奥は危ない、という言葉に、玖弥瑞はあきらかな焦燥の色を顔に浮かべる。
実は先日、図書館の閉架でちょっとした冒険をしてきたばかりなのだ。
生還し、目的も果たせたが、二度と挑みたくないたぐいの危険な探索行。
……こんな古書店街にもそんなダンジョンがあるとは、恐るべし常世島である。

「お主は……そういう危ないところにも行っとるのかぇ?」