2019/02/11 のログ
■小鳥遊 日和 > はい、よろしくおねがいします。 植物学をやってますが、専門は蘚苔類…苔です。
ここは生徒さんも先生も多いですからね、最初のうちは私もぜんぜん覚えられませんでしたよ。
(笑顔を向けてくれる相手ににっこりと笑みを返して、改めてご挨拶。
彼女のいうように、だれがどんな先生で生徒なのか…この学園は割と混沌としているところがある。)
私が持っているのはあんまりいいやつではないですから、翻訳精度はちょっと怪しいですけどね。
おっしゃる通り、ネットで調べればもちろんすぐわかるんですけど…ルーペで直接翻訳することで、
「何語かわからなくて入力できない」とか「そもそも文字なのかわからない」という問題を解決できます。
(ちょっとだけ皮肉げな相手の言葉に、深く頷きながらお返事。
とはいえ、ルーペを使えば、端末で翻訳、調べ物をする手間を省けるのだ。)
常世の植生も、本土とは若干異なってきているようですしね、研究のしがいがありますよ!
ええ、この奥は書架でダンジョンのようになっています。 危険度はわかりませんけど
迷子になったりしたら…という話です。 私ですか? いいえ、そんな!
身を護る魔法なんてのも使えないですからね…。
(問いかけにはぶるぶると首を横に振る。 自分だってこのお店の奥に行ってはみたいが、
危険がつきまとうとなれば流石に躊躇われる。)
■玖弥瑞 > 「ふぅん、苔なー…」
しばしの間。
口には出さないが、明らかに「地味だなー」とでも思ってそうな顔だ。実際そう思ってる。
もちろん、どんな学問だって人類史に残ったり、人の為になる可能性を秘めている。抗生物質だってカビから発見されたのだ。
そこに優劣はないが……この時代にそんな道を選ぶという『渋さ』の方にこそ、興味を引かれる。
「……なるほどの、確かにネットでの検索は入力機器で打てる文字に限られる。
その点魔術は便利じゃの。まぁでもそこはいずれ技術も追いつくじゃろて。
魔術にできることは技術でもできる、逆も真……妾はそう思うが。今はできてなくてもの。
それはそれとして、便利な虫眼鏡じゃな。どこで売っとるのじゃ?」
可能不可能、利便性はともかくとして、古風な虫眼鏡という媒体なのはギークの心をくすぐられる。
そんな道具で書を睨み翻訳する、この日和という青年の姿もなかなか堂に入っている。
真似してみたい、というミーハーの性分も少し湧きかけてきたり。
「……ああ、でも。うん、さすがにお主は危険を好むような雰囲気はしとらんの。安心したわ。
この島、どこもかしこも危険が潜んでおって、それでいてその危険を好む連中も大勢いるように見えてな。
妾も数日前、山の中で怪物を狩るハンターの娘さんに会うたばかりでな。
おまえさんももしや……と思うたが、よかったよ、普通の男で。
……ああ、うん、迷子は嫌じゃな。妾は迷子になぞならぬがな、くふふ」
ふるふると首を振って弱気そうに振る舞う男の様子に、玖弥瑞は口元を抑えながら慎ましく笑った。
■小鳥遊 日和 > ええ、苔です。 たかが苔と思うかもしれませんが、異世界からの外来種となれば様々な可能性があると考えています。
難病に効果があるものがあるかもしれない。あるいは、有毒かもしれない…とか。
だけど、世間のほとんどの皆さんは蘚苔類に対して興味なんかないでしょう。 誰かが識らなければならないことなんです
そして、僕は幸いにもその未知を解き明かすための興味を持っている、というわけですね。
(微妙な反応をされるのはわかっている。100人に聞いても、おそらく100人が彼女と同じ顔をしただろう。
にっこりと笑ってひとしきり喋ってから、いたずらっぽくウインクして見せる。)
おっしゃる通りです。 入力機器がもっと良くなってくれたら、私も端末を持ってきて、
まとめてタイトルをスキャンして、翻訳して分類して買いたいものをぱっと決められるんですけどねー…。
魔術なり、技術なり…そうですね、時間の問題だと思います。 ああ、このルーペですか?
魔術道具を扱っているところに行けば、割とすぐ手に入りますよ。 ただ、どこの言語に対応しているかとか、
どういう仕様なのかは確認しながらのほうがいいと思います。
(うんうん、と彼女の言葉にうなずいてみせた。 ルーペに興味を持つ彼女に簡単に説明しながら
カバンから取り出したメモにお店の住所と電話番号をつらつらと書き記して彼女に渡す。)
そうですねえ…。 危険はいやですね。 日々平和がいいですよ…。
ただでさえ色々な世界の方が来てますからね…。学園が管理していない領域では、
トレジャーハンターとか、モンスターハンターとか、そういった人達も闊歩してるって聞きますよ。
えへへ…ありがとうございます。 普通です、普通。
(つつましげな笑顔の彼女は、見ための幼さに反して大人っぽい。
普通…というのは、少なくても無茶をしなさそうだと思ってもらえたのだろう。
なんとなく嬉しいやら恥ずかしいやらで、頭を掻きながら耳を赤くした。)
■玖弥瑞 > 「誰かが識らねばならないから己がやる、とな……ああ、真に殊勝な学究の徒じゃ、お主は。
20世紀のペニシリンに次ぐような発見があるとええのぅ。
異世界のコトまで踏み込んで調べるというのは、まぁ……あまりにも途方もない感じもするがの。くふっ」
饒舌に己の分野を語る日和の様子に、玖弥瑞は目を細めながら狐耳を傾ける。
話そうとすればいくらでも話し込みそうな雰囲気だ。
……正直、羨ましい。ここまで情熱を傾けられる分野が、世界が、己の中にあるというその姿が。
「……ふぅん、魔術道具の店。そういうのもあるんじゃったかの、この島には。
やはり、妾の知る世界とは微妙に違ってしまったんじゃのう。面白くもあり、怖くもあり。
まぁ市場が成立しとるなら、素人がふらりと行っても問題はなかろうが。生徒も行くような場所じゃろし。
おう、メモ書きありがとよ。……くふふ、お前さんの住所と電話番号は貰えぬのかね?」
わざわざメモ書きとは几帳面なことだ。
その様子をニコニコと見つめつつ、紙を受け取れば一瞥して尻尾の中に仕舞った。尻尾はポケット代わりだ。
「普通、普通かぇ。面白い男子じゃ。まさしく草食系といったところか。
じゃがお主の、苔について語る様はなかなか楽しげじゃった。もっと話を聴いてみたいところじゃが…。
本屋の棚の間で立ち話というのも迷惑な話じゃの。長話は日を改め、聴かせてもらおうかね?
……くふふ、まだ妾は担任をもっておらぬ、春休みになれば暇も増える。どうじゃ?」
目を細め、蒼い瞳できらりと見据えながら、やや意地悪めいた口調でそう誘う。
■小鳥遊 日和 > ありがとうございます。 ペニシリン…そうですね、何かしら人のためになる発見があると、
ちょっとは蘚苔学に興味を持ってくれる人も増えるんでしょうけどね…。
おっしゃる通り途方もないことですし、私一代で完成するものでもないでしょう。
まずは、蘚苔学についての学徒を増やす所からですよ。 今は生徒を集めるために、コスプレして授業してますからね…。
30すぎの男性教諭に生徒たちが何を求めているのか、若干わからないところはありますが…。
(自分の研究を褒めてもらって嬉しくない人なんていない。ぱあっと表情を明るくするけれど、
現状を話すうちに頬が朱に染まる。 情けなさと恥ずかしさは相応にあるのだ。)
魔術道具は簡単なものならすぐに購入できます…その言い方からすると、くみず先生は異世界の方なんですか?
それでしたら今度ご一緒にいかがですか。 ちょうどほしい魔術道具が…えっ、私のですか?
ええ、喜んで! 何かあったらすぐに連絡してください。 できることならなんでも力になりますから!
(教師仲間が出来たのが嬉しくて、ついつい世話を焼き気味な感じになってしまう。
自分の住所と電話番号について尋ねられて一瞬驚くけれど、すぐにメモにペンを走らせた。
尻尾にメモをしまう彼女に、住所と電話番号を書いたメモを差し出す。)
草食系ですかねえ。 苔を食む習性は無いんですけどね。 おっと、確かに…。
(彼女の言葉に楽しげに笑う。 美味いことを言ったとばかりに若干どや顔になった。
指摘にはっと我に返って、店員さんに「これください」と本の山を引き渡す。
高いんだか安いんだか若干わからない金額を支払いながら、何度もうなずいた。)
そんな風に言ってもらえるなんて、すごく嬉しいです…! ええ、もちろん!
いつでも仰っていただければ日付は合わせられます! 私も生徒はあまり多くないので…。
(若干照れくささ半分、相手がもっと話を聞いてくれるという喜びが半分。
相手の提案に目をキラキラさせながら何度も頷き答える。)
■玖弥瑞 > 「コスプレして授業……じゃと? 生物学の教諭が? くははっ!
そいつは一度見てみたいものじゃわ! ええ? 30過ぎて嫁入り前の男がどんな装いをするかをよ!
……まぁ真面目な話、そんなお主から妾も見習うところがあるかもしれんしの」
ちらり、日和の左手に目をやる。指輪のようなものはない。そこそこに歳は行ってるだろうに。
いや、自由な身の上だからこそ自由闊達に研究や講義に邁進できるのかもしれないが。
……それはそれとして、ここまで極まった草食系、貰い手居なさそうだなーと心のなかでボヤいてみたりも。
そして、冗談めかして言ったのに本当に己の住所までメモにしたためる姿には、うすら怖いものすら感じ始め。
「……お、おう、ありがとよ。お前さんの住所もありがたく頂戴いたす。いつか押しかけさせてもらうよ。
ここまでしてもらったからには妾もお返しをせにゃならんじゃろが……あいにく妾は住所を持たぬ。
じゃが……《蓬莱オンライン》の《もふもふワールド》を探せば、必ず妾はそこにおるぞ。
電話番号はこの後すぐにワン切りして伝えてやろう」
己の個人情報もこの男に伝えておくことにした。さすがにこちらだけ握りっぱなしではいけない。
《もふもふワールド》については……また別の機会に語ろう。ぶっちゃけチャットルームの1つに過ぎない。
「ああ、妾は異世界の者ではないぞ……あーいや、多分、じゃがな。
少なくとも妾の認識では、うむ……《平成》という古い時代から息づく者、じゃ。
古い世界の見方が残っているという点では異邦人とそう変わらぬのかもしれんがな」
玖弥瑞は人間ではないが、《異邦人》でもない。古の時代から《帰還したもの》でもない。
……否、平成を古の時代と認めるなら、後者の範疇に入るのかもしれないが。神代の存在とは比ぶるべくもない。
そんな自分の、この島における立ち位置はどこなのか。未だ、自分でも判然としていないところもある。
いつか、見極められる日は来るだろうか。
「……ふぅ。会計は済んだな。じゃあ退散としよう。
買い物にせよ講話にせよ、遠慮なく呼びつけるがええ。お主のような話をしやすい男子は大好物じゃ。
じゃが今日はこの辺での、日和教諭。気ぃつけて帰れよ~」
書店の入り口で、微笑みながらぺこりとお辞儀。そしてくるりと身を翻し、研究区の方へと歩み去っていく。
■小鳥遊 日和 > 今度見に来て笑ってやってくださいよー…。生徒たち、全然笑ってくれない割に「次はこれ着て!」って
アンケートだけはすごい勢いで返してくれるんですよ…。 あの、今嫁入り前って言いました、よね…?
あー、そう仰っていただけると嬉しいです! くみず先生も、先生としては新任と仰ってましたけど
すっごくしっかりした考えをお持ちみたいなので、今度お伺いしてみたいです。今日、私ばっかり喋っちゃいましたし。
(コスプレについて笑ってもらえると、少しは安心する。 胸をなでおろして、ふにょっと力なく笑顔を向けた。
一瞬手に視線を受けて不思議に思うものの、見習うところがあるとまで言われるとそれどころではなく、
ただただ総合を崩して照れるしかない。 もじもじと体を揺らし、三つ編みの先端を指で弄りながら頬を染めた。)
あ、ああ…押しかけるって、その、何ていうかすみません…! てっきり学業のことでお悩みとかあるのかと思って…!
ありがとうございます。«蓬莱オンライン»って、たしかゲームでしたよね。 それの、もふもふワールド…。
ええ、わかりました。
(安易に住所を渡してしまった己の軽率さに今更気づいて、大慌てで訂正をしようとする。
とはいえ、教諭としては連絡先が取り合えるほうがよい…と思うのだ。 ゲームについて明るくないけれど、
彼女がいうような場所にゲーム上で赴けば出会えるのだろう。 なるほど、と頷いて。)
平成、ですか。 だいぶ前の元号ですよね。 ふうむ、なるほど…。 同定できていない、みたいな感じですね。
それでさっき、平成の文献を探していたんですね。 わかりました、私の方でもしなにか見つけたら連絡します。
なんだかんだいって、古い文献を漁ることもありますからね。
(彼女の言からすると、自分が何者か、どうあるべきなのかがわかっていないのだろう。
どこか曖昧な物言いを聞くと、なんとなく心配になってしまう。 少し考えてから、協力を申し出ることにした。)
ええ、ありがとうございます、くみず先生。 それでは、また!
(お店を出、片手にずっしりと重たい紙袋を抱えながら元気よく彼女に手を振る。
小さな背中が研究区の方に消えるのを見送ってから、自分もお家に帰ろうと踵を返すのでした。)
ご案内:「古書店街「瀛洲」」から玖弥瑞さんが去りました。
ご案内:「古書店街「瀛洲」」から小鳥遊 日和さんが去りました。