2020/06/13 のログ
ご案内:「古書店街「瀛洲」」に神代理央さんが現れました。
神代理央 > 比較的早い時間に風紀委員の任務が終わった事もあり、遅めの夕食を取る前の寄り道。
出来れば中級魔術の指南書。あわよくば実戦で使用出来る魔術の掲載された魔導書等ないかな、と暢気に入り込んだは良いものの――

「…腹の虫がもう少し仕事をしてくれれば良かったのだがな」

気付けば辺りは真っ暗。通りには生徒の姿も無い。というより、端末が示す時間は結構遅い。
空腹感も忘れて立ち読みに耽っていた罰かな、と溜息を吐き出しながら取り急ぎ学生街へ戻る道へと足を進める。

タクシーなんて無粋なものがうろついていないのは美点だが、同時にデメリットな気がしないでもない。

ご案内:「古書店街「瀛洲」」に羽月 柊さんが現れました。
神代理央 > 欲を言えば、風紀委員として活動する時には近接系の同僚とタッグを組みたい。しかして、戦力増強を声高に叫ぶ風紀委員会において、己一人だけ護衛をください等と贅沢を言う訳にもいかない。
そもそも、任務、委員会、学園に忠実ではあっても己にはより上位の――父親という純然たる鎖がある以上、己の能力を高める努力を怠る訳にはいかないのだから。

「防御系の魔術に特化すべきか。しかし、異能が通用しない相手への搦め手も欲しい所ではある…欲張りすぎかね」

掌を翳したら龍とか召喚出来る様になったりしないだろうか、と夢想した己自身に苦笑いを浮かべながら、夜の帳に支配された瀛洲を歩く。
この時間でも営業している書店が有る事には些か驚いたりしながら。

羽月 柊 > そんな夜間営業の書店からちょうど1人の男が出てくる。

紫の長髪が風に揺れ、桃眼を細めている。
服装はといえば、少しばかりよれた白衣、シャツに緩んだネクタイ。
この島では髪や眼の色が少しばかり違うだけではさして眼を惹く男ではないだろう。

…容姿よりも、男の肩と頭に鳥のごとく留まっている
小さな白龍達の方が目立つかもしれないが。


手には本が入っていると推定される四角い袋。

「この時期は出費ばかりが増えて困るな…。」

等と、肩口のそれを撫でてぼやいた。

神代理央 > 目に留まった書店から、正しくどんぴしゃというタイミングで現れた男。身に纏う白衣から、研究者であろうか等と考えながら何ともなしに視線を向ける。
研究者が此の街を訪れる事は珍しくない。というよりも、訪れる客の割合は学問に身を捧げた者の方が多いのだろう。

だから、彼一人だけなら声はかけなかったかもしれない。補導する様な年齢にも見えないし、そもそも夜間の外出が禁止されている訳でも無い。特に問題がなければ、会釈だけして通り過ぎただろう。
しかし、彼の頭上と肩に鎮座する生物が。先程己が夢想した通りの生命を乗せた彼の姿に、思わず足を止める事になるのだろう。

「…今晩は。珍しいものを連れていらっしゃいますね。ペットか何か、ですか?」

つい気になってしまったので、思わず声をかけてしまう。
とはいえ、風紀委員の制服と腕章をつけた己が突然龍について声をかければ、詰問している様にも見られてしまうだろうか。
言葉を選ぶべきだったかな、と声をかけてから後悔していたり。

羽月 柊 > 確実に偶然めいた何か、だったのだろう。
声をかけて来た少女…いや少年? が、ちょうど己の連れている龍たちの事を考えていた等。

夜の灯が、白い白衣と白い龍たちを照らし、その存在を浮き彫りにする。

男は声をかけられれば、確かに目立つ風紀委員の腕章に
ちらりと桃眼を走らせたが、特に怖気づく様子も無く。

子供がこんな時間に? とも眼を細めたが、それは男の思考内でのこと。

「こんばんは。
 ……ああ、こいつらは俺のペッ…いや、相棒たちみたいなものだな。」

淡々と返事が返ってくる。
ペットと言いかければ、小さな龍たちが反発するように鳴声を上げ、
それに合わせて言葉を変える。

「害のあるような行動はしない。
 それは保証させていただく。」

神代理央 > どうやら、此方が投げかけた言葉に身構える様な事は無かった様子。
先ずは其処に安堵しながら、此方の言葉に応える男に改めて視線を向ける。
やはり目を引くのは彼が連れている二匹の白龍か。身形そのものは研究地区の住民と言えば誰もが納得する様な風貌。幾分よれた白衣が、寧ろ学問の追及者たる事をアピールしている様ですらある。
それ故に。彼の言葉を咀嚼し、暫し考え込み、やがて自分よりも大分背の高い男の桃眼を見上げて口を開く。

「相棒…ですか。となれば、魔法生物か何か。或いは、純粋種たる龍種なのでしょうか?」

大変容後の世界には、鬼もゴブリンもアンデッドも存在する。龍が天空を羽ばたく事も、空想ではなくなってしまった。
とはいえ、彼の手懐ける龍が元々存在しているモノなのか。或いは、人為的に生み出されたものなのか。
単純な好奇心から発せられた質問には、興味津々といった色合いが滲み出ているだろうか。

「それを聞けて何より。問題を起こす様な生物であれば、風紀委員として処理しなければならなくなりますから」

羽月 柊 > 「うちには処理されるような"子達"はいない。
 "息子"を学園に通わせている手前もあるのでね。」

厳格たる風紀委員とはいえ、隠し切れぬ好奇心や興味は子供のそれ。
質問に対して特に隠し通すような風も無く、答えは返って来るだろう。

それでも『処理』という言葉には、桃眼を一度閉じた後、相手の紅眼を真っすぐに見たが。


「…彼らは前者であり後者だ。
 説明としては長くなるから簡潔に言えば、魔法で小さくした龍と思えば良い。

 ところで、話をするのも良いが、子供が遅い時間に出歩いても大丈夫なのか?」

そう片手を上げれば、手につけた大小様々な装飾品がジャラリと音を立てた。