2020/06/26 のログ
黒藤彩子 > 「そうそう、雨見から──って魔法!おお、マミマミさんは魔法使いを……そして試験勉強もしない!?」

試験勉強をしないと来た。これはマミマミさんが本当の魔法使いの証明なのではなかろうか。
だって通知表にも考課表にも〇がずらりと並んで、所々に花丸とかあるって事だもん。ただものではない。
私が鳩が豆をマシンガンで喰らったような顔になるのもきっと当然なこと。

「ふえー凄いなあマミマミさん。トダーリンといい勝負かもわからん……」
「でも良さそうな本が無い……うーん、そうだなあ。それなら一緒に探す?」
「生憎彩子ちゃんは全然わかんないけど、ほら、一人より二人って言うもんね」

そんでもって、本を探しているけれど見つからないと嘆くマミマミさんの手を再度掴むのも当然なこと。
理由は言葉の通りで、そのまま適当な本屋に向かっていざ進まん!とりあえずなんか近くの古~いお店!

雨見風菜 > 「今は液体だけだけど、物体収納、そして──」

喋ってる途中で引っ張られる。

「きゃっ」

彼女の性格から予想はできたので驚きはするがまあ転けることはなく。

「ふふ、ありがとうございます」

まあ、こういう賑やかなのも良い。
でも書店では静かにしてほしいかなとも思いつつ引っ張られていく。

黒藤彩子 > そうしてこうしてマミマミさんの手を引いて古びたお店の店内へ。

「何だか如何にも~魔法の本とかありそうじゃんか」

古い木の匂いはちょっと図書館にも似ているかも。
店内は往来の人混みとは違ってお客さんは少なくて、奥のお会計には仙人さんみたいな御髭のお爺さんがいるばかり。

「いいっていいって。お近づきの印。でも液体とか、物体をしまえるって凄いなあ。整理整頓ばっちりって事だよね」
「私はそういうの出来ないからさ。お部屋がいつもしっちゃかめっちゃかでトダーリンにも──」
「あ、トダーリンっていうのはルムメの子でね。本が好きな子で~」

棚の本を一個手に取り題名を見ては戻し、取っては戻しを繰り返しながらに声が続く。

雨見風菜 > 確かに魔術書がありそうな本屋だが。
しかし何やら方向性が違う感じがする。
黒ではなく白、というか。

「ふふ、そのルームメイトの方を大切に思っているんですね」

矢継ぎ早に繰り出されるトークにたじろぎながらも、自分も本棚を眺める。
……うん、やはりここに風菜の求める魔術書はなさそうだ。

黒藤彩子 > 「もっちろん。すっごい綺麗な髪と眼をした子でね。異能も恰好良くって、いいなあって」
「本も好きな子でね。だから~何となく来たのは本当なんだけど、何か買っていったら喜ぶかなって」

本棚を見て、視て、観て。背表紙の無い物を引き抜いて取る。
そこには『ヒルベルト空間における作用素環論』なんて書いてあった。うーんこれはなんだろう。
空間っぽいけど魔法の本では無さそうで、けれども一応マミマミさんに渡してみよう。

「ねえねえマミマミさん。こんなのあったけどどーお?ありより?なしより?」

雨見風菜 > 「ふふ、良いですね」

そう言いつつ渡された本を捲り眺めるが。

「なしですね……残念ながら」

ぱたりと閉じ、返す。
はっきり言って全く理解できてないが、まず間違いなく無関係だろう。

黒藤彩子 > 「ナシか~。そうなると~……別の本屋さんかな?」

残念良く判らない本はナシよりのナシだった。
マミマミさんから本を受け取り、眉をぐんにゃり寄せて悩み顔。
傍から見たらタイトルを精査しているように見えてその実そんな事は無い。
単に、折角お店に来たのに空手で買えるのも悪いなあって。

「とりまちょっと待っててね。すみませ~ん」
だから仙人みたいなお爺さんに声をかけて本を買う。
値段を聞いたら200円で良いと言われたから支払って、包んで貰ってマミマミさんのもとへ。

「んじゃ次のお店いってみよっか!それともマミマミさんのほーでお店の目当て~みたいなのってあったりする?」

雨見風菜 > 「でしょうね、きっと」

そう返し。
レジに向かったのを見て首を傾げると、彼女は本を買っていた。

「ふふ、律儀ですね」

流石にこんな買い方をしていると本が増えすぎるのでは、とは思いつつ。

「特に目当てのお店はないんですよね。
 ぶらついて、目についた良さそうな店に入る程度の予定でしたし」

黒藤彩子 > 「そ、そう。ほら、ルムメが本好きだからついでみたいな」

笑われると何だか恥ずかしい気がして頬を掻く。眼がゆらりと泳ぐと店内の飾りの木彫りの達磨と眼が合った。

「んで、う~ん目当てが無いって難しいなあ。でも幸い彩子ちゃんは暇だからおっけまる!」

その視線を切るようにしてマミマミさんの眼を見て、空いた手で彼女の手を取って元気よくお店の外へ。
たちまち静かな店内から騒がしい人混みに戻るのが何だか別世界のよう。

「一先ず探検って感じでどうどう?」

提案しながら手を引いて、今暫くは初めましての同級生と本屋巡りに繰り出さん。

雨見風菜 > 「ええ、そうしましょう」

そういって、騒がしい彩子と物静かな風菜の凸凹コンビの本屋巡りが始まった──

ご案内:「古書店街「瀛洲」」から黒藤彩子さんが去りました。
ご案内:「古書店街「瀛洲」」から雨見風菜さんが去りました。