2021/10/17 のログ
ご案内:「古書店街「瀛洲」」に雪景勇成さんが現れました。
雪景勇成 > 本日は非番――と、いっても今はちょっと”慌しい”事になっているが、元よりこの男にとって風紀は単なる仕事だ。
正義感はゼロに等しく、ただ与えられた任務を淡々と実行し成果を挙げて給料を得る。それだけのもの。
つまり、任務以外で風紀の職務や理念を体現する気は全く無い。問題児と言えば問題児に入るだろう。

…さて、ともあれ非番ではあるが休日の過ごし方、というのはこちら側に来て数年経過した今でもよく分からないのが正直な所。

寝る、食う、ブラブラと散策する…それ以外は本当に何もしていない気がする。
これといった明確な趣味なども無いので、休日は休日で時間を持て余し気味だ。

――そんな時、そういえば古書店街という場所が存在するのをふと思い出した。
特に欲しい書物がある訳でも無かったが、まぁ暇潰し程度にはなるだろうか、と足を運んでみた訳だが…

「…学生街の一角にあるにしちゃ、やたら年季が入ってそうな建物が多いんだな、ここは…。」

今まで一度も足を運んだ事が無かった為、今日初めて訪れた際の男の率直な感想がそれだ。
今、男が立っているメインストリートらしき通りも古びた外観の建物が割りと多く見られる。
ゆっくりとした歩調で通りを歩きながら店の一つ一つを眺めていく…成程、まさに本の街、といった趣だ。

「…これだけ広くて無数の本がありゃ、やべぇ本や珍しい本もそれこそ腐るほどありそうだな…。」

雪景勇成 > まぁ、本腰を入れて探せば自身の魔術を更に発展させる方法や理論も見付かりそうではある。
…が、正直面倒臭い。それに今日ここを訪れたのは単なる暇潰しで研鑽や勉学の為では無い。

学生街の一角にありながら、そちらとは全く趣き…街並みが異なるそこをダラダラとした歩調で歩く。
時々、足を止めて窓越しに店内を眺めたりもするが何処か特定の店に足を踏み入れる事は無い。

「…ま、本好きや研究者気質の奴なら宝の山みたいな場所なのかもしれねーが…。」

生憎とどちらにも該当しない男だ。それでも、物珍しさもあってかそれなりに周囲を物色してはいる。
時々、幾つかの書物に”嫌な気配”や”妙な気配”を感じ取れる事があるが、多分その手の書物なのだろう。
そういうのに自ら首を突っ込む愚は犯さないし、”今は”その手の書物は別に必要でもない。

雪景勇成 > 「――…あン?」

ふと一度足を止めて。視線の先は路地裏…あまり気に留めていなかったが、どうやら路地裏にまで店が幾つか軒を連ねているらしい。
ここまで来ると大図書館や例の禁書庫より蔵書数も”曰く有り”の書物も多いのではなかろうか。

「……ま、どうせ暇だしこっちも適当に冷やかしてみるか。」

そのまま、躊躇無く路地裏へと歩を進めていく。落第街やスラムに比べたらこの路地裏の空気も何もかも平和なものだ。
矢張りというべきか、路地裏はそれなりに入り組んでおりしかもこんな場所に?と言う所にまで店が構えられている。
店主は相当な物好きなのか、あるいは他にスペースが無かっただけなのかは分からないが。

(――書物中心とはいえ、このごった煮感はあっちを思い出すな。)

…嗚呼。ついでに余計な事を思い出してしまった。僅かに顔を顰めてイライラしたように舌打ちを一つ零して。