2021/10/24 のログ
ご案内:「古書店街「瀛洲」」に霧島 孝介さんが現れました。
霧島 孝介 > 「……来ちゃった…」

古書店街。古今東西、様々な書物が集まるという、言わば「本と紙の街」
参考文献などはPCで探す派の霧島には無縁の場所であったが
今回ここに来たのはある人物の紹介である。

ロゴスの止まり木

両面がブラックボードになっている看板には、店名がメニューと共にカラーチョークで書かれ、その隣には若木の枝と鳥のイラストが添えてある。
手元にあるメモに書いてある店の名前と地図を二度見、三度見すれば、ここで間違いないと意を決する。
常世学園の入試以来の緊張が彼を襲い、心拍数が増していく。

(こんなシャレオツなカフェ、初めてなんですけど…!)

まるで全身が心臓になったかのように、鼓動しか耳に入らず。
汗の噴き出た手で店の扉の戸に手を掛け、ぎこちない動きでカフェの中へ。

「お、お邪魔します―…」

カフェに入るのに『お邪魔します』も可笑しいが、仕方ない。
何故なら彼は人生初のオシャレカフェに来ているのだから。しかも一人で。

霧島 孝介 > 扉を開ければ、民家を改造したようなフローリング張りの廊下の先にリビング。
ランタンの間接照明が薄いグリーンとホワイトの壁を柔らかく照らしている。

「お、おぉ…民家を改造していると聞いたけど…」

辺りを見渡しながら、先に進んでいく。
大きな窓から通りを一瞥すれば、その近くのブックシェルフには大小の画集や文庫本に目を移し、二人がけの小さなテーブル席やカウンター席、ソファがそれぞれいくつかあるのも確認する。
フクロウの耳を生やした女性の店主が『いらっしゃいませ』と言えば、軽く会釈をする。

「と、とりあえず…」

初めてのカフェに肩の力が入りっぱなしで、ソファ席やテーブルにずけずけと座る状態ではないため、奥のカウンター席へと移る。
日記帳のように金のリングで止められたメニューをペラペラと捲れば、意外と普通のメニューで安心する。

(あっぶねぇ…何だっけ、ダークモカフラペチーノキャラメルレヴィオーサみたいなメニューじゃなくて…)

メニューブックを手に持ちながら、一人安堵の息を吐く。

ご案内:「古書店街「瀛洲」」に高梨美子さんが現れました。
高梨美子 > 待ちかねた少女漫画の新刊がでたので
古書店街へとやってきて無事に買えたわけだが、迷ってしまって。
ここはどこだろうかと長い時間、右往左往してのどが渇いてしまった。
自販機を探したのだけれど、先に見つけたのは
なんだかオシャンティなカフェ

(喉かわいてるし入ろうかな……いやでも、一人で入るのか!?)

ブラックボードをまじまじと見て、はぁはぁと息を荒げる
変質者のそれである。

(女は度胸!バーンとはいってやろうじゃねえか!)

とか勢いが良いことを考えたものの、いざ入るとなると
そっと扉をの取っ手を握って店内の内装を見渡しながら
ゆっくりと押し開けるというチキン。

「……お、お邪魔します」

はいってみると、フクロウの耳を生やした店主に声をかけてもらって
ビクリと体を震わせながら中へと体を入れて扉を締めた。

内装を見る限り、場違いじゃなかろうかと再び息を荒げながら
キョロキョロと席を探す。

霧島 孝介 > 一通りメニューを見れば、店員さんを呼んで注文をする。
普通にメニューと知れば後は簡単。
ここ1年間で店員さんに対するコミュニケーションは取れるようには成長したらしい彼。
何故が胸を張って、ホットダージリンティーとティラミスを注文する。

(え、何お邪魔しますって…いや、俺以外にお邪魔してる人おる…!)

無事に注文を終えて、一息ついているところに女性にしては高身長な彼女を目に入れる。
最初は『お邪魔します』発言にツッコミを入れるが、自分も言ってたことを思い出せば
何だか急に恥ずかしくなって、顔を少し赤くしながら顔を覆う。

(ってか怖いんだけどあの人…!え、何、誰か殺しに来たん!?
 ここに親の仇でも居るの!?)

本当はいけないこととは知りつつ、彼女をジロジロと眺めてしまう。
さっきまでの自分とは別のベクトルでヤバイその女性。
その視線は、彼女自身からも察知できるだろうか。

高梨美子 > はいってしまったカフェ
声をかけてもらった後は息を荒げながら周囲を見渡す
完全に誰かを殺りに来た人であった。

「い、1名でしゅ」

でも、噛んでしまって顔を真赤にして顔を俯かせたけれど
俯いた際に見えた視線は敏感に察知できて。

「……はぁ、はぁ」

顔をぎゅるんと視線が感じる方向に向けたら、睨むように目を細めた。
ゆっくりとだけれど確実に視線の主の方向へと歩いていく。
そして、視線の主の前まで来ることが出来たなら。

「あ、お、おおお隣。いいです、か」

一人が嫌なら誰かと一緒にいればいいじゃないと
考えを切り替えてカミカミながらそう声を出した。
普通に考えればこっちのほうが難易度が高いのだけれど
頭がゆだってしまってこれしか出てこなかったらしい。

反応が帰ってきたら、素早く隣りに座ったとか。

霧島 孝介 > 完全に誰かを殺りに来てる人ではあるが
噛んでしまって顔を真っ赤にしてるのを確認すれば、(かわいい)などと思う。
彼女と比べて、10分くらいこのカフェについて知ってる居るため、謎の先輩面をしつつ。

「ヒッ!」

ぎゅるんと睨むようにこちらに目を向けられれば、まさしく蛇に睨まれたカエルの如く
身体をビクつかせ、がたがたと震え始める。
こっちに歩いてくる彼女を震えながら待つしかできず、ここで人生の終わりを覚悟した矢先
彼女の言葉を聞いて、混乱しつつ、隣の椅子に誘導する。

「どどどどどどどうぞ」

どうしてこうなった。
素早く彼女が座れば、肩を狭めて、膝に手を置く。
1人とコミュ障と1人の不良によって形成される地獄空間。
彼女の温度に当てられ、こちらも頭がゆだって正常な考えができず。

高梨美子 > なんだか、こっちをみてガタガタと震えている
なんで震えてるのだろうかなんて、睨むような目、以外には
ありえないのにぼんやりとどうしてだろうかと考えるけれど。

「あ、ありがと」

物凄い噛んでいるけどどうしたのだろうかとか
考えて小首をかしげた後に、自分が悪いということに気がついてしまって。
こっちもこっちで肩を狭めて膝に拳を置いた。

「キュ、急にごめん……あ、あの……この店、常連、だったり、する?」

この地獄のような空気をどうにかしなくてはと
バイト先で磨き上げたと思っている自然な笑みを浮かべて
顔を向けてみる。

「あ、のさ……今日、いい天気だな」

会話デッキは天気で占められている。
あ、まずいと思ったけれど口に出したのでもう後の祭り。

霧島 孝介 > 多分、このコミュニケーション次第では殺されるんだな。
と、穏やかではないことを考えながら、尚も震えており
礼を述べる彼女にひきつった笑顔を見せる。

「ど、どういたしまして!」

上擦った声で返事をすれば、ブルブルと震える。
背中は冷や汗で着込んだTシャツが引っ付き、気が気じゃない様子で
彼女の事をチラチラと様子を見て

「えっ初めて…です」

彼女の突然の問いに困惑しつつ、即答してしまう。
自然(?)な笑みが逆に怖くて、後になって(あ、これは回答間違ったら殺される奴だ)と認識する。
彼女の様子を伺い、答え合わせをしようとするが…

「…えっ」

(『人を殺すには』良い天気ってことですか―――ッ!?)

変な解釈を始めて、一気に顔を青ざめさせる。
多分この後、燃やされて骨は砕かれて川にばらまかれて、肉片は魚のえさになるんだ
そのように諦めムードを出して、絶望をする。

高梨美子 > まさか殺されるとか考えてるなんて知る由もないこっちはのんきに
引きつった笑顔と続いた答えに緊張を和らげて。

「ふひひ、良い奴だな」

勝手に認定してしまうけれど、具合が悪そうに見えて
狭めていた肩を広げて、眉を顰めて心配そうな表情を浮かべるものの
再び目を細めたのでどう見えたかはわからず。

「そっか、俺も初めて……あ、注文しなきゃだな」

答えてくれたので、緊張は和らげてくれたのだろうと勝手に解釈
そして、店員さんにのんきにコーヒーとショートケーキを頼んで

「え? いや、いい天気だなーって……海とかも、今日綺麗そうじゃね?」

一人では行きたくないよなー、とか続けて呟いて。
相手の様子をじっと見るものの、これ以上具合が悪そうなら、と
片手を相手の背中を擦るために動かすが。

霧島 孝介 > 「あはは…」

彼女の予感はその通りで、具合は悪い。
特にストレスが半端じゃなく、お腹が少しキリキリと痛くなってくる。
軽い気持ちでカフェに来ただけなのに…と後悔しているが、実際の所は全部彼の勘違いなのである。

(オッケー!これは正解!)

彼女に同調できた事に小さくガッツポーズを取る。
というか俺っ娘なのかと内心で彼女の一人称に興味を持つが
未だに緊張感は抜けきっておらず

(あ、これ山じゃなくて海の方だわ…)

一人ではいきたくないなどと言う発言から、海にコンクリ詰めで投げ飛ばされる情景が浮かび
最早ストレスとか色々吹っ飛び、真っ白になって燃え尽きる。
彼女がこの様子を見たら明らかに具合が悪いと判断できるだろうか。

高梨美子 > 「どうした、元気ねえな」

こっちのせいとは知らずに心配そうな顔は継続中。
うーん、食べ物にでもあたったのだろうかと考えるが多分違う。
どうしたものか、と考えても病院ぐらいしかない。

「こういう所来るの初めてでさぁ……俺ってば緊張しちゃって
 堂々と入れるようになりてーなー」

テーブルに手をついて、そう言うけれども
未だに具合が悪そうな様子に流石に心配度が増した。

「ちょ、マジで大丈夫かよ?病院行くか?救急車?」

本当に心配そうな声色で背中を撫でる。
その手付きはゆっくりとした優しい手付きで

「もしものときは俺がおぶってくからな!安心しろ」

こっちの心配が伝わっただろうか、と背中を未だになでながら
優しい声色で安心しろと告げた。

霧島 孝介 > 絶望感を味わい、『もう終わりだぁ』と言わんばかりのオーラを出していたが
彼女が優しく背中を撫で、優しい声色で声を掛ければ

「えっ!…は、はいぃ…」

ハッとした様子で彼女の方を向き、自身の状況を確認すれば
顔を真っ赤にして、俯きながら小声でそう返す。

何故顔を真っ赤にしているのか。
実はこの男、女子と触れ合ったことがほとんどない。
触れ合った経験はあるにはあるのだが、それはあくまで緊急事態の時。
美少女と話すことはあれども、このように背中を撫でられることは無かったのだ。

要するに、めんどくさい男なのである。

「…いや、ごめんなさい。ぼ、俺もちょっと緊張しちゃって…
 あの、救急車とかおぶるのは勘弁してください。その、お、男としての立場無くなっちゃうので…」

尚も顔は赤く、視線は泳いでいるが、不安やストレスは無くなっており。
彼女の優しい言葉で誤解は一気に解けるが、別の意味で緊張している。

高梨美子 > 物凄い絶望オーラを感じて思わず体が震えたり。
それでも、優しい声色で背中をなでてみせると。

「ふは、どしたー?……うわ、イケメンじゃん」

ようやくこっちを見てくれた顔はすごく整っているように見えて
びっくりして、そう声を出しながらも背中を撫でるのはやめない。
こっちもこっちで顔を赤くしてしまって、あー、とか、うー、とか
目を泳がせたりして

こっちもこっちで面倒な女だったりする。

「あ、そ、そうなんだ……めっちゃ緊張してたけどどしたん
 お、あ……そうだよな。悪い悪い」

緊張していただけだったかと納得。
そうしたら、背中を軽くぽんと叩いて、バッグを横に置いて
コートを脱いで椅子の背もたれにかけて。

「俺、学園の三年生で高梨美子ってんだー、よろしく!
 で、とりあえず……と、と友だちになりませんか」

緊張よどっかいけとばかりに快活な笑みを向けて自己紹介。
ついでに、友だちになってくださいと片手を軽く向けてみて握手の催促。

霧島 孝介 > 「え、誰が?」

彼女の方を見れば、そんな発言が飛んで、後ろを見る。
ポスターか何か貼ってあったのか?と疑問に思いながらも
何故かずっと背中を撫でられ、こっちも真っ赤とまで言わないが頬を赤くして。

「あ、あぁ…いえ、同じくこういうカフェ初めてで
 しかも、隣に女性が来るとは思わなくて緊張しちゃったって…感じっすね…ハイ…」

実は別の事で緊張していたのが大きいが、それは口に出さないが吉。
実際、初めて来るカフェで女性が隣に来たことに緊張してるのは変わりないので、
そのように上手く言い方を変える。

「あぁー…お、俺は2年生の霧島孝介です。
 先輩っすね…えっ、ぜ、是非ともよろしくお願いします!」

自己紹介をされれば、自分も同じように返し。
彼女の友達になってくださいという発言を聞けば、目をシイタケのように輝かせて
その手を取って、上下に少し力強くブンブンと振る

高梨美子 > 「あんただよあんた」

古いコントか、とツッコミを入れてみて。
頬を赤くする顔から目が話せずにじっと
眼鏡の奥の瞳を見つめる。

「ふひ、やっぱこういう初めてのところって緊張するよな。仲間じゃん。
 俺もさぁ、緊張が天を超えちゃってついつい隣りに座っちまった
 緊張させたな。悪かった」

仲間を見つけた気がして、笑顔のままでじっと見つめてしまって。
ふひひ、と気持ちの悪い笑いが溢れたが大丈夫だっただろうか。

「孝介ね。よろしくなー……あ、敬語はなしでも良いからな?
 友達なんだしさー」

目を輝かせた孝介に微笑ましいものを見るような目で見るが
こっちも対して変わらなかったりする。
力強く振られた手、それが心地よく感じて、しっかりと手を握って。

「あ、ついでに連絡先交換しよーぜー……今度遊び行こ」

なんていっている間に注文されたケーキとコーヒーが運ばれてきて
店員さんにありがとうございますと言ったなら相手の手を離そうと。

霧島 孝介 > 「俺?はははー、冗談が上手いっすねぇ~!」

ツッコミを入れられるが、冗談かなぁと後頭部に手をやって笑う。
頬の赤さは引くが、じっと見つめられる理由が分からず
首を傾げ、クエスチョンマークを浮かべる。

「えぇ、俺なんてこういうオシャレなカフェ始めて来るんで…
 でもメニューはしっかりとしててよかったですよ。
 あぁ、大丈夫です。緊張しちゃうと変な事しちゃいますよね」

彼女が笑顔になれば、こちらも同類を見つけたように、肩の力を抜いて。
ふひひ、という笑いに関しては気持ち悪いなどは思わず、むしろ自分に近い人間なのだろうと
無意識に警戒を解く材料となる。

「あ、はい、あ、じゃなくて、うん?
 …すいません、慣れるまで時間かかるかもです。あ、かも…?」

今まで敬語で話していたというのもあり、敬語じゃなくていいと言われれば
慣れないようにため口で話そうとする。
なお、彼女からの友達になろう発言に対する感動により、今は手を握っても照れたりはしてない様子。

「えぇ、いいんですか!?勿論です!」

彼女の言葉にスマートフォンをそそくさと取り出す。
いきなり友達が出来て、しかも連絡先の交換と遊ぶ約束もできた。
これもカフェに行くのを薦めてくれた友達の天使さんのお陰だ。
ありがとう天使さん。いや、師匠って呼ばせてください。

感動しながら、彼女の頼んだものと同時に自分のダージリンティーとティラミスが届けば
手をぱっと放して我に返る。

高梨美子 > 「あ、あははー……冗談じゃないんだけどなぁ」

無意識か、と赤くなってしまった顔にパタパタと手で風を送って落ち着かせて
後半の言葉は小さくて、孝介に聞こえたかわからないけれど。
首をかしげる仕草にまた顔に熱が集まって。

「ふへへー、仲間発見してめっちゃ嬉しい
 あ、分かる。呪文みたいなの来られると困るよな
 サイズなんてS、M、L、でいいっちゅうのにドッピオとか何って感じ」

ドッピオだっけ?と首を傾げながらも
孝介の肩の力が抜けた様子に嬉しくなって。
そして、孝介からの次いだ言葉にはふひ、と声が漏れて。

「時間かかってもいいから敬語なしなー?
 あはは、孝介ってばおもろいよな」

なんて言いつつも、慣れない様子の相手は微笑ましく思ってしまって
テーブルに肘を置いて手に頬を載せて。
飽きないのか、じっと眺めるばかりで。

「勿論よー、どこいくどこいくー? あ、敬語」

こっちもスマホをポケットから取り出して
早速と連絡先を交換しただろうか。
交換したのなら、ポケットにスマホをしまい込んで。

「これで3人目ーと……嬉しいぜひゃっほい」

手を離したら、ケーキとコーヒーに向かい合って手を合わせていただきます。
ひとくち食べてみると、上品な甘さが口の中を占拠して。

「うお、めっちゃうめー」

霧島 孝介 > 「えっ…?」

目が悪い変わりに耳は良い方で。
彼女の後半の言葉にも反応はするものの、その真意が読み取れず
頭で情報を処理していくうちに、こちらも顔を赤くして

「ドッピオ!?多分それ、髪の毛で未来見る人っすね…
 確か、ドトール、ゲレンデ、ウェンティみたいな?
 いや、本当にS、M、Lの方が良いっすよねぇ…」

彼女の発言に今度はこちらがツッコミに周りながらも
自然とこちらも笑みがこぼれる。

「わ、わかりましたー…じゃなくて、わかった。
 高梨先輩の方がおもろいですよー!」

頑張って敬語を直そうと一言ずつ、訂正するが
次の言葉ではバリバリに敬語になってしまっている。
テーブルに肘を置き、頬を手の上にする動作がいかにも女性らしい動作で、少しだけドキッとして

「んー…どこだろう。正直、友達が少ないんで遊べる場所とか分からないんですよね…、あ、わからない!
 …ゲーセンとか?」

連絡先を交換し、彼女の言葉に反応する。
敬語をなんとか取り除こうとしつつ、そのように提案した。
趣味自体がインドアであるが、ゲーセンのみは唯一自分の領域であり、同年代と行くのはちょうどいいだろうと考えたのだ。

彼女に合わせて、自分もダージリンティーを飲み、ティラミスを堪能する。
大人の苦さと甘さが混じったティラミスと上品なダージリンティーに舌鼓して。

「確かに、おいしい」

高梨美子 > 「……き、聞き直すなよ! 照れくさいじゃん」

本気の言葉だと、目で伝えるものの
孝介の顔を見るのが照れくさくて目を下に下げて。
お互いに顔を赤くしてるこの状況も更に照れくさく感じつつ。
スイーツ脳がこれって初々しいカップル、といった所で脳内から蹴り出した。
調子を取り直すかのように、ごほん、と咳払いを一つ。

「ぶはっ!ふ、ふひひ……ドッピオいるんだ……あはは……!
 ひぃー……ああうん、それそれ。孝介の方詳しいじゃんよ
 だよなー?ぜってぇ分かりづらい」

ドッピオの下りで思わずと吹き出してしまって、ツボに入ったのか
笑い続けていたけれどなんとか笑いを抑えて。

「そうかー?俺ってばバイトのときしかしゃべんねえから
 そんな事言われたことね―よ?孝介のギャグセンス、ツボ」

ゆっくりでいいよー、と次にはバリバリ敬語になってしまっている孝介
に、再び吹き出しそうになりながらも再び相手を眺め。

「あ、俺も友達すくねぇよ。いえい、仲間ー……じゃあゲーセン行こうぜー?
 俺はどっちかってーとインドアだからそっちのほうが良いかなー」

孝介の提案に嬉しそうに笑みながら頷いて。
この間ボーリング言ったけど、と零しつつ
野球とか見る?なんても問いかけたとか。

「な、美味いよなー。あ、ひと口交換しようぜ」

霧島 孝介 > 「え、えぇ…!?」

この男、例えば『ん?何か言ったか?』とか言うタイプの男ではない。
むしろ乙女の気持ちは全て拾うべきであると思っているタイプであるが…
初めて向けられた感情に戸惑い、もしかして脈あり!?と変に意識してしまうが…
(いやいや、そんなことないよね!うん!)ととりあえずこの場は話題を変えて

「居るよ、居る居る!ってかそんなに面白かった?
 …いやぁ、そんなことないっすよ。多分、カフェガチ勢が聞いたら怒られる内容ですよ
 うん、分かりづらいのは確かに」

彼女の言葉にこちらも笑顔を見せながら返答する。
自分に合う話だからか、彼女に対する言葉にだんだんと敬語が無くなっていき

「バイトか。何してるんです…いや、何してるの?
 はは、なんかハマってる様でよかったわ」

彼女のバイト発言に興味を持つ。
もし、よいバイトがあるのならば紹介してほしいなどと、少しやましい気持ちがありつつ
吹き出しそうになる彼女に問いかける。

「よし、決まり。俺の鍛えたゲームテクニックをお見せしましょう!
 …っと、そういえば高梨先輩の趣味とかなんなんすか?」

運動は異能使う戦闘がいつ起きてもいいようにトレーニングはしているが、スポーツは特にしておらず。
というか、スポーツなどには関心がそもそもないのだ。
野球に関して問われれば「ルールを知ってるくらい」と答えるだろうか。

「えっ、一口?…じゃ、あーん…?」

彼女の言葉に困惑しつつも、イケメンの流れから、所謂『こう』いう事なのかと思い。
スプーンでティラミスを掬って、彼女の口元へ差し出す。