2019/02/23 のログ
ご案内:「常世公園」にジャムさんが現れました。
ジャム > 2月らしく風はまだ冷たいけれど、その風がなければぽかぽかした日差し。試験も終わって、試験後の騒ぎも終わって、花から花へのんびり蜂が移動するよな眠たい午後の日差し。

「すぴー……、すぴー……」

常世公園の芝生に丸くなってる異邦人が居た。自分の腕を枕にして背中丸め、時々黒尻尾が持ち上がって自分の腰のあたり撫で、身体だけでなくケモミミまでが寝転がっている。
異界から迷い込んできたのかやや季節外れの蝶が鼻先に止まって。まったく気づかず寝息たてているとそのまま飛び去っていった。

ご案内:「常世公園」に神代理央さんが現れました。
神代理央 > 期末試験、バレンタインと働き詰めだった事もあり、珍しくオフとなった午後。
とはいえ、仕事が趣味と化しつつある最近ではする事も無く、結局万が一に備えて制服を着こみ、暇つぶしの散歩へと繰り出した。
冬場にしては穏やかな日差しで幾分暖かい午後。訪れた公園で一息入れようとした矢先、視界に映るのは以前出会ったケモ耳娘。

「…こら。こんな所で寝ていると風邪を引くぞ?」

昼寝の邪魔をしては悪いかとも思ったが、流石に外で昼寝をするには幾分厳しい季節。今の時間帯は兎も角、日が暮れ始めれば寒さも増すだろう。
小さく息を吐き出すと少女の元へと歩み寄り、ぽふぽふと肩を叩きながら声をかけてみた。

ジャム > 寝息をたてたまま身じろぎすると、むにゃむにゃ何ごとかを半開きの唇で呟いて。ふぁさふぁさとケモミミが盛んに動いている。何やら良い夢を見ているようで。

「……ふぁ?
んーーっ……っと……。あ、ぁあ、理央……!ふあぁぁぁ……。こんにちは……!」

肩叩かれると口端から涎落ちそうな顔で瞼を開き。上半身起こしながら小さく伸びをする。くしくし眼をこするとしばらくぶりに会う相手の姿認め。大あくびも混じらせながら、寝起きの笑顔綻ばせ。

「今日ってあったかくてさー……。ついついー。……。
……見回りしてたとこ?」

以前彼が風紀委員所属と聞いていたのをぼんやり思い出した様子。まだ眠気残る表情のまま尋ね。

神代理央 > 「おはよう、ジャム。随分と良い夢を見ていた様だな。明るいとはいえ、此処迄無防備に公園で熟睡するのは感心しないが」

欠伸を交えながら此方に笑みを見せる少女に、幾分呆れた様な苦笑いを返しながら言葉を返す。
余りに気持ち良さそうに欠伸をしているので思わず釣られそうになってしまうのを堪えつつ――

「気持ちは分かるが、流石に冬場に外で堂々と熟睡するのは危ないぞ。風邪でも引いたらどうするつもりだ。
――ん…まあ、委員会の活動自体は休みなんだが、他にすることも無くてな。家でぼーっとしているよりは、見回りした方がマシだろう」

少女の隣に静かに腰を下ろしつつ、眠そうな少女を眺めながら僅かに肩を竦める。
このまままた寝てしまわないだろうな、と少し心配しながら。

ジャム > 「うー……、へへ。すっごく良い夢みてたんだけど……。起きてみたらぱーっと頭の中から消えちゃった。ふしぎ!
――あはっ、大丈夫。きっとどこかの紅い瞳の風紀委員が危なくなったら来てくれるし!」

両手の人差し指を自分の両こめかみに押し当てて。たった今まで見ていた夢の中身思い出そうと努めて失敗。ぺろりと舌を突き出し。
自分が無防備なのは学園の治安を守る彼が居るおかげで安心して、などと言い訳してみせ。

「僕風邪引いたことないんだー。前の世界じゃ、よく野原で寝てたし。
……でも、ありがと。次から気をつけるよ。
――へー。理央ってお休みを持て余しちゃう人なんだね。
それじゃあー、僕とここでお話しようよ」

彼と肩並べながら、スカートのまま両足を伸ばし。手を後ろに、そんな事言ってみせ。

神代理央 > 「気持ちよく目覚めたのなら、夢など忘れてしまうに限るさ。夢の方が幸せなら、現実に戻った時に気が滅入るからな。…尤も、お前ならば心配なさそうだが。
……調子の良い奴。まあ、生徒の安全を守るのが仕事だ。お前が何処で眠りこけていようと、保護してやらねばな」

幾分悲観的な発言だったが、少女には心配ないかと小さく笑みを零す。昼寝の言い訳を並べる少女の言葉を聞けば、クスクスと面白そうに含み笑いを漏らすだろう。

「…成程、馬鹿は風邪を引かないというのはあながち間違いでは無いかも知れんな。参考になる。……ん。別に昼寝するなとは言わん。気を付けていれば、それで良い。
……お話?別に構わないが、面白い話など出来んぞ」

揶揄いを含んだ言葉と共に、気を付けると言った少女に穏やかに頷いてみせる。
しかし、話をしようと言われれば少し困った様に首を傾げるだろう。天真爛漫を絵に描いた様な少女が満足する様な話が、果たして己に出来るだろうかと。

ジャム > 「うーむ。僕は毎日幸せだからね!
今日は土曜日で幸せだし、食べた朝ごはん美味しくて幸せだし、こうやって理央に会えて幸せ。ほら、幸せいっぱい!
……うんっ、頼りにしてるよー。おかげで僕だけじゃなくて、生徒みんな安心して過ごせてるから!」

両腕組んで、自分なりの幸福論を告げる。
彼の思ったとおりに心配はなく、幸せなんて考え方次第という気楽さをひけらかし。

「間違ってないね!僕バカだもの。あはは!
理央も一緒にバカになろうよー?そしたら予防接種ってやつ受けなくても風邪ひかなくなるよー!
――そ。お話ー。
じゃあじゃあ、例えばー。……理央の好きな女の子はどんな子?」

からから、声音も高く笑って無駄に馬鹿自慢。
逆に褒め言葉と言わんばかりで相手に勧める。
お話しよう、と始めたのはいきなり恋愛関係だった。

神代理央 > 「…幸福の基準値が低くないか?いや、その方が結果的には幸せなんだろうか……。何にせよ、羨ましい事だ。
……別に、俺だけの功績でもない。風紀や公安。その他もろもろの委員会の活動あってこそだ。その感謝の言葉は、他の委員にも言ってやれ。きっと、喜ぶ」

『お金が無くても幸せ』だとか『金持ちが幸せとは限らない』という意見を一蹴する程度の資産家生まれではあるが、少女を見ているとその幸福論も間違っていない、様な気がしてきた。
ちょっと複雑な思いを抱きながらも、素直に感謝の言葉を告げる少女には、微笑ましいものを見る様な笑みで頷くだろう。

「そこは否定するべきところだと思うんだが。…いや、お前がそれで良いなら別に構わないんだが。しかし生憎、馬鹿になるわけにはいかんからな。というか、お前も予防接種くらいはちゃんと受けろ。ちゃんと。
――また、随分と唐突に話題を投げてきたな。だが、そうだな。好きなというと難しいが……。そうだな。俺みたいな性格の悪い男でも構わないというのであれば、そもそもえり好みなどしないがね」

突然投げられた恋愛の話題。恐らく自分の話題の引き出しを全て引っくり返しても、その話題に相応しい知識等無いだろう。
難解な問題を前にしたかの様に額に皺を浮かべた後、結局は中途半端な答えを少女に返す事になるだろう。

ジャム > 「そかな。皆ハードル高すぎだよ。せっかく幸福ちゃんが近くに居るのに気づいてもらえなくて幸福ちゃん寂しがってるよー。
うんー、他の委員にも言っておくね。でもその前に理央に言っちゃう。いつもありがと!」

幸福を擬人化して、まるで見えない妖精が悲しんでるとでも言いたげな様子。尻尾を揺らしながら言い。
確かに彼だけの功績ではないが、彼の功績でもある。
目の前の功労者に感謝して。

「えー。理央って性格悪いの?
僕はそう思わないけどなー。性格悪ければ、寝てる僕にわざわざ声かけなかっただろうし。
……ふぅむ。選り好みなし。
じゃあーこの話題は選択方式に変更しちゃおう。
――2月14日。理央がチョコを貰って嬉しいのはー、大人しい子?元気な子?不思議ちゃん?気の強い子?」

きょとんと眼を丸くして。
とっても無難な回答に不満げにすると、彼の好みを探るべく回答方式を変更した。

神代理央 > 「幸福ちゃんって、何だか珍妙な宗教みたいだな。怪しい人形とか崇めてそうだ。
……う、ああ。別に、仕事だからな。だが、ま、ありがとう」

幸福ちゃんというネーミングに、面白そうに肩を揺らして笑う。
だが、面と向かって告げられた感謝の言葉に、暫し視線を彷徨わせた後、若干気恥ずかし気な様子で呟く様に言葉を返した。

「少なくとも、善人であるとは思って居ないしその自覚も無い。寧ろ、幼稚な言い方をすれば虐めっ子の気質があるだろうよ。普段は隠しているだけで。
――選択方式?ああ、そういう……。貰えるなら誰からでも嬉しいが、そうだな。大人しくても元気でも不思議でも気が強くても良いが、明るい子は好きだな」

実際、戦闘している時。或いは、己の感情が昂った時。深淵から現れる己の本性は、嗜虐的とすら言えるかも知れない。流石にそれを眼前の少女には言えず、曖昧に言葉を濁すのだが。

そして、続けられる恋愛トークには、是も無難な回答をすれば少女は不満なのだろうと頭を悩ませる。
暫し悩んだ末、明るい性格の子が好みだと告げるだろう。
自分が悲観論者である事の裏返しでもあるかもしれないが。