2019/03/31 のログ
ご案内:「常世公園」にセシルさんが現れました。
セシル > 急に寒さが戻ってきたような日の昼間。常世公園に、細身の人影が走り込んでくる。
…といっても、何かに追われてとか、そういった切迫感は纏っておらず…公園内をゆるく、徐々に速度を落としながら走り、そして最終的にベンチと自販機のそばで足を止めた辺り、ランニングか何かの終点にここを定めていたのだろう。
ストレッチをして入念に体をほぐし…

「…よし」

一つ軽い息を吐くと、自販機でスポーツ飲料を購入する。

セシル > 冷涼な土地で生まれ育ったセシルには、このくらいの肌寒さは問題にはならない。
まして、風紀委員の制服をきっちりと着込んで長距離を走っていたのだから…頰の辺りが、うっすら湿り気を帯びているくらいだ。
ベンチに腰掛け、スポーツ飲料の蓋を開けると口をつけ、ごくごくと喉を鳴らす。

「………ふぅ」

スポーツ飲料の容器を口から離して零すのは、満足げな吐息だ。

セシル > (もうすぐ新年度か…)

先日までの陽気に誘われて綻んだ花が冷たい風に凍えているかのように揺れる。走ったばかりのセシルには、気持ち良いくらいの風ではあるが。

(…明日は、シラバスの確認をしなければな)

去年、自分の身の振りについて覚悟を決め、それに相応しい授業の取り方をしていくことを選んだ。
…といっても、今まであまり関わってこなかった分野であるので、一般的な修学年数では、修め切れそうにないのだが。

(…あと、何年かかれば目標に到達出来るのだろうなぁ…)

彫りの深い顔立ちにそぐわない感じに、ちょっと遠い目をした。

セシル > (…いかんな、後ろ向きになってしまっては)

頭を軽く振って、立ち上がる。
残ったスポーツ飲料を一気に飲んでしまうと、空いた容器をゴミ箱に放り込んだ。

(目の前にあることをこなしていれば、積み上げていくことは出来る。
…これまでも、私はそうしてきたじゃないか)

そう自分に言い聞かせ、気持ちを奮い立たせる。

(………つまり、今変なことを考えるのは、積み上げていくべきことがすぐそばにないからだな。
…訓練施設で、魔術の鍛錬でもするか)

そして、ある意味正しいがある意味明後日の方向に思考を結論づけると、早速実践に移すべく実習区の方に向かっていった。
陽も随分長くなった。まだまだ、「訓練出来る」時間はある。

ご案内:「常世公園」からセシルさんが去りました。