2019/05/08 のログ
ご案内:「常世公園」にアイノさんが現れました。
アイノ > てん、てん、てん、とボールを蹴る音が短い間隔で響く。

リフティング。
太腿で軽く弾き上げ、頭で真上に突き上げ。
7回ほど続けたところで、バランスを崩してボールが転がり落ちては、もう一度拾う。

ボールを扱っているのは金色の髪をした少女。
自称天才少女は公園で一人で練習中。 日はそろそろ傾き、ここから空が茜色になっていく頃。

「よ、…よっ、と、っ」

小さな声だけが響く。

アイノ > 体育の授業でサッカー大会が今度あるから、という単純な理由。
カンを取り戻してから参加して、入りでいきなり活躍するのが目的だ。
いつだって天才をアピールすることには余念がないのだ。
……まあ、ただスポーツが楽しい、というのもあるけど。

「そいやっ!」

目的にしていた球技用のフェンスめがけて、ドン、っとボールを蹴れば、フェンスの上の方にがしゃん、っと突き刺さって……ボールが落ちてくる。

「……うー……ん、イマイチ。」

今のは実際にはノーゴール。単なる宇宙開発って言われるあれだ。

アイノ > 「やっぱり私だし、もっとこう、カッコいいとこ見せたいよな。」

そんなことをつぶやく。
……能力を使うどころか、すっかり普通の学生として馴染んでいる。
それが物足りなくもあり、充実でもあり。

「よ、っとぉっ!!」

次のシュートをきっちり真ん中へと突き刺して、ふふん、と唇の端を持ち上げる。
天才は前準備だって怠らないのだ。

ご案内:「常世公園」からアイノさんが去りました。