2019/05/17 のログ
ご案内:「常世公園」にジャムさんが現れました。
ジャム > 午後。空は青空。日差しは夏。

常世の島は常夏の島になっていた。
セミが鳴っていないだけで他は夏とはなんら変わらないよな世界。じりじりと焼ける中を両耳伏せりながら、学校からの帰り道で常世公園を横切り……。

「んあーーっ!今日も熱いよ!夏だよ!
喉乾いたなー……。
……あ!自販機!」

両手バンザイしながらも天を仰ぐ異邦人。
そこで砂漠の中にオアシスを見たり!とばかりに自販機に近づいていき。

「……1000円札無い……、小銭無かった……。
1万円っていうお札しか僕……持ってない……」

ごそごそ懐探って重大な事実にぶちあたった。
この賢い商人みたいな自販機は、なぜか1000円札と小銭しか受け付けてくれないのだった。
崩れ落ちる膝。自販機の前でうなだれる獣耳。

ご案内:「常世公園」にアキラさんが現れました。
アキラ > (季節の移り変わりという物は早いもので、この前まで春だと思っていた筈なのだがすっかり気持ち的には夏になっていた。煙草を咥え、そして左手で杖をついて歩いている女にとっても例外ではなく…梅雨にすら入っていないというのに暑い日差しが照りつけている。水分でも補給をしたほうが良いのだろうかと思っていた所だったが自販機の前にはすでに先客が居るらしい。歩みを進めながらもあの彼女の項垂れてる様子を見るに…釜茹でになりつつある脳を稼働させながら可能性を探りつつ歩み寄ろうとして。)

……お前さん、どうしたんだい自販機の前でへたって。小銭でも落としたのかい?

(女が少ない脳のリソースで絞り出した答えは小銭を自販機と地面の間に落としたというものだった。一度咥えてる煙草を空いてる右手の方で灰を落としながらも数メートルの辺りまで近づけたのなら言葉をかけるだろう。)

ジャム > (水を得る手段はこの自販機だけではない。いざとなればこの公園にある池からでも水分摂取は出来る。しかしそれではこの世界の文化人になれない。異邦人の身であっても、今は制服をまとう身分。郷に行っては郷に従うべきであると同時に。
――自販機にある期間限定のマンゴージュースがものすごく眩しそうに見えているのだ。
……ふと聞こえた杖つきの音。目を向ければ片目を伏せった頼れる姉さんという感じの教師の姿)

あー!神峯せんせ!
……ううん、小銭は落としてないけど……。
喉乾いて、この期間限定って書いてある美味しそうな缶ジュースが欲しいんだー。
でもー、1000円のお札も小銭もなくて買えなくて。……この1万札しかなくて……。
……ねえねえせんせ。両替できない?千円札10枚持ってない?

(顔見知りの超火力教師の姿を見てぴこぴこと獣耳を嬉しそうに揺らして。立ち上がると事情を大きな身振り手振りで説明し。都合よく千円札10枚を持っているかどうかは定かではないが、と万札を見せて)

アキラ > よぉジャム、あたいが取ってや……あん?なんだよ落としたんじゃねェのか?両替…そう言われてもあたいもそんなに千円札を何枚も持ってる訳じゃねェしなァ…。

(振り返った時に顔見知りである少女だと気づいた女だったが、その話を聞くにどうやら自分の予想は外れたらしい。少し残念そうな表情を浮かべるものの、大きな身振りで説明する彼女は可愛らしく見える。興味深そうにその仕草と言葉を聞いていた女だったが、両替と言われると少し困ったような表情を浮かべた筈だ。一度手に持った煙草を咥えると右手をスラックスのポケットに手を突っ込み、黒一色の財布を取り出した。)

ひーふーみーよー__ゲッ、五千円と合わせても一枚足らねェ…。

(妙に古臭い数え方をしながらも器用に片手だけで財布の中のお札を数えてみる。皿屋敷よろしく一枚足りないのを見てあからさまに困ったような表情を浮かべていたが、やがて決心したように小銭入れから500円玉を取り出し彼女の前へと差し出すだろう。)

ほれ、せんせーが奢ってやるよ。こんだけ暑いと倒れられても困るからな。

ジャム > (まるでいくつもの戦場くぐり抜けた烏のような風体で野性味溢れる喋り方。そんな彼女に異邦人は親しみを覚えていて。煙草を口に咥えて片手を開ける動作が何やら色っぽく感じる。細い手先が自分も知らない魔法のような数え方でお札をめくるのを見守って)

――ふぁー……。そっか……。
……わっわっ!いいの?やったー、せんせありがと!

(しょぼん。獣耳も両肩も落ち込んで足元に目線がおっこちるも、差し出された500円玉にぱぁああっ!と顔色どころか全身輝く勢い。うきうき受け取って、お目当てのマンゴージュースをガコンと落とした。お釣りを先にとって、相手へと差し出し。
それから缶を取ると、ほっぺたにくっつけてその冷たさに少しの間憩う。……ぷしっと音たてて缶を開けると口につけ。……ふにゃぁぁぁぁ……。獣耳が幸せそうに垂れ下がった)

冷たくて甘酸っぱくておいしー……!
死んでないけど、生き返ったみたいな気分!
せんせも、ほら、ほら……!

(半分ほど飲み干すと、彼女にしたってスーツ姿は暑かろう。ひとくち、と冷たい缶の飲み口を向けてみせ)

アキラ > (片手で掴むように持って、多分親指で捲るようにして札を数えてたのだと思うが何故こんな事をするのかというと女が杖を手放して地面に落ちると拾うのが面倒くさいからとかそんな理由だと思う。いずれにせよ小銭入れを開ける事はできても中の小銭を取り出す事はできないので渋々杖を身体に凭れかけさせて、500円玉を差し出した時の彼女の輝いたような表情を診た時に女は思わず笑い声を漏らして)

ハハッ、何だよそんなに喜ぶ事ァ無えだろ?

(とは言うが女は楽しそうに笑顔を隠す事なく浮かべただろう。煙草がほぼほぼ燃え尽きたのを見ると小銭を受け取り、その後に左手に持った財布をしまうと今度は携帯灰皿を取り出す。右手で煙草のフィルター部を持ってその中へしまうように押し込んで。そんな事をしながら幸せそうにジュースを飲む彼女を見ていると奢ったかいもあったという物だ。)

気持ちはわかるさ、あたいだって熱くて死にそ……あー…どうしよう、良いのか?貰っても。

(つい本音を漏らした直後、薦められた缶ジュースを見て少し人間としてというよりは大人として一瞬迷った。だが女は何を隠そうとも暑がりだったし、先程漏らした本音もあって否定はし辛いとか何とかと自分に言い訳をしつつも受け取ってしまうだろう。そして手に取って少しの間また迷ったが缶を口へ運ぶと一口。)

あッ、うめェ!

(身も蓋もない小学生のような感想を漏らした。)