2020/06/18 のログ
■アージェント・ルーフ > 数刻お世話になった小さな劇場となってくれた机、ボクの操り人形として働いてくれたカードを丁寧に片付ける。その間に観客も疎らに散り、各々の時間を過ごしている様子である。
「ふぅ……」
口から漏れ出た空気は集団に注目されたが為の疲労か、はたまたマジックの成功への安堵か、色々な感情のこもった息を吐きながら、そこらにあったベンチに座る。
■アージェント・ルーフ > ふと自分の鞄から好物でもあるチョコレートを取り出し、口に放り入れる。
「~♪」
声にならない程の幸福感、仕事後の一杯とやらもこの様な感情と同じなのだろうか。思わず頬が綻び、目を細めてしまう。
この島での平穏な時間というのは大切な時間なのだろうか、と先日カジノへ行った自分と今の自分を投影するが、そんな事も不要なのだろう。先の事を予測出来るかどうかなんて、不思議な力でも持っていない限り愚問である。今をマイペースに生きる、自分の生き方を珍しく客観視し、この問いに下線を引き、二度点を打つ。
(もう少しだけここで休もうかなぁ…)
自分と共に生を歩んでくれる五十四の仲間を手に抱え、公園の喧騒を聞きながらボクは数刻ばかり、目を閉じる事にした。
ご案内:「常世公園」からアージェント・ルーフさんが去りました。