2020/07/15 のログ
■227番 > どうやら、自分の目は人とは違うらしい。
自分が映るもの──鏡というらしい──を見せられ(もちろんその時は驚いた)説明をされた。
この目は、猫の目の特徴を持っている、とのこと。
明るい場所で黒い所が細くなるのと、
暗い場所ではそれがまん丸になって、
その状態だと暗闇でもある程度ものを見ることが出来る。
これらは他の人の目には無いもののようだ。
どおりで、あの隠れ家では皆困っていたわけだ。
■227番 > さて、そろそろ帰ろうか。
少女はベンチから立ち、帰路につく。
ご案内:「常世公園」から227番さんが去りました。
ご案内:「常世公園」に東雲 七生さんが現れました。
■東雲 七生 > 今日の試験も終わって、バイトも休み。
ぽっかりと空いた暇な時間を持て余して、七生は公園へと来ていた。
夏本番も近付く放課後の公園。まだまだ日も高く、夕暮れ時は遠い。
「んー、訓練施設の方が良かったかな。」
じりじりとした日差しに閉口しつつ、自販機で買ったジュース片手に七生はベンチへと腰を下ろす。
今回の学科試験も特筆すべきことも無く終え、結果も多分特筆すべきことは無いのだろう。
以前多少意識して行っていた『なるべく目立たず平均を』が癖になってしまっている感は否めなかった。
■東雲 七生 > 「異能の試験、どーすっかなー」
まだ悩んでいた。
ひとまず今回は変に奇を衒わずに行こう、と決心している。
しかし、奇を衒わない異能の披露がどういうものか七生には分からない。
紐を形成して綾取りでもしてみせれば良いのだろうか、と考えながら、実際に真っ赤な紐で富士山とか作ってみる。
「……地味ぇ……」
じみぇ。
珍獣の鳴き声の様な呟きが口から零れ落ち、七生のテンションが気持ちダウンした。
■東雲 七生 > 「地味だしそもそも何の異能か分からないじゃんか……
や、何の異能か分からない……か。一目で分かるようにしたうえで地味過ぎず派手過ぎず……ぬぬぬ。」
真面目に考え始めたら割と難題だった。
そもそも自分の血液を操作しているという証明もしなきゃならないのだ。
よく今までパス出来てたな、と振り返って感心するほど。
「……やっぱ、試験中に自分の手とか切って……」
ぶつぶつ。
手の中に在った筈の紐は、緋色の蝶に姿を変えて静かに羽を開閉させている。
■東雲 七生 > 「ちょっと真剣に考えとかないとやべーや!」
ぴょん、とベンチから跳んで着地。手の中にいた蝶はいつの間にか指輪となって七生の指に嵌っている。
一度大きく背伸びをした後、自然と溢れて来た欠伸を噛み殺し。
「えっと……どこで考えっかな。
やっぱ訓練施設かな。うん、そーしよ!」
この場で試行錯誤するには少しばかり血腥い異能である。
折角の夏の陽気に水を差すのは七生も気が引けたのだろう。
進路を訓練施設へ向けると、足取り軽く駆けていくのだった。
ご案内:「常世公園」から東雲 七生さんが去りました。
ご案内:「常世公園」に227番さんが現れました。
■227番 > 夜の公園。
池の前の、いつものベンチに腰掛ける少女。
今日の街歩きも終え、夕食もいただいて、一息。
静かな公園で、
「……?」
何かを落ちているのを見つけた。
■227番 > 足元で街灯の明かりを反射し、きらめく。
なんだろう。拾ってみよう。
それは、透き通っているが、色がついている不思議な玉。
何の変哲もないビー玉であるのだが……初めて見るもので、名前も知らない。
「きれい……」
自分の瞳と同じ、深い青色。
街灯に透かしてみる。……アメではなさそうだ。
ご案内:「常世公園」に雨見風菜さんが現れました。
■雨見風菜 > 夜の散歩の帰り道。
ふらりと公園に立ち寄った風菜。
見知った少女が、ビー玉を眺めているのを見つけた。
「こんばんわ、ふつなちゃん。
綺麗なビー玉ですね」
■227番 > 落第街にいた頃に見つけていたら、遠慮なく口に運んでいただろう。
そして、《悪食》の力によって容赦なく噛み砕かれ、
その後これは食べ物ではないと認識する。
空の星を見に来たのに、足元で見つけた星に夢中になっていると……声をかけられた。
「あ…ふーな、こんに…こんばんは」
見知った顔にぱっと表情が変わり。それから、ぎこちない挨拶を返し。
「びーだま?」
■雨見風菜 > 「ええ、ビー玉」
そう言って。
そういえば自分もビー玉がなんなのか分かってない気がすると感じた。
なので携帯端末を取り出し、検索をかける。
「んー……眺めたり、他のビー玉とぶつけて遊んだりするものですね。
ビーダマン……ビー玉を発射して的に当てる遊びもあったようですね」
と、しゃがみこんで携帯端末の画面を227にも見せながら。
そもそも227に識字能力があるかどうかの確認から吹っ飛んでいる風菜であった。
■227番 > 端末には驚かなくなったものの、相変わらず文字は読めないので、
掲載されている色とりどりのビー玉の写真だけに目が向く。
「ほかの色、いっぱい……びーだま、眺めたり、遊んだり……おもちゃ?」
こんな綺麗なのに、ぶつけたら傷が入ってしまうのではないか、などと考える。
■雨見風菜 > 「ええ、そうですね」
227が考えてることは露知らず。
「まあ、一個だけでは難しいと思います。
ふつなちゃんが眺めていたいなら、それでいいと思いますよ」
さて、と。
『物体収納』から、彼女に与えようと思って買っていたオレンジのアイスキャンディーを取り出して。
「ふつなちゃんにあげたくて買ってました。
オレンジのアイスキャンディーです。
冷たくて甘くて美味しいんですが、いかがです?」
と勧めてみる。