2020/07/20 のログ
ご案内:「常世公園」にラピスさんが現れました。
ラピス > 今日のへっぽこ少女は、公園の一角にある四阿へとやってきていた。
その右手には風呂敷で包まれたなにかを、左手には革のトランクケースを携えて。
無人の四阿の中へ入ると、ベンチに革のトランクを置き、机に風呂敷を置く。
結び目を解いて拡げると、中から現れるのは綺麗に積み重ねた白色の団子。

「――さて、と。月の精霊様、此度の対価として奉納させて頂きます」

唱えた刹那、山の頂上に積まれた一つの団子がふわりと浮かび、どこかに消える。
先日、力添えを頂いた礼として捧げられた供物は、へっぽこ少女のお手製である。
後はこの山が消えていくのをのんびり眺めながら、それとなく暇をつぶすのみだ。

ラピス > ゆっくりとしたペースで、団子が宙に浮いては月が欠けるように無くなっていく。
月の精霊が団子を食べている様子は、さながら"月食"なのかもしれない。
さて、ただ見物しているだけ、というのも良いが、今日の少女は養生モード。
久々に魔力をたっぷり使ったものだから、ほんのり気分がダウナーなのだ。

「さぁて、とりあえずは吸いましょうかー」

懐から取り出すのは、マッチと巻煙草。煙草を口に咥えると、しゅ、と火を灯す。
普段は火の精霊に手伝いをお願いするのだが、今は月の精霊の接待中。他を呼ぶのは野暮というもの。
ふよん。ふよん。消えた団子はこれで四つめ。すべて消えるまでは、まだまだ掛かりそうだ。

ご案内:「常世公園」に雨見風菜さんが現れました。
ラピス > 咥え煙草をぷかぷか吹かす。立ち上る紫煙は、天井に遮られて蟠る。
あー、なんかやる気が起きないなー、と見上げる先は、もやもやしていた。

「――まぁ、今日で試験も終わりですし、夏季休暇を思えば高揚するものですが……。
 こう、へろへろーって感じが抜けるまでには、少々掛かりそうな気配ですねぇ」

自身の魔力を底上げする煙草を飲んで、ようやく思考回路が回りだす。
月の精霊は今も団子を賞味中。他の精霊に邪魔されたくはあるまい。
であれば、今出来る事は、試供品の調合案をまとめるくらい。
とは言えそれも、異邦人街の下見とかをした後の方が良いかしら、とかなんとか。
この夏は案外、ちょくちょくやることがある様子。多少忙しい方が、楽しいのかもしれないけれど。

雨見風菜 > ふらりと公園に現れた風菜。
そこに一人の人影を見つけた。

「こんばんわ、先生……でしたよね?」

薬学の授業は取っていないため、たしか彼女は先生だった筈程度の曖昧な記憶ではあるが。
とりあえず声をかけてみる。

「一体何を……お団子が、浮いて、齧られるように消えてる?」

ラピス > へぷー。ヘタレた少女が野垂れていると、近寄ってくる誰かの気配。
ふと気づいたか気づかずか、来訪者の方に視線を向けると――。

「おや、えぇ、先生ですよー。どもです」

ぺこり、とご挨拶。授業には居なかった子だから、初見だろうか。
或いは保健室の常連だったりしたなら関わりあるかもしれないが、今は呆けてて思い出せない。
団子について問われると、ちらと視線を供物に向けてから戻して。

「あぁ、これは精霊への捧げ物です。丁度食べてる最中なのですよ。
 ですので、こっちのお団子には手を触れないようにお願いしますよ?」

手を触れたら?その時は、月の精霊が少しばかり悪戯するのみだ。

雨見風菜 > 「ああ、良かった。
 自信がなかったんですよね、ラピス先生でよかったか。
 あ、私は雨見風菜、一年生です」

一方的に知ってるだけなので自己紹介。
全く接点はなかったが、一度お喋りしたいなとは思っていたのだった。

「なるほど、精霊、捧げもの。
 では邪魔しちゃ駄目ですね」

ラピス > 「おや、私をご存知でしたか。ラピス先生ですよー。
 雨見風菜さん、ですか。では、よろしくお願いしますね?」

丁寧な自己紹介に、ぺこんと一礼。
供物のことも分かってくれるなら、一安心といった所。

「えぇ、そうしていただけると助かります。
 見ている分には問題ないので、良ければどうぞー?」

これも他生の縁。席を勧めてみることにする。

雨見風菜 > 「はい、失礼します」

勧められた席に遠慮なく座り。
さて、一度お喋りしたいと思っていたが実際何を喋れば良いのやら。
話題は基本的に他人任せだった経験不足がここで出てくる。

「薬学の先生だと聞いていたんですが、精霊使いでもあるんですね」

足りない経験から、話題をひねり出す。

ラピス > すとん、と席に着く彼女を眺めつつ、煙草をプカプカ。
混ぜ込んだ薬草は人体に無害な物ばかりだから、副流煙も問題なし。
それ故か、少女もまた遠慮なく、煙草を吹かしていて。

「――えぇ、先生は精霊の血が半分程混ざっていますからね。
 その縁で、少しだけ精霊にお願いして、手伝ってもらえるわけです」

無論、少女のやり方だけではなく、正式に契約を交わすやり方もある。
或いは、一時的に力を借りるだけにする、というのも。手段は千差万別だ。

「ところで、雨見さんは私の授業を履修してなかったかと思いますが、良く知ってましたね。
 なにか先生にご用事あったりします?あぁ、勿論、ただお喋りしたかった、とかでも良いですけど」

話題がないならないなりに、のんびり話せばいいじゃない。
そんな気分で、小首をかしげつつ、ただ質問してみる。

雨見風菜 > 「なるほど。
 それにしてもその煙草、甘い匂いがしますね。
 それもお手製だったりするんですか?」

精霊なら見た目よりも年齢を取ってることはあるだろうなと思い。
そもそも教師だし煙草くらい吸ってもおかしくはないなと咎めはしない。

「ちょっとお喋りしてみたかったってだけですね。
 御存知の通り、薬学は取っていませんし」

ラピス > 「うにゃ、ご明察ですね。先生のお手製で、魔力を増幅する薬草を混ぜてあります。
 他にも集中力の向上や眠気の除去、思考を鮮明にする働きがある一品ですよぅ!
 ――まぁ、先生の体質に合わせたものなので、売り物とかにはなりませんけどね」

えっへん。とりあえずない胸を張ってみる。
褒められたら、ドヤっとくのが少女のモットーだ。

「なるほど、そういう事なら、お話しましょうか。
 雨見さんのことも色々教えてもらえると嬉しいですよ?」

にこにこ。お喋りは好きだから、ちょっぴり上機嫌だった。

雨見風菜 > 「へえ、さすが薬学の先生ですね」

更に褒める。
特に他意はない。

「私のこと。
 魔法ならそうですね、こうやって」

『物体収納』しておいた未開封の冷たい麦茶を出して。

「物をしまったり出したり、もっと限定的に液体だけも出来ます。
 こちら未開封ですが如何ですか?」

ラピス > 「ふふ、そうですとも、先生ですからねっ!」

どやぁっ、近年まれに見るドヤ顔である。
なお、余談だがそのほっぺはふくふくもっちりである。

「――ほほぅ?」

そして今度は彼女の番。いつの間にやら現れる麦茶。
話を聞くに、彼女の異能か魔術なのだろう。なるほど。

「ふむ、中々便利そうですね。買い物しても荷物持ち要らなそうですし。
 おや、良いのですか?そういう事なら、お近づきの印として遠慮なく」

開封されていたとしても、混ぜものがあるなら見れば分かる。
故に、特に何も気にすることなく、ぱきっと開けてぐいっと呷った。

雨見風菜 > ラピス先生のドヤ顔に可愛いという感想を抱きつつ。

「ええ、便利です。
 泳ぐときも荷物を気にしなくて済みますし」

なお風菜。
自分用には自分が飲んだペットボトルに沸かした茶を入れて冷やしている。
その代わり他人には安物ではあるが未開封のものを渡すようにしている。
流石にそこら辺不義理をしたくない性格である。

ラピス > 「ほほう、泳ぐとき――あぁ、水着とかタオルとか嵩張りますものねぇ。
 うーにゅ、重さは感じないのでしょうか。だとしたら、かなり素敵かもです」

薬草とか買い放題だ!と少女はキラキラ目を輝かせる。
こくこくと飲む麦茶はしっかり冷えてて美味しかった。

「ん、ひえひえで美味しいですねぇ……先生は生き返った心地ですよ。
 ふむ、ちなみに液体をしまう、というのはどんな場合に使うのでしょう?」

液体をしまう。普通なら、こうしてボトルなどに入れてしまえばいい。
そうでない、ということはどんな状況で使うのか、単純に興味からの質問だ。

雨見風菜 > 「ええ、重さは感じませんね。
 ただ、液体の方は入る量が決まってるんですが」

ラピス先生の頭を撫でたい衝動を堪えつつ。

「液体をしまうのは雨の日に傘が要らなかったり。
 後は濡れたり汗をかいたときにタオルが要らなかったりしますね」

意外と便利ですよ、と言わんばかりに。
むろん、本来の使用目的は言わない。
っていうか言えるわけがない、ただの変態行為だ。