2020/08/09 のログ
ご案内:「常世公園」に修世 光奈さんが現れました。
■修世 光奈 > 「ええ、と…。うん、こうして、…こう!」
昼間の常世公園。
その端の方で、本を見ながらなにやら身体を動かしている光奈
今日も…『本命』の依頼の手掛かりはやはり名前以外見つけられず。
いくつか、探し物の依頼を終えて。
せっかくだから、と空いている時間を使ってパンチの練習を始める。
「利き手…は右だから、こうして、半身…?ってこうでいいのかな」
古書街で見つけた本を頼りに。
何ともサマになっていない構えを取って。
本当はゆっくりしていたい、という気持ちもあるが。
体を動かしていないと、また不安に身体が満たされてしまいそうだった。
(……うーん。でも、よく考えたら身長差凄いんだよね。こう、若干上を狙うような感じで…)
少しアッパー気味になるが。
きゅ、と右足を軸にストレートを繰り出す。
何度も、何度も。
仮想の…大きな相手を、思いっきり殴るために。
■修世 光奈 > 「あ、そっか。無理に顔じゃなくてもいっか…」
顔を狙いにくくてもぼでぃーぶろー、というものがある。
仮想相手の身体は大きいから、逆に其方は狙いやすそうだ。
「…?、うーん、とっ!…、…ちょっと休憩しよ…」
ただ、身体の動かし方はまだぎこちない。
格闘技などまったく経験はないから。
公園におかれた自販機で飲み物を買い…ベンチに座って一息。
日差しが熱い。
早めに切り上げた方がよさそうだ。
ご案内:「常世公園」に『常世仮面』さんが現れました。
■『常世仮面』 > その時、仮面の男が突如少女の前に降り立つ。
仮面の男はベンチで休憩中の少女に、ヘルメットで隠れた顔を向けた。
「一人でトレーニングかい、少女よ。」
赤と黒で彩色された目立つ格好。
ヘルメットの中から漏れ聞こえる声は若く、意外にも背丈は低い。
■修世 光奈 > 「!?」
こういう時。
風紀委員などなら、すぐに臨戦態勢など取れるのだろう。
けれど、一般人少女は固まるしかなかった
目の前に、明らかに戦隊ものっぽい姿の…意外に小さな姿が突然現れたのだから。
「………え、あ、はい。…その……暑くないです?」
元気いっぱい、言いたいことははっきり言う光奈。
まず気になったのがそれだった。
この日差しが照り付ける中、どうにもその恰好は死んでしまいそうに思う。
■『常世仮面』 > 「暑くないぞ?
このスーツは耐熱、耐火機能を備えた戦闘服だからな。」
男は腰に手を宛てると、首を縦に動かした。
よくある質問のようだ。
「それより少女よ。
一人で訓練をしていてもイメージは付きにくかろう。
どうだ、この常世仮面で良ければ胸を貸すが。
まあ、飲み終えた所で返事をくれればいい。」
■修世 光奈 > 「そ、そー…です、か?」
確かに、返ってくる言葉には暑そうな様子はない。
この色んな異能や特殊能力がある島ではあるし、そんな素材があっても不思議ではない。
「えーっと…常世仮面?、………」
一口、こくりと…落ち着くためにペットボトルのスポーツドリンクを飲んでから。
それをベンチに置いて、立ち上がってみる。
(…下級生…かな?からかわれてるわけじゃ…ないよね)
身長差約15㎝ほど。軽く見下ろせるくらいだろう。
まあ小さくても成績優秀であれば上級生の可能性もあるのだが。
「ん、ん。…じゃあ、えっと、お願い…します?」
どうにも距離感を図りかねる。
まだ突然の常世仮面の登場に、少なからず動揺しているらしい。
■『常世仮面』 > 「ちなみに、この島の素材ではないぞ。こっちでいう所の異能だろうな。
俺は外の世界からやってきた。」
仮面の男は少女の考えを見透かしたかのような答えを口にする。
なんてことはない、向けられた反応から予想できただけのことである。
「そう、俺こそがシャドウゴーストの脅威から島を守るために戦っている常世仮面だ!」
両腕を斜めに動かし、大げさなポーズを作る。
仮面の男はこういうが、シャドウゴーストは闇に潜んで動く集団である。
一般には名前すら知られていない存在だろう。
「うむ! ならば全力で掛かってくるがいい。
要望があるのなら俺からも攻撃しよう。
ちなみに俺は遠近両方戦えるタイプだ。」
常世仮面は拳を前に出し、俗に言うファイティングポーズを作る。
相手の動揺などまるで気にしていない。
■修世 光奈 > 「????」
もしかして、何かの遊びに巻き込まれているのでは、と思ってしまう。
そういう素材があったとしても…シャドウゴースト、なんて当然光奈が知るわけもなく。
「全力って…。いいのかなあ」
風紀委員に後で怒られたりしないだろうか。
いや、知り合いは温泉に行っているらしいからすぐに捕まることはないだろうけど。
「あの、パンチの練習なので…えっと――…」
そもそも、光奈の異能は戦闘向きではない。
ただ、とりあえず…かかってこい、と言われれば。
全くサマになっていないファイティングポーズ。
そこから…ハウツー本の通りに。
若干打ち下ろすような形になるが、右ストレートを撃ちこむ。
ただ、光奈は…人を殴る、などということは全く慣れていない。
無意識に加減し、全力とは程遠いパンチだ。
■『常世仮面』 > 「揶揄ってなんぞいないぞ。」
仮面の男は少女の疑問に対し、真っ向勝負で返す。
「この島の組織に怒られると考えているのか?
訓練程度なら学園の生徒も街の人間も普通にしているだろう。」
またもや少女の疑問を一つ一つ潰そうとする仮面。
そして、ストレートが飛んでくると右手を広げて受け止める。
「少女よ、殴り合いを始める前にまずは正しいパンチの打ち方を覚えるべきだ。
俺の頭を殴るにしてもその打ち方は少し手打ちになっていないか?
折角腰は動いているのだからもっと拳に力を入れろ。」
殴り合いの経験がある仮面は相手の躊躇を見抜いたようだ。
両手を広げ、ミット代わりにしてガードをしながら改善点を伝える。
■修世 光奈 > 「あ、うん……それはそうだけど…」
確かに、行ったことは無いが訓練施設もあるという。
そして、戸惑いながらもストレートを打てば。
ぱし、と簡単に受け止められる。
反動で少し、拳が痛む。
これが人を殴るという事か、と新たな感覚を得て。
「手打ち…。拳…」
ぐ、と力を入れてみる。
筋力も、特に鍛えているわけではない、ただの女子の力。
それでも、握りしめることはできる。
「…っ!」
何のためにこんなことをしているのか。
それを思い出し、鬱屈をぶつけるように…常世仮面の…広げられた右手に、また右ストレート
今度は、できる限り思いっきり。
ただ、頑張りすぎたのか少し狙いが逸れ常世仮面の右手を掠るような軌道になる。
■『常世仮面』 > 「なら、問題ないだろう。」
少女のストレートは軽く、スピードもそれほど載っていない。
常世仮面からすれば簡単に受け止めることが出来るレベルだった。
今の所は反撃はせずに受け止めるだけ。
「それと腰をもっと捻ってみることだ。
この辺りは意識すれば今からでも出来るぞ。」
常世仮面の相手の筋量をある程度把握した範囲で改善点を告げる。
どれもすぐに直せる範囲で。
「いいパンチだが慣れていないだけに軌道が不安定だな。
もう少し数をこなせば安定してくるだろう。」
右手で受け止めた衝撃が増し、常世仮面は少女を褒めたたえる。
「所で少女よ、なぜこんなことをしている?
差し支えなければ理由を教えて貰えるか。」
少女のパンチははっきり言えば常人レベル。
護身術ならこれでもいいのだが、目的によっては根本的にメニューを変える必要がありそうだ。
■修世 光奈 > 累計2発目のパンチも、素人そのもの。
全身で作った力がうまく拳まで伝わっていない上にそもそもの…筋力などが足りていない。
「腰…」
それでも、意識して腰を動かして素振り。
捻ってみる、というアドバイス通りに拳と連動させて腰を捻る。
「はい!」
揶揄われているだとか、相手が自分よりも小さいこと…そんなことも段々と気にならなくなってきた。
ただ、常世仮面の手を目標に、撃ちこむ。
その途中。
「目的…、その。どうしても一発、一発だけでいいんです。…本気で殴りたい相手が居て
あ、えと、喧嘩とかじゃないけど。…私が伝えたいことを伝えるにはそれくらいしないとダメ…かなって」
ある人からアドバイスを受けたこともあるが。
光奈自身としても、それくらいしないともう、言葉は届かないと思っている。
「あはは…変な目的だーって言ってくれてだいじょーぶですよ。
別に戦うため―とか、風紀に入りたいとか、そういうわけでもないですし」
もう一発、もう一発。
言葉の合間に…常世仮面の手ではなく、どこか違うところを見るような目に。
それに伴って、やはりまだ簡単に受け止められる程度ではあるけれど、段々狙いも正確になっていき。
■『常世仮面』 > 「いいぞ。
段々とパンチが形になってきた。」
掌に届く衝撃が徐々に鋭くなり、腕や拳の動きもスムーズになる。
威力の載ったパンチになる分、スタミナも減っていくだろうが。
「なるほど、そういう理由か。
それなら今日掴んだ感触を忘れず、練習を繰り返せば問題ないだろう。
ちなみに実際に殴る場所は顔か?」
仮面は少女から目的を聞くと安堵の声を出す。
「いや、これで安心した。
君が物騒な目的の為ならやり方を変えるよう進める所だった。
君は恐らく荒事の類は本来苦手なのだろう。」
常世仮面は掌の位置を少女の要望に合わせて変えていく。
想定している相手を殴る為だけの最適な位置とフォームを覚えてもらうためだ。
■修世 光奈 > 元々、運動自体は苦手ではない。
的確に、悪いところを指示されていけば…徐々にではあるがパンチ、と呼べるものに近づいていく。
「…はい!…結構、大きいんですよ、その人。だから顔はちょっと届かないかなって」
感覚自体は掴んできた。
元々の筋力などはどうしようもない部分ではあるけれど。
それでも、と。
意思を込めて、練習し続ける。
ただ…少しすると流石に息が切れ、一度中断してしまう
「……ヤ、なんです。…本当は。
でも、それくらいしないと…。私と、その人じゃ…色々、違うから
これくらい、やらないと…伝え、られない」
もしかするとそれでもダメかもしれない。
けれど、何でも、できることはやりたい。そんな必死な気持ちが口から漏れる。
「ちょっと、休んで、いいです、か。…はふ…」
炎天下の中、慣れない動きをしたためか。
一度ベンチに置いたスポーツドリンクを飲もうと。
■『常世仮面』 > 「なるほど、なら胸元か腹部を狙うのが妥当かも知れないな。
腹部は上手く急所に当たれば動けなくなるほどにダメージが入る。
ボクシングの試合で見たことは無いか?」
細い腕や身体で繰り出すには限度があるにしても、上達が実感できるレベルのパンチが届く。
少女の飲み込みや要領の良さが伺える良いパンチであった。
息切れ、中断した所で仮面は両手を下す。
少女を気遣う様に顔を覗く。
「事情は知らないが、大変そうだな。
何、あの勢いのパンチなら伝わるだろう。」
威力は兎も角、真剣さは十分だ。
「ああ、遠慮なく休むと良い。
それにパンチ自体は形になっている。
後は数を打つだけで大丈夫だ。
よくやったな。」
少女がドリンクを飲んでいる間、少し離れた所で一人パンチの練習をする常世仮面。
虚空に向かってフック、アッパーを連続で繰り出す。
■修世 光奈 > 「お腹…。覚えとこう…」
ボクシングなどは観ない光奈だが。
有効な部分なのであれば記憶にとどめておく
活用されるかどうかは、その時の状況次第。
「…あはは、ありがとう…えっと、常世仮面…でいいのかな」
目の前の相手が悪い人ではない、ということは十分に伝わってきた。
一見暑そうなスーツも、もしかすると異能の影響で脱ぐのに苦労するのかも、とか思いつつ。
「教え方がうまかったから。後は、私の練習…」
頑張ろうと意気込む。
やる気だけは、もう萎れることはない。
「そういえば、どうして私の練習に付き合ってくれた…の?常世仮面は」
段々と砕けた口調になりながら。
シャドーを繰り返す仮面に声をかける。
■『常世仮面』 > 「ちなみに顎を殴るのも効果的だぞ。
頭蓋を経由して脳震盪を起こすことができる。」
常世仮面は人を殴る経験だけでなく、最低限の知識も持っていた。
少女が殴った場合でも効果的なダメージを与えられる場所を伝える。
「ああ、常世仮面だ。
…よもや、仮面の中身に興味があるのか?」
シャドーボクシングをしながら、少女に顔を向ける。
どうしようかと悩んでいる困惑の色が声に現れている。
「分からなかったらまた教えてやるぞ。
人は教わった事の半分も残らないと言うからな。」
意気込む少女に更にエールを送る。
「助けが必要そうな相手を見かけたら、手を出すのは当たり前のことだろう?」
さも当然と言わんばかりの空気を出している。
■修世 光奈 > 「いや、うーんそこまでは……あはは…」
曖昧に笑いながら聞き流す。
流石に、それが入ってしまうと…話ができなくなってしまう。
あくまで思いを…荒事に慣れていない光奈が殴ることで、想いを伝えようとする思惑なのだから。
「じゃあ…またわからなかったらここで練習するね
…あ、外したくないならいいけど。常世仮面も…えっと、正義を行ってるってやつ…?」
仮面の中身も気になるが。
それよりも…何かと戦っている、という言葉や手助けをするのは当たり前、という言葉に反応する。
「常世仮面は…何のためにそうしてるの?」
気になったことをまた聞いてみる。
方向は全く違えど、光奈がイメージする正義に近い気がしたから。
■『常世仮面』 > 「そうか…なら暴漢に出会った時に試してみると良い。
ノックダウンさせる快感を味わえる。」
余計なことを教えたかと後悔しつつも、実際のフォームを繰り出している。
顎を狙ってのアッパーや、フック。
腰も足も綺麗に動き、慣れていることを伺える動き。
「そうだな、見かけたら声を掛けよう。
どっちでもいいんだが、外したら色々と変わってしまうからな。」
別に正体を秘匿しているわけではないが、一番に性格が変わってしまう。
できればこのまま外さずに済ませてしまいたい。
「そうだな…困っている相手を見つけると自然とそうしてしまうからと言った所だな。
それより、少女よ。
なぜそんなことを聞く?」
シャドーボクシングを止め、隣に座る。
仮面の男の呼吸に乱れはなく、体力的にはまだまだ余裕がありそうだ。
■修世 光奈 > 自分とは違う、綺麗とも言える動き。
身体が本当に一つの目的に向かって動いているような光景だ。
思わず、ぉぉ、と小さく声が漏れる。
「そういうことなら、そのままで。最初はびっくりしただけだし…」
いきなり目の前に現れたものだから、驚いてしまったが。
特に変なこともしてこないので、警戒はとっくに解いている。
そうなれば、話し方もより光奈が話しやすい口調に変わっていく。
「…ただ単にえーと…。色々聞きたいなってだけで。
ほら、そういうのって人によって理由が違うでしょ」
色々聞きたいのは、本当だ。
どこかに…目的の人物と共通したり、あるいは別の方向からアプローチできるヒントがあるかもしれないと。
「よっし、ありがとう、常世仮面。もうちょっと練習して帰ろうかな!」
はふ、と息を整え、立ち上がれば。
同じようにシャドーを始める。
■『常世仮面』 > 「俺も学園の生徒だからな。
そのうち会うこともあるだろう。」
隣に腰掛け、膝に両手を載せた状態でじっと少女の言葉に耳を傾ける。
「そうだな。
俺のことで多少なりとも少女の参考になればいいのだが。」
聞かれることなら大抵のことは教えるだろう。
が、今日の所はここまでのようだ。
目の前で少女が練習を始めると、仮面もゆっくりと立ち上がる。
少女から少し離れた所で突然、オフロードバイクを取り出し。
その上に跨る。
「さらばだ。 また会おう!」
エンジン音を吹かせ、常世仮面は風のように去って行く。
ご案内:「常世公園」から『常世仮面』さんが去りました。
ご案内:「常世公園」から修世 光奈さんが去りました。