2020/08/14 のログ
■芥芽ある > 「500円……なんて絶妙な金額…… やるわね。」
なにがやるわね、なのか。でもちょっと保護者さんのバランス感覚には感心する。
多すぎず少なすぎず。ちょうどいい塩梅のお金だ。言っているとおり、お菓子も買えるしバスにも乗れる。
「うん、そうそう。数字4つで"千"。えっと、おまけね。其の上、数字5つだと"万"。
其の先は、ちょっと変わった感じになるからいずれこの先、になるんじゃないかな?」
10万、100万、1000万。急に繰り上がりの呼び方が変わるのだ。
いや、この賢い少女ならすぐに覚えてしまいそうだけれども、詰め込み教育はよくない。
「……おお」
打てば響く、とはよくいったもの。もしくは、一を聞いて十を知る? まあ言い方は何でも。
本当に、恐ろしいほど賢い子だ。ちょっと危うい気もしないでもないけれど。
ああもう、本当に可愛い……ッ
「そうそう、そんな感じ。それを、もっといろんな形ですぐに計算できるようにするのが、掛け算。
2個のお菓子が3袋、とか。15個のお菓子を15袋、とかね? 」
あえて、コインで計算しづらい例を出して先の課題としておこう。
「それで、これが出来るようになると大きな数字にすぐたどりつけるようになるわ。
そうしたら、星の大きさの数字にもたどり着ける。にーなちゃんなら、きっとすぐ。
……結局、イメージはわかないかもしれないけれど。」
なにしろ、10×10は100。100×10で、もう1000だ。
この子なら、100×100、とかもすぐにたどり着くのではないだろうか。
そうなったら10000までたどり着いてしまう。そして、其の先も。
■227番 > 500円で買えないや手近な場所で買えないものはまた別で頼んだりするのだ。
「4つで千……その上が、まん……」
確か、これは聞いたことはある。千の上だったのか。
その先も、星の事を知るのに必要なのであれば、きっとすぐに覚えようとするだろうし、
あっという間に身につけてしまうのだろう。
「合ってた。
2個が3つ?15個が15個……?」
嬉しそうに目を細め、続くものも考えようとするが、それは遮られた。
「……すぐに……大きな数字……そっか。
ありがと、ある先生」
笑顔で小さく頭を提げた。
数字を理解しても、長さとか距離の概念を学ぶ必要がある。
まだ近い、遠いという感覚的な認識だ。
もちろんそれも前述の通り、あっという間になるのだろう。
■芥芽ある > 「うん、よくできました。そうね。2個が3個、とか。15個が15個、とかは……後々の課題かな?
ちょっとだけ近道を言っておくと……
1個が1個から、9個まで。2個が1個から9個まで。これをどんどん増やして、9個が9個まで。
それを少しずつ考えて、更にその先に進んでいくといいわ。」
いわゆる、九九である。本当はもっと色々教えたいけれど……薄暗いこの場所で、勉強会はちょっと相応しくない。
必要なら、今度じっくり教えてもいい。なにしろ先生だ。
教えを求める生徒に教えずして何になろうか。
「今度会う時が楽しみね。ああ、そうだ。あと、肝心なこと。あなたなら知っているかもしれないけれど。」
えへん、とちょっと厳しくしよう。先生には時として威厳が必要なのだ。
……この小娘に威厳があるかどうかはちょっと不明だけれども。うるさいな!カッコつけたいときだってあるよ!
先生だって人間なんだから!
「あなたは、とても賢くて素敵な子。でも、まだまだ"知らない"、"できない"もいっぱいあると思うわ。
でも"知らない"、"できない"は恥ずかしいことではない。だから、これからも色々聞いて学んでね?
そのために、私たち先生がいるんだから。これからも色々お勉強しようね、にーなちゃん。」
これは本当の気持ち。どうも生徒というものは聞くことを恥ずかしがる傾向にある。
知らない、できない、なんて当たり前の話なのに。もっともっと頼ってほしい。
……相談室がパンパンになったら……うん、ちょっと考えましょうね?
「うふふ、どういたしまして。」
ありがと!ありがとだって、もう、この子かわいいいいいいいいいいいいいいい!!!
ちょっともう持ち帰っていいかしら。ていく!ていくあうとっ!! 私がアウトだ!?
……おほん。
「じゃあ、もう遅いから。そろそろ帰りましょうか?
ふふ、次までに一杯、色々勉強してみてね。にーなちゃん」
にこにことにこにこと、スマイルスマイル。ある先生はとても満足です。
■227番 > 「1が1個から、9が9個……わかった。おぼえる」
素直に頷く。知ればできることが増える。
これまでも沢山経験してきたのだから、よく分かる。
「肝心なこと?」
続く言葉をおとなしく聞く。
「……うん。わからないことは、人に頼る。
教えてもらったから、大丈夫」
真剣な面持ちで頷いた。
少なくともしばらくの間は、止まってしまう心配は無いだろう。
まぁ、そもそも227は羞恥を未だ持っていないわけだが……。
「もう、そんな時間……?
じゃあ、わたし、もうちょっと、星、見てから、帰る」
遅いと言われれば、はっとして。結構寝ていたのかも知れない。
心配させるわけにはいかないが、それはそれとして、星を見に来たのだから、
一度じっくりと見てから帰りたいのだ。
■芥芽ある > 「よいお返事です。先生は大変に満足しました。」
あ、思わず本音が。
うん、この子は大丈夫。好奇心も向上心もいっぱいだ。
……優秀すぎておかしくなってしまった数学者がかつていたそうだけれど。
いやいやいやいやいやいや、なんでここでそう不穏な発想をするかな私!?
大人しく気持ちよく見送ろうよ!!
「ん。んー……それは、ちょっと……んんんー……」
まだ星を見ていく、かあ……考えてみれば余計な脱線をしたの私なのよね。
それなら、無理に帰すのはかわいそう。
わかった、それなら大人の責任ね。
せめて、一緒に黙って星を見ましょう。
「わかった。にーなちゃんが満足するまで、先生も一緒に星を見ます。
満足したら、ちゃんと帰りなさいね?」
そういって、ゆったりとベンチに腰を掛け直した。
余計なお話をしないで、ただ見るだけそんなに時間もかからないだろうし大丈夫大丈夫。
■227番 > 「……わかった。じゃあ、すぐ、済ませる……」
待ってもらえるのなら、素早く済ませよう。
やることは単純。覚えた星の確認だ。
星空を見上げて、じっと見た後、殆ど迷わずに指を差し。
「デネブ、アルタイル、ベガ、アークトゥルス、アンタレス、アルビレオ、スピカ……」
次々と手を動かして、名前を呟いていく。
10個ほど言ったところで、満足したようで。
「もう、大丈夫」
改めて、先生の方に向き直る。
■芥芽ある > 「……」
おお、星の名前だ。大体の定番どころを抑えているのは流石ね
うーん、やっぱり勉強熱心だ。
……今度、北斗七星とかの話でもしてあげようかな?
星の動きに気づいて関心をと寄せる子なら、きっと面白いはず。
でも今は我慢我慢。余計なことを言ったらまた遅くなってしまう。
もしかしたら、私以外の誰かが教えてくれるかもしれないし。
それは次の時までのお楽しみね。
「ん、よかった。じゃあ帰りましょ。
よかったら送るわよ?」
そこは大人の余裕。特に余計なことは言わない。
ただ、ちゃんと帰りましょう。それだけ。
……ちょっとおててつないで帰ることに憧れたりなんてしてないんだから!
■227番 > 次々と星空を指差すのに、ある星は触れなかった。
北の空で一番目立つ星であるのに、名前を知らなかったから。
「……じゃあ、お願い」
送ってもらえると言われれば、先生は甘えて良いものだと知っているので。
ひょいっとベンチから立ち上がり、思惑を知ってか知らずか、そちらに手を差し出した。
■芥芽ある > 「うん、じゃあ行きましょうね。
お家はどこ?」
手を差し出してきたあああああああああああああああああああああ!!!!
これは合法!合法です!大丈夫、OK。Yesだね!
いや、この子本当に癒やしだわ……うん。
だから、先生から少しだけお返ししましょう。
「じゃあ、一緒に帰るついでに一つだけ覚えて帰りましょう。
あれ。あそこに光る目立つ星。
あれは北極星。北にあって、ずっと見られるお星さまよ?」
帰り道、手をつないで歩いてちょっと内心興奮はしているけれど私は先生。
指差し確認で、大事なお星さまを教えながら帰りましょう。
■227番 > 「家、あっち」
しっかりと手を握って、歩き出す。
道に迷うことはないだろう。
それほど距離がないところに住んでいるようだ。
「ほっきょくせい……」
新しい星の名前を教えてもらって、おお、と嬉しそうな顔をした。
じっと星空をみたあと、また「ありがとう」と礼を言う。
しかし……何か引っかかる。何か大事なことを忘れているような。
今日は帰るのだから、また今度誰かに詳しいことを聞いてみよう。
こうして新しい出会いを経て、今日の星見は終わるのだった。
■芥芽ある > 「うん、割と大事な星だから覚えていて損はないわ。」
むしろなんで誰も教えてないのだろう……
いや、まさか教えちゃダメ……なんてこと、ないよね?
ちょっと一抹の不安を覚えたけれど、うあああ、もう女は度胸、ある先生も度胸!
突き進むだけよ!
……と思ったら、目的地は案外近く、なにごとも起こらず、拍子抜けしてしまったことだろう。
今日も星はきれいに輝いていましたとさ。
ご案内:「常世公園」から227番さんが去りました。
ご案内:「常世公園」から芥芽あるさんが去りました。