2020/08/21 のログ
アーテル > 「………はい?」

うち来なよ。
という言葉が、耳に入って抜けてった顔。
なんというか、現実味のない言葉を聞いたような気がする。
そんな合間にひょいと持ち上げられたら、逃げる余地はもうないわけで。

「いや、あの。待って、ちょっと待て、待とう。
 いや俺ってばアーテルってんだけど、うち来なよってなんだ?!
 おまえっ、おまえーッッ!まさか俺を連れてく気じゃあなかろうなー!?」

こんなめたくそに喋る猫をどうしておうちに連れて行こうとするのか。
間違いなくまともな猫じゃねえだろと、自分でも思うのに。
まさかと思うけど、という言葉を枕詞に聞いてみた。

織機 雪兎 >  
「うん? いや文字通りうち来なよ」

廃屋なんかにいるよりずっといい。
屋根はちゃんとあるし、夏涼しくて冬は暖かいぞ。
餌だって出すし、そちらにとっても悪い話じゃないと思うのだが?

「あーてるくんねー。大丈夫大丈夫、君一人養う分ぐらいの余裕は――余裕は、うん」

ま、大丈夫でしょう。
なんとかなるなる。
喋るネコチャァンを肩に担ぐように抱っこし、ずんこずんこ寮へ歩いていく。
その姿は人さらいならぬ猫さらいであった。

アーテル > 「はっ?!
 いや、まって、マジで言ってんのか?!」

あ。だめだこれ、逃げられない。
担がれたまま変身を解こうものならこの子がタダじゃすまない。
そんな非人道的なことをする気はない、なんだかんだニンゲンには優しいヒトデナシ。

「あーっ!やだあああっ!!
 猫攫いッ!猫攫いいいいい!!!」

そんな悲痛な鳴き声がにゃーにゃー響いていたそうな。
可哀想なことに、気にかけてくれる人は現れなかったらしいが。

織機 雪兎 >  
そうして。
寮について最初にやったことは、彼を部屋のお風呂で徹底的に洗うことだったりするのだが、それはまた別のお話――

ご案内:「常世公園」から織機 雪兎さんが去りました。
ご案内:「常世公園」からアーテルさんが去りました。