2020/09/02 のログ
ご案内:「常世公園」にアーテルさんが現れました。
アーテル > 猫です。どう見ても猫です。
今日は常世公園でぐったりしていました。

季節は巡って秋が到来する時期ではあるものの、未だに残暑が夏の余韻を感じさせる。
とはいえ僅かにマシになったものだから、仮宿主の眼を忍んで夜のおさんぽにやってきたのだ。
遊具の上で僅かばかりの夜風に当たるのが、熱気の中に一時の清涼感を感じられて気分がいい。

今日くらいは猫の姿でいようか、面倒くさいし…なんて思ったりする一方で、
その場で寝そべりながら、尻尾がたしたしと手持無沙汰さを表すように揺れていた。

ご案内:「常世公園」にアーテルさんが現れました。
ご案内:「常世公園」にアーテルさんが現れました。
ご案内:「常世公園」に藤巳陽菜さんが現れました。
ご案内:「常世公園」から藤巳陽菜さんが去りました。
ご案内:「常世公園」に藤巳陽菜さんが現れました。
藤巳陽菜 > 猫だ、猫がいる。
猫が遊具の上で寝そべってる……とてもかわいい。

そっと…そっと近づいていく。
音を出さずに近づくにはこの身体は便利だ。

「かわいい……。」

……とりあえずスマホで写真をとる。
パシャパシャと何枚も。

アーテル > 「…………。」

なんか気配するなー……と、思った。
なんてことはない野性の勘というやつだ。
それに委ねてきょろりと辺りを見回すと……

「……にゃぁ。」

おお。下半身が蛇の女性だ。ラミア、とでもいうのだろうか?
ひとまず猫らしく一鳴きしてから、じぃーっと興味深そうにその身体を眺めてみた。
その様子、どこにも彼女に対して怯えや恐怖といった感情は見られない。

藤巳陽菜 > 「この子逃げないの…?」

この異能が発現してから出会う猫、出会う猫、全てが陽菜に対して警戒心を露わにして逃げていく。
理由については分からないが何故か猫に避けられていた…猫が好きな陽菜にとってはかなりつらい状態である。

辺りを見回して他に人影がない事を確認すると……。

「……君はいい子だにゃあ。私がこわくないんですかにゃ?」

猫に話しかける。
周りには誰もいない事は確認できている。心配はない。

アーテル > 「………。」

ああ、なんということだろう。既にこの女性、猫なで声でこちらに話しかけている。
自分が人語を解せると聞けば、とてもしょんぼりさせてしまう気がしたものだから。
しょうがない、ここはまごうことなき猫ムーヴでお相手するしかないか…
なんて、そのつぶらな瞳の裏で彼女に同情を覚えていたなんて誰が想像しえようか。

「んなぁーん。」

遊具の上で、するりと立ち上がる。
彼女の方へと、二歩、三歩。しなやかな動きで近づくと、淑やかにお座り。
顔を見上げるようにして、また一鳴き。その質問に、答えるように。

藤巳陽菜 > 「返事してくれた!?……賢いねぇ君はすごく賢い猫だにゃあ。」

相手がもし実際に喋れる猫だと知ったら陽菜はのたうち回るだろう……。
恥ずかしさのあまり2,3日は家から出てこないかもしれない。
その平穏が相手の気遣いの上に成り立っていることを陽菜は知らない。

「本当に賢いね君は……久しぶりに猫こんなに近くでみたわ……。」

叶うなら頭をなでようとする。

アーテル > 「………にゃぁー。」

目を瞑り、尻尾でゆらりと空を切る。
猫という存在で人間と関わり続けることで得た、必殺の悩殺ポーズだ。
何故なら褒めてくれること自体は悪い気はしないから。それが一般の猫基準とはいえ。

「……んぅう。」

鼻から抜けるような、くぐもった声が出る。
目を瞑ったまま、その頭を撫でられて。逃げるつもりなんて、もちろんない。
目の前の女性は猫に飢えている。ならば、それを埋めてあげられる余裕があるなら応えてあげるが世の情けだろう。
猫は彼女の希望に答えようと、頭をすりすりと掌に擦り付けてみた。

藤巳陽菜 > 「可愛い!!!!」

賢くて可愛い。
天才?天才猫?スマホでカシャカシャと写真を撮り続ける。
めちゃくちゃ可愛い!!

「はわわわわわわわわ。」

手に手にすり寄って来てる……。
可愛い…自分の可愛さを分かった動きだ……小悪魔…。
小悪魔猫……。

アーテル > 「…………。」

すりすりしながら、時折じぃ~……っと首を傾げ気味に見上げてみる。

どうだ、これがあざといポーズだ。
写真めっちゃ取られてるけど今日は許そう。
彼女の猫に対する飢えを、自分が解消させてあげるのも一興だ。
さあ、もっと猫に溺れるといい。

「………にゃぁ~ん。」

そんなことを考えてるとは思いもしないだろう表情で、文字通りの猫なで声を上げた。

藤巳陽菜 > 「いい…いいわ。」

猫は人を狂わせる。
歴史上にも猫で身を持ち崩した人の話には事欠かない。

「本当に可愛い…ウチが猫行けるアパートならこのまま家に連れて帰ってたわ。」

残念なことにペットは禁止…。
家に連れて帰ることは出来ない…。

「私には撫でる事しかできない……。」

…両手でわしゃわしゃと撫でる。

アーテル > 「……んぅ~……」

鼻から抜けるような声が、なんか艶めかしくさえ聞こえるかもしれない。
目を瞑りながらわしゃわしゃ両手で撫でられるのも、割と慣れたことだからどうということはない。
目の前の女性の下半身が蛇のそれであっても、恐怖など覚えるものでもないわけで。リアル怪異に怖いものはない。
そんな彼女から猫を撫でたい触りたいという欲求が見て取れたから、興が乗ったまでなのだ。

「……にゃぅ。」

連れて帰る、と聞いて尻尾がぴこんと揺れたかもしれない。
まあ、その後に続く言葉でゆっくりと下りていったが。
たんまりわしゃわしゃされてもなお、逃げたりする様子は見せない。

藤巳陽菜 > 「ふう……。」

猫分をかなりの量補給することが出来た……。
これで夏休みが終わった後の学生生活もこれから頑張れる。

「なんか元気になった、ありがとうねクロちゃん。」

勝手に名前を付ける。
すごいそのままの名前…クロちゃんて…。

アーテル > 「………。」

どうやら彼女は満足したようだ。
その表情から、どこか艶めいたものさえ感じられる。
そこまで導いたのも自分の協力あってこそだと思うと、いいことをした気分になって尻尾がゆらりと動いた。

「………にゃぁーん。」

クロちゃん。ここでまた新しい名前を得てしまった。
まあ、あまり違和感を持たない名前に聞こえるから、それっぽく言葉を返しておこうか。

「………。」

さて、今日はちょっと気分もいい。
もう少し彼女には変わった反応を見せてもらおうかな、なんて思ったから。
遊具の上からすとんっと、地面に降り立つ。
足音の経たない猫のしなやかな歩きで目指すのは、間違い無く彼女の蛇の部分…

このまま蛇の部分でさえ受け入れる猫というものを、体験させてやろうと考えたのだ。
なんと罪深いことだろうか。

藤巳陽菜 > 「……クロちゃん悪戯したらだめよ。」

蛇の部分に近づいてくる猫をキャッチする。
もしも逃げられなければ割と猫は抱きなれてるので優しく抱くだろう。

……自分の蛇はあまり触れてほしくない部分。
…たとえそれが猫であっても。

「私の尻尾はおもちゃじゃないからねー。」

アーテル > 「んぅ。」

抱きあげられた。それ自体は避けもしない。
だが、なるほど。
出会ってほんの十数分といったところだが、彼女は自分の下半身には良い思い出はないのだろう。
自分が触れる前に、抱き上げられた。触れさせたくないという意志を、そこに感じた気がしたのだ。

「…………。」

優しく抱き上げられた猫は、じぃーっと彼女の眼を捉えている。
綺麗な蒼い瞳で以て、瞬き一つせず。

藤巳陽菜 > 「他の子もクロちゃんみたいに触らせてくれたらいいんだけどね…。」

顔を近づける。
……なんとなく桃みたいな匂いがする。

「……いい子、いい子。」

じっとこちらを見てくる彼の頭を撫でて解放する。

アーテル > 「…………。」

仄かに漂う、桃のような甘い香り。
獣由来なわけがない、彼自身のにおい。
それを嗅ぎ分けられるくらいに近づかれても、暴れたりはしなかった。

「にゃぁー。」

解放されて、また一鳴き。
そろそろ解散の時が近いと、何となく察しているのだろう。
その場でお座りして、ゆらりと尻尾を揺らす様子は、まるでそういう挨拶にさえ思える。

藤巳陽菜 > 「……じゃあまたねクロちゃん。」

名残惜しそうに手を振って公園を後にする。
その一鳴きが挨拶みたいに聞こえて……。

「本当に賢いねクロちゃん……実は全部分かってた?」

最後にそんな風に聞いて公園を去っていくのだった。

アーテル > 「…………。」

その言葉に、尻尾がひと揺れ。
…どういう意図の行動かは、口にはしなかった。
だがその時にほんの僅か、口端が吊り上がったかもしれない。

見送る自分を背にして、彼女は去っていく。
…もう、どれだけ鳴いても声は届かないところまで行ったように見えた頃。

「……ニンゲンを見た目で判断したこたぁねぇが。
 そいつが自分の見た目をどう思ってるか…ってのは、あんまり考えてなかったなぁ。」

そうだ。
好きでその姿をしているわけではない。
…その可能性を見落としていた自分を、少し恥じた。
ともあれ、それを差し引いても、彼女は元気になってくれたら幸いだと思いながら、
その姿が見えなくなるまで視線を送り続けたことだろう。

ご案内:「常世公園」から藤巳陽菜さんが去りました。
ご案内:「常世公園」からアーテルさんが去りました。