2020/09/09 のログ
■オダ・エルネスト >
なるほど、と一言呟いてから
握手した手を離すと
一度、手を顎に当てる。
「はっはっは、中々マセた子だな。
では、どうだろうな?」
悪くない?そうなのか、じゃあ試すか。
暖簾に腕押すように丁寧ではあるが無遠慮に少女の胸に手を伸ばしてみる。
■アストロ >
「よく言われるぅ。ふふ」
うまくペースが握れない。
最初のインパクトからして見たことがないタイプ。
なんなんだこの人は。全く予想ができない。
「どうって……」
遠慮なく伸びてくる手。
マジ?この人どうなってるんだ。
普通ならこんな子供に手を出すのは遠慮するところだろう。
事案だから。事案だよ?なんで?
常世の人は実はこんな人ばっかりなのか?
……煽ったからには払いのけるのもだめだ。
それは負けだ。それは認められない。
じっと見上げたまま。
抵抗はしない。胸は年齢通り文字通り発展途上だ。
■オダ・エルネスト > 「ふむ」
遠慮なく触ろう。
やはり今の胸の大きさは将来の期待。
私は大きいほうが好きだな。 やはり未熟なものより熟れた果実の方が好き。
知ってるだろうか、腐りかけた桃の香りは甘ったるいと。
しかし、未熟なものは甘酸っぱくていいという類のものがあるらしい。
なるほど、確かに。
真剣な眼差しで少女と視線を合わせて言う。
「……君の言いたいことはよく分かった。
こういうのが好きな性癖のものもいるだろうが、
やはり、君の魅力を考えれば早くても四年後、恐らく理想は六年後が私の好みだ。
しかし、この骨の上にわずかに乗る肉が将来に期待が出来ると私の触診では思える。
悪くないぞ。 恥じることはない。 旧時代では胸に貴賎はないと言われていた。
つまり、将来を考えれば君は希望と夢を抱いて過ごせばいい」
もみもみ。
「――夢は、明日にある」
真顔で頷いて、私は同年代くらいがいいなぁと遠回しに言う。
■アストロ >
「っ……」
マジで触ってきた。いや別に触られるのは慣れてるけど。
慣れてるはずなんだけど。なんで?どうしてこうなった?
混乱極まって何も言えなくなってしまった。
相手の姿をじっと見たまま、公衆の場で胸を触られる10代前半の少女。
事案です。事案。
「……」
触っちゃったぁ。いけないんだぁ。って言うつもりだったのに。
この人はめちゃくちゃ真面目に何か語っている。
遠慮なく胸を触りながら。全然頭に入ってこないが……。
これだけ触られて、自分の体には興味ないと言われる。
「そ、そう。ありがとう」
……ああ、私の負けだ。
たまらず目をそらしてしまった。
■オダ・エルネスト >
少し、吃ったような感謝。
そうか。
胸においてた手を肩に置いた。
「すまない、少し無神経だった」
少し頭を下げた。
そうだ、この子だって女の子――女性なのだ。
男の理想とは何時だって女性の欲しい言葉ではない。
これは無神経な男の言葉だった。
「君が魅力的でないわけはない。
それだけは信じてくれ、
私もムキになってしまった。 だから、君はその綺麗な瞳で前を向いている方がいい」
優しげな声で諭す。
な、と優しく声をかけた。
■アストロ >
……これ、もしかして、私怒っていい?
怒っていいよね?怒っちゃおうかな。
「あったりまえでしょ?
貴方がわかんなかっただけなんだから!」
みっともなく声を上げて。
ああ、きっと涙目になっている。
身体強化の魔術も用いて。全力で肩に触れる手を払いのける。
それも通らなければ肩を水化させてすり抜ける。
そうして、池の方へと飛び出し、水面を滑って距離を取る。
「次は負けないから!ばか!あほ!変態!」
負け犬の遠吠え。
■オダ・エルネスト >
少女に払われた手を静かに引っ込めた。
「ああ、未だ分からない。
だから、これからアスティ、君のことを分かっていく」
――女性の涙には、
――私も弱い。
滑っていく少女と並行するのも仲直りにいいかもと思ったけど、
男だって涙は他人に見られたくないよな、と苦笑した。
「次は、何か甘いものでも食べながら話そうか」
遠いはずの男の声は不思議と風にのってきて聞こえる。
魔法使いの領域とはそういうもの。
次か、日付のないデートの誘いと思っておこうか。
■アストロ >
この人のことだから、この程度で逃げられるとは正直思っていない。
声が届くのもきっと力によるものだ。
今はきっと見逃されている。どこまでも負けている。悔しい。
「……当然よ!
ちゃんとわからせてやるんだから」
あれ?なんか違う気がする。
まぁいいや。今日のところはおとなしくしておこう。
「ふん」
甘いものの話も頬を膨らませつつ、そっぽを向く。
「じゃあ、またね!さよなら!」
いつものように"楽しみにしてる"と言えない自分が悲しい。
ちゃぷんと水が小さく撥ねると、少女の姿は見えなくなる。
■オダ・エルネスト >
「はっはっは、楽しみにしてるよ」
軽く手を振って去っていく少女の後ろ姿を眺めた。
見えなくなったところで、立ち上がった。
いつの間にか黒川装丁の本は何処かに消えていて。
「……さーて、食材の買い出しして戻らないとなぁ」
ちょっと寄り道してしまったが、
元気ないい子に出会ったなぁ……―――いい黒魔術師になりそうな子だなぁ、なんて思わず笑みを浮かべた。
ご案内:「常世公園」からオダ・エルネストさんが去りました。
ご案内:「常世公園」からアストロさんが去りました。