2020/09/14 のログ
■宇津篠 照 > 「まあ、できる事ならずっと撫でていたいんだけどね。用事もあるしそろそろ終わりにしないと。」
とろとろに溶けてしまった。ふにーとなっているそれを、少し名残惜しそうではあるがそう言ってもう一度抱えて地面におろす。
「そっか。まあ、次会うことでもあればその時にでも聞くね。」
ポンポンと最後に軽く頭を撫でてから立ち上がる。
何もなければそのまま、それじゃとだけ手を振って、少しすればパッとその場から消えるだろう。
「……ふぅ。名前、結局聞けなかったけどまあ、誰にでも秘密はあるものよね。」
■アーテル > 「ん………帰るのかい?」
すとん、と降ろされる。
流石にその時までふにゃふにゃにはならなかった。
四つ足ですとんっと降り立って。
「………。
ま、名前はまず自分から名乗るもんさ。そしたら考えてやる。」
どうにもそこは譲らないらしい。
ぽんぽん頭を撫でられてから、にやと笑って見送るだろう。
最後まで不思議な能力を使っていたが、まあ…異能の範疇だろう。
お互い、ただのニンゲン、ただの猫には収まらないわけだ。
「………さて。」
彼女がいなくなったその空間を、黒猫はしばらくの間眺めていた。
ご案内:「常世公園」から宇津篠 照さんが去りました。
ご案内:「常世公園」からアーテルさんが去りました。
ご案内:「常世公園」にレオさんが現れました。
■レオ > 疲れた。
兎に角疲れた。
■レオ > 深夜に仕事で出て、そのまま委員会で解毒してもらって傷の手当をして帰ったのが4時。
仮眠をとって6時に起きてご飯を食べて7時に寮を出て学校にいって終わったのが16時
そこから委員会で報告書を書いていたら会議室の掃除を頼まれて終わったのが20時。
眠い。
兎に角眠い。
■レオ > 「あ、公園だぁ…」
疲れながら帰路についたら、帰り道に公園があるのに気が付いた。
こんな所に公園があったんだなぁ…
ベンチがある。少し休憩しよう。体がバキバキだし……
最悪寝てしまっても、学生街だから……まぁ、大丈夫かな
「ふぅー……」
ベンチに腰を下ろす。疲れた体が多少休まる。
瞼がショボショボする。少しだけ眼を瞑ろう。
大丈夫、寝ない範囲で、寝な……
すやぁ…
ご案内:「常世公園」に御白 夕花さんが現れました。
■御白 夕花 >
最近はもう夜の散歩が日課になってきた。行き先は変わらず常世公園。
座って休めるベンチもあって、ちょっとした気分転換にはもってこいだ。
いつものように自販機でお茶を買おうとしたところで、近くのベンチに誰かいるのに気付いた。
「あっ、ご、ごめんなさい。お邪魔でした……か?」
先客がいるとも知らずに近寄ってしまったのを謝ろうとベンチに目を向ける。
そこには男の人が───座ったまま舟を漕いでいた。
咄嗟に口を噤む。けれど、出してしまった声は引っ込められない。
起こしちゃったかな……?
■レオ > すやすや…
眠ってるのは、15,6歳ごろの、ベージュの髪の青年。
頬に絆創膏、指には包帯がグルグル巻きにされてて、手首にはボロボロの水色の布切れが縛ってある。
顔立ちはそこそこ綺麗で、温和な雰囲気と絆創膏や包帯だらけの姿は、どうもアンバランスに見えるかもしれない。
「―――ん、んんぅ…?」
声に気が付き、青年は目を覚ます。
あぁ、寝てたのか…まずいまずい、ちゃんと寮に戻らないと。
もうそろそろ寮で生活初めて1週間になるのに、よくよく考えると2,3日しか返ってないし荷物も全然開けてない。
今日こそは帰ろう。明日から沙羅先輩の仕事のお手伝いもあるし。
「ぁ……すみません(フラァ)ちょっといしきがとんでたみたいで……(フラァ)
おこしてくださって…(フラァ)ありがとう…(フラァ)ござい…(フラァ)」
首がぐわんぐわん揺れる。てっぺんのぴょんと跳ねた髪の気がふわんふわんと揺れる。
■御白 夕花 >
「あっ、起こしちゃった……」
どうしよう、と考えてる間に男の人が起き上がってこっちを見た。
寝癖がぴょこんとなっててちょっと可愛い。
怖い人ではなさそう……だけど、あちこちボロボロだ。
「だ、大丈夫ですか……?」
なんだかフラフラしてるし、心配になって思わず顔色を窺ってしまう。
知らない男の人だから、一応は何をされても対応できるように身構えつつ。
■レオ > 「いえ、ちょっと疲れてて…
大丈夫ですよ、だいじょう…」
フラァァァ…
どんどん後ろに倒れ込んでいく…!!!
■御白 夕花 >
一瞬、地面が傾いたのかと思ったら───傾いてるのはこの人だ。
慌てて後ろ側に回って背中を支えようとする。んぎぎ、重い……!
「ちょっ……し、しっかりしてください! 落ちちゃいますよ!」
寝るならせめて横になってと呼びかける。
なるべく負担の少ない体勢は選んだつもりだけど、腕力は人並みしかない。
このままじゃ二人まとめて潰れちゃう……!
■レオ > 横に…
1:なれる 2:なれない [1d2→2=2]
■レオ > だめでした。
そのまま横になろうとして体を横にしたまま女の子の方に倒れ込んでゆく!!!
■御白 夕花 >
「ひゃあああああっ!?」
■レオ > 「うぅんん……」
ぺしゃぁ
押し倒す形で覆いかぶさってしまう!!
助けて風紀委員ーーーーー!!!!
■御白 夕花 >
奮闘むなしく、男の人の体重を支えきれずに地面へ倒れ込む。
お互いに頭をぶつけないよう受身を取るのが精一杯で、背中を軽く打ち付けてしまった。
「いたた……」
起き上がろうとするけど、男の人が私の上に覆い被さってる状態で。
というか、これってまるで押し倒されてるみたいな───近い近い、いろいろ近いよ!
「ど、どいてください……!」
ぐいぐい。辛うじて動かせる手で押しのけようと、ささやかな抵抗。
■レオ > 「んぐっ…ぅ……」
押しのけようと手で肩を押す。
じわっ…と濡れた感触がする。
それと同時に、呻くような声が漏れる。
濡れた手を見ると、じっとりと赤く染まっている。
「痛っ……て、あ」
そして、青年が痛みで目を覚ます。
目をぱちくりとさせてから
ご案内:「常世公園」からレオさんが去りました。
ご案内:「常世公園」にレオさんが現れました。
■レオ > 「うわぁっ!? あ、ご…ごごごめんなさい!?」
ばっと飛びのいた
■御白 夕花 >
「──────えっ?」
違和感を覚えて手元を確認したら、これは……血だ。
背筋に冷たいものが走るような感覚とは裏腹に、思考は研ぎ澄まされていく。
怪我人、重体? 病院、それより救急車───
今何をするべきか考えを巡らせていると、男の人が叫びながら飛び退いて。
「あっ……よ、良かった。目が覚めたみたいですね」
手を血に染めたままふにゃりと笑う。
量によっては服まで垂れて、白い服に染みを作ってるかもしれない。
■レオ > 「………」
頭が真っ白になっている。
え、どういう状況だ?これ。
仕事が終わって帰ろうとして、公園を見かけて、ベンチで一休みしようと思って、段々眠くなって…
今目の前に知らない女の人がいて、さっきまで多分抱き着いていた。
少し、いい匂いがする。いや、いやいやいやそうじゃなくて。
「……あ」
手が真っ赤に染まっている。そういえば、肩がじんわり痛い。
昨日ナイフで刺された所だ。
あぁ…適当に止血したのが開いたのか。
さっきの痛みはそういう……
彼女の手は真っ赤になっていて、ぽた、ぽた…と白い服に沁みを作っている。
真っ白な服に、真っ赤な血。
「あ、あぁ…!す、すみません!!あ、これ、ハンカチです!
直ぐに拭き取らないと沁みになっちゃいますので…!ほ、本当にすみません…!!」
慌てて何処かに入れていたハンカチを探して、少女に差し出す。
自分の肩が血で真っ赤に染まってるなんてお構いなしだ。うごく度に血の沁みが大きくなっている。
ぴゅっ
肩からなんか飛んでる。
血である。
■御白 夕花 >
「あ、どうも……っていやいやいや!
私のことなんかより、あなたこそ大丈夫ですかっ!?」
ハンカチを受け取ってから、もっと重要な事があるだろうと思い直してツッコミを入れる。
男の人と距離が近かったドキドキとかが一瞬で台無しだ。
相手は傷が開いちゃったみたいで、どんどん服に赤黒い染みを広げていく。
やっぱり救急車とか呼んだ方が……と思った矢先に肩から血が噴き出した。
「うわっ……しゅ、出血が大変なことに……!」
血なんて施設にいた頃に見慣れてしまったし、並列思考もあって冷静に反応しすぎたかもしれない。
もっとこう、悲鳴とか上げる方が普通の反応だったよね、これ。
■レオ > 「え、あ…うわっ!」
ハンカチを渡してからぴゅーっと出てる血に気が付く。
骨まで届いてた傷だから、傷口が開くとこうなるのはまぁ、仕方がない。
とりあえず止血をしなくては。糸も針もないから、布でぐるぐる巻きにするしかない
「すみません…!あ、えーっと…!だ、大丈夫ですので!すぐに止めます!!」
■レオ > そう言いながらおもむろに上着を脱いでシャツのボタンを外していく
■御白 夕花 >
「すぐに止めるって、どうやっ」
脱。
■御白 夕花 > 「ちょっ、な、何してるんですかぁ!?!?!?」
■レオ > 「とりあえず血を止めないといけないので…」
服を脱げば上半身は裸…となるが、腹にもガーゼが貼られ、他にもいくつかの箇所に手当の跡がある。
どれもこれも真新しいものだ。滲んだ血が痛々しい。
血が噴き出していた傷は鋭い刃物で貫かれたような深い傷で、そこから血が溢れているようだ。
それを差し引いてみれば、同年代そうな青年の体は、脂肪が少なく、引き締まった体をしている。
つけられた筋肉のバランスもよく、体を動かすにあたって無駄な所を全部排除したような印象を覚えるだろう。
肉体についた古い傷も、多い。
どれも既に跡だけが残っており、その傷の深さだけを示している。
跡の上に更に跡が重なって、そこに更に跡が重なって不自然に凹んでいる場所すらある。
どんな生活をしたらそんな体になるのだろうか。
そんな感想を覚えるかもしれない。
シャツを脱ぎ、それを両手で持つと
そのままビリィッ!!と破って布を確保する。
長い布をいくつかと、重ね合わせて厚みを作った布を一つ。
血を吸って使い物にならなくなった包帯は外す。
代わりに厚みを作った布を肩の傷口に当てる。
すぐにじんわりと布は赤くなっていく
「すみません、その…よければ布を押さえてもらってもいいですか?」
■御白 夕花 >
いきなり目の前で服を脱ぎ始めたものだから、つい大声を出してしまった。
けれど、彼の体に刻み付けられた傷痕を見れば、騒ぎ立てるような気持ちはスッと引いていく。
異能絡みのトラブルだって珍しくないこの常世島でも、これほどの傷付き方は明らかに"まとも"じゃない。
私の中の苦い記憶が呼び起されて、つい目を背けてしまった。
……いや冷静に考えたら異性の半裸とかまじまじ見るものじゃないか。
「はぇっ、布……ですか? あ、は、はい」
不意に呼び掛けられて、思わず声が裏返っちゃった。恥ずかしい……
頷いて、体重をかける感じで布を押さえた。
■レオ > 「すみません、ありがとうございます…、…っ」
押さえつけられればずきんと痛む。
戦闘の時はアドレナリンが出て気にならないけど、平時じゃこの痛みは少し沁みる。
骨に届いてた傷だから、当然だ。
脱臼もしていたし。
おさえられている間に、長布でそれを固定し縛りあげる。
またさっきみたいに動かないように、しっかりと固定する。
出血はとりあえず止まった。
あとは道具を揃えて自分でやるか、後日治療してもらおう。
そうして応急手当は、なんとか終わる。
「……すみません、急に色々と……ご迷惑をおかけしてしまって…
あの、服とか弁償しますね…?」
真っ白な少女についた自分の血を、申し訳なさそうに見ながら財布を取り出す。
ぬすまれて新しいのを買ったばかりだ。お金もそんなに入ってはないけれど。
でも、弁償しなくては申し訳が立たない。
■御白 夕花 >
「………………」
急に暴れたり、襲い掛かってくるような様子はない。
事情は聞いたりせず、ただじっと止血の手伝いに徹する。
やがて応急処置が終われば、ゆっくりと離れた。
「い、いえ。大変そうでしたから……
そんな弁償なんて! 私、寮なので洗えばまだ落とせると思いますし」
砂やら血やらでだいぶ汚れちゃったけど、事故みたいなものだし。
そこまでしてもらうわけには、と首と手を一緒にぶんぶん振る。
■レオ > 「い、いえそのっ、そういう訳にも…!
あ、えーっと、ほら、白い服って汚れ取れにくいですし…!」
出します、出します…!と弁償するといって退かない。
「…それに、あ…そ、そう!
僕、風紀委員なのでっ! お金に関しては、人より余裕ある方だと思いますので…!」
見栄を張った。
実は今月の残金はもうぜんぜんない。
財布を盗まれたので。
すっからかんなのだ。
■御白 夕花 >
お互い遠慮に遠慮をぶつけ合う、ぺこぺこ合戦。なんだこれ。
とはいえ、お金が絡んでくる話となったら簡単に折れるわけにもいかない。
「風紀……あっ、だからそんなにケガして……?」
風紀委員にも色々な部署がある。
中には落第街なんかの物騒な場所に出向いたりする人達もいるから、それが大怪我の理由だと考えた。
私も短期間とはいえ風紀の一員だったから、その辺りの事情は分かるつもり。
「わ、私も風紀委員から補助金が出てるので大丈夫です」
保護下にある、とは言えないけれど。
■レオ > 「え、あ……まあ、ちょっと…仕事でですね」
ケガの事を言われると、少し苦笑する。
まぁ、肩は兎も角他はかすり傷みたいなものなので、放っておけば治りますなんて言いながら。
傷は慣れてるし、別に辛くはない。
「風紀で補助金…?」
そんな制度が…?と少し訝しんだ。
風紀は警察組織だ。生活委員会なら兎も角風紀委員からの補助金というのはあまり思いつかない。
とはいえ、警察組織というのは”外でいう”なので、そういうのもあるのかもしれない。
まだ日が浅いのでそこまで詳しくもないのだ。
「ああいえっ、でも…その、傷の手当手伝ってもらって、それに……えっと……その…」
言っていて、その前の事を思い出す。
目が覚めたら、自分の眼前に彼女がいた。
自分が覆いかぶさってて、彼女が自分の血で濡れてた。
「‥‥…そういえば、一体どんな状況だったんでしょうか…?」
素朴な疑問。
何かやらかしてるのでは?
■御白 夕花 >
「ま、まぁその、心配ないってことです。はい」
変に深掘りされてうっかり来歴を話しちゃっても困る。
とにかく大丈夫ということを伝えたところで別の話題が飛んできた。
「えっと、公園に来たらあなたが寝てて……
起こしちゃったと思ったんですけど、まだ眠かったみたいで、こっちに倒れてきちゃって」
こんな時に嘘を吹き込んでもしょうがない。正直に話した。
■レオ > 「…」
「‥‥‥‥‥」
「……………………………」
■レオ > 「や、やっぱりお金出させてください…!!!!」
財布からお金を取り出す。
今月の(少ない)生活費をつかみ取る。
ゆ〇ち…!!
バイバイ…!!
■御白 夕花 > 「お金はいいって言ってるでしょぉ───っ!!」
■レオ > 「いえ! ここまで迷惑をおかけして何もしないなんて自分が許せないので…!!!」
ぎりぎりぎりぎり
■御白 夕花 > 「ここで受け取ったら、こう……危ないです! 色々と!!!!」
ぎりぎりぎりぎり...
■レオ > ぜぇ、はぁ……
互いに譲らずに一進一退が続く…
息が上がる。くらくらしてきた…
「と、兎に角、弁償しますので……、……あぇ?」
よくよく考えたら昨日から働き詰めで、寝不足で、なにより今さっき結構な出血をしたところだった。
興奮して保つ体はしておらず…
ぱたん。
■御白 夕花 >
「ぜぇ、ぜぇ……」
慣れない大声を繰り返して息が上がってくる。
普通に考えて力負けしそうな相手なのに拮抗できるのが不思議だったけど、その理由はすぐに分かった。
ふっ、と脱力して膝から崩れ落ちる男の人。そういえば、この人ケガしてるんだった!
「あわわ、しっかりしてくださ───いっ!」
慌てて救急車を呼ぶ。風紀委員なら大きなところで治療してもらえるはず。
そういえば、名前聞いてなかったな……
■レオ > 「あ、救急車は、大丈夫なので…食べて寝れば回復するので…」
キュウキュウシャ、レオ、キライ。
そんな病院につれてかれる犬のような事を言いながら、救急車を拒否る。すごい拒否る。
「兎も角、お詫びをさせてください…
お詫びできないと…
死ぬ…」
洒落になっていない。
■御白 夕花 >
「今まさに死にかけてるんですよっ!?」
救急車キライとか言ってる場合じゃない。問答無用で119番。
このままじゃ救急車を通り越して霊柩車コースだ。
「お詫びだったら、また今度……元気になったらでいいですから!
えっと、名前を教えてもらえますか?」
これは別に約束のためとかじゃなくて、救急隊員に伝えるための質問。
程なくして救急車が到着し、レオさんと名乗った男の人は屈強な救急隊員に両脇を抱えられて病院へ搬送されていった。
「………………帰ろう……」
なんか、どっと疲れた。
■レオ > 「ぅー…」
病院で治療を受けるのが、というより端的に言うと注射が絶望的に苦手なのだ。
あと、沙羅先輩に心配をかけそうなので、出来るだけ行きたくなかった。
動かぬ体で抵抗の意思を見せた。けど、無理と悟って大人しくなった。
名前は名乗った。最後は個人的な事情で振り回してしまった。
…絶対に後でお詫びをしよう。
そう思いながら、静かにレオを乗せた救急車は走っていく…
ご案内:「常世公園」からレオさんが去りました。
ご案内:「常世公園」から御白 夕花さんが去りました。