2020/10/10 のログ
ご案内:「常世公園」に火光雷鳥さんが現れました。
火光雷鳥 > 本日のバイトは急な事情で午前様。丸々時間が空いてしまったので街を適当にフラついていたが…。

「うーん、余暇の過ごし方とかってあんまり考えた事無かったよなぁ」

勉学――いや、まぁ勉学は大事だけど休日に机に齧り付きたくない。
遊び――ぼっちにどうしろというんだ畜生!!
家事――あ、洗濯物溜まってた気がする――帰ってからでいいな!

…結局、最近はもうこれが趣味になりつつある気がしないでもない街の散策だ。
とはいえ、危険な場所に進んで出向く程に大胆でも無謀でもないので、安全な地域に限定されるが。
今は何度か足を運んで割と慣れ親しんだ常世公園で一休み中、といった所だ。

「地理も多少なり覚えてきたけど、やっぱこの島は本土とは色々違うんだよなぁ」

カルチャーショック?まぁ、よく分からないけどそんな感じだろうか。
左腕を軽く見遣る。あれだけの火傷がもう痕跡すらない…医療も凄いなこの島。
公園のベンチの一つに座り込みつつ、ゆっくりと吐息…まだ島に来て一ヶ月ちょい。
慣れるにはまだまだ掛かりそうだ――と、いうかやっていけるのかこのまま。

火光雷鳥 > 「――っていうか、もっと友達増やさないとあかん気がするぞ俺…!」

ぼっち(*思い込み)脱却の為にも男女問わずダチを増やしていかないと俺の学園生活が灰色だ!
…あ、いやでも友達ってどうやったら増えるんだろうか?普通に話してて仲良くなれたらダチでいいんだろうか?

「いや、でもなぁ…この島の流行とか知らないし、話題に乗れるかわかんねーし…。」

何人か知人も出来たし、友人、も出来た気はするが…いや待て、出会ったの美少女ばかりじゃないか?

「――おっそろしいなこの島…女子の容姿偏差率高すぎね?」

じゃあ男子はイケメンばかりという可能性も…あ、いやバイト先の上司とかイケメンとか多い気がする。
―――不公平だ!!俺にももうちょっと顔面偏差値とか下さいよ神様!!

と、一人ベンチで座り込みながら悶絶するのは周囲から見たら奇人変人の類だろうか?島では珍しくもないかもしれない…。

「…頑張って友達増やそう…せめて一般男子レベルの交友率は確保したい…。」

ご案内:「常世公園」に御幣島埜瀞さんが現れました。
火光雷鳥 > 「あ、いやいや俺は一般男子生徒の筈だ。うん、そうに違いない!能力チンケだし魔術さっぱりだし、運動は人並みだし…勉強…も…。」

あ、やべぇ自分で言ってて悲しくなってきたぞこれ。
そういえば異能制御学と魔術理論の小テストで赤点取ってしまったから追試もある…。

「……常世島の凡人基準ってどのくらいなんだろうな…。」

いきなりダウナーになった。忙しい男である。だって周りすげぇのしか居なそうだし。
いや、別に強さ競うとかそういうのは興味無いし、争いなんて喧嘩レベルがせいぜいだ。
けど、聞いた話だとこの島は転移荒野?とか落第街?という物騒な地帯もあるらしい。

――いや、常世島初心者の俺が言うのもなんだけど、この島結構ぶっ飛んでね?…今更か!!

「はぁ~~あ…考える事が多すぎてわっかんねー…。」

別にメンタル強者でもお気楽思考でもないのだ。色々悩むことも多い。ベンチに背中を預けてぼんやり空を見上げる。

御幣島埜瀞 > 地図が表示された耐衝撃の施されたタブレットを片手に公園をうろついていた。
この辺か?違うなこれ、と呟きつつも地図と辺りの様子を見ながら視線を泳がせていたら
とあるベンチに一人腰かけて悶絶していた男子を発見。
悶絶しているのは体調が悪いのかと思いきや急に身を起してベンチに背中を預けてぼんやりしだしたから
やはり妙に気がかりになって小走りに彼がいるベンチに向かいそして。

「汝 いづこか心身の調子や悪しき?」

言葉が少々古そうなものを口にして少し?心配そうに火光氏へと声をかけて様子を窺う。

火光雷鳥 > 「――はい?」

いきなり聞き慣れない古風な口調で話し掛けられた気がした。
流石に我に返ってそちらを見る――何か和の装束の美人さんが居た。……え、俺!?

「あ、いやー体調は別に問題無いっすよ?もしかして俺、何かご迷惑お掛け…しまし…た…か?」

その服装と容姿に真っ先に目が行って見落としていたが、彼女が身に付けている風紀の腕章に気付いて動きが止まる。

――風紀委員会…公安委員会と並ぶ、この島の警察機構みたいなもの。つまり本土でいう警察。
…え、職務質問みたいなものかこれ!?俺、何かやらかした!?身に覚え無いんだけど!!

「あのーー…もしかして風紀委員会の方です…か?」

あ、俺すっげぇ緊張してる。警察に話し掛けられると少なくとも俺は緊張する。
自分から挙動不審になっている気はするが仕方ないだろう。俺一般生徒だし!

御幣島埜瀞 > 「ふむ、返答はまともになありそ」

ほぼ古典国語とかいう授業で出てきそうな言葉を使い、
相手という相手をほぼ困惑させ続けている女、それが御幣島埜瀞という存在。

「一人長椅子に腰掛け、悶絶し挙句には空見上げ呆然とする、
 これを正常とみるか否か?否、異常と視るが条理ぞ?」

風紀委員会の中でもちょっと変わり種な霊的予防係という部署にいる委員なのだけど、
腕章は風紀委員会の腕章をつけている。紛らわしいが委員会の中でも変わり種の部署にいます。
職務質問レベルはあいにく低い、低すぎて職質としてはひどい代物、だれか本職の委員を連れてきた方がまともな。

「うん、風紀委員会の者なれど、それが何かびんなきことやある?
 視線が何やら泳いでおるな、妖しきなりや。」

警察とは少し違う風貌、頑張って何から落ち込んでいた気がするので声をかけただけなのに、
彼は何か緊張しているっぽい、じりじりと彼が引けば一歩踏み出すそんな感じの女。

火光雷鳥 > 「あ、はい。まぁ、その、別に精神がぶっ飛んでる訳じゃないので…。」

むしろぶっ飛んでたらとっくに俺みたいなのは風紀に捕まって独房にぶち込まれているんじゃないだろうか?
とはいえ、風紀…警察…やっぱり緊張するし苦手意識が強い。
別に、彼女達の何が悪い、とかは無いしむしろ島の治安を守ってくれてる有り難い人達だ。

(だけど、それはそれこれはこれ!苦手なもんは苦手なんだよ人間なんだし!!)

あと、古風な口調は聞き慣れないので彼女の言葉を直ぐに把握するのは難しかったが、頑張って脳内翻訳。
…おかしいな、俺も相手さんも日本人だと思うんだけど、何で英語の勉強をしてる気分になるんだろうか。

「いや、その…なんと言うか…ほら、風紀ってアレっすよね?この島の警察みたいなもんでしょ?
そういう人に話しかけられたら、緊張するというか何と言うか…あ!俺は別に不審者じゃないんで!!」

傍から見たら怪しいかもしれないが、ただ独り言呟いて悶絶してただけ――駄目じゃん!?

(えーと、どうすりゃいんだこの場合!?やばい、風紀の人と接触するの初めてだから分からん!!)

脳内パニックになりつつあるが、頑張って愛想笑い…あ、駄目だ何か引きつり笑いになってるのが自分でも分かる。
そもそも、島に来てたかが1ヶ月で本土では割と普通に暮らしていた身分だ。
警察みたいな組織の人に話しかけられて緊張するな、というのは…いや、頑張らないと相手に失礼だ!

「えーと、その…ぱ、パトロール中かなんかですか?」

駄目だ、声がもろに緊張している。普通に話せる自信が無くなって来た!けど頑張るしかない。

御幣島埜瀞 > 「精神が爆散したらずはそはさてよし。集積するがゆゆしかりき」

爆散しておりもしも散ってたらそれをかき集めて再構築するのが大変だった。
風紀にスカウトなり何かしらの委員会に立候補なりしたのは、
この身に宿る異能なり能力なりが多少なりとも役に立つまいか?だった。
夜な夜ななり、世の中の影なり縁の下でこそこそと活動するのは得意だった。

口調は古いが中身まで古い事はなく、異邦人に近くて元の世界が数百年前ならこうなる。
現代言語ではなく生のその時代その時代の言語を使うのは不自然でも何でもない。
ただし翻訳魔法を使うと多少なり変換されるはずなのに魔法が負けているらしい。

「公安のほうが言葉の響き的に警察公安ではあるまいか?
 警察の前に我 不審者と名乗るをこはあらずと思へど、さる正直者の不審者はあらず。」

正直に「不審者でーす」をなのる阿呆は見た事がないと言葉を返す。
心配そうな顔というよりもはやそれを通り越した呆れた様な顔だったが彼から視線をそらしていない。

(こやつ不審者ではなくただの小心者であるな。恐らくなぁ。)

心の内は大分 緊張度が増していくような感じが滲む彼を見下ろしている。
警察とは違い委員会なのでそんな大それた権限なぞない末端の委員なので職質は出来るがそれ以上はない。
質問を投げかけられたので うん?と片眉を上げたかと思うと元に眉が下りて

「んー、いや、巡回ならず龍脈の乱れたると通報ありてそれ見に来たり。ただこの辺、乱れていないんだが…」

匿名通報だったので何もなければそれはそれでいいと肩を軽くすかす。

火光雷鳥 > 「爆散したら廃人じゃないすかね!?」

集積…拾い集める?いやいや、廃人なったら無理でしょそれ!と、苦手意識ありながら思わず突っ込みは出てしまう悲しいサガ。
彼女の背景は勿論全く分からないが、取り敢えず何か独特な人、というのは初対面の自分でも分かる。

「…いや、そうなんですけど。風紀は一般的な警察の仕事の担当?でしたっけ?」

公安、というのは多分内偵?とか裏で動いてるイメージがあるし、そういう意味では表立って分かり易い風紀の方が目立つし印象も強い。
で、当然この少年が感じている苦手意識、みたいなものも風紀の方が強いのだ。

(くそぅ、俺だってどうにかしたいけど、警察の代わりってやっぱりビビるだろ普通!俺が小心者なの!?…その通りだよちくしょー!!)

度胸があるとかメンタルお化けではないし、普通に暮らしてたら警察の厄介になる案件にはならないし。
つまり、身近な存在でありつつ同時に遠い存在でも或る。…これじゃ駄目なのは分かっていても。

あと、めっちゃ見られてるんだけど怖い…うん、本当に俺は何もしてないよ!?
と、口に出せたら出したいんだけど、完全に相手に萎縮してしまって情けない話だが平常心は無理だ。

「え?龍脈?乱れ?……なんですかそれ?」

きょとん、と一瞬だけ赤い瞳を丸くして不思議そうに。漫画とかゲームで単語くらいは聞いた事あるが詳細はしらん!!
ただ、どうやらただの巡回でないのは自分みたいな馬鹿でも何となく分かった。

御幣島埜瀞 > 「精神だけが爆散していれば楽な方ぞ、肉体の方は物理的に問題が。」

魔術なりいかなる特殊な術式による集積で集めれば宜しかろう。
問題は肉体が爆散していた場合であったが、悲惨な事故現場と
化してしまい後者の方が大変な事になってしまうとどこか他人事のようにボケてる。
あと、女は素なのでボケているつもりは ない。

「らしいが、我は霊の予防係といふか祭祀局の者にな、一般職質縁は不得意なり。」

公安は秘密警察的な響きが匂う、後何やって居るか不明。
風紀は立場が広すぎて前線に立つものから事務的な内勤に至るまで広すぎる。
全てが全て職質にたけていると聞かれれば 否と答えざる得ない!

(正直職質が苦手なのだが…普通の会話をしたい)

視線をそらさないのは挙動不審そのものの行動をしていた彼は一応警戒対象にせざる得なかったので、
周りを見ながら彼を(含)として見定めている。

「何というか 淀み? 澱む 澱んだ場所探し」

夜になるとそこから怪異とか出てきちゃうことがあってなぁ、と
夜になる前に魔術的に塞がないとなぁ、なんて付け加えるように零す。

火光雷鳥 > 「怖いので勘弁してくれませんかね!?むしろ肉体爆散とか想像したくない!」

小心者、と彼女が評したのは別に間違いでもない。実際想像して怖かったし。
しかも、彼女は平然と言うのでそういうケースとか経験してるの!?と、思ってしまう。
生憎と、俺は凡人だから精神とか肉体の爆散は未経験だ…いやこの先も経験したくないけど!

「霊の予防…祭祀局??…えーと…んーー……すんません、そっちもサッパリです」

異能が発現してしまったから、この島に来ただけで特殊な部署、というのは何となく分かるがそれだけだ。
そもそも、比較的異能や魔術、怪異などとほぼ無縁に近い生活環境だったのも大きい。

(くそぅ、ツッコミしてると気分が紛れるけどやっぱ緊張するーー!!)

だけど、小心者にもちっぽけな意地?はあるので、頑張って会話を続けたい。
むしろ、このままだとただの挙動不審な小心者の男だ……あ、駄目だ現時点でもうそれじゃないか。
視線を逸らされないので、こちらも視線を合わせるしかない。逸らすと疚しい事でもあったのかと疑われそうで。

(あーくっそ、この苦手意識早めに何とかしないとなぁ…失礼すぎんだろ)

分かっているのだ。そのくらいは自分の事はちゃんと冷静に見れているつもり。
だけど、やっぱり緊張するし変な苦手意識がある。苦痛なのではなく己の心がビビりなだけだ。

「澱み?…えーと、こう、空気がドロドロしてるとかそういう感じですかね?」

聞き慣れない単語が次から次に出てくるが、彼なりに理解しようと努めながら尋ね返して。

御幣島埜瀞 > 「この島であれば治安の下に悪き地なら平然とあるな。
 怖ければ行かぬ事ぞ、散り行く定めが無くば赴く必要なし」

治安の悪いところであれば日常的に散って居そうだ。
爆破四散日常風景、元居た世界が百鬼夜行な世界もあった事から
怪異なんて隣近所、SAN値図ろうねな場面はもう…。

「普段の生活では関わり合いはないと思ふぞ?精霊が出たとかはありそうなこの島ぞ」

異能の暴走まで呼ばれるのであろうな、結界とか得意なものがいるらしいので、
能力別にその手の事は呼ばれそうだが、結界は出来ない。ちょっと違うものが得意なだけであって

(これ位でよいか、彼の為人は観察したぞこれで終いとするか)

視線をそらさずに何かに何やら作業をさせていたらしい女は、
視線をゆっくりと彼から逸らし気味にし始める。先程まで視線を逸らさなかったのに逸らし始めたのは。

「そんな感じぞ。…このタブレットの見方が分からぬな。」

タブレットをまた取り出して画面を指で動かしたり軽くたたいたりしていたが
首を傾げてわからんな、とぼやき始める。

火光雷鳥 > 「いや、当たり前じゃないすか!俺みたいな凡人にそんな所に行く度胸はないっすよ!!」

と、いっそ清々しいくらいに小心者な所をカミングアウトしていく。いや、もう最初からバレバレだけど。
生憎とSAN値が実は高いとかそんな事も無い。むしろ人よりちょっと低い可能性すらある。

「あ、うん、むしろ普通に生活してて精霊とかどうこうだったら、俺の脳内許容量パンクするんで…。」

学園の講義で精霊あれこれも聞いた気がするが、正直あまり理解できていないかもしれない。
小心者で馬鹿って最悪じゃないだろうか?…そして、そんな自分を変える勇気や度胸も無い。

(くそ、凡人が駄目とかそんな事は絶対ねーんだけど、自分が情けなくなるなぁ)

まだ知らない事が多すぎる――それはこれから知っていけばいい。
この島の摩訶不思議にもいずれ慣れるだろう――だけど。
『だからこそ』凡人で小心者みたいな感覚を無くしてはいけないと、理由も無いがそう思う。

――だって、人間誰だって強い訳でもなければ、漫画やゲームみたいに都合よく成長や覚醒する訳じゃないんだ。
だったら、持って生まれた自分の気質を否定したくない。それを否定したらそれこそ最低最悪だ。

彼女の視線が微妙に逸れ始めた気がするが、それに気付く余裕もあまり無い。

「え?ああ。それはですね、ここをタップ…あ、指で叩くって意味なんですけど――」

と、彼女にタブレットの使い方を何故か教える事になった。まぁそれくらいは普通に出来る。

御幣島埜瀞 > 「己を凡庸と自称する者は凡庸にあらず。
 とよく聞くも小心者かどうかは分からんな」

本当に小心者か?ただのビビりか。カミングアウトを思わぬ形でされたが、
本当かぁ?と疑いの視線を彼へと向ける。対する此方はSAN値は高い。
日常過ぎてそれが普通でした、だったから。下手すると小規模な戦も隣で…。

「この島多いのでな、精霊 神 妖怪 魑魅魍魎その他諸々。
 幽霊、人外、機械生命体というやつ、人形、あとなんだ?」

学園の講義が毎日毎日楽しいものぞ、
時代が世界が違うだけで奇天烈もの。違う常識も学べて一石三鳥。

タブレットに注ぎ始める視線、おおよそ時代の違うものにタブレットを持たせる委員も委員だったが、
基本操作しかできないので指で叩く動作に加減がなかったばかりに、
操作が止まってて 画面が止まってた。彼に渡す形で教えてもらう事となり。

「ほう、ほうほう。この辺を拡大して貰いたい。そこだ」

あと何面か同時に出来ないか?とタブレットを覗き込む女からは至近距離なら香る、どことない畳みたいな香り。

火光雷鳥 > 「少なくとも、危険地帯に自分から理由も無くホイホイ行く事は無いですって。理由あっても行きたくないですけど」

例え自称だろうと実際は違おうと凡人と言い張る。そのくらいの虚勢は張らせて欲しい。
疑念の視線に、怖い!と、思いつつも目は逸らさない。…いや、やっぱりちょっと逸らしそう。

「……この島、やっぱとんでもねーな…あ、まぁ講義が楽しいのは分かります。
ただ、それに付いていけるかどうかはまた別なんで。」

自分の脳みその記憶容量と理解力の足りなさを嘆いてもしょうがないが、それが事実だ。
そもそも、まだそこまでとんでもな人達に遭遇した経験がおそらくは無い。
いや、既にあるかもしれないが――…

「えーと、ここを拡大ですね?それなら、こうして――と、出来ましたよ」

どうぞ、とタブレットを彼女に返す。途中からタブレットを借りて操作していたのだ。
ともあれ、何故そこを拡大したのか、とかそんな事は勿論分からないがやる事はやっておく。
気付かず至近距離になっていたので、慌てて身を離す――漂う畳のような香りはなんだろうか?分からん。

御幣島埜瀞 > 「風紀、公安委員なぞにスカウトなり自ら所属らば赴く事ありぞ。
 理由は事後でもついて参る、我はまだ命ぜられなきも常世渋谷は魑魅魍魎の宝庫なりや。
 かの地は次元が…いややめおこう、解決する者は我にあらず」

風紀や公安ならば治安を保つために違反部活者どもを懲らしめる為に乗り込む事はありそう。
前線に立つ者ならいざ知らずしかし解決する者は別にいる事を思い起こせば 我は違うなと目を逸らす。

「島自体が…講師も人ならずが多い、誰とは言わぬが。
 付いていかねばそのものはその地に置いて行かれ忘れられるが故
 気をつけねば努々務められるが宜しかろう?」

少なくとも最低限 ついて行けるがように努力を務めねばならぬな
そう、彼の近くにいるこの身は人とは名乗っていない、名すら名乗っていない。
腕章は風紀だがそれだけでは、さて。

「――ほうほう。感謝ぞ。我には最新機種たる端末を持たされても操作しきれん。
 年季が違いすぎる、デジタルは分からん、少し型番の落ちた方でよろしいのにな、難しいなこのデジタルものは」

操作して貰い返してもらえたがやはり 怪異発生していない。
公園ではなく違う個所のようで―早くも違う委員が向かっていた模様。

「職質から脱線したが、此れは聞いておかねばな。
 学園の者ならば学年と氏名を名乗るがよい、この身たる我は3年御幣島 埜瀞という者なり。」

タブレットの電源を落としケースにしまい込んでから 姿勢を正しく礼儀を持って名乗ったとか。

火光雷鳥 > 「…いや、あのーー…俺にそんな適性があるように見えます?」

ただでさえ、警察の代わりみたいなもの、という事で変に緊張と苦手意識がある俺が?
風紀も公安も向いている訳がない。そもそも、そこまで心も体も強くは無いのだ。
それに――怖い場所に行きたくない!と思う感情は当たり前のものだろう。
魑魅魍魎だかなんだか知らないが、分不相応な事をしたら必ず手痛いしっぺ返しが来る。
――だったら、自称でも思い込みでも、凡人らしく俺は出来る限り普通に暮らしたい。
彼女が目を逸らすが、少しは緊張も薄れたのかこちらは視線を逸らさない。

「――人間だとかそうじゃないとか、俺、馬鹿だからアレっすけど、それは別にいいんすよ。
ちゃんと会話できて意思が通じればそれで儲け者っすから。
――まぁ、俺なりに頑張ってみます。」

怖いのは人種だとかそういうのじゃない。上手く言えないがそんな事じゃないのだ。
まぁ、そりゃ画面の向こうにしか居ないようなファンタジーな種族に遭遇したら驚きはするしビビりもするかもしれないが。

(分かってるよ。最低限は努力しないと取り残されるだけだって。俺だって分かってんだ)

だから、自分なりに一歩ずつ進む。頑張ろう…これがただの口約束にならないように。
――そして戒める。俺は何処まで行っても凡人の気質を忘れないように。

「あーーもしかして機械が苦手なタイプですか?まぁ、そういうのもあるんでしょうがないかと」

得手不得手は誰だってある。完璧超人なんて居ない――居ても何かしら欠点はあるだろう、と俺は思いたい。

「…やっぱそうなりますよねー…えーと、1年の火光雷鳥っす。ここには9月の初旬に来たばかりです」

ともあれ、学年と名前はちゃんと素直に名乗っておこう。変に疑いが増すような事はしたくないし。

御幣島埜瀞 > 「秘かなる魂にあるように見えぞ?」

そもそもこの女 公安と風紀の違いが分かっていない。
身に宿る能力でたまたま風紀の祭祀局という所に属し、自動的に風紀委員会に属するようになる。
で、いまだに公安委員会と風紀委員会とは何ぞ何が違うとこありや?がついて回ってる。
能力ありきで属してしまったために疑問がまだ解かれていない。
島は治安の良し悪しきが顕著過ぎるのでそれの拮抗がいつ崩れても―。

「その気概で宜し。翻訳魔法がなければ我摘んで居ったし。
 日本語という言葉は世界屈指で難しい言語ぞ?我も頑張らねばなぁ…」

画面の向こう側にいるような種族には日常的に…言わないでおこう。
今住んでいる所が所過ぎてお勧めできない。

「機械がない時代に住み過ごした者ぞ、無理じゃろいきなり慣れろは。苦手というより分からんぞ。」

このような端末は分からん、とケースにしまい込んだタブレットを見下ろす。

「一か月経った身か、精進在れ。汝の名と顔は覚えし。ではお暇を許すがよい」

では、と軽く敬礼じみた仕草をすると踵を返して公園を後にしていったという。

ご案内:「常世公園」から御幣島埜瀞さんが去りました。
火光雷鳥 > 「いやいや、そんなすげー魂?みたいなのあったら、もうちょいマシな人間なってたんじゃないかと。」

流石に苦笑を浮かべて否定するように右手をひらひらと振ってみせる。
元々、自己評価はそんな高くはないし――あくまでただの一般生徒の端くれだ。
一応彼女は褒めてくれているのだろうが、そんな『魂』は俺には無い。

「翻訳魔法…また新しい魔術単語が…あー、確か外国の人からしたら日本語はかなり難しい?とは聞いた事ありますね。」

日常的に使っている自分にはピンと来ないが、そういうものなのだろう。
自分だって英語とかその他外国語はちんぷんかんぷんだし…学が足りない?その通りで何も言えない!!

「――え、もしかして先輩って実は年齢がとんでも――げふっ、今の無しで」

女性に年齢を軽々しく聞いてはいけない、と古事記にも書いてある。
少なくとも、うちの母親は年齢の話になると笑顔で威圧してくるので身に染みている。

「あ、えーとお疲れ様っす、埜瀞先輩!」

一足先に辞する彼女に会釈をしつつ見送って。彼女の姿が見えなくなれば、気が抜けたようにベンチに座り込んで。

「っは~~…ほんと、毎度知り合う人に驚かされてばっかだな…つーか、ほんと失礼な態度だったな俺」

改めて、風紀や公安への苦手意識を何とかしないといけないかもしれない。

火光雷鳥 > 「あーーほんっと、俺は『課題』が多いなぁ!」

人生そのものが課題、だとかうちの親父は偉そうな事を言っていたが…。
まぁ、あのクソ親父には人の能力に大仰な名前を登録申請された恨みがあるので、今度シメる。

ベンチにぼけーっと座り込んでたら周囲は何時の間にか暗くなってきていた。

「――あーそういや夕飯どうすっかな…何にも考えてなかったな…。」

食費節約なら自炊――自炊かぁ。料理は正直下手だ。それ以外の家事はまぁ人並みなんだけども。

ご案内:「常世公園」に春日 遥さんが現れました。
春日 遥 >  
 秋冷の候。日ごとに寒さが増していき、秋めく時期です。
 この季節になってくるとだんだんと肌寒くなってきますが、それに応じて街の雰囲気も変わっていきます。自然も街も、秋の訪れを感じさせるように、色々な景色が入れ替わっていきます。
 具体的には、コンビニスイーツの新作が出ました。

「はぁ……」

 美味しそうなものが沢山買えたな、なんてほっとため息。小さな袋には、かぼちゃやさつまいもを使った季節のお菓子が沢山。
 寮に帰る前に、近くの公園で少しばかりいただこうと。そんなわけでやってきましたが――どうやら、ベンチには先客がいるようでした。
 どこか別の場所を探すよりは、ご一緒した方がいいでしょうか。そんなに長くいるわけでもないですし。

「ふふ、こんばんは。突然すみませんが、隣、良いですか?」

 ぼーっと座り込む男の人に向けて、そう言います。

火光雷鳥 > 「―――はい?」

あれ、この返事さっきの先輩の時もそうだった気がするぞ、と思いつつもそちらに赤い双眸を向けて。
―――また美少女か!!何なの、この島って本当に美女と美少女ばかりなの!?ありがとう!!

(あ、いかんテンションがおかしいな俺…初対面で痛い男子と思われたら死ねる)

なので軌道修正を必死こいてしなければ、取り敢えず相席を求められたようなので、少し端の方へと体をずらしつつ。

「あー、はい、どうぞどうぞ!」

と、笑みを浮かべつつ会釈もしておく。うん、やっぱり風紀や公安の人じゃないと割と普通に応対できるな俺。
…いや、普通か?挙動不審まだ引き摺ってないか?と、自問自答するが取り敢えず相手を改めて見る。

「…えーと、買い物帰りですか?」

彼女?の様子をジロジロ見るのも失礼なので、その手に携えた小さな紙袋を軽く目線で示して尋ねてみる。
世間話はこういう取っ掛かりが大事だ…多分!古事記にもそう書いて…ないだろうなぁ。

ちなみに、当然ながら女装少年だとはまっっったく気付いていないようである。

春日 遥 >  
「ありがとうございます。それじゃあ失礼しますね」

 ふわりと静かに、彼の隣に腰を下ろします。所作はほぼ完全に女性のもので、あまり良く見ようとしなければ自分が男だとは気付かないでしょう。

「コンビニに寄った帰りですよ。秋の新作スイーツが沢山あったので、ついつい買いすぎちゃって」

 袋の中を見せます。さつまいもタルト、かぼちゃシュークリーム、和栗モンブラン――先程買った秋スイーツがいくつも入っています。

「よければ一つ、どうですか? 好きなものがあればいいですけど」

 袋を膝の上に載せて、少し口を広げて。彼が取りやすいようにしてみます。

火光雷鳥 > その所作だけ見れば完全に女性のものであり、そこまで観察力や目に優れている訳ではない少年だ。
なので、彼女が実は『彼』なのだと気付く様子は今の所はこれっぽっちも感じられず。

「あーーそういえばもうハロウィンの季節っすからね。そういう時期なんだなぁ」

こちらに来たのが9月初旬。毎日驚きの連続で忘れかけていたが、すっかりハロウィンのシーズンになってきているのだったか。
と、袋の中身を見せて貰えば確かにどれも秋の新作スイーツ…最寄のコンビニとかでも見た事がある品々ばかりだ。

「…って、いいんすか?俺、初対面だしそちらが食べようと思って買ったものですよね?」

流石に、そこは弁えているので喜んで一つ貰う、なんて事はせずに先にそう尋ねる。

ちなみに、このラインナップの中で言えば好みは和栗モンブランである。モンブランは割りと好きだ。

春日 遥 >  
「いえいえ、買いすぎちゃったところもありますし。ここで会ったのも何かの縁、ということで」

 袖振り合うも多生の縁という言葉もあります。仲良くする方がお互い幸せですし、そのためならスイーツの一つくらい。

「好きなものをどうぞ。遠慮はしなくて結構ですよ」

 再び、彼に袋を差し出します。
 つとその言葉の後、帽子の中がもぞもぞと動きました。

『みみけだまさま』 >  
『そうじゃぞ。他人の厚意を遠慮するモンじゃない』

 遥の帽子の中から、そんなどこか間の抜けたような声。

火光雷鳥 > 「そうすっか…えーと、じゃあお言葉に甘えてこの和栗モンブラ――」

と、彼女の言葉にあちらがそう言ってくれるなら有り難く受け取ろうと、和栗モンブランに手を伸ばし…た、所で彼女の被った帽子がもぞもぞと動き出して動きが止まる。

(え、何?何かの小動物?)

と、突然の事態に小心者で自称凡人の少年は固まるのだが…いきなり聞こえてきた声に目を見開いて。

「――な、何だ今の声!?こう、ちょっと間が抜けた感じの絶妙に力が抜けそうなやつ!!」

と、驚きながらも割と的確に謎の声の主の声質を語りながらも視線を巡らせ――先程の帽子の異変に思い当たり視線を戻した。

「――え、もしかして喋る小動物か何かいらっしゃる?」

この島では普通に居るかもしれないが、生憎と今の時点で少年はそんな相手と遭遇した経験が無かったのである。

『みみけだまさま』 >  
『何、わしのことを小動物とは失敬な、わしこそは江戸より続く――』

 言い切る前に、自身に覆い被さっていた帽子が外される。

春日 遥 >  
「わっ……ごめんなさい。突然びっくりしましたよね」

 帽子を外して、声の主を彼に見せます。

「私がいつも連れている子なんです。小さい頃からずっと一緒で」

 少し垂れた耳が特徴的な、もふもふ姿。これでも立ち位置的には妖精の王様のようなものです。見た目可愛らしいわんちゃんにも見えますが。

「『みみけだまさま』。私はそう呼んでいます。詳しい種族は教えてもらえませんけど」

『みみけだまさま』を膝上に乗せて、帽子を被り直し一撫で。気持ちよさそうに体を震わせます。

火光雷鳥 > 「江戸時代……えぇ…。」

どんだけ長生きしてるんだこの声の主は。あと、喋り方が年寄り臭いのに声があれだからいまいち迫力と威厳が無い気が。
流石に口に出しはしないが、思わずぽかーん、とした間抜け面をしてしまうのだけれど。

「え?ああ、いや。まぁ、こういう島だから喋る小動物くらいは居る――」

と、そこで彼女が帽子を外して声の主の姿を少年へと見せる。瞬間、火光雷鳥の身に稲妻が走る!精神的な意味で。

(―――さ、…さ…)

「詐欺だろコレ!?何であんな喋り方でそんな女の子に可愛がられそうな見た目してんの!?
あざとすぎない!?これが江戸時代パワーってやつ!?あと、名前も可愛すぎだろこんちくしょう!!」

と、思わずツッコミ心が優先されて小心者何処行った?といいう感じで捲し立てる。
え、みみけだまさま?耳…毛玉様?聞き間違いでは無いよな?あと、妖精の王様?

「……この島、やっぱりぶっ飛んでんな…。」

本日二度目の呟きを漏らしながら、我に返れば彼女に「あ、すいません取り乱しまして」と平謝り。

「で、その『みみけだまさま』…長いから毛玉さんでいいか。毛玉さんとずっと一緒だったと?」

え、異種族幼馴染?何だその新ジャンルは。いや、新しくは無いか。ともあれ疑問が尽きない。

春日 遥 >  
「わっ」

 突然何かのスイッチが入ってしまったのか、彼が大声で捲し立てます。びっくりしました。怒ってはないようでしたが。

「ああ、いえ! 謝らなくても。ふふ、皆さん初めて見た方はびっくりされるんですよ」

 微笑んで、平謝りする彼に大丈夫だというように宥めます。こういう反応も、初めてじゃありませんし。

「家が、まあ簡単に言えばこの子を大事にしてね、っていう家で。小さい頃から一緒にいるんですよ。おかあさまもおばあさまもずっと一緒だったって」

 膝の上で大人しく撫でられている彼からは、一見威厳のようなものは感じませんが。実は凄いお方らしいのです。
 そうしていると、手の端が、脇に置いた袋に触れました。それで思い出します。

「ああそうだ、お菓子。えっと、モンブランでしたっけ。どうぞ♪」

 袋からモンブランを取り出し、笑顔を浮かべながら彼に差し出します。

火光雷鳥 > 「いや、まぁ…色んな意味でインパクトはでかいなぁ、って思いました」

落ち着け俺、流石にちょっと初対面の女の子の前で取り乱しすぎだろう。
一度深呼吸をする…よし、落ち着いた…いや落ち着かんが気分的にマシになった。

「…あーー、それで江戸時代から云々って訳か。…一般家庭の出身からするとこう、すげぇとしか言えないすけど」

彼女の割と落ち着いた態度からして、結構自分みたいな反応は珍しくないのかもしれない。
ともあれ、美少女に撫でられるとかちょっと毛玉そこ変われ!!と、正直言いたい。言えないけど。

勿論、この時点でまだ女装した少年だとは欠片も気付いてはいないのだが。

「…あ、衝撃のあまり忘れてた!えーと、改めてどうも頂きます」

と、頭を軽く下げてから和栗モンブランを頂こうかと。しかしこの毛玉さん、威厳ねぇな…妖精の王様、という話だけども。

春日 遥 >  
「ふふ、どうぞ。遠慮なくいただいてください」

 彼にモンブランと、プラスチックのスプーンを渡して。私はどうしようかなー、と。袋の中を覗いてあれこれ逡巡します。
 よし、それじゃあかぼちゃシュークリームで。袋から取り出して、包装を開けます。

「それじゃあ、いただきます」

 一口。かぼちゃの風味が香って、秋らしさを感じます。もちろん甘くて美味しくて、幸せな気持ち。

「幸せですねぇ……」

 ゆったりとした時間が、二人の間に流れていきます。

『みみけだまさま』 >  
『ハルカ、あまり長居するでないぞ。近頃は夜が冷えるのだからな。無論、そこの少年も』

 撫でられながらも、そう忠告する。

『それと、わしにもそいつを少しくれ』

 ちゃっかり、そう遥に要求しつつ。

火光雷鳥 > スプーンも一緒に受け取って、いざ頂きます!

「―――!…う、美味い…やっぱ最近のコンビニスイーツは侮れねぇなぁ」

あまり頻繁に甘味を食べる訳ではないが普通に好きではあるし偶に買ったりもする。
コンビニスイーツは地味に久々だが、このレベルは中々のものではないだろうか?

と、毛玉さんの有り難い忠告に素直に「うっす、これ食ったら帰ります」と、一応年長者なので敬語で答える。
あと、この毛玉先生ちゃっかりしている!!

「あ、えーと自己紹介してなかったんで、俺、1年の火光雷鳥っていいます。9月の始めにこっち来たばかりで」

と、モンブランを食べる合間に自己紹介をしておこうかと。毛玉さんは彼女をハルカと呼んでいたが。

春日 遥 >  
「火光さん、ですね。私は春日 遥(かすが はるか)と申します。私も一年生で。同級生、ですね」

 シュークリームを千切ってみみけだまさまに分けつつ、そう自己紹介をします。

 ……かぎろい?

「かぎろい、さん……はて、どこかでお聞きしたことがあるような……」

 特徴的な名前ですが、それとは別に心当たりがあるような気がします。何だろう――そう考えているうちに。

「あっ……思い出しました」

 ぽんと手を叩いて。

「紅蓮の支配王(パイロエンペラー)さん! 寮の方で耳にして、かっこいい名前だな、なんて思ってました!」

 そう、純粋な瞳で言います。それはもう、かっこいい名前だと信じて疑っていませんとも。

火光雷鳥 > 「あ、同学年か…えーと、じゃあ敬語は無しでもいい…のかな?取り敢えずよろしくな、春日さん!」

流石に、気軽にハルカ!と呼び捨てする訳にもいかない。何か毛玉先生に注意されそうだし。

と、笑っていたが――――彼女の何気ない一言にモンブランを食べる動きが止まる。

「―――――そうっすか…アリガトウ…。」

お礼とは裏腹に、絶望的な表情でもそもそとモンブランの残りを平らげる。おかしいな少ししょっぱいぞ?

「…えーと、出来ればその名前は黙っていて貰えると有り難い…かな…。」

正直大仰過ぎるしアレだから、その能力名は気に入っていない。
そもそもただの発火能力なのに支配とか紅蓮とか何なの!?

春日 遥 >  
「はい、よろしくお願いしますね、火光さん」

 そう言ったのち、シュークリームの最後の一口を頂きます。
 しかし談笑していたはずの彼が、突如彼が落ち込んでしまいました

「……あ、あれ? すみません、何か入り訳があったのでしょうか……」

 私は、自分の異能にこれといった名前が付いていないので、少々異名だとかそのようなものに憧れている節はあるのですが、どうやら彼は自身の異能の名前に不服な様子。隣の芝は、というものでしょうか。

 そんな感じで話していると、そろそろいい時間でした。

「ふぅ……そろそろ帰らないといけませんね。私は寮ですが、火光さんはどちらでしょう?」

火光雷鳥 > 紅蓮の支配王――誰が名づけたか?うちのクソ親父が勝手に申請して何故か受理されてましたふざけるなあのクソ親父ぃ!!
な、個人的な気持ちはさて置き。

気を取り直してモンブランを食べ終える。ご馳走様。

(…参ったなぁ。春日さん以外も知ってる人結構居たりするんだろうか…ただの発火能力なんだけどなぁ)

名前負けしてるし、何より支配とか小心者で凡人の自分には合わない。
きっと能力名知られたら馬鹿にされそうなので、基本、周りに能力名は絶対に言わないのだが。

「いや…その、まぁ。春日さんに悪気は無いのは分かってるんで平気っす…。」

悪いのはうちのクソ親父で彼女に非は無いのだ。ともあれ、落ち込んでいてもしょうがない。

「あ、うん俺も帰るよ。男子寮住まいだし…と、じゃあどうせなら近くまで一緒に帰るのはどうだろ?」

と、彼女と毛玉さんを誘いつつ立ち上がり。ゴミ箱にスプーンと空のカップはきちんと捨てて。
彼女が問題ないなら一緒に帰りを共にしようかと思う。


――ちなみに、寮が同じという事でやっと女装した男子だと気付いて放心状態になったとか何とか。

ご案内:「常世公園」から春日 遥さんが去りました。
ご案内:「常世公園」から火光雷鳥さんが去りました。