2020/10/16 のログ
ご案内:「常世公園」にラピスさんが現れました。
ご案内:「常世公園」に鞘師華奈さんが現れました。
ご案内:「常世公園」にセレネさんが現れました。
■ラピス > 今日のへっぽこ教師は、公園の四阿に陣取って何やら準備中。
愛用している魔法のトランクから、温かな紅茶が入った水筒やら、お菓子やらを引っ張り出す。
それから、お酒のお供っぽく見えるササミのジャーキーなんかもいくらか用意してあったり。
というのも、今日は仲良しさんが拾ったこにゃんこを里親に譲渡する素敵イベントがあるのだ。
それから、折角だから、そのついでにお話しようとかなんとか、色々画策したら盛りだくさんに。
でもまぁ実際楽しきゃ良いや、というお気楽さ全開なへっぽこ教師は、今日もるんるん鼻歌交じり。
定位置とかした頭上で退屈そうに鳴くこにゃんこは、時折ササミジャーキーを見て、猫の手を招いていた。
「あぁ、クロ、おやつは後であげますから、今はおとなしくしてるがいいですよー」
偶に視界をよぎる、黒い毛並みのふわふわ猫パンチ。ぺふぺふ。
とりあえずの用意も終わったし、後は足をプラプラ、のんびりと待っていた。
■鞘師華奈 > 本日は子猫の譲渡会…だけでなく、とある小さな教師の友人ともう一人。以前、錬金術の講義で一緒になった女性との再会の日でもある。
まぁ、あの時は目が合ったので会釈をした、くらいで言葉を交わす事は無かったが…お互い、名前と顔くらいは覚えがある、という程度だろうか。
(まぁ、今日改めて挨拶できるのは有り難いね…あと、子猫も飼う許可は下りたし)
自身の住む寮へと掛け合い、きちんと世話をする事を条件に許可は正式に貰っている。
何時ものスーツ姿ではなく、なけなしの私服姿で待ち合わせ場所でもある公園へと静かに姿を現す。
と、視界の片隅に見覚えのある姿を捉えれば、既に何やらお茶会の準備万端、という感じに小さく笑みながら歩み寄って行こうかと。
「やぁ、ラピスさん――何かすっかり準備万端!って感じだね。」
そう穏やかに挨拶を投げ掛けながら、彼女が気付いたならば緩く右手を挙げる仕草を。
■セレネ > 仲良くしている保健医から、仔猫の里親になってくれるらしい人物の話を聞いてやってきたのは公園。
この子達を拾った場所でもある。
いつもより些か荷物が多いのは、キジトラ仔猫を入れている持ち運ぶ用のケージに入れているから。
尚、己が飼っている白仔猫は腕の中で大人しく丸くなっており。
キジトラ仔猫は何処に行くの?と言わんばかり、不安そうに鳴いている。
「…大丈夫だから。もう少し我慢しててね?」
ケージに入れて持ち運ぶなんて初めてだろうから、落ち着いていない様子。
少し可哀想だし急がなければ。ヒールを鳴らしながら歩いて居れば、
先客二名が既に約束の場所に集合しているようで。
「――あら、お待たせしてしまいましたか?」
其方に歩み寄って行きながら銀色の髪を持つ小さな教師と以前講義で見た黒髪の女性に蒼を向けた。
…まさかこんな所で再会するとは、と内心驚きつつ二人に軽い会釈をしよう。
■ラピス > のんびりまったり待っていると、先にやってきたのは煙草仲間の方だった。
手を挙げる彼女に、同じく少女も手を挙げる。ついでに頭上のこにゃんこも片足を上げる。
「やぁ、華奈ちゃん。先生は真面目に遊ぶ良い子ですからねー!」
えっへん、と無い胸を張って、ニコニコ手招き。
後はもう一人の仲良しさんが来れば、今日の役者は全員揃う。
ついでに、白とキジトラの子も来るから、こにゃんこも久々の再開なはず。
楽しみですねー、と頭上に話しかけると、ついと照れ隠しにそっぽを向いた。
そんなこんなでゆるゆるしていると、かかる友人の声に手を振って。
「セレネちゃん、こっちですよー。ワクワク待ってました!」
なぅー。黒のこにゃんこも再び片足を上げてご挨拶。いつもどおりの平常運行だ。
そしてそのまま、前にずべっと垂れ落ちてへっぽこ教師の視界を塞ぐと、落下はせずに戻っていった。
■鞘師華奈 > 「あはは、真面目に遊ぶ、というのも矛盾してないかい?」
小さく可笑しそうに笑みを漏らしつつ、小さな教師とその頭上の黒い子猫に挨拶を交わしながら。
流石に今夜は煙草を吸う無作法はしていない――もう一人の待ち合わせ相手の事もある。
ラピスさんの傍で足を止めれば、一人と一匹の微笑ましいやり取りを眺めていたが――最後の一人が来たようだ。
掛かる声にそちらへと赤い双眸を向ければ、己と対照的な蒼の視線。軽く微笑みながら会釈を一つ。
「やぁ、どうも”初めまして”――と、いうのはちょっと違うかな。”お久しぶり”。改めて――常世学園の2年生、鞘師華奈です。」
講義でも講師が彼女の名前を呼んでいたし、ラピスさんも彼女の名前を呼んでいるからその名前は既に知っている。
あちらも、こちらの顔と名前は分かるだろうけど…改めて、そう自己紹介を兼ねた挨拶と会釈をしよう。
(――おや、白い子猫に…あのケージの中の子猫は…)
彼女が抱えている白い子猫と、その手に持つケージの中から垣間見えるキジトラ子猫を交互に見遣る。
――うん、少し遠目からでも分かるが矢張り可愛い。…と、いけない。緩みそうになる表情を戻しつつ。
■セレネ > 黒仔猫の鳴き声に、白とキジトラが反応した。
白は兎も角キジトラは久し振りだからかしきりに鳴いており
、己は会いたかったよねとほんのり眉をハの字に。
「今日はわざわざ有難う御座います、ラピスちゃん。」
この場を用意してくれた教師に、礼を。彼女のお陰でまた一人、幸せになれる子が増えるのだ。
…しかし、相変わらずあの黒仔猫は不思議である。
本来なら落ちる筈なのに落ちるどころか戻っているし。
そんな事を思いながらも、蒼は黒髪の女性へと。
「えぇ、お久し振りです鞘師先輩。
私は…まぁ、言わずとも分かっているでしょうけれど、一年のセレネと申します。」
改めて相手の名と顔を覚えつつ、己も挨拶をしよう。
するとやはり気になるのか、己の抱える仔猫とケージに入っている子に相手の赤が向いた。
「この子が外に出たがっているので、ケージを開けますね?」
そっとケージを地面に置き、開ける。
奥に縮こまっていたキジトラはおずおずと、恐々と、ケージから外に小さな四つ足を踏み出して。
短い尻尾をピンと立て、すんすん。嗅ぎ慣れない匂いを嗅ぎ回っている。
少しすると黒髪の彼女の傍まで歩き、真ん丸な目を向けて一つ鳴き声を上げた。
■ラピス > 「矛盾してませんよぅ。良く学び、良く働き、良く遊び、良く食べ、良く寝る。人生を謳歌する秘訣です。
――はぁい、クロ、嬉しいのは分かるけど、うっかり落ちたら危ないから気をつけてくださいねー」
とは言え、何故か途中で止まって頭上に戻っていく不思議猫だから、そんなヘマはしない気がする。
それにしても、どうしていつの間にこんな不思議な力を身に着けていたのか。謎が深まるばかりだ。
「ふふ、二人とも面識があった感じですか。これは話が早いやつですねー。
先生はのんびりまったり楽チンができるので、非常に良いと思います」
目の前で開くケージ。中から出てくるキジトラこにゃんこ。
嗚呼、やっぱり仔猫は可愛い。小さくてふわふわでふかふかだ。
白のアルミナちゃんに、黒のクロ、そしてあの子は、どんな名前になるだろう。
いずれにせよ、折角の再開だから、後で目一杯遊ばせてあげよう。
「――とりあえず、華奈ちゃんとキジトラちゃんの出会いを見守る構えですよぅ!」
へっぽこ教師と頭上のクロは、固唾を飲んで観戦モードだった。
■鞘師華奈 > 「――人生を謳歌する――うん、それは大事だね。」
その言葉を聞いて、何か琴線にでも触れたのか一瞬だけ目を細めて…少し、困ったような、そんな笑みを浮かべた。
嗚呼、だって私は――その謳歌を3年も無駄にしていたのだから。
しかし、黒い子猫――クロは不思議だ。明らかに落ちる態勢だったのに、何時の間にか忽然と元のポジションに収まっている。
改めて、セレネと挨拶と自己紹介を交わせば、「ああ、前に錬金術の講義で――」と、ラピスさんの言葉に軽く頷きと共にそう返す。
と、ケージが開かれてキジトラの子猫がおっかなびっくり、といった感じで外へと出てくる。
ピンッと短い尻尾を立ててまんまるな目で周囲を見渡し…時々、鼻をひくつかせて匂いを確かめているようで。
(可愛いなぁ…まぁ、でも子猫飼うの初めてなんだけど、大丈夫かな)
と、そんな一抹の不安も過ぎるが里親になると決めた以上はしっかり面倒を見るつもり。
と、気が付いたらキジトラ子猫は己の足元まで来ていた。その場でしゃがみ込めば、じっとキジトラ子猫と見つめあう。
「………やぁ、初めまして。」
子猫に通じているかは兎も角、律儀に子猫へと挨拶を…すると、理解しているのか可愛らしい鳴き声の応答。
ややあってから、視線はキジトラ子猫に向けたまま、ふと気になった事を一つ。
「…あ、セレネさん。この子の性別をよければ教えて貰えるかな?」
自分で抱き上げて確かめれば早いのだが、何故かじーっとお互い見詰めあったままである。
■セレネ > 二人の話を聞きながら、人生を謳歌している人を一人、思い浮かべた。
――己の父がそれに該当する。
あの人、大丈夫かなぁ…なんて少しばかり思いを馳せたがそれもすぐに仕舞い込んで。
己の代わり、何処で会ったかを説明してくれる先輩。また次も会えるだろうかなんて思いつつ。
キジトラと里親になる女性との初対面。
尻尾の先をくるんと丸めて、仔猫なりのご挨拶。
すると彼女から仔猫の性別を聞かれた。
「この子は男の子ですよ。」
と、何故だかお互い見つめ合っている様子が微笑ましくてクスクス笑ってしまいながら答えた。
■ラピス > 「うぃ、大事なことです。そして、先生はそれを自分だけじゃなく皆に教えねばなのですよ。
教師たるもの、教え子の人生をより楽しくする責務がありますからねぇ……ふふり」
へっぽこ教師は、どうせ同じく生きるなら楽しむのが人生だと思っている。
だから、食べるなら美味しいものが良いし、愛でるなら可愛いものが良い。
寝る時も気持ちよく寝たいし、働く時は好きなことがしたいし、遊ぶ時は目一杯。
つまりは何事もより上のものを欲して、全力投球。快楽主義の最先端だ。
その代わりとして、休憩する時はぐでっと思い切りサボる。メリハリってやつだ。
「ほぬ、なるほど、錬金術の講義で、ですかー。
良いですねー。先生も錬金術使えちゃうんですよー?」
どや、どやどや。ドヤ顔ラピスである。うざったかったらチョップしても良い。
目の前のキジトラこにゃんこは、何やら可愛らしい歩みで、煙草仲間の彼女にちょこちょこ。
ピタリと目が合うのを眺めていると、頭上の黒こにゃんこがぺふ、と額を肉球で叩く。
「んにゅ、まだ待ちですよ、クロ。キジトラちゃんの大事な出会いですからね」
なふなふ。分かってるよ、と言いたげな鳴き声に苦笑する。
どうやらあのキジトラちゃんは雄らしい。なるほど、なるほど。
うちのクロも雄っぽいから、同性として仲良く慣れればなぁ、なんて。
それはさながら、子供の交友関係を眺める親の気分だった。
■鞘師華奈 > 「――成程。それがラピスさんの教師たる矜持…いや、心得みたいなものかな?」
――教え子の人生をより楽しくする。口にするのは簡単だが、実際は中々大変だろう。
だが、不思議とそれをちょちょいと実践してしまいそうな空気が彼女にはある。
まだまだ短い付き合いではあるが、彼女の人となりはこの女なりに少しずつ理解してきた。
あと、ドヤ顔にチョップはしない…まぁ、それはそれで可愛いんじゃないかな、と甘い友人判定である。
「成程、ありがとう。…男の子、か。んーー…。」
こちらの問い掛けに、微笑ましそうにこちらを眺めながら答えてくれるセレネさんに礼を述べながら一息。
(キジトラ…トラ……男の子…タイガー…は、安直だから少し読みを別の方面に変えて…。)
「――君の名前は今日から『ティガ』だ。」
『…みゃ!』
ドイツ語の虎…ティーガーを縮めた命名。安直かもしれないがオスだし相性は悪くない名前だと思う。
事実、キジトラ子猫――ティガも異存ない、とばかりに短く鳴き声を一つ。
と、そのまましゃがみ込む女の膝の上に飛び乗った。…かと思えば、そのままよじ登って右肩の上に落ち着く。
「うん、名前は気に入ってくれたみたいだけど…何で私の肩の上に乗るのかな…。」
まだ子猫だからそんなに重くは無いのが幸いだけど。ティガはそこが気に入ったのか、女の肩の上に佇む。
時々、クロにちらちらと視線を向けているのは久々の再会だからだろうか?
■セレネ > 己はどうにも、そのメリハリや謳歌する秘訣のコツが分からないのでストレスを溜め込みがちなのだけれど。
昔と比べれば、少しはマシになってきた…と思うのだ。
多分。恐らく。Maybe。
「ラピスちゃんの扱う錬金術と、講義で教えられた錬金術は別の種類になりますね。
どちらも覚えて損はないでしょうけれど。」
ドヤ顔している小さな教師。可愛い。この中で一番年上だろうに、見た目が一番年下だから不思議なものだ。
「…ふふ、良かったねティガ君。」
新しい飼い主から名前を貰い、嬉しそうにしているキジトラ仔猫。
良かった、この二人も仲良くなれそうだと一安心。
すると先輩の肩の上によじ登る様に、あらまぁと微笑む。
白仔猫はそれを見て、みぅ、と小さく祝福するような鳴き声を上げるのみ。
何とも三者三葉の性格をしている子達だと改めて思った。
「では、鞘師先輩。その子を宜しくお願いしますね。」
■ラピス > 「ですねー。先生からすると、世の中の皆は真面目すぎて、力を抜くことを知らない様に見えますし。
いつも頑張ってるのは素敵なことですが、それは疲れた時にポッキリ折れちゃったりしますからね」
だから、もっと肩の力抜いて、気楽に生きれば良いんですよー、とほわほわ。
へっぽこ教師の持ち味は、良くも悪くも適当な緩さである。あと、威厳のなさ。
お陰で、大半の生徒からは友達扱いだ。本人もその方が楽しいから気にしていないが。
「ん、錬金術に限らず、魔術には色んな種類がありますからねぇ。
特に、この世界は色んな世界からぽろっと転がり込めるみたいですから。
――あぁ、そうそう、今日はこにゃんこたちにもお祝いのおやつを用意してるのですよ」
思い出したかのように、用意しておいたササミのジャーキーを取り上げる。
中から三本取り出すと、白とキジトラの飼い主にそれぞれ差し出して。
「ふふ、ササミを乾燥させたジャーキーです。ヘルシーおやつってことで。
先生からのご祝儀です。アルミナちゃんもティガちゃんもどうぞー」
頭上の黒猫は、教師の肩、腰のポケット、右手を経由する形で、三つ跳ねて地上へ。
その過程でしっかりとおやつを食いとって、もっしゃもっしゃと食べ始める。
それは、二匹の友達猫に、安全だぞ、と示しているようにも見えた。
■鞘師華奈 > (…真面目、かどうかは兎も角…力の抜き方は下手かもしれないなぁ、私は…。)
気楽に構える、という事が出来ない訳ではない。ただ、自分の場合はそれが”怠惰”に繋がってしまう。
前向きに、己の物語を紡ぐ為に”再び”歩き出した自分にとって、足を止める事も肩の力を抜く事も今は中々に難しい。
けど、人間は適度に息抜きをしないと何処かで無理が生じて破綻してしまう。
それを理解しているからこそ、もう少し力の抜き所を覚えるべきだろうなぁ、とは思っている。
(まぁ、やらなければならない事をきっちり済ませてから、だけどね)
女の肩の上を己のポジションと定めたティガを軽く指でふにふにと撫でながら心の中で呟いて。
「ああ…私の場合は元・二級学生だから魔術も魔力の扱いもほぼ我流なんだよね。
学園で講義を受け始めてからは、そっちを取り入れて効率化とか図ってるけど…。」
そもそも、小さな教師で友人な少女に魔力鑑定をして貰ったのも、自分の適性に合った魔術を一つでも多く修める為の”指針”としての意味合いが強い。
基本属性が火、風、影らしいのでこの3つは取り敢えず押さえておきたい所だが。
と、ラピスさんが取り出したのは…ササミジャーキーである。自分とセレネさんに差し出されたそれを片方受け取りつつ。
早速、肩の上のティガが鼻をひくつかせてまんまるな目をジャーキーに向けており。
と、身軽に飛び降りたクロがちゃっかりジャーキーを先に食べ始めているのを見れば、ティガにジャーキーを与えてみる。
フンフン、と匂いを最初嗅いでから中々ワイルドに食べ始めるティガ…流石”虎”である。
(クロは自由気まま、アルミナが物静か、それでうちのティガが警戒心が強いけど意外とワイルドって感じかな)
何となく、子猫たちの性格の違いが見えてきた気がする。
■セレネ > 手先は器用な己だが、そういった精神的なものだったりは不器用なのだ。
元の世界の環境も、あまりのびのびとしていられないような所だったし…。
それが自然と染みついてしまったのだろう。こればかりはどうも抜けそうにない――いや、抜けてはいけない。
「色々な系統の魔術や学問があって、知見も広がりますし楽しいですよね。
あら、有難う御座います。」
教師の小さな手から渡されたササミジャーキー。
礼を言って受け取ると、プレゼントだって、と英語で白仔猫に話しかけつつ顔の前にジャーキーを寄せた。
青目を瞬かせて匂いを嗅ぎ、少し警戒している白。
教師の頭上から降りもぐもぐしている黒猫を見てはあむ、と一口齧って。
「まぁ、私も魔術や学問は独学ですから…。
…って、先輩は元々二級学生だったのです?」
以前出会った風紀委員も確か元は二級学生だったと聞いた。
案外そういった境遇の人は多いのだなと蒼を瞬かせて。
そんな中でももぐもぐとひっそりジャーキーを食べ進める白に美味しい?なんて尋ねてみたり。
食べているという事はお気に召したのだろう。この子の性格上。
■ラピス > 足元でもきゅもきゅとササミジャーキーを頬張るクロ。足元に降りて物を食べるのは躾の成果だ。
一度頭上でカリカリを食べて、へっぽこ教師の顔に滓を零してくしゃみが止まらなくなったのだ。
それ以来、食事はしっかりと地面や床や机の上など、零しても問題ない場所で食べさせているらしい。
「ふふ、猫用の料理は初めて作ったのですが、気に入ってもらえたなら何よりですねー。
途中でクロには試作品を味見してもらったので、味の方も大丈夫じゃないかなぁ、なんて。
一応我々も食べられるように作ってはいますが、我々の味覚だと味なし肉っぽく感じるやも」
などと言いつつ見ていると、キジトラ猫も白猫も食べてくれている様子。
嫌われなくてよかったー、と内心胸を撫で下ろしつつ、黒のこにゃんこは自由行動タイムだ。
「ん、良いですね。華奈ちゃんもセレネちゃんも勤勉ですから、きっと身につくでしょう。
先生的にはもう少し不真面目になっても良いんじゃないかなーとか思いますけど、けど。
――でも、非行を薦める先生って先生失格なのでは、とか思うわけですが。ふふり」
だからといって改めるつもりは微塵もないのですけどねー、と我が道を行くへっぽこ教師。
クロはジャーキーを食べ終わったらしく、けふ、と一息ついてから、なぅー、と鳴く。
お腹が一杯になったら、今度は遊びたくなったらしく、構えよー、と言わんばかりで。
それならば、とへっぽこ教師はちょこんとしゃがんで、くしくしと顎の下を撫でていた。
ご案内:「常世公園」に鞘師華奈さんが現れました。
■鞘師華奈 > 「私みたいにあまり頭が良くない部類だと、理論や体系より感覚的に捉える傾向があるからなぁ。
まぁ、でも学園の魔術講義のお陰で魔術の扱いは上達しているとは思うけど…。」
とはいえ、自身が我流で身に付けて得意とする魔術はただの一種類しかない。
その代わり、その一種類との相性が非常に良く、”今も発動している”のだが二人が気付く様子があまり見受けられない。
まぁ、魔力反応などはそれとなく感じ取られているかもしれないが、それも微弱過ぎて空気や周辺に漂う魔力に埋没しそうなくらいだ。
ともあれ、ティガは子猫ながらもワイルドにあっという間に平らげてしまった。
腹が満たされたからか、周囲に改めて目を向ける余裕も出来たようで、今はクロをじーーっと眺めている。
多分遊びたいのだろう。一先ず、ティガの頭をぽふぽふと軽く撫でてやりつつ。
「ん?ああ、3年前までは普通に二級学生だったよ私は。
まぁ、つい最近色々心境の変化があったけど、その3年間は怠惰に過ごしてたけどね我ながら」
そう、後悔しても遅いが”何もしなかった”その3年間が自分の中でかなりの心残りだ。
それを取り戻す為に、今は自分なりに前向きに活動している…つもりなのだけど。
「不真面目というか…ほら、私はこれがあるし。」
と、ラピスさんの言葉に煙草を咥えるジェスチャーをしてみせる。喫煙仲間なら直ぐに分かるだろう。
一応、あの喫煙タイムはこの女の中ではかなり重要な息抜きとなっているのだ。
「まぁ、元・二級学生っていう生徒は多い、とは言わないけど珍しいというほどでもないと思うよ。
まぁ、経緯はそれぞれだから大っぴらに言う人はそんな居ないと思うけど。」
己はある程度割り切っているので、既に過去のあれこれについてはあまり隠していない。
大事なのは、優先するべきなのは二級学生だった頃より今、この過ごしている時間の方なのだから。
彼女達二人もそうかもしれないが、この女もちゃんと我が道を歩いているのだ。
■セレネ > 「ラピスちゃんの手作りなら安心ですし味も保証出来ますねぇ。」
後で作り方教えてもらおうかな、と三分の二を食べ終えている白を眺めながら思った。
「勉学は将来役に立ちますし、そうでなくとも知見を広げるのは良い事ですから。
色々学んで経験して、人生の幅を広げろよって父からもよく言われてたので…。」
尤も、己の父は勉強はからきしなのだが。代わりに経験は豊富で、その分知識も幅広い。
己もいつかそうなりたいと思ってはいるが…そうなれるまで道程はとてもとても長そうだ。
先輩が発動している魔術については、”視えて”はいれど顔見知り程度故、且つ実に巧妙に仕掛けられているので言及する事は無く。
ほぼ初対面でいきなり魔術に口を出すのもおかしい話なのだし。
三匹の中で一番遅く食べ終えた白仔猫は、下ろしてと言うように己を無言で見つめる。そっと地面に下ろせば、黒猫の方へと近付いていくだろう。
「そうなのですか。
…まぁ、今からでも遅くはないと思いますよ。」
むしろ三年後に気付けて良かったではないかと己は思う。
「…不真面目、ね。」
己もある意味不真面目なのかもしれない。
教師の言葉に苦笑を浮かべるのみ。
「……ふむ。今きちんと生徒として学園に通っているのですし、あまり気にする事ではないですね。
少し気になっただけでして。有難う御座います。」
色々事情があるのならそれはそれで良いだろうし。
話してくれた先輩には礼を述べ。
元二級学生だろうとそうでなかろうと、個は個であろうから。