2020/11/06 のログ
ご案内:「常世公園」に神代理央さんが現れました。
神代理央 >  
案の定、昨夜の一件は風紀委員会内部でも色々と問題になった。
大体は反対意見というか、厳しい目で合った事はまあ言うまでもない。
しかして、絶賛入院中の神宮司の息がかかった部隊であり、設立から人員編成までは一切の問題が無く――自らの立場を捨てて、落第街の住民を過剰に保護する委員がいるのか、と言えば、結局そんな事はない。

誰だって、我が身が可愛い。
まして風紀委員会だ警察機構だと銘打っていても、その多くを占めるのは学生――未成年である。
何が絶対的に正しいのか、等と言う答えを持ち合わせている者など、早々いない。
正しいのは――権威と権力。それだけだ。

「……まあ、先ずは初任務が滞りなく終わって良かった、と言う所か。連中も、思ったより従順だったし…」

本庁での詰問を終えて、ぐったりと公園のベンチに座り込む少年が一人。
深々と溜息を吐き出しながら、甘ったるい缶コーヒーをくぴくぴと喉奥に流し込む。

神代理央 >  
――こんな事がしたい訳では無い。
しかし、必要である事は理解出来る。嘗ての己も、そういう考えであったのだから。
其処から、違反組織へと対象を絞り、落第街に住む者達を保護しながら犯罪の抑制を目指していこうと思っていた。
その為の、特務広報部である筈だった。
…既に過去形になってしまうのだが。

「……いや、始めてしまった事を今更どうこう言っても仕方あるまい。
始めてしまったのなら徹底的に。容赦なく。加減無く。
私が果たすべき役割を、果たさなければ、ならない」

それは、己に唱え続ける呪詛。
組織の歯車として。システムの守護者として。『体制』の執行者として。
あるべき姿を己に唱え続けるだけの、独り言。