2020/11/08 のログ
ご案内:「常世公園」に彩雲寺 虹水さんが現れました。
■彩雲寺 虹水 >
「はい勝ち~~~!これで10連勝ですな、もっと精進するがいいですぞチビっ子ども。」
冬にも差し掛かる、少し寂しくなった常世公園。
青々と茂っていた葉もすっかり朽葉色に染まり、地面を包む絨毯の如し。
……そんな中で聞こえるのは、子供と……女性の笑い声。
『おねーさん強すぎるんだけど!』『もっと手加減してよ』『大人気なーい!』
「じゃかしいガキンチョ共!兎を狩る時も全力を尽くすのが獅子としての礼儀!
むしろ子供だからって手加減して貰えると思う性根が悪いですぞこれは。」
……少なくとも、大人げないのは確かである。
寒空の下に集った子供が、見目麗しい女性に遊んで貰っているという絵面ではあるが……
そんな恥晒し会場になっているベンチの周囲には、キッズホビーやゲーム機が散乱している。
ご案内:「常世公園」に毒嶋 楽さんが現れました。
■毒嶋 楽 > 「ほーぉ、なんか賑やかしいと思ったら。
ほらほら、そろそろ日が暮れますよー、チビッ子達よ。」
委員会活動を終え、帰る道すがら商店街で買い物をしていたところ。
公園の方から何やら賑やかな喧騒が聞こえて来て、ぶらり立ち寄った男が一人。
へらへらと薄っぺらい笑みを張り付けて、多種多様なゲームに興じている子供たちへと声を掛ける。
一人子供じゃない人も紛れ込んでいるが、気にせず声を掛ける。いっしょくただ。
「最近すっかり暗くなるのも早まったからねぇ
こわーい風紀委員さんとかが見回りに来る前に帰り支度しとけ~?」
片手にエコバッグ持った男自身が、一応風紀委員会にて仕事する身なのは内緒だ。
だって腕章もしてないし、既に委員会の活動時間は過ぎてるから。
■彩雲寺 虹水 >
「……おお、もうこんな時間ですか。
ほれ散れ散れチビッ子どもー。また挑戦なさい。」
『は~い』
きゃいきゃいとはしゃぐ子どもたちも、その声と公園の時計が鳴らすチャイムを聞けば
騒ぎながらも帰り支度を始める。
特に反抗すると言ったこともなく、実に素直なものだ。
『おねーさん、約束ってまだ有効だよね!』
「おう、拙者に勝てたらどんな願いでも1つだけ聞いて差し上げますぞ。
ま、拙者に勝つとか無理ゲーすぎて玉集めたほうが早いでしょうけど~~~!」
『玉って何?』
……ジェネレーションギャップを見せ付けられれば、もう何も言えないのである。
沈黙とともに、子供たちの帰る姿を見守った。
「……よっこらしょ。
やー、こんばんは。すみませんな、うっかり時間が経つのを忘れてしまって。」
立ち上がって辺りのホビーを拾い集め、袋の中に片付けていく。
……学業に関わっているなら、新任教師としての彼女の顔を知っているかも知れない。
■毒嶋 楽 > 「足元気を付けて帰れよー。」
素直で大変よろしい、と家路につく子供たちへと手を振りながら見送る。
何事も素直で聞き分けの良いのが一番、と満足そうに頷いてから残った女性へと振り返って。
「あいや、子供だけで遊んでるよりは大人の目が合った方が良いでしょうしねぇ。
……えっと、確か彩雲寺先生ですよね。新任の。
子供好きなんすねぇ~……まあ、この学校の大人の女性陣は割と子煩悩な人多いみたいすけど。
あ、お手伝いしましょーか。」
羨ましい限りだなあ、なんて締まりの無い笑みを浮かべながら。
回収されていくホビーを一瞥し、手伝おうかと荷物をベンチへと置いて。
■彩雲寺 虹水 >
「まぁ拙者が彼彼女らで遊んでるだけとも言いますが。
ソロプレイは割と寂しくてですな~。」
自分本位だが、特に悪びれた様子はない。
去っていく子供たちが街灯の向こうへと消えていくのをゆったりと眺めていた。
「おや、拙者のことを知ってらっしゃるなんて光栄。
おっしゃるとおり彩雲寺ですぞ。新任の生物教師です。ペーペーですけど!
あ、よろしいですか?それじゃあお言葉に甘えましょう。」
ふんふーん、と鼻歌交じりにホビーを放り込んでいく。
……金色だったり銀色だったり、如何にも『子供向けホビーのレアアイテムです』という
見た目のホビーも何個かある。それなのに管理は微妙に雑だ。
「拙者を知ってるってことは生徒ですか。生物を取ってるかは知りませんが。」
■毒嶋 楽 > 「実態がどうあれ、先生たちのような美人と遊べるんだから。
俺もこの島で幼少期を過ごしたかったもんです。」
ベンチに荷物を置けば辺りに散らばるホビーを拾い始める。
最近の物から、だいぶ年季の入ってそうな物まで。見覚えのあるもの無いもの、改めて様々だ。
「ええ、まあ。一年の毒嶋 楽、です。
昼間は大抵委員会の方に出てるんで、授業はもっぱら夜間学校の方に出てるんですけどねぇ。
先生みたいな美人を間違える訳もなし、一度覚えた顔は中々忘れない自信があるんで。」
はい、と拾ったホビーを差し出しながら、片手で自分のこめかみを軽く叩く。
忘れにくいのは何も美人に限った話でも無く、大抵の顔は覚えてられるのだがそこは態々言う必要も無いだろうと。
■彩雲寺 虹水 >
「ははは、最近は外に出たがらない子も増えてきてるので
以前ほどワイワイはしてませんがな、駄菓子屋も少ないし。
食べます?片付けの手伝いのお礼です。」
そう言うと懐から何かを取り出した。
……ガムだ。3個のうち1個がすっぱいやつ。
「毒嶋さんね、覚えておきましょう。
拙者は昼だったり夜だったりで一貫しませんが、もし会ったら指す頻度を減らしてあげますぞ。」
がしゃがしゃと袋に放り込み、あらかた片付け終えた。
そのまま再びベンチに座り、ガムを一枚口に放り込む。
「……楽しいですなー、この島は。
拙者ももっと早く来たかったですぞ。見たこと無いものが沢山。」
■毒嶋 楽 > 「まあ無理もない気もしますがねぇ。
ビデオゲームも面白いものが多いし、仮想現実で屋内に居ながらも外で遊べたりもしますから。
ああ、頂きます。お礼を頂くほど手伝った気はしないっすけど。」
くれると言うのであれば貰う。遠慮はしない。
とはいえ社交辞令かどうかくらいは見極める。まあ今回は社交辞令でガム渡そうとする人が居るものかと受け取った。
「いやいや、そんな気を使って貰うほどじゃあ。
生憎とこちら苦学生という訳ではないので。何せ二周目だ。
指されてもしっかりと答えましょう。」
へらへらり。気の抜ける笑みと共に絶対の自信を持って。
ただ指された時に起きている自信は無い。割と委員会活動も激務だから。
置いていた買い物袋を退かし、こちらもベンチに腰を下ろして
「そうですかぁ?そいつは良かった。
まぁ、何をするにも遅すぎるということは無いでしょうし、これから遅れは取り返していけば。」
「」
■彩雲寺 虹水 >
「拙者としてはゲームよりキッズホビーが好きなので、外で集まってワイワイしたいんですがな。
ほら、やっぱ顔突き合わせて遊ぶって大事でしょう。」
……社交辞令という様子はない。本当に自然体だ。
ちなみにすっぱいやつを引き当てた。
「おや、2周目とは。そういうタイプも居るんですか……
それじゃあ遠慮なく指させてもらいますぞー。忖度せずに。
分からなそうなところを重点的に投げます。」
性格が最悪だ。
寝ているときに指して『さっきの問題分かりますか?』って聞くタイプである。
「ま、それはそうなんでしょうが……
周囲はそうじゃないでしょう。なんせ異能の研究なんてそうそうサンプルが手に入るものじゃなし。
卒業して優秀な方が外に出ていったらと思うと心配で!」
■毒嶋 楽 > 「キッズホビー……俺が子供の頃は既にゲームが優勢だったもんで。
結局てんで遊んだことは無かったんですがね。
機会が無かったと言っちまえばそれまでなんですが、そういう意味じゃ今のチビッ子達は機会がある分恵まれてんのかもしれませんねぇ。」
しみじみと呟きながらガムを口に放る。
……すっぱ、と顔をしかめた。なにこれすっっっぱ。
「ええ、まあ。一度卒業したんですが、もっぺん学生として青春を謳歌しようかと。
共学だったてのに、随分と灰色な青春だったもんで。」
たはは、と笑いながら頭を掻いてみたり。嘘と真実を半々といったところ。
「異能の研究?
ほほう、担当は生物だと思ってましたが本業はそちらです?
まあ、一代限りの異能なんてそうそうあるもんでも無いとは思うんですがね。その辺どうなんでしょ。」
■彩雲寺 虹水 >
「んー、やっぱりジェネレーションギャップですかな。
まぁ拙者も流石にそっちには勝てないかもとは思ってるんですが……
でもやっぱり、『だからこそ良い』物も多いので文化としては廃れずに残ってほしいもんですな。」
未来を憂うには若干テーマがしょぼい気もするが、そこは真剣だ。
ちなみにすっぱいガムはこっちも引き当てた。エラー品だろうか?
「……なーるほど。ま、何があったとか野暮なことは聞きませんが。
今度は素敵な青春を遅れると良いですなー。」
こちらもからからと笑う。年齢的には近い部類だろうが、
基本的に自分の趣味以外にやる気がないこちらとは、随分対照的だ。
「いいえ、こっちも趣味です。生物学も趣味。
……そもそも、大変容で生態系も滅茶苦茶になったってのに
今更生物学なんて役に立ちませんぞ。
……だからこそ、異能の遺伝とか、移植とか……そういうのができないか調べてまして。」
■毒嶋 楽 > 「存外一周回ってまた流行するかもしれないですがね。
そこはまあ、企業が頑張るべき事ですから。
……あー、どうせなら遊んでる姿を動画とかで配信してみるとかはどうですかねえ。
ボランティアで広告塔になってみるとか。彩雲寺先生なら形だけでも様にはなりそう。」
眉間のしわを指で解しながら提案してみる。
妙齢の女性がキッズホビーで遊ぶ姿は中々に話題を集めそうではある。
しかも単体で見ても人目を引きそうな女生徒あれば、猶更ではないか。
「在学時代はなーんも無かったですよ、いやホントに。
まあ、こうして彩雲寺先生と話が出来たりもしてるんで、まあまあ幸先のいいスタートは切れたんじゃないでしょうかねぇ。」
うんうん、と自分の言葉に力強く頷く。
最初の学生時代とは比にならないラッキーエンカウントだ。
話し口は多少特異であれど美人で、それに、大きい。
そういえば先日のうどん屋でも同様な体型の人と知り合ったが、そういう傾向にでもあるのだろうか。この島の成人女性は。
「ほうほう。なるほどなるほどぉ~。
既存の生物学はそのままは用いれないかもしれませんが、少なくともそれを基に新たな体系は作れそうですがね。
まあ、専門では無いので素人考えですが。
……異能の遺伝や移植、ですか。ふーむ……。」
これまで無かった視点の発想、というわけでも無いのだろうが、面白そうだと口元が僅かに緩む。
■彩雲寺 虹水 >
「まぁそれはそれでいいのでは?若い時分に見識を広げるのは大事でしょう。
……えー、いやです。拙者は身売りする気はないのでー。
そういうのはこう、ちびっこ主体じゃないとね?」
なんだかめんどくさい発想だ。
本人的にはあまり悪目立ちしたくないのだろう。遊ぶ時間も減るし。
「左様ですか。
……んふふふ、有難うございます。でも惚れちゃあダメですぞ?
歳が近いとは言え教師と生徒ですし。」
人差し指を唇に当て……少しばかり妖艶に、流すような眼でくすりと微笑む。
先程まで子供たちと遊んでいた姿からは想像もつかない……
が、すぐに元の調子に戻ってしまった。
「まぁそういうことです。とはいえ拙者一人じゃどうしようもないので、
協力者を募るのも兼ねてこの島に渡ってきたっていうのもあります。
……遺伝、移植、そして合成。もしかしたら新しい異能が生まれるかも……
……想像しただけでワクワクしませんかな?それこそ、ゲームみたいで。」
■毒嶋 楽 > 「なーに、子供たちと遊んでる所をちょいちょいっと動画に収めりゃ良いんですよぉ。
面倒な編集やらなんやらは誰かに任せて……先生は遊べる、企業は広告が打てる。ウィンウィンでしょう。」
と言ってはいるが、当人が乗り気でないのも判っている。
半分冗談みたいなものである。へらへらと笑っているし。
「さぁてどうしましょうねぇ。時既に、かもしれませんよ?
それに、このが学園の生徒と教師なんて割と容易く立場が引っくり返ったりするらしいですし?」
なーんて、と笑いながらひらひらと手を振る。
この学園での教師という肩書きが特殊なのは事実だが、だからと言ってモーション掛ける理由にはならない。
というか初対面に等しい相手を口説く様な大それたこと、冗談でも無ければやってられない。
「それは……確かに面白そう、ではありますが。
倫理とか、そういうものが絡んで厄介そうとも思いますねぇ。
そもそも異能という物自体、だいぶブラックボックスみたいじゃないですか。」
よく知らないですけど、と付け加えて、へにゃりと笑みを零す。
■彩雲寺 虹水 >
「や~で~す~。こういうのはこう……もっとノリのいい人にですな。
あと写真写りいい人。」
悪いのだろうか?
「ふふ。それじゃあどうなるか楽しみにさせて頂きましょう。
ひっくり返るのは毒嶋くんの通信簿かもしれないですけど。」
凄い不吉なことをほざいた。
教師という立場である以上、嘘とも冗談とも取りづらいのが実にタチが悪い。
……面構えからするに、半分冗談みたいなものなのだろうが。意趣返しだろうか。
「ま、そこは抵触しないようにやりますぞ。
……人類の文化というのは、幾多の禁忌を踏み砕いて作られていくものです。
ブラックボックスがあるなら解き明かすまで。倫理という名の鍵はこじ開けるまで。
科学者はそういうもんですぞ?んふふ、多分同好の士も居るんではないですかなこの島。」
……調子は変わらない。半分冗談を言う時の眼だ。
何処までが冗談で、何処からが本気なのかは掴めない。そもそも冗談も本気もあるのか怪しい。
「……っと。もうこんな時間。
すみませんな話し込んでしまって。すっかり暗くなってしまいました。
今度また学校で会ったらよろしくおねがいしますぞ?」
■毒嶋 楽 > 「ならしょうがない。
さっき子供たちと戯れてた先生、中々絵になると思ったんですけどねぇ~」
ひょい、と肩を竦める。まあ確実にバズらせられるかというと怪しいところだと言う自覚もある。
「わぁ、それは困っちゃいますねぇ~。
その時は個人指導を彩雲寺先生にお願いしましょうか。」
のらくらり。不吉な言葉にも薄っぺらな笑みを崩さないまま。
留年したらその分だけ先生の授業受けられますねえ、とまで言ってのける。
既に一度卒業したのに出戻ってる身だ、留年したところで困る事もあんまりない。
「いやぁ、恐ろしいもんですねぇ科学者さんって。
生憎と俺ちゃんは事なかれ主義者なので、危ない橋は渡らない事にしてるんですよ。
山も谷も無けりゃ無いに越したことはない、ってね。」
目の前にそびえる双子山のようなものであれば話は別だが。
そんな事を思いつつ、締まりの無い笑顔で両手を軽く空へと向ける。
「おや、思ったより話しこんじゃいましたねぇ。俺も帰って夕飯作らないと。
ええ、こちらこそ先生。学校と言わず公私で宜しくしてくれると大変有り難いんですが。
……年下の友達ばかりというのも、なかなかに肩身が狭いもんで。」
■彩雲寺 虹水 >
「んふふふ、それは彼らにも一応許可を取らないといけませんな。
大変ですぞ~保護者含めて説き伏せるのは。」
くすくすと笑う。今度は明確に冗談めかしたゆるい笑顔。
「その時は手取り足取り教えてあげるから安心してくださいな。
拙者が教えるからには留年なんて許しませんぞ~?
拙者の給与にも響くし。」
切実だ。まぁ金はあるのだが、評判が悪くなるのは困る。
特に保護者がいるならなおさら。
「んふふ、それもまた人生でしょう。否定はしません。
ですがあいにく、科学者ってのは山も谷も大好物なものでして。
……切実ですな~。まぁ肩身が狭いのは理解します。
それじゃあ今度ちびっこたちと一緒に遊んでみます?案外楽しいかも知れませんぞ。
……なんて。それじゃあまた会いましょう。
……今度はせっかくだし、異能の1つや2つ見せていただきたいですな?」
最後に1つウインクを飛ばして、踵を返して歩いていく。
がちゃがちゃと音を鳴らすホビー入りの鞄は、楽しげに揺れていた。
……どうやら、今夜は機嫌がいいようだ。
ご案内:「常世公園」から彩雲寺 虹水さんが去りました。