2020/12/11 のログ
神代理央 >  
「ほう?それは重畳。お前がそうやって、自分を律する事を覚えてくれただけでも私は満足だよ」

彼女の訓練の様子は、それとなく他の隊員や訓練施設の管理官から聞いていた。その言葉が嘘偽りないことを知るからこそ、彼女に投げかける言葉は、自分でもちょっと驚くくらい穏やかな口調だっただろうか。

「そういう事だ。それに、お前が強くなれば、お前の刀もさぞ喜ぶ事だろう。
それに、弱い者いじめに拘泥していては、本当の強者と面向かうことになった時、大変だぞ?」

弱い者いじめ出来ない、という言葉には浮かべる苦笑いを濃くするものの。
一応やりがいを感じてくれている様なので、注意する事は控えた。
褒めて伸ばす、というのも大事なのだろうし。

「私服よりこっちの方が着慣れてるからな。今更窮屈だとは思わぬさ。
……それと、大丈夫だからといって余りはしたない事をするものじゃない。仮にも風紀委員なのだから、自重しろ自重」

めっ、と言わんばかりの小言。
しかし流石に、彼女のスカートからは視線を逸らせた。
と、言いつけ通りに降りて来た彼女にちょっとだけ安心した様に溜息を吐き出すと、改めて視線を向けて。

「……そう言えば、その、なんだ。この間は、見舞いに来てくれてありがとう。まだ、礼を言っていなかったからな」

ふい、ともう一度視線を逸らせて。
見舞いの礼を彼女に告げるだろうか。

刀々斬 鈴音 > 「もうあんなとこに一人ぼっちは嫌だからね!」

前に捕まったのはかなり大きかった刀と離されるのは耐えられない。
それに比べればまだなんとか人を斬るのは我慢できていた。

「えーそうなの?」

『強い分にはいくらでも強くなってくれて問題はない確かに良い事だ……。
 命さえあればそれでいい……。』

刀から無機質な声が聞こえる。

「だって!あと、本当に強い人相手の時は鈴音逃げるから大丈夫だよ!!
 今までも逃げれて来たから多分平気だよ!」

命を落とすかもしれない戦いに挑むことはない。
鈴音はこの組織の為に刀を振るう事はあっても命を賭けるつもりはない。
他の多くの特務広報部のメンバーも同じだ命を賭けてまで戦う理由はない。

「はーい。了解です部長ー。」

自重しろと言われれば棒読みでそんな風に言う。
恐らくこれからも気にしない。

「どういたしまして!リンゴも食べれるし訓練も楽になるからこれからも気にせずに入院してね!
 何回でもお見舞いは行くからね!」

ありがとうと言われれば笑顔でそんな風に言う。
悪意はない……素直な素直な気持ち

神代理央 >  
「ならば、私を含め風紀や公安に目を付けられぬ様に心掛ける事だ。
私とて、常に庇ってやれる訳では無い。次に補導されれば、本当に刀を取り上げられるやも知れぬのだからな?」

まあ、あの一件が十分堪えている様子なので余り心配はしていないものの。
一応、念の為、と言わんばかりに釘をさしておく。

「…相変わらず、お前より刀の方が話が早そうなのが何ともな…。
とはいえ、逃げる、という事も大事な事だ。
私だって、勝てない相手に無理に挑む事はしないし、負ける勝負に命を賭ける事はしない。
逃げる為にも必要な技術や相応の強さが必要だ、という事を覚えておけば、それで良い」

命を賭けない。危険な戦いに挑まない。
そう告げる彼女を、特段咎める事はしない。
勿論、そういった命令を出す事もあるやもしれないが、最終的には命あっての物種。

「大体、私は戦えば死ぬ様な強敵にお前や隊員達を戦わせるつもりなどない。
………人員不足だからな。そう簡単に死なれては困るし」

隊員達を気遣っている――という訳でも無いが、気に掛けているのは確か。
けれど、それを表に出して変な情で動かれても困る。
死んで欲しく無いのは、本心なのだ。
だから、如何にもそれっぽい理由を、偉そうな口調で彼女に告げるに留めるのだろうか。

「……本当に分かっているんだろうな。お前とて一応女子なのだから、相応に身だしなみや態度には気を付けろ。
淑女であれ、とは言わんが、良識の有る行動を取るように」

溜息と共に、小言を締め括る。
まあ、本当に分かって貰えたかは怪しいところだが…一応、上司として注意すべき事はしておかなければ、みたいな使命感。

「……いや、私もそう何回も入院したい訳じゃないんだけどな。
でも、気持ちは嬉しいよ。ありがとう」

良くも悪くも裏表の無い少女の言葉。
呆れた様に笑いながらも、此方の言葉は穏やかなもの。
逸らせた視線を彼女に戻せば、クスクスと笑いながら頷いてみせるのだろうか。

刀々斬 鈴音 > 「そうだよね……あの公安の人とか本気で追いかけてきたら多分普通に逃げれないもんね……。」

例に挙げるのは前に見た公安の……。
部長を倒すほどの実力者が本気で命を奪うつもりで鈴音と戦えば勝てないし恐らく逃げられない。
今からどのような訓練を積めばまともに戦えるようになるかは分からないが……。

「本当にウチ人少ないもんね……。
 簡単に人死んじゃうし……いつの間にかいなくなってる人とかもいるし……。
 宣伝とかしてみたら??」

ただでさえ憎まれる組織、所属してるのは元違反部活の生徒ばかりで真っ当な風紀委員はほとんどいない。
練度が低い上に憎まれている人員が命を失う事も他の風紀委員と比べればかなり多く、厳しい訓練に耐えかねて抜ける者などもいる。
そうして抜けた者がどこで生きているかについては分からないけども……。

「良識とか鈴音がもってると思ったら大きな間違いだよ!」

胸をはってそんな風に言う。
そう、つい半年前までは路地裏で人斬りを繰り返していた異常者。
ペットとなってからも甘やかされて人を斬り続けていて……。

自慢ではないが常識や良識など持ってはいない。

「どういたしましてだよ!あっ!!良い事を思いついちゃった折角だから退院祝いに何か食べにいこうよ!
 鈴音は甘いものかお肉が良い!今日お休みだし大丈夫でしょ?鈴音はちゃんとフォークとナイフちゃんと使えるから高いお店でも大丈夫だよ!」

当然、部長の奢りだと思い込んだ上での提案。

神代理央 >  
「…そういう事だ。まあ、自分の力量を弁えている、というのは良い事でもある。
お前が望むなら、一緒に訓練してやっても良いぞ?私の異形は、その性質上全部実弾になってしまうが」

避けるか防御すれば良い話だしな、とでも言わんばかりの気軽な口調で、異形達との耐久戦闘訓練等提案してみたり。
今のところ、死者も負傷者も出ていない安全な訓練ではある。希望者がいないので実施回数が0であることを除けば。

「宣伝、か。確かに有能な人材は幾らでも欲しい所ではあるのだが…。
真っ当な風紀委員は露骨に嫌がるだろうし、やはり落第街辺りの強者に声をかけてみるべきかな?」

そう考えれば、目の前の少女も、落第街でスカウトした槍使いの少女も、良く辞めずについて来てくれるものだと思うばかり。
人を増やしたいのは事実なので、彼女の提案には思案顔で悩む素振りを見せるだろうか。

「胸を張っていうことか。……全く…どうやら、戦闘訓練よりも先に良識の座学が必要みたいだな?」

まあ、良く言えば天真爛漫とでも言えなくも無いのだが。
どうしたものかな、と深まる悩みに唸るその様は、弟妹を心配する兄の様な有様だろうか。

「……高い店でも大丈夫、って。私に出させるつもり満々だろう。私の退院祝いなのに。
とはいえ、そうだな。特段やることがある訳でも無し。お前も、先日の公安との戦闘では、部下達を率いて逃げおおせてくれた功績もある。
奢ってやろう。きちんとマナーを守れるなら、扶桑のエンピレオにでも行こうか」

百貨店の高級レストランの名を上げながら、彼女の提案に頷くだろうか。
ドレスコードがあるから、何か適当な服も見繕ってやった方が良いのかな、なんて思いながら。

刀々斬 鈴音 > 「えー…やだーもっと楽なのが良い!」

『鈴音、鈴音に足りない能力を補うには丁度いい訓練である。
 訓練してもらえ。』

「えー……。」

自らの刀に逃げ道を防がれてしまう。
そのうち……そのうち受けてもいいかもしれない。

「……落第街でウチの事嫌ってなくて、強くて、風紀委員に入ってくれる人とかいるの?
 変な人しか集まらなさそう……。」

かなりの変人、或いは戦闘狂の類ならば参加してくれるかもしれないけども……。
信頼できるかと言えばまあ、難しい。
本当に人を足すのが難しい組織だ。

「だって、部長すっごいお金持ちだし……部長だし……。」

退院祝いである事を含めても鈴音がお金を出す必要がある要素はない。
退院祝いで+2、お金持ちなので-1、上司なので-1、そして鈴音が相手なので-10
合計-8奢りポイントなのでお金は出してくれる計算になる……。

「本当!?鈴音の鍛えたテーブルマナーを見せる時が遂に!!」

飼われている先のメイドにマナーが出来てないと飼い主が笑われちゃうなどと言われて必死に身に着けたテーブルマナー!
当の飼い主は気にする必要はないって言ってたけども……。

神代理央 >  
「……本当に、刀の方が話が早いな。
まあ、近いうちにな。流石に、今日明日で、というわけにもいかぬし」

彼女と妖刀のやり取りに、可笑しそうに笑みを零しながら。
ちょっと火傷するくらいなら大丈夫かな?なんて物騒な事を思案しつつ、彼女の為の訓練計画を早速考え始めるのだろう。

「……言っておくが、お前もその『変な人』の一員だからな?
自分はまともです、みたいな感じだが、十分変な人の枠内だからな?
とはいえ、お前の言う通りでもある。地道に声掛けからしていくか、宣伝にもう少し力を入れてみるか…」

ポスターとか作るべきなのかな、とか。右も左も分からない新入生を引き抜こうかな、とか。
彼女と共に、悩まし気な表情で虚空を見上げる事になるのだろう。

「……いやまあ、お金持ちであることはまあ否定しないが。
部長だし、ってなんだ部長だし、って」

彼女の中で胡乱な計算が行われていることなど露知らず。
呆れた様に笑いながら、小さく背伸び。

「ん、じゃあ決まりだな。……しかしお前、テーブルマナーを鍛える機会があったのか?
それじゃ、早速行こうか。エンピレオなら、私も顔が利く。
夕食代わりにするなら、混む前に行っておかないとな」

と、ちょっとだけ不思議そうな表情を浮かべつつも。
彼女に背を向けて、てくてくと歩みを進めていく。
実際の彼女の礼儀作法はどんなものなのか、少し興味を抱きながら――

「……ほら、置いていくぞ。エンピレオは、肉もデザートも一級品だ。私からはぐれたら、奢ってやらないからな?」

一度だけ立ち止まって彼女に振り返ると、愉し気な笑みと共に言葉を告げて。
彼女が拒まず、己の後について来るのなら。目指すは扶桑百貨店。
年末の買い物客で込み合う百貨店へと、二人の姿は吸い込まれていくのだろう――

刀々斬 鈴音 > 「鈴音が普通な訳ないでしょそれくらいは知ってるよ!
 落第街の人に声かけるにしても本当に生きるのにも困ってます見たいな人なら割と来てくれそうじゃない?」

この時期は特に増える。
スラムでも寒さをしのげる建造物なんかが壊されているので割と誘いやすいかもしれない。
マッチポンプともいう。

「上司は部下に奢るものなんだよ!
 他の皆にも奢ってあげたほうがいいよ!」

……どうなんだろう逆に他の皆は理央がいると緊張しちゃうので。
お金だけ渡してご飯に行かせるとかが正解なのかもしれない。

「鈴音を誰のペットだと思ってるの?」

左手で胸をポンと叩くとその手で光るは銀のブレスレット。
こういう部分のペットの躾は行き届いているのかもしれない。

「あっ!部長待って!!奢らないとかナシだよ!!」

振り返るその背中に必死になって追いついてそれから笑ってついていくのだった。

ご案内:「常世公園」から刀々斬 鈴音さんが去りました。
ご案内:「常世公園」から神代理央さんが去りました。