2021/03/01 のログ
毒嶋 楽 > 「そんな感じで。
 あとはそうだなあ、下着よりはズボンの方が売れると思うよ。あと靴とか?
 一応、シャツや下着程じゃなくても幾らか買い替えたりするでしょ?」

結果的に売れる先はマニアックな物好きになりそうな気がしなくもない。
しかしそのことはぐっと堪えて緩やかな笑みを浮かべる楽だった。
よく考えれば楽自信が公安委員で風紀委員なのだが、今は勤務時間外。腕章もしていないし何の権限も持たないのである。
だからルリエルが下着を売ることを止めることも無いし、たぶんこれからも咎めないだろう。


「いや、せっかく選んで貰った……とは言い難いけど、ルリエルさんの気まぐれメニューという事で。
 サイズが合うかだけ心配だけど、まあ……小さすぎるという事は無さそうだし。」

むりそ自分よりよほど厚みのある身体をしているのは見てわかる。
それでなくともどうやら大きめのサイズを普段から選んでいるようだということも、
これまで話しの傍ら物色した結果から分かっている。

「それとも、今着てるのがイイって言ったら売ってくれるのかねえ?
 ……なんてな。それじゃあ俺はそろそろ帰ろう。早速帰って袖通してみないとな。
 クッキーも楽しみだし。」

ゆったりと寛ぎ始めたルリエルを横目に、予定外の荷物を抱えたまま楽はそっと立ち上がる。

「それじゃあ、また。
 今度会ったときはシャツとクッキーの感想も伝えようかねえ。」

ルリエル > 「さすがに今着てるのは今のお気に入りですからねぇ。古着じゃないから売りませんよ?
 ……いえ、交渉次第ですけどね。ふふ」

しんなりとくつろぎきった様子で横になりながら、ルリエルは今着ているシャツのプリントを強調してみせる。
デフォルメされた猫のイラストが描かれているが、中に包まれた脂肪の塊に押されて形が盛大に歪んでしまっている。
……たしかに、ルリエルよりも背が高く細身の毒嶋にとっては、売り物のシャツはどれも大きすぎるかもしれない。

「ズボンや靴ですかぁ…最初に選んだのが丈夫なものだったので長く使えてるんですが。
 たまにはジーンズ以外のズボンも買って履いてみましょうかね? ふふ、アドバイスありがとねぇ、先輩♪
 それじゃあ、残り少ない休日、どうかごゆっくり~」

ファッションと売り物について良い知見を与えてくれた青年に、ルリエルは手を振りながら見送る。
半ば押し付け気味に古着を与えたことになるが、願わくば500円分くらいは彼の役に立ってくれることを願って。

「ふあぁ……あ。長く話し込んだせいで、少し眠くなってきたかもぉ……」

お昼どきを過ぎて、小春日和の陽気に包まれる公園。
そしてルリエルにとっては日課とも呼べるお昼寝の時間。
外出中くらいは我慢したいものだが、寝そべってしまうと午睡の誘惑に勝つのは難しい。
――怠惰で悠々自適な天使は、柔軟剤の匂いに包まれながらうとうととし始めた。

ご案内:「常世公園」からルリエルさんが去りました。
ご案内:「常世公園」から毒嶋 楽さんが去りました。