2021/04/05 のログ
セレネ > 「苦手意識、少しずつ克服できると良いですね。」

分かっているならこれ以上言っても口煩いだけだろうから留めておくとして。

「…ここだけの話、私が学園側に伝えている情報は名前と性別、年齢だけですよ。
後は伝えてないですし、伝えなくても構わないと言われたので。」

尤も名前も偽名なのだが。
だから仮に己のデータベースを探っても殆どの情報は不明、となっているだろう。
確認したことがないから分からないけれど。

「いつ発動するかも分からない、どこに飛ばされるかもランダム。
…厄介な体質ですこと。」

とはいえ己も何か対策案がある訳ではないから、現状お手上げだ。
彼には強くなってもらうしかないだろう。

「貴方と繋がっている紅いドラゴンは『貴種龍』と呼ばれるものだそうで。
その中でもとりわけ獰猛な”終焉を齎す者”<エンドテイカー>と呼称しているドラゴンみたいです。」

調べるのちょっと大変でしたよーなんて言いながらも楽し気なのは、調べものが決して苦ではないからか。

火光雷鳥 > 「だなぁ。身近に風紀の知人友人がいりゃあ、少しは克服もしやすいんだけどな。」

考えたら、数人は風紀に所属してる知人は居るが、かといってこればかりは時間を掛けるしかない。
苦手意識、というものは個々人によりけりだが時間が掛かる場合も多いのだ。

「あーー成程。とはいえ、それ結構緩いなぁ。まぁ、そういう方針なのかもしれねーが。」

そこはまぁ、そういうものなのだろう。あまり凡人が考えても分かる訳でもないし。
彼女の続く言葉に、「正直最近は若干慣れてきてる自分が悲しいわ」と溜息混じりに。
勿論、不意に転移させられるし一方通行なので厄介で面倒な事に変わりは無いのだけれど。

「貴種龍…エンドテイカー……何か響きとかからして厄ネタっぽいんだけど、俺の気のせい?」

あれ、もしかして想像していたより数段やばーいヤツが俺の脳内に潜んでいるのでは?と、冷や汗たらり。

友人は大変だといいながら何処か楽しげだが、こちらはそんな気分にはとてもなれない。
いや、まぁ正体が判明したのは有り難い事なのだけど。

(…これ、ますます俺の目指す平凡な学園生活から遠ざかっていくんじゃねーか?)

と、溜息を零したいのをグッと堪えつつ脳内で呟く。ロクでもない存在なのは薄々勘付いてはいたが。

セレネ > 己だって苦手なものはあるし、それを克服できるかはわからない。
…太陽や虫は、そもそも無理な所もあるけれど。
まぁ今後少しずつ慣れて行けば良いだろう。そんなに深刻な問題でもないのだから。

「言いたくない事の一つや二つあるでしょうからね、人によっては。
特に私のような異邦人はね。」

今の所特に何も言われてないから大丈夫な筈だ。
暴走するような異能も持ち合わせていないし魔術もやたらと使うつもりもない。
そしてどうやら突然の転移に慣れてきている彼に、それもそうだなと内心で。

「ご名答。貴種龍は全部災害級の力を持ってるんですって。
実におもし…いや、恐ろしいですねぇ。」

うっかり口を滑らせかけた。
そんな種と繋がっている彼に益々興味がわいてくる。
平凡を望む彼には申し訳ないけれど。

火光雷鳥 > 「まぁ、異邦人は別の世界から来てるんだし、そりゃ色々訳ありなのはあるだろうなぁ。」

目の前の友人もそんな訳ありの一人であるのだろう。
もっとも、この少年は好奇心あれど根掘り葉掘り追求するタチではなく。

「………いや、ちょっと待って?災害級?え、天災とか震災扱いなの?やばくね?
…つーか、明らかに面白いと言い掛けたよなぁ!?」

流石に聞き逃せないので素早く突っ込みは入れておく。
どうやら、ちょっと洒落にならんのが自分の脳内に顕現しているらしい。

(うわぁ、すげぇクーリングオフしてぇけど、そうもいかんしなぁ。と、いうか未だに無事なの奇跡では?)

いや、既に被害には遭っているが。ああ、だから腕が一時的にドラゴン化したのか。
と、一人納得したように頷くが―ーいや、全然解決になってないなこれ。

「――つまり、俺が異界接続者とかいう小型の門みたいな体質のせいで、その貴種龍を何時の間にか脳内に呼び込んでいた、みたいな感じか?
……いや、洒落にならんし現状じゃどうしようもねー気がするな、これ。」

思わず乾いた笑みを浮かべて遠い目。現実逃避したいけどそうもいかない。

セレネ > 「まぁ…認識されると不味いかな、みたいなのはもしかしたらあるでしょうね。」

何も知らぬ人達に己のあれそれを知って欲しくない、という気持ちもない訳ではない。
だからこそ、己は個人に己の情報を告げるのだ。

「えぇ、そうみたいですよ?
此処も何度か被害に遭っているみたいです。
…まぁ他人事ですし私としてはこれ以上ない程魅力的な研究対象ですけれども。」

”彼”の魔力やドラゴン化した腕とか、凄く興味ある。
己にはない、己には出来ない事だから。

「推測でしかありませんが…恐らくそうなるかと。
貴方が扱えている異能も、きっと”彼”の力の一部が流れてきているからでしょうね。」

思えば目の前の赤い髪の少年は唐突に異能に目覚めたのだったか。

「そういえば、貴方が異能に目覚めた時病院に入院してた…って以前言ってましたね。
どういう事されたんです?」

火光雷鳥 > 取り敢えず、異邦人や情報の秘匿あれこれについてはまた今度話すとしよう。
ちょっと、洒落にならん展開になってきたのでそちらに注力したい。いや、現状どうしようもないけど。

「……それ、下手したら俺って風紀とか公安委員会?に連行とか聴取されねぇかな?」

もしくは胡散臭い研究機関とかに。彼女には確かに他人事だろうが、当事者としては笑えない。
あと、さらりと人をモルモットみたいな扱いにしないで欲しいのだけど!

「…そうなると、俺は本来は魔力も異能も全く持ってない無能力者っつぅ事になるなぁ。
いや、凡人としてはそのほうが有り難かったんだけど…。」

現状は、魔力は相変わらず無いが異能に目覚めて、しかもその大元のやばーい龍が脳内に居る事実。
…ますます実家に帰省出来なくなった気がしないでも無い。

「え?ああ、普通に身体検査とか投薬とか。流石に手術はされてねーけど。
…まぁ、でも冷静に考えて1年も入院してたのは今考えると胡散臭い気はする。」

そもそも、入院期間中の記憶が所々『曖昧』なのが気に掛かる。
まぁ、そこまであれこれ考えを巡らせてもしょうがない。
現状はその貴種龍をどうにかしないといけないが、災害級の化け物相手に凡人でどうしろと。

「……まぁ、でも腑に落ちた部分も幾つかあるし、俺の脳内の奴の正体が分かっただけ御の字か。

―-よっし、…今日はもう帰って寝る!!」

と、徐にベンチから立ち上がって。ちょっと現実逃避というか不貞寝したい。

セレネ > 「んー。現状はどうとも言えませんが、
貴方の異能が暴走したりしない限りは大丈夫ではないかと思いますけどね。」

学園側がそれを把握しているかも分からない以上憶測で物を言うのは避けねばなるまい。
研究機関には認知されているかは分からないが、今此処に居る研究者気質の一柱には興味を持たれている現状。

「まぁまぁ、そのお陰で会えた人も居る訳ですし…。」

ね、なんて苦笑しつつ。

「その話ももう少し掘り下げられると何か見えてくるかもしれませんね。」

彼が受けた病院での諸々は彼の家族にも話が行っている筈だろうし、少し話を聞いてみたいのだが。
いきなり子どもの友人が入院中の事について聞く、というのも無遠慮過ぎるか。

「体調の方は問題ないですか?それどころではない可能性もありますが。」

彼が立ち上がれば己も膝をついていた体勢から立ち上がり、
軽く砂を払って大人しくしていた仔猫を抱き上げる。
そしてもう平気なのかと問いかけた。

火光雷鳥 > 「暴走ねぇ。現状制御が課題なのは変わりねーけど。」

未だに異能制御器機の助けが無いと発火能力の応用が中々使えないのだ。
そもそも、あれやこれや考える事が多過ぎて凡人の脳みそでは限界がある。

「そりゃそうだが、俺は別にこういうのは望んでねーんだけどなぁ。
…つーか、病院時代はあまり良い思い出がねーからなぁ。」

溜息。分不相応な力なんていらないのだが、それはそれとしてこうして厄介な案件を抱える羽目になっている。

「あーー…体調もだけど、ちょっと色々と情報整理したいというか、ぶっちゃけ精神的にしんどいわ。」

災害級の存在が脳内に常駐しているようなものとか、気質が凡人寄りの少年にとっては地味にストレスがやばい。
苦笑い気味に肩を竦めてみせつつ、「それじゃ俺は先に引き上げるわ。」と、彼女に挨拶をしてから歩き出す。

その後姿は、何時もの陽気さは欠片も無く相応にショックを受けているのと、矢張り調子が悪いのが窺えたかもしれない。

ご案内:「常世公園」から火光雷鳥さんが去りました。
セレネ > 「……。」

彼の異能の制御についても、実際に使って身体で覚えるしかあるまい。
そういう意味では実戦形式の修行の方が良いのだろうかと、彼の師でもある己は思考する。

彼の言葉には己は適切な言葉が見つからなかった。
衝撃を受けているのは目に見えて分かる。
だからといって下手な慰めをしても余計に凹ませてしまうかもしれない。
ならばここは何も言わず見守っておくのがベストか。

「…何かあれば連絡して下さいね。お気をつけて。」

結局彼の体調不良は治せなかった。これは医師としては不合格だ。
去っていく後ろ姿を仔猫と共見送っては、小さく溜息。

『遅かれ早かれ知る事とはいえ、ショックを与えてしまったのは不味かったかしらね。
…人って難しい生き物ですこと…。』

セレネ > ともあれこれからどうするか、どうなるかは彼次第だ。
己にはどうする事も出来ないししてあげられない。
どうにか飲み込んでもらうしかない訳だ。

己もそろそろ帰ろうか、と公園を後にしよう。
今回得られた情報を頭の中で整理しつつ。

ご案内:「常世公園」からセレネさんが去りました。