2021/07/26 のログ
ご案内:「常世公園」に比良坂 冥さんが現れました。
■比良坂 冥 >
公園のベンチに一人の制服姿の少女が座り込んでいた
辺りは小雨が降り、しっとりと地を濡らす中、傘もささずに
「……───」
小さな小さな雨粒が落ちる、スマホの画面をじっ…と、昏い瞳で見つめていた
彼が自宅に帰ってこなかった
遅くなることがあっても全く帰ってこない、連絡もなかったのは始めてだ
何かあったのなら、彼の性格ならまず仕事関係の連絡を優先するだろうから
何かあったのだろう、と思ってはいた、が
じゃあ、何があったのかは 知らないといけない
■比良坂 冥 >
急な仕事で帰れなくなった線、は大いにある
けれどそれなら、連絡をしてくれそうな気もする
じゃあ、何かトラブルで帰れなくなって
その始末に追われているか…
あるいは、まだ混乱の中にいるか
すぐに連絡できない状態になっているか
──死んでいたら、さすがに監督役なので連絡は他から来る筈
「……どうしたんだろう」
「……どうしてこんなに、心配させるんだろう」
「……そんなしごと、もうヤメればいいのに」
ぽつり、ぽつり
時折、前髪を伝い落ちる雫のように、言葉を繰り返していた
■比良坂 冥 >
前に、風紀委員を辞めて欲しいとお願いしたことがある
その時は、大事な部下のためにも、と却下された
「……いなきゃいいのに、そんな人達」
少しずつ雨足が強まる中、ゆっくりとベンチから立ち上がる
濡れて視界を閉ざす前髪の隙間から昏い瞳が覗き、遠くを見据えた
その先、その方角に位置するのは、委員会街
……連絡がないなら、聞きに行こう
風紀委員の本部は、何度も厄介になったおかげでよく知っていた
「……そうだね。いなきゃいいのに」
ゆらゆらと、覚束ない足取りで
降りしきる雨の中を一歩、また一歩と、少女は公園から歩き去った
ご案内:「常世公園」から比良坂 冥さんが去りました。
ご案内:「常世公園」に幣美奈穂さんが現れました。
■幣美奈穂 >
た~んたた、たたたた~♪
美奈穂、公園の小広場で口ずさむのです。
触るとびびびっと機械を壊してしまう美奈穂、
残念ながらラジカセも使えません。
だからお口で音頭を取ります。
「まずは伸びの運動です。背筋を伸ばし良い運動姿勢を作りましょう」
息を吸いながら腕を前から上げ、息を吐きながら腕を横から下ろす。
こつは、腕をよく伸ばして、ゆっくり高く上げ、背筋を伸ばす事です。
そう実演する美奈穂の前
並ぶのは、公園を縄張りにしている動物さん達。
リスさんっぽいのや兎さんっぽいの、レッサーパンダや熊さんっぽいのもおります。
色々な異邦外来種も混ざる常世島。
動物なのか獣人なのか幻獣なのか、判らない方が沢山です。
角の生えたお馬さんは前足が伸ばせないので、首を上下させています。
■幣美奈穂 >
次は腕を振って脚を曲げ伸ばす運動です。
かかとを引き上げ腕を交差した状態から、腕を横に振って脚を曲げ伸ばします。
腕を振り戻して交差しながら踵を降ろしてあげます。
コツは、かかとの上下運動を腕の振りに合わせてリズミカルにすることです。
後ろ足で立てる動物さんは、なんとか真似をしようとします。
熊さんの腕は豪快です。
「次は~腕を回す運動です」
腕を身体の外側から内側へ大きく回して、そして反対回し。
コツは、腕や肩の力を抜きまして、遠心力を使って大きく回します。
モモンガさんは精いっぱいに伸ばして、身体を大きく見せます。
4年、島に居る美奈穂。
どうも獣人さんも動物さんも分け隔てなく育ってしまっています。
比較的安全なお仕事ばかりしているからかもしれません。
■幣美奈穂 >
次は胸を反らす運動です。
正しい姿勢を創り、呼吸器官の働きを促進します。
左足を横に開きまして、腕を横に振ります。
息を吸いながら腕を斜め上に上げ胸を反らせまして、
息を吐きながら腕を振り下ろします。
コツは、深い呼吸を心掛け、顔が上を向きすぎないようにです。
・・けど、この胸を反らす運動。
動物さん達にはなかなか難しく。
頭を反らした末に、後ろにころりんとするお姿も。
「次は身体を横に曲げる運動です」
普段動かす事の少ないわき腹の筋肉を伸ばします。
右腕を上げ、身体を横に曲げます。
反対側も同様に。
この運動、排せつの促進にもなるそうです。
コツは、前かがみにならないように、腕を真横から上げましょう。
きゅいきゅいっと上手なのはレッサーパンダさん。
遅れてきたにゃんこさんも真似をしますが、招き猫の様になってます。
■幣美奈穂 >
次は身体を前後に曲げる運動です。
背中・お腹の柔軟性を高め、腰への負担を軽くする運動です。
弾みをつけて、状態を前へ三回曲げてから上体を起こして、
両手を腰の後ろにあて、状態をゆっくり逸らせます。
コツは前屈は首・肩の力を抜き、上半身の重みで弾みをつける事です。
けど。
やっぱり後ろにそらす運動は苦手なことが多く。
結構、皆さん後ろにころころ転がります。
あっ、熊さんも夫婦そろってどしーん。
樋熊な彼らもこれは苦手です。
あいもかわらず野良白黒熊さんはさぼりですね。
その次、体をねじる運動。
背骨の動きを柔軟にし、良い姿勢を創ります。
腕を軽く振りながら体を左、右、左、右とねじります。
腕を左斜め上に振りながららせん状に身体をねじります。
これを反対側も同じように。
腕の勢いにつられて脚が動かないようにするのがコツです。
で、動物さんたちはついつい、脚を動かして左回り~右回り~とくるくるするのです。
足を止めてのびーん、と前足をさせて見せます。
「腕を上下に延ばす運動です。いっち、にー、さん、しー」
素早い動作で瞬発力を向上させます。
左足を横に開きながら手先を肩に添えまして、脇を締めます。
腕を素早く上に延ばし、踵を上げます。
そして手先を肩に戻し踵をおとします。
左足を戻しながら腕を下へ伸ばします。
この運動は、号令をかけ乍ら行うとより力強く素早くできます。
角が生えたお馬さんや翼が生えたお馬さんも、後ろ足で立って前足をひひ~んと上げるのです。
でも、熊さんや虎さんのあれは、まるで狩りをする振り下ろしです。
あっ、レッサーパンダさんがそれを横目で見まして、前足をえいえいっとするのです。
■幣美奈穂 >
「次は身体を斜め下に曲げてお胸を反らす運動です」
背中から脚の裏側を伸ばして、呼吸器官の動きを促進する運動です。
左足を横に開きまして、上体を左下に二回曲げます。
上体を起こし、大きく息を吸って胸を開きます。
それを次は右側にと同じように。
コツは、胸を反らせるときは、肘を伸ばして大きく息を吸う事です。
早朝の公園の匂いが新鮮なのです。
なんか、みんなでばんざーいしている格好です。
そして、身体を回す運動。
腰周辺の筋肉をほぐして柔軟性を高めます。
両腕で円を描くように身体を左へ大きく回しまして。
反対回しも同じように。
コツは、肘を伸ばして身体を回すことで、胴体全体がほぐれます。
でも、やっぱり後ろを回すのが難しくて。
身体ごとぐるぐると回る子がほとんどなのです。
と、両足で跳ぶ運動が次です。
リズミカルに跳ぶことで全身の血行を促進します。
両足を揃えて、軽く四回跳びましてから、
腕を横へ上げながら大きく開脚跳びです。
コツは、前半は軽く、後半の開脚跳びは大きくと強弱つけることです。
これはみんな好きなので、自由に跳びはねます。
あっ、鳥さんや翼をもつ方は羽を広げないように注意ですよ。
横の人?にぶつかりますからね!
ちょっと多めにジャンプ回数をとってから、
次は腕を振って脚を曲げ伸ばす運動です。
踵を引き上げ腕を交差した状態から、腕を横に振って脚を曲げ伸ばします。
腕を振り戻して交差しながら踵を下ろしてあげます。
コツは、腕や脚の動きをゆったりとすることです。
ぐい~、ぐい~ん。
ゆったりとして見せると、みんな目を細めてゆったりです。
そして、最後は深呼吸。
身体をゆっくりと平常の状態に戻します。
行きを大きく吸いながら腕を上げまして、
息をゆっくりと吐きながら腕を横から下ろします。
腕の動きにとらわれず、深い呼吸を意識しましょう。
ふ~・・と息を吐きまして。
早朝の常世公園体操の終わりです。
■幣美奈穂 >
美奈穂が時々、朝にやる公園での体操です。
新しい子などが公園に来ていないか、皆さんが元気かを確かめる活動なのです。
立派なお仕事なのです。
あまり日が昇ってからだと、夜行性で寝ている子もいますし。
夜に寝る子もおりますので、早朝なのです。
「はい、今日も皆様の元気なご様子を見れてよかったです。
じゃあ、配りますね~。
並んでくださいませ~」
と、用意しているのは。
今日は野菜を細かく刻んで入れた肉ボール。
体操に出てきてくださった方へのお礼です。
お肉を好まない方の為に、野菜オンリーボールや生野菜、フルーツもあります。
ハンコを押すのは人にだけ。
動物さん達には現物支給です。
順番にお渡し、既に慣れたもので。
皆さんも素直に並んで、順番に受け取ります。
体格による違いもありますので、一匹で数個や、数匹で一個なんてのもありますけど。
また、体質もありますので実は細かく配合を変えてあったりします。
はい、また来てくださいね。
もっと真剣に体操しないと駄目ですよ?
としゃがんだり背伸びをしたりして、一言を伝えて渡していきます。
こうして、早朝のお仕事を終える美奈穂なのでした。
ご案内:「常世公園」から幣美奈穂さんが去りました。