2021/10/23 のログ
ご案内:「常世公園」に鞘師華奈さんが現れました。
鞘師華奈 > 「……えぇ、まぁそんな感じで。意外と雲隠れが上手い様で梃子摺ってます。
…とはいえ、ある程度目星は付いてきたのでそろそろ尻尾は掴めるかと。…了解、引き続き調査を続けます。」

耳元に入れた超小型の無線機越しに上司と簡潔なやり取り――彼女に与えられた公安の極秘任務の経過報告。
傍受されないように特殊な電波やあれこれを駆使した独自の秘匿回線みたいなもの。

短く報告を終えれば、無線機は耳から外してスーツのポケットに仕舞い込んで一息。
別のポケットに片手を突っ込んで煙草の箱とジッポライターを取り出す。

「……さて、そろそろきちんと成果を出さないとね。」

呟けば、箱から1本片手で器用に抜き出して口の端へと咥えてジッポで火を点ける。
ゆらり、と紫煙を燻らせながら一度大きく吸い込んで…盛大に煙を吐き出した。

人気の無い夜の常世公園。そこにあるベンチの一つに腰を落ち着けつつ、ホットの缶コーヒー片手に一服タイム。
気が付けば季節は巡って秋の頃合――時間が経つのが早いなぁ、と他愛も無い事をふと思う。

鞘師華奈 > 風紀の方ではちょくちょくまた何かあったようだが、こちらは公安としての仕事に注力するしかない。
そもそも、まだ公安に入って1年も経過していない新人だ。
流石に仕事には慣れてきたが…、かといって優秀かどうかと言われたら我ながら疑問でもあり。

「……まぁ、根気良く確実に少しずつやるしかないね。」

溜息と共に紫煙を吐き出して。そういう地道な諜報活動こそが自分の仕事だ。
最近は泊まり込み等も地味に多く、自室に戻らない事もちょくちょくある。
…家事が溜まっていくなぁ、と少しだけ嘆きながら。最近は料理もあまりしていないし。

「……来週はなるべく部屋に戻って自炊をするようにしておこうかな…。」

給料は生活には困らない程度には入っているし、地道に貯金もしている。
特に高価な買い物もしていない――あぁ、煙草代が少々嵩むかもしれないが。
ベンチに背中をゆっくりと預けながらコーヒーを合間に一口飲んでほぅ、と一息。

鞘師華奈 > ここ最近は学業と公安の仕事に集中し過ぎて、知人友人とも顔を合わせていない。
自室にも戻る頻度がやや減っているし、単身赴任でもしているような気分だ。

「――いや、私自身の事も調べていかないと、なんだけど…。」

最近はそっちの調査が中々進展していない。焦ってもしょうがないのは勿論分かっている。
ただ、自分自身の”正体”が分からないのは居心地が悪いというか据わりが悪いというか…。
ゆっくりと煙草を蒸かしながら空を見上げる。少しずつでも一歩ずつでも。

「――私は私の物語を歩む為に。」

またいずれの再会を。今度は胸を張って笑い合えるように。
…疲れでも溜まっているのか、少々センチメンタル気分になっているのだろうか。
今なら、異能でちょっとした建物くらいなら破壊できそうな気もする。