2021/11/12 のログ
深見 透悟 > 「んもー……こんな可愛いクマ捕まえてひどいんだあ
 窮屈だと思ったことは無いかなあ、不思議とね
 何だかんだ言っても幽霊の時に行けなかった場所も行けるし」

仮の器とはいえ肉体を得た事で行動範囲は劇的に広がった
だからこの体には感謝しかない。もちろん、それを贈ってくれた友人にも
その横で撫でられている自分にそっくりの容姿の人形にはちょっとだけ嫉妬したり

「……うん、まあね
 この世界に来て最初に友達になった人から貰った物だからってのもあるけど」

ふふん、と得意げに胸を張るテディベア・透悟
誰の手にも渡す気は無いし、汚れたり傷つけたりだなんてのは以ての外と思ってたりする

「ほー、陽の光を動力源にねえ……陽の光か
 惜しむらくは俺が幽霊だから陽の光にはちょっと抵抗があるって事だな……でも何か使えそうかも」

ありがとう、とイェリンへ礼を述べて
それはそれとしてやっぱり何だか照れくさいので土人形を観察するのはそれくらいにしておいて欲しい透悟だった

イェリン > 「身体のサイズというよりは親和性……っていう奴なのかしら。
自分の足で歩けるようになるって、ちゃんと幽霊にとっても大切な事なのね」

以前会った時には自分の意思では初めての土地には行けないと言っていた。
今、自分の足で歩けるようになった彼はどこへだって行けるのだろう。

「素敵な贈り物ね、それは」

その仕草は可愛いわ、と胸を張るテディべアを微笑ましく見る。
人の良い彼の事だ。誰彼問わず、とは言わずとも良き縁に恵まれているのだろう。

「そ、自分の魔力だけで賄うのが辛いなら、他の動力源に頼っちゃうって言う手段。
モノは何でもイイと思うけれど、いくら優秀な魔術師でも魔力は無尽蔵じゃないもの」

思い当たる物で彼に合いそうな物が思いつかず、ごめんなさいと小さく謝り、土人形に触れる手を離す。

「分からない事ばかりだけど、一歩ずつ進んでるのね。
逢うたびに違う姿を見せてくれる」

不思議な存在だった。
きっと彼自身、こんな所に一人放り出されて寂しかっただろうと思うが、
そんな片鱗を見せずに明るく校舎で声を響かせていた姿。
それが今、できた縁から贈られた二本の足で自分で歩けるように、なっているのだ。

深見 透悟 > 「あとは単にこのテディベアが懐の深い奴だったのかもしれない
 長く大事にされた物には魂が宿るって言うし、生憎と俺はこの子の魂と対話出来なかったけど
 そだね、行きたいところに行く足と、環境から魂を守る殻になってくれる体
 どっちも大事なんだよなー、もう身に染みて実感したわ。染みる身もまあクマか土なんだけど!!」

うんうん、とイェリンの言葉に頷く
行動範囲も広がったということは、同様に見識も広まったということ
死してなお成長するのである、と得意げなテディベア

「だろっ? 今度会った時ちゃんとお礼言わなきゃなー」

ふっふーん、と得意げな透悟
今話しているイェリンを含め、知り合った人たちはみんな善寄りだと思う
自分の事ながら運が良かった、と思わずにいられない透悟だった

「なるほど他の動力源か……よし、ちょっと調べてみよう
 ホント、幾ら天才魔術師でも魔力が尽きちゃただのお子様だしさー……あ、俺の事ね?」

はへぇ、と疲労感滲む溜息と共に、イェリンへと寄りかかる
実際お疲れモードではあるのだ。テディベアの体で蓄えた魔力も心許ないものであるし

「停滞は敵って小さな頃から徹底的に仕込まれてたから、かなあ……あんまし良い思い出じゃねーけど
 ふっふふふ、さてはイェリンさん俺に惚れちゃった?」

参ったなーやっぱテディベアはモテるんだなー、とケラケラ笑いつつ
彼女が自分のこれまでを振り返っているなんてさっぱり思っていない

イェリン > 「魂との対話、ね。幽霊とだってお話できるんだし、いつかできるのかもしれないわね。
その子の魂が、お友達の愛着の籠った身体が貴方を護ってくれてるのね」

久々に聞く幽霊ジョークに笑い、改めて彼の芯の強さとその周り包む優しさを感じる。

「そうね、可愛がってたテディベアをくれたのでしょうし。
もうその人にはそっちの姿は見せたの?」

横たわる土人形の姿を見やり、言う。
初めて見せたらきっと驚くわ、と。

「ちょっと調べよう、でできそうだからホント凄いわよ。
その土人形見ればその自称も頷けちゃうってものよね」

寄りかかってくるテディベアを抱えるようにして抱き、撫でる。
魔力を分け与えるなどという事ができるのかは分からないが、
優しく包むように。

「良い事よね、立ち止まらないって。
……せっかく格好いい事を言ってるのに、そうやって口にされるとなんだか惚れづらいわね」

この毛並みには惚れちゃうけれど、とテディベアの笑い声につられるように。

「いつか行ってみるとしたら、常世荒野なんてどうかしら。
あそこには色々流れ着いてくるし、もしかしたら一緒に流れて来た物もあるかも知れない」

言いつつ、夜風が肌を撫でるとブルリと震えあがる。

「……うぅ、今日は一段と冷え込むわね。
運動がてらに来たけど、もういい時間」

深見 透悟 > 「俺なら出来る気がするんだよなあ……同じ魂だし。俺のレベルが足りないのかな……
 あは、そういうこと。だから汚したりしないで大事にしないとねー」

ふふっ、と嬉しそうに笑う
その為にも、やるべきことはやらなきゃと

「うん、まだなんだよ
 だからどんな時でも安心して見せられるように、ブラッシュアップしなきゃなあ……って」

いざお披露目の段になって魔力切れで動けなくなってしまうのは困る。凄く、困る
本来ならイェリンにもテディベアではなく土人形の姿で会いたかったわけだが、
まあ出来なかったことはしょうがないとして、と前向きに考えを改める

「ふっふーん、出来るさ。なんせ天才だからね俺は!
 さすがに永久魔力炉心とかになると年単位の時間は欲しいけど、土人形一体賄うだけの魔力動力源ならすぐにどうにかしてみせらあ!」

ふはっはっは、と空元気気味の笑い声をあげて
しかしイェリンに抱きかかえられ、撫でられれば脱力して息を吐く
美人の抱っこは疲れた体に染みますなあ、と年寄りめいた口調で言ってみたり

「それ自体は良い事、なん、だけど……ううむ、個人的には善し悪し半々くらいなんだよな……
 はぅあ……俺ってば自分でチャンスを潰している?」

しまった、なんてこったい、でも性根はそう簡単に変えられない、と落ち込んでるんだかふざけてるんだか分からない事をぶつぶつと呟いて

「へえ、転移荒野。名前は聞いたことあるけど、そういうとこなんだ?
 じゃあ今度行ってみようっと。なるべく危なくない様な格好しといた方が良いよねえ」

危険な所と聞くし、と少しばかり身構えるテディベア
行くとすれば一人でだが、準備が必要だろうなあと考えたり

「おっ、イェリンさんでも寒いと感じますかぃ
 じゃあ風邪ひかない様に帰った方が良いね、そしたら俺も帰ろうっと」

ううん、とイェリンの腕の中で大きく伸びをするテディベア

イェリン > 「テディベア、愛情に育てられてレベル随分高そうだものね…
できる、と貴方が思ったなら、それはできる事なのよ、きっと」

根拠の無い自信は持たなさそうだから、何か糸口は掴んでいそうだなどと思いながら。

「折角だし、全力のサプライズにしなきゃよね。
が――応援してるわ」

頑張って、と言いかけて言葉を変える。
これだけの精巧な器を作るのに努力が無い訳が無いのだから。
それをさらに磨こうという彼に送るなら、それはエールであるべきだろう。

「無理だけは、しないでよね」

空元気を前に、言う。
テディベアをくれた子や、そのほかの人達の悲しむような事はしないだろうとタカを括りながらも、その不安定な存在を案じながら。

「腰を落ち着けられるくらい進んでから、ゆっくり休めば良いんじゃないかしら?
――そんなとこが、貴方の良い所よ」

スパルタ過ぎるかしら? などと言いながら、ぶつぶつ呟くテディベアを撫でる。
言ってから恥ずかしくなる。
相手がテディベアの姿で、本当に良かった。

「そ、そんな所。
自分で出向かなきゃ由来の物なんて分からないから仕方がないとは思うけれど、気を付けてね」

あぁ言った所での探し物は、一人の方が良いのだろう。
同行でもしようものなら自分の探し物まで混じってしまいそうだから。

「私だって寒いのが苦手じゃないだけで寒さはちゃんと感じるもの。
トーゴも休む時は温かくして、ね」

おやすみなさい、と手を振り公園を後にする。
テディベアに体温の概念があるのかは分からないが、溌剌とした優しい友人が健やかに眠れる事を祈りながら。

ご案内:「常世公園」からイェリンさんが去りました。
深見 透悟 > 「年月も重ねてるからなー、それに比べて俺は新米幽霊だし
 ちょっとレベリングしないとなー」

経験値稼がなきゃと、むんっ、て腕に力を籠める
ファイティングポーズの様な、なんか違うような、微妙なポーズ

「ふふ、サンキューイェリンさん!
 まあ俺の手に掛かればちょちょいのちょいよ!」

なんせ天才だからね!と今日何度目かの自信満々ポーズ
公言するだけの腕が実際あるからタチが悪い

「もっちろん!
 疲れたらこうして癒してくれる人も居るからね、問題なっし!」

本当に、自分は恵まれていると思う
元の世界と比べ、人間の暖かさは段違いだ、とも
やっぱりこの世界に転移させられて来て、よかったのだという思いは日増しに強くなるばかり

「それはそう。まあ、今はとにかく進むターンということでね!
 ……へぁ?あー、その、あざまーす」

言われた方も恥ずかしいぞこれ、と撫でられながら目を瞑る
心臓が凄い早鐘の様に鳴っている気がした。心臓無いので気のせいだが

「それじゃあ準備整えて行ってみるかなあ
 なんかあれば良いけど……最悪髪の毛の一本でもあれば……
 いや探すの絶対だるいな、見つけやすい物が良い」

要求のハードルが息をするごとに高くなっていっている
あとは戸籍謄本とか身分証とか見つかれば良いな、とか無茶苦茶言い出したり

「はいはーい、もちろん。お化けは病気も何にもないけど暖かいベッドで寝るさ!」

じゃーねー、とイェリンへと手を振り返して、去っていくのを見送る

深見 透悟 > 「ふむ、ふーむ
 やっぱ流石イェリンさんだわ、色々とヒントに出来そうな事を言って貰えた」

美人で聡明、羨ましいわあと勝手な事を言いながら思考をまとめはじめる
魔力動力源、土人形に搭載する核、転移荒野 特に大事そうな情報に丸を付けながら、思考は進み土人形Mk2の構想へと

「こうしちゃいられねえ、帰って何か図面に起こさないと!
 よっしゃあ、天っっっっっ才の頭脳の見せどころよ!」

帰るだけの魔力貯まった?と終始死体みたいだった土人形へと憑依を移して
ベンチから跳ね起きると、テディベアを抱えて猛ダッシュで公園を後にしたのだった

ご案内:「常世公園」から深見 透悟さんが去りました。