2021/12/08 のログ
ご案内:「常世公園」に火光雷鳥さんが現れました。
火光雷鳥 > 「なぁ、ヒメさんや…いい加減、俺の頭の上に乗ろうとするその癖は何とかなんねーの?」

そう、ぼやきながら頭上を軽く見上げれば、アレからそれなりに体も成長した飼い猫が暢気に「にゃあ」と鳴いた。
仔猫の頃ならまだしも、そろそろ俺の頚骨辺りが負担でマッハな状態なんですけども。

「くっそー、仔猫の頃からこんな調子なんだもんなぁ。まぁ可愛いけど俺の首の骨がイっちまうぞこれ。」

せめて肩の上とかに妥協してくんねぇ?と、頭上に話掛ければまた「にゃあ」…可愛いじゃねぇかちくしょう!

と、いう訳で今夜は久々に飼い猫連れての夜の散歩である。
まぁ、散歩といってもご近所さんを軽く巡って最後に公園に立ち寄って帰るコースなんだが。
冬場というのもあり、夜の公園は流石に人気も殆ど無くなっている。
「うー、寒…。」と、呟きながら真っ先に自販機で温かい飲み物を買おうとするのも仕方あるまい。

火光雷鳥 > ちなみに、自販機の前で飲み物を買おうとする時に自然と財布を取り出すのだが、その時に首や体を動かすので頚骨への負担が更にあかん。
…これ以上成長したら、俺の首の骨が確実にご臨終になるのでそろそろ夜の散歩も厳しいかもなぁ、と。
ちょっとそれに寂しさを覚えつつも、猫が無事に成長してくれるのは喜ばしい限りというもの。

と、ほんわか思いに耽っていたら、小銭を入れてボタンを押したはいいが――押したボタンの先はコーヒー、ではなく。

「……お、おしるコーラ?…冬季限定の新商品?…え?何か嫌な予感しかしねーんだけど。」

ガッコン!と、勢いよく取り出し口に落ちた音に取り敢えずその缶を手に取る。
うん、温かい…そりゃそうだ。問題はその商品名と肝心の中身である。

「…おかしいな、何度見てもおしるコーラ……これ、飲んでも大丈夫か?罰ゲームさせられる覚えねーんだけど。」

めっちゃ戸惑った顔でおしるコーラの缶を眺める。頭上の猫は我関せずまったりモードだ。

火光雷鳥 > 飲んでみるか?いや、明らかにおしるこの炭酸バージョンって感じで確実にハズレなんだが。
…これ、売れるのか?新商品だよな?と、疑念は尽きないが、意を決してプルタブを開けて中身をゴクリ。

「…………。」

沈黙。盛大に吐き出したりはしないし、マズいと悶絶して転げまわる事も無い。
数秒後、ハッ?と我に返ったように。どうやら意識が一瞬星の彼方に飛んでいたらしい。

無言で、取り敢えず中身は大分残っているけど、公園の隅っこまで歩いていけばそのまま缶をひっくり返して中身を捨てた。
勿体無い気持ちはあるが、これを全部飲むのはやばい気がする。多分完全に気絶するんじゃなかろうか?

「…す、凄い新商品だな…一瞬気絶とかするとは思わなかったぜ…。」

味?味なんて覚えてないわ!むしろ味を知覚する前に意識が一瞬飛んだわ!
頭上の猫がまた暢気に鳴いているが、正直それどころではない。何か口の中に得体の知れない味の名残が…。

火光雷鳥 > 懐から振動音。うん?と微妙に顔色が悪いまま携帯を取り出せばメール…バイト先からだ。

「…え?配達?今から?…いや、もう深夜になるじゃんよ!!」

と、文句を言うが急に欠勤が出たので短時間でいいからやってくれないか?との事。
ぐぬぬ、と少し葛藤した挙句、生活費を稼ぐ為にも仕方ないか、と。

「ちくしょー、おしるコーラといい、急なバイトといい、…あ、ヒメ動かないでマジで首が逝くから!!」

あと、俺の頭で踏み踏みしないで毛根というか皮膚がダメージやばいから!!
ともあれ、強制的に頭の上の飼い猫は腕の中へと移動。不満そうな飼い猫を宥めつつ。

「…臨時手当とか貰えっかなぁ。」

と、淡いが無謀な期待を抱きつつ一先ず自室に一度戻るのであった。

ご案内:「常世公園」から火光雷鳥さんが去りました。