2021/12/13 のログ
ご案内:「常世公園」に蘇芳 那由他さんが現れました。
■蘇芳 那由他 > 「――疲れたなぁ…。」
記憶を喪っていた自分が保護されて2週間が経過した。
相変わらず、その記憶が少しでも蘇る様子は無く白紙のまま。
今はそれよりも、この島での生活と学業に付いていくのがやっと、であるが。
今日はアルバイト探しも兼ねて街中を散策してみたが…見事に迷った。
ついでに、ちょっと人酔いもしてしまった…この島は思ったより広いんだなぁ、と実感する。
「…どうも僕は地理の把握が苦手みたいだし、何度か訪れないと多分覚えられないかも。」
ここ2週間で気付いた事だ。自分は、どうも地図で場所を把握したり現在地を掴むのが苦手だ。
お陰で、土地勘がそもそも欠片も無いこの島では迷子になりやすくて大変だ。
公園にふらり、と立ち寄ったのは寮に戻る前の小休止…歩き回って疲れたのもある。
ベンチの一つに腰を下ろしつつ、背負っていた竹刀袋は下ろして傍らへと置き。
何処か曖昧で茫洋とした目付きは、ぼんやりと公園内を見渡す…人気は勿論無い。
■蘇芳 那由他 > 「…授業も正直付いていけるか分からないし…この先、大丈夫かなぁ。」
記憶も経験も抜け落ちているものの、知識そのものは残っていたようで。
少なくとも、高校1年程度の学力はある…と、判断された訳だが…。
「…異能とか魔術とかの授業…全然付いていけないんだよな。」
何せ自分は、そんなものは一切持っていないのだから。
異能も魔術も、おそらく特別な力や資質なんて多分何一つ持っていない。
保護された後に検査も受けたが、一応過去には異能や魔術を扱えた痕跡はあったようだが。
「…それも記憶と同じで喪われていて、見事に空っぽ…か。」
記憶が戻れば、もしかしたらまたそれらを使えるようになる…かもしれない。
けれど、不思議とそこまで未練は無い。喪った記憶については多少気になる程度。
「……勉学に、アルバイトに、…あと、友達も出来るといいんだけどね。」
溜息を緩やかに零す、時期外れの編入生扱い。どうしても既に交友関係の成り立った所に後入りはし難いもの。