2022/02/13 のログ
ご案内:「常世公園」に追影切人さんが現れました。
追影切人 > 『おい追影、そっちは明日のバレンタインデーにチョコ貰う宛てとかあんのか?』
『いや、コイツ興味なそうだし強面だし、そもそも女の子の知り合いとか居るの?』
『むしろ、今度合コン付き合えよお前。…あ、やっぱいいや。女の子が引きそうだし…。』

などと、警備部の仕事の合間や休憩時間中、同僚から散々好き勝手言われたのがイラつく。
常世公園のベンチの一つのど真ん中に堂々と座り込んで占拠しつつ、露骨に不機嫌そうな目付き…元々目付き悪いが。

「どいつもこいつも、バレンタインだチョコだの…はしゃぐのはいいが、俺に振ってくんなっつーの…うぜぇ。」

口の端に咥えた煙草を上下に忙しなく動かしているのは、微妙な苛立ちの表れかもしれない。
そもそも、バレンタインで浮かれる理由というのがこの男にはサッパリ理解出来ない。

(まぁ、チョコは食ってみてーけど…いや、ドーナツの方が美味い気がすんな)

男の中では、初めて食べた甘い物であるドーナツのインパクトが強いのだ。

追影切人 > そもそも、甘い物なんて殆ど食べた事が無かったし興味が無かった。
最初の頃なんて、食事そのものに関心が無かったレベルだ。食えればまぁいい、という感じ。
その頃に比べたら、まぁ色々とマシにはなったと思うけれども。

「…ったく、浮かれた空気はどうも苦手だぜ。」

それを悪いだとか気に食わない、などと言うつもりは無い。
単純に己が苦手、というか性に合わないだけだ。
これが斬り合いとかなら、まぁ浮かれた気分になるのも理解出来るのだが。
――そういう”ズレ”もあってか、この手のイベントはちょいと馴染めないでいる。

「…まぁ、バレンタイン過ぎりゃ落ち着くだろ…。」

確か、去年とか一昨年もそんな空気だったのは記憶にぼんやりとある。
バレンタインの文化は島の外でもあるらしいが、そもそもその由来すら知らない。

「…つか、そもそも確かホワイトデー?ってので礼をしなきゃならんと聞いたしな。
…そういうセンス皆無な俺にゃ地獄でしかねーわ…。」

プレゼントのセンスとかそういうものは、生まれる前にもう置いてきた。

追影切人 > 「あ~あ…さっさと義手見つけてまたあんな斬り合いがしてぇなぁ。」

物騒なぼやきが寒空に木霊する。結局、男の欲求は最後にはそこに帰結する。
ただの危ない奴だが、男からすればそれが自然な欲求だ。疑問も何も無い。

平和から程遠いのは理解しているし、一般的なお祭り騒ぎに馴染めないのも然り。
溶け込もうとしても、必ず”浮いて”しまう空気がどうしても付き纏う。

「…あ、そういやチョコフレーバー的な煙草もあったな…試しに今度吸ってみっか。」

基本的にメンソールやフレーバー系の煙草はどうにも苦手で避けているのだが。
まぁ、お試し程度に吸ってみるのもいいかもしれない。
煙草が短くなって来たので、懐から携帯灰皿を取り出して吸殻を捻じ込みつつ。

「…年月経っても、完全には馴染み切れねぇもんだな。」

それに、一抹の寂しさを覚えてふと苦笑い。あぁあぁ、ガラでもねぇ。

追影切人 > まぁ、一服したしここで燻っていてもしょうがない。
明日が特にあちこち浮かれて大変そうだが、それはそれ。

「…あ~…帰るか。」

ベンチから気だるそうに立ち上がれば、ゆっくりとした足取りで公園を後にしようか。

ご案内:「常世公園」から追影切人さんが去りました。