2022/02/16 のログ
■八坂 良彦 > 「ないんかいっ!」
まぁ、それが楽しいっていうならとめはしねぇけど」
空中裏手突っ込みをしつつ、止めないと言いながら笑い。
「最近は、修行中に端末でリスニング、とか聞くようにしたんだけどなぁ。
耳に張っても頭に残るかってのは別だよな。
そうそう、無理なのは無理」
少女の言葉にうなずいて、無理なのはその通りと。
「金取るのはなぁ信用度がたかいなら、だな。
吹っ掛けて外れてたら、とっちめるだけだな。
風紀でこの身長だとめだつよなぁ、逆に」
自虐的に少女よりだいぶ低い身長を上げて。
「あ、園刃しらないんだっけ、俺料理全般、特に菓子作り趣味なんだよ。
だから、それ知った相手に作るのてつだえ、ってなぁ」
チョコの臭いは嗅ぎ飽きたよ、とため息。
「チョコチップのクッキーもマフィンも好きだぞ、今は食いたくないけど。
チョコはエネルギー効率もいいから、疲れた時とかに、良いし」
小腹あがすいた時のおやつにはちょうどいいな、と。
■園刃華霧 >
「ま、アタシならトモダチ価格で……なンてな。
別に金に困っチゃいナいし、アコギなこトはシないけド。」
からからと冗談を重ねる。
「身長? アー……気にシてる系?
筋肉つくト伸びナい、とカは聞くケどネー。
ま、デカきゃイーってモンでモ、小さキゃいーッテもンでもナいしムツカシイねェ」
じっと上から下まで眺めてみる。
たしかに、10cmくらいは小さいだろうか
「あー、流行りのスイーツ男子、とかユーやつ?
そーダったンだ。ヤ、トレーニングマンってイメージはアったケどさ。
意外ッテわけデもナいけど。ほーン、なるホどなー」
そして、しばし考えて
「いヤしかシ、男子に頼ムってノどーナんだ?
一応女子系のオマツリじゃナなかッタっけカ。
……ま、いーの、カ……?」
正直、お祭り事は嫌いではないが誰かに何かをあげる系のオマツリは専門外。
割とオノボリさんなところは多いので曖昧な発言になってしまう。
「ン、じゃチョコはナしでイくカ。
ほいホい、っと」
どこからともなく、シュークリームやらクリームどらやきやら、クリーム押しのお菓子を取り出す。
■八坂 良彦 > 「食い物でよければ、現物支給するぞ。
俺も金は委員会活動でそこそこあるけどなぁ」
料理で避ければ見繕うぞと、微笑。
「結構なあ、だって学園で合う女生徒が大抵自分より大きいんだぞ。
筋肉はかなりついてるなぁ、あと家系の問題もある。
普通が一番かねぇ、でかすぎると服とか建物とか大変そう」
普段から体を鍛えているんで、服の下はかなりしっかりとした体形。
普通にしてても少し上目使いになる身長差で。
「自分が食いたいから作ってるのはある、自作すると安く済むし。
鍛錬は、ライフワークな部分あるしなぁ」
「チョコの湯煎とか知らない人間が結構いるんだよ、そう言う人に限ってちゃんと調べないし。
作るの手伝わすのはありなんだろ多分、本人が手伝えばそれで手作りとはいえるし」
というか、試験直後がバレンタインだったので、試験終わった後延々と鉄だされていたのも疲れの原因だったりする。
「あぁ、チョコ以外だと…園刃もそれ、どっからもってくんだ?」
出て来る菓子をみて、苦笑する。
水筒から蓋と付いている小さなコップにホットココアを注いで、コップ側を少女に差し出す。
「ほい、んじゃ期末終わりを祝って、な」
■園刃華霧 >
「食いもんくらイが健全ナ範囲だローね。
ま、そン時がアレばヨロ。」
ヘラヘラと笑って手をふる。
本気なのか冗談なのか……
「確かにナー。ライフワークって言ウだケあって、ゴっついよネー?
やッパ、高タンパク飯―、とかヤったリすンの?」
鍛錬ときて、自作料理とくれば……そういうコダワリもあったりするのだろうか。
別に実践したいとか、そんなことはカケラもないが。
なにか知らなそうなことをもしやっていれば、それだけで興味深い
「アー……案外、ソんなモンよナ。
ロクに調べナいで突撃シて、自爆スんの。
菓子づクりとか、街の調査とカ、テスト対策トか。」
最後はややからかうようにして口にして、けらけらと笑う
「ひひひ……乙女の秘密ッテな?
ま、悪いモンじゃナし。食ってモヘーキだよ。」
乙女、とは欠片もいい難い笑いを浮かべて、しゃあしゃあと言い放つ。
「おウ、厄介な行事が一応、無事終わッタことヲ祝って!
……カンパイ、でイいんカな?」
ほい、と受け取ったコップを突き出す
■八坂 良彦 > 「あいよー、そん時はよろしくな」
此方も手をひらひら振って。
「まぁ見せるわけにいかないからあれだけど、脱ぐと凄いんです、的なな、な。
鶏肉はおおいな、プロテインまでは飲んでないけど」
あとはバランスのいい食事は心がける程度だな、と笑って。
「そうそう、テスト対策とかなぁ…今回はマジでそうだから反論出来ねぇ」
ははは、と乾いた笑いを浮かべて、頭をかいて。
「ま、そう言う事ならありがたくいただきます、っと」
出てきた菓子を持って、口へ運んで。
「そんんかんじで、いいんじゃないか、面倒な試験終わって目出度い。
ということでかんぱい、っと」
すっと蓋を掲げて、中身を飲む。
その後、二人でどれくらい食べたのか、見ていた人がいたら驚いた位だろうとは思われる………。
■園刃華霧 > 「ンじゃ、カンパイ!」
ごくり、とコップの中を飲み……
それからはお菓子に舌鼓をうつ。
本人がどこからともなく取り出したお菓子と、もともとあったお菓子。
どちらかと言えば小柄な二人が食べた量は……とりあえず余人が見れば引くくらいの量ではあったようだ
ご案内:「常世公園」から八坂 良彦さんが去りました。
ご案内:「常世公園」から園刃華霧さんが去りました。
ご案内:「常世公園」に神樹椎苗さんが現れました。
■神樹椎苗 >
――不死者。
『アンデッド』と呼ばれる彼らは、その名の通り、死ぬ事が無いとされる。
古代からその存在は伝承に残され、神代の時代から現代にいたるまで、語り継がれている。
それらは様々な名前で、この超常の現代に現れた。
吸血鬼、リビングデッド、ゴースト――単に『不死者』と呼ぶ場合、こうした死を超越した存在たちの総称であることが多い。
もちろん、この『不死者』という呼称は、単に『死なない』という能力を指す事もある。
なぜなら、現代では、そう言った『不老不死』『不死身』などの能力者も少なくはないのだ。
さて。
そう言った『不死者』たちは、人間にとって脅威になるか。
答えはイエスである。
死なないというだけで、死から逃れられない人間にとっては、恐怖の対象となり、また、羨望と嫉妬の的になる。
だからこそ、世界中で『不死者狩り』が行われ、不死の仕組みを解明しようと研究や実験が繰り返されているのだ。
理由は簡単――誰もが望むのだ。
死から逃れる事を。
■神樹椎苗 >
公安委員会から情報が降りて来たのが、つい先刻。
常世島内に、何者かが密入島したという。
現在は、公安委員の追跡から逃れて、学生街の中に紛れたという。
公安の追跡から逃れるという事は、高度な隠密能力や、姿を変化させる能力があると考えられる。
そして、この情報が、椎苗の『恋人』に伝えられようとしていた事から、おのずとその正体は予測できた。
なぜなら、『彼』は『不死殺し』が出来る人間だからだ。
「――随分と、すばしっこいもんですね」
夜の街中を抜けて、椎苗は公園に滑り込む。
目の前には、優雅に佇む細長い男の姿。
長身から椎苗を見下ろす目は、赤く爛々と輝いている。
「いい加減、逃げ回らねーで欲しいんですが。
何も取って食おうなんて思ってねーですし、お前が大人しく、入島手続きをして学園の管理下に入れば、揉め事も起こらず綺麗に解決するんですよ」
簡単な話だ。
密入島とは言ったが、その後でも手間はかかるが手続きは出来る。
そうして正規の手続きを踏んで、島内で暮らす許可さえ得れば、追い回す必要も、追い回される必要もなくなるのである。
たとえそれが、外で大量殺戮を繰り返した極悪人であろうと、学園の規則を守り学園の監視下に置かれれば、それはこの島では単なる一学生として扱われるのだ。
■神樹椎苗 >
だから、面倒を嫌う椎苗としては、さっさと頷いて手続きをしてほしい所である。
しかし、目の前の男は、椎苗がどれだけ追いかけて、勧告しようとお構いなし。
ただ、ようやく逃げられないと考えたのか、足を止めてはくれたが。
「別に難しい事じゃねーでしょう?
ただ幾つか、面倒な書類にサインを書けばいいんです。
お互い、いい加減に鬼ごっこも飽きたでしょう」
椎苗は、相手が見えなくなろうと、姿を変えようと、そのほとんどを看破できる。
そういう能力を持っているため、男がどれだけ逃げようと追いかけられてしまうのだ。
男は、あごに手を当てて、考える素振りを見せる。
『ふむ――確かに、君のような小娘に追い回されるのも飽きたな』
男はとても退屈そうに呟く。
椎苗としても、こんなひょろ長い男を追いかけるのは、まったく趣味ではないのである。
「やれやれ、ようやくですか――」
そう、息を吐こうとしたとき。
目の前の男は、暗闇に解けるように姿を消した。
――霧状化。
非常に高度な身体変化の能力である。
そして、この能力を当たり前のように扱いこなすからこそ、公安の追跡を逃れていたのだ。
「――はぁ、またですか」
椎苗は呆れたようにつぶやき、今度はどこへ逃げたのかと演算――
『――君が死ねば解決だ』
背後に圧力の有る気配が集まる。
そして――胸腹部に鈍い衝撃。
「あ――」
――見下ろす。
椎苗の小さな体から、腕が飛び出している。
その手に握られているのは、まだ鮮血を吐き出している――心臓。
――強力無比な不死者として、古くから君臨する者がいる。
それを人間は『吸血鬼』と呼び恐れた。
その中でも余りに強力な力を持つ存在――この男は、高位吸血鬼だった。
ご案内:「常世公園」にイェリンさんが現れました。
■イェリン >
――こっちかしら。
悲鳴とすら言えない、短い音が聞こえた。
月明かりの下の少しだけ遅い帰り道の道中、表通りから木々に隔てられた公園に向けて駆け出す。
音だけでは気のせいで済ませてしまったかもしれないけれど、"匂い"がした。
何度か対峙した夜の者。
長くも無い緑の帳を抜けると視界に少女と、それを貫く男の姿が見えた。
状況は分からない、ただ見たままの光景が自分を突き動かすには十分すぎた。
「略式符術〈インフレーマ〉ッ!」
ポケットの中の羊皮紙を一枚空に投げる。刻まれた意味は〈太陽〉。
それだけでどうこうなる相手で無い事は肌で感じる圧が伝えてきていた。
衣服の"黒"から槍を取り出し、ブーツの靴底に仕込んだルーンで加速して男目掛けて風のように突貫した。
■高位吸血鬼 >
男は椎苗の心臓を掴むと、造作もなく腕を引き抜いた。
鮮血が滴る心臓を噛み千切る。
途端に味覚を満たすのは、芳醇な純潔の味。
「ああ、これは殺してしまうのは、惜しかったか――」
吶喊してくる槍を構えた女には毛ほども気を払わない。
なぜなら――
突き出された槍は、何の手ごたえも残さず、男の身体を通り抜ける。
そして、男はそのまま再び霧と変わって――女の背後に回り、首を掴み締めあげようとするだろう。
■神樹椎苗 >
椎苗の身体は、男が腕を引き抜くと同時に崩れ落ちる。
微かな呼吸の音も漏らさない。
その場に転がったのは、まごうことなき――死体だった。
■イェリン >
突き出した穂先にブレは無く、確実に心臓を食むその喉笛を刺し貫いた――はずだった。
「……効いていない?」
どころかまるで手応えが無い。霞に向けて槍を突き出したかのような感覚。
そんな違和感に気を向ける間も無く男の姿が霧へと変わり、周囲が余裕に満ちた殺気に包まれる。
それが収束した頃には再び現れた男の手が己が首へと伸ばされていた。
「――私は今、怒っているわ」
故郷の酒場に居た日本人から教わったちょっとおかしな日本語を口にする。
ようするに、手加減の類を期待しないでという意味だ。
突き出したままの姿勢、振り返る事すら無く新たに二本の穂先が己の背から飛び出した。
"黒"から取り出す己が武器、肋骨から作られたそれは一本だけでは無い。
自在に霧へと姿を変える男にその奇襲が刺さるかは未知数だが、急場をしのぐ事はできるだろう。
ただ、視界に映る足元に転がされたままの心臓を喪った少女に誓う。
――コレは、滅するわ。
■高位吸血鬼 >
背中から飛び出した穂先に驚かされ、手を引くことになる。
しかし、その槍はやはり男の身体を傷つける事はなかった。
「ふぅむ――君の血も、なかなか美味そうだな」
ゆらりと半ば霧状の身体を揺らしながら、女から数歩離れる。
口元に付着していた椎苗の血を舌で舐めとり、女を足先から頭までなめるように眺めた。
「――そこの少女はうっかり殺してしまって、勿体ない事をしてしまったからな。
君は動けなくしてから、ゆっくりと味わうとさせてもらおうか」
そう言いながら、男は両腕を広げる。
しかし――その男の右腕は、突如奔った赤い閃きと共に、肘から先が無くなっていた。
「――は?」
呆然とした声――それもそうだろう。
男の身体は傷つくはずがない――いや、傷ついたとしても、あっという間に再生するはずなのだ。
なのに――
■神樹椎苗 >
「――相手を間違えてるんじゃねーですよ」
その声は確かに死んだはずの椎苗の声。
目の前に倒れている死体と、寸分違わない姿の椎苗は、血のように紅く輝く剣を持って、男と女の間に滑り込んだ。
「公務執行妨害に、学生への暴力行為。
ついでに殺人未遂となれば――どうなっても文句は言われねーですね」
男の左腕は、軽い音を立てて地面に転がる。
しかし――その腕は再生する事もなく、灰に変わった。
■イェリン >
呆然としたのは男だけでは無く。
驚いて己の足元を見るがやはり死体はそこにある。
ドッペルゲンガー? ホムンクルス? 疑念は絶えず。
ただ、不死を殺すその御業には見覚えがあった。
「……双子だったりするのかしら」
声を出す頃には背から飛び出した槍は虚空に掻き消えて。
槍を持たない空いた手で新たに羊皮紙を一枚取り出して少女の武器に翳す。
複写〈ディーリェ〉……成功、転写〈イェーリャ〉……失敗。
死なない者を死なせるその武器は、己と相性があまり良くないらしい。
死んだ少女、新たに表れた瓜二つの姿。そして腕を灰へと化した吸血鬼。
疑問は尽きないが――
「――逃がさない方が先決ね」
ブーツの爪先で地面を叩いて仕込んだハガルのルーンを起動する。
巻き起こすのは嵐風。
何も無いはずの公園で"己の足跡に向けて"土埃を巻き込みながら風が舞う。
それは丁度、己から離れた男の足元にあった。
巻き上げられた砂塵が腕を絶たれたその輪郭を砂の薄い皮膜で覆う。
経験則による手段にはなるけれど、こうして固めてしまえば霧にはなれまい。
■高位吸血鬼 >
男の腕は再生する事はない。
そして、傷口を、その体を、纏わりつくように覆う砂に残った腕を振り回した。
「わ、ワタシの腕がぁ!?
きさ、きさま、なにを――くそっ、なんだこの砂は!」
異物がまとわりつき、さらに腕を失った動揺で霧になる事が出来ないようだった。
霧に変わる力は、強力であるが高度な制御が必要なのだ。
動揺している今の男には、繊細な制御は出来ない。
■神樹椎苗 >
「ただ、片腕が無くなっただけじゃねーですか。
うるせー吸血鬼ですね」
対して椎苗は、ため息を一つ溢すだけ。
左手で引きずる様に持つ紅い大剣は、椎苗の身の丈ほどもある刀身を月明かりに湿らせている。
「死なないのは、お前だけの特権じゃねえ、って事ですよ」
そして砂の嵐に藻掻く男へ、大剣を放り投げた。
その刃は重さを感じさせないように軽々と宙を舞い、男が言葉を発する間もなく、その上半身を頭から二つに切り裂くのだった。
「――はあ。
悪かったですね、そこのお前。
お前のルーンのおかげで、少しばかり手間が省けましたよ」
そう、槍を持つ女に振り返った。
■イェリン >
その身を脳天から両断され、灰へと姿を変える吸血鬼。
それはあまりにも呆気なく、死ねば死ぬ人と変わり無くその生を終えた。
死体すら残せない辺り、高位の吸血鬼と言えどその存在の虚しさを感じさせた。
「お前じゃないわ。イェリンよ」
足元の死体の事を聞こうと思ったのに素っ気なく告げられた礼に対して返す。
……大事な事だったのでつい。
綺麗とは言えない少女の言葉遣いに自分に日本語を教えた者が少しばかり被る。
「それで? これは貴女なの? "貴方"に怪我は無いのかしら」
意味の分からない質問をしている自覚はあった。
しかしながら実際に意味の分からない物を目の当たりにしているのだから仕方がないのかも知れない。
『死なないのは、お前だけの特権じゃねえ』そういう辺り、彼女自身も"不死"の存在なのだろうか。